小林和雄先生の講話から学んだこと

小林和雄先生の講話から学んだこと
小林先生の講話は期待どおりに圧巻だった。講話の形態がいい。一方的でなく、インター
ラクティブであり、はじめに簡単な解説、次に授業ビデオ視聴、グループになっての授業検
討、全体での共有、そして質問・・・、まとめ、という具合に展開していった。次から次へ
と広がっていく質問、学ぶということはこういうものだという体験を改めて味わえた。休憩
時間なし、3時間があっという間に過ぎて行った。
小林先生から学んだことは沢山ある、2つあげよう。1つは、今日の学び・学び合いの実
践に欠けているものは、学び合いの3要素、「活動的、協同的、反省的」のうちの「反省的
学び」をもっともっと重視しなければならないということである。1時間の授業の振り返り
を必ず位置づける。時間が無くなってしまったではなく、ここに時間がとれるよう工夫して
いくこと、ここをもっと大事にしないと、
「深い学び」
「真の学び」にならない、学力もつか
ないし、点数も上がらない、ということである。授業の振り返りで、自分にとって今日の授
業は何であったか、自分の分からなさがどう解消されたか、自分がもともと考えていたこと
は、この授業でどう変わったのだろうか、自分は高まったのか、自分なりに認識をする、書
くことによって。教師にとってはそれを見ることによって、自分の授業を振り返り次へ生か
すことができる。
もう1つは、
「徹底してやる」
、
「梵字徹底」である。先生は講話の最初に、
「教育と言うの
はちょっとした違いが、大きな違いを生む。教師の心の居場所を変えたり、子どもとの関わ
り方を変えたりとか、それを毎日徹底して継続していると、1年間経つと全く違うクラスに
なる」と語った。講話の最後には「3つの学びを満たす授業を全員に保障するように毎日続
けていくという実践を続けていく、教師にとってこれは大きなジャンプかもしれない」と語
った。そう、まさにその通りである。学びの共同体の実践の中には子どもを変えていく、教
育を変えていくという文化遺産が山ほどある。それを日常化することである。私たち教師は、
10年ごとに変わる指導要領のもと、その時々に変わるキーワード、生きる力とか言語活動
の重視とか、今度はアクティブラーニングだとか、そういう言葉に躍らせられ、結局は定着
しないまま右にぶれたり左にぶれたりして、「徹底してやる」ということをしてこなかった
のではないか。
ある中小企業経営者が「あなたの会社の発展要因は何か」という問いに対して「当た
り前のことを徹底して実践してきたこと」と答えていた。又、「他の人には真似できな
いほど徹底的に実践する」とも答えていた。一時的、一過性の取組みなら誰でも実践で
きる、それをやり続けるということになるとそれなりの覚悟と努力が必要とされる、そ
うした実践が今改めて求められていると、大いに反省させられた次第である。
茨城・学びの会の活動も9年目に入る。その前の3年間を入れると12年目である。毎年
4月例会はやはりウキウキする。どんな内容になるだろうか、どんなメンバーが参加してく
れるだろうか等々。
この日、私は2つのうれしさに出会うことができた。一つは、小林先生から豊かに学べた
たといううれしさである。もう一つは、久しぶりに多くの参加者を迎えての月例会に、初め
ての参加者も多く25名という最近にはない現象が生まれたうれしさである。小林先生の
お陰です。有難うございました。
岩本泰則