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百科事典・図鑑を使おう
2 索引の役割と使い方を知る
①「索引」についての説明を聞く
漢字で書いて説明するとよい。「索」は綱。「引」は引っぱる,手繰ること。つまり,索引と
目次と索引の使い方の指導
事典・辞典・図鑑は,参考図書の基本である。国語辞典の使い方を前もって学習しておくこ
とが望ましいが,たとえその前であっても,図鑑という本のつくりを案内しながら,目次や索
引の使い方について説明しておく。特に,索引を使うことは資料探しの大きな鍵となるので,
繰り返し指導しておきたい。
以下に3年生以上を対象にした目次と索引の使い方の指導事例を紹介する。
は,知りたいことの手がかりを引っぱってくること。綱は 1 本とは限らない。
②索引のプリントから,
「もんしろちょう」の言葉を見つける
もんしろちょうの言葉を探して,
「もんしろちょう…6,20,161,164,166,168,176」に色
百
科
事
典
・
図
鑑
を
使
お
う
鉛筆で印を付ける。語句が 50 音順に並んでいることに気づく。
③実際のページをみんなで確認する
子どもが索引のもんしろちょうに続く数字を読み上げ,教師は数字の書体に注意して板書す
る。そのうえで,実際に『昆虫の図鑑』のそれぞれの数字のページを開いて提示し,もんしろ
ちょうが載っているか確認していく。それぞれのページにどんな内容が載っているのか簡単に
紹介する。
■ 本から情報を見つける名人になろう P6 :四季の昆虫 春……もんしろちょうは,春に見られるちょうである。
○場所 学校図書館 ○時数 1 ∼ 2
○用意するもの
P 20 :しろちょう科……もんしろちょうの仲間やもんしろちょうの羽の模様,卵や幼虫,さなぎの形態
や餌など,もんしろちょうの全体が分かる。
P 161 :生活のようす 卵……もんしろちょうの卵の形と模様が分かる。
・図鑑 1 冊 (例)
『昆虫の図鑑』小学館
P164 :食物のとりかた 食べものの害虫……もんしろちょうの幼虫はキャベツを食べるので「害虫」
・『昆虫の図鑑』の目次ページ(P2 ・ 3)を印刷したものを人数分
というとらえ方もできる。
・『昆虫の図鑑』の索引より,索引の冒頭ページ(P198)と「もんしろちょう」が載っている
ページ(P206)を印刷したものを人数分
P 166 :生活のしかた……もんしろちょうの朝,昼,夜の様子がわかる。
P 168 :さがしかた……もんしろちょうのさなぎは垣根を探すと見つかる。
P 176 :記録のポイント……もんしろちょうを例に昆虫観察の記録のポイントを説明している。
(同じ図鑑を 3 ・ 4 人のグループに 1 冊程度ずつ用意できれば,実際に子どもがページを開きな
がら進められる。ここでは,用意できない場合を考え,教師が提示する本をみんなで確認す
る形式にしている)
すべてのページを確認して,数字の書体の違いの意味に気づく。『昆虫の図鑑』の場合,直立
数字のページは色刷り,斜体数字のページは 2 色刷りになっている。索引の冒頭ページのプリン
トを見て,数字の書体についての注意書きがあることを確認する。
1 目次の役割と使い方を知る
①「目次」についての説明を聞く
「目次」とは,本の内容の見出し書きのこと。その本の中にどのようなことが書かれているの
かを案内している。
②目次のプリントを見て,目次の役割を知る
「ちょう・がのなかま」「かぶとむしのなかま」のように,昆虫が仲間ごとに載っていること
詳しく説明しているページを太字で示しているものもあることも説明しておく。
④索引の使い方を理解する
索引は本に出てくるものの名前や語句が 50 音順に掲載されており,それが本のどのページに
載っているのかがすぐに分かる。
百科事典など,複数冊にわたる事典や図鑑の総索引巻を紹介する。
3 目次と索引を比べて,どんなときに使うとよいか考える
が分かる。目次を見ることで,本の大体の内容や構成が分かることを理解する。
調べたいことがあいまいなときには,まず目次を見る。
③目次のプリントから,
「もんしろちょう」が何ページに載っているか見つける
調べたいことの名前や語句が分かっているときには索引を見る。
もんしろちょうは何の仲間かを考え,
「ちょう・がのなかま……(10)
」に色鉛筆で印を付ける。
④実際のページをみんなで確認する
教師が『昆虫の図鑑』の P10 を開いて提示する。もんしろちょうは P10 には載っていない。も
んしろちょうを探しながら順にページをめくると,P20 にもんしろちょうが載っていることを見
4 実際の本の索引を使って,索引に慣れる
①書架から索引が付いている図鑑を選び,索引を引く
索引を見て興味を引かれた言葉の載っているページを開き,だいじだと思うところをノート
つけられる。目次からは,必ずしも載っているページそのものがすぐに分かるわけではないこ
に書き写す。
とに気づく。
②グループ内で発表する
どんなことを索引で調べられたか紹介し合う。
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年鑑を使おう
そろえておきたい参考図書
児童書だけでは調べる活動に対応しきれない。教材研究や子どもたちの調べる活動をサポートするため,
学校図書館には基本的参考図書群をそろえておきたい。
0類
2類
『現代用語の基礎知識』
『日本歴史館』小学館
自由国民社
時代を歴史全体の流れから見
現代社会の新語・流行語・専門 る。
語・基礎語を網羅した用語事
典。
『日本列島大地図館』小学館
『世界全地図』講談社
詳細な大判地図帳。
3類
『データブック オブ・ザ・ワ 『日本国憲法』童話屋
ールド』二宮書店
全独立国・地域の自然,人口, 『やさしいことばで日本国憲
産業,政治,文化など,あらゆ 法』池田香代子訳 マガジンハウス
る分野の最新統計資料。
憲法全文を一人一人が手に取
って読めるように。
『日本国勢図会』
矢野恒太記念会編集・発行
『世界国勢図会』
矢野恒太記念会編集・発行
4類
5類
『理科年表』国立天文台編 丸善
『宇宙年鑑』アストロアーツ
科学全般の基本データ。気象や 宇宙開発・科学探査の最新情
自然災害などの最新データ。 報。
『環境白書』環境省編 ぎょうせい
さまざまな環境問題の現状を
示すデータや語句の解説。
農業から軍備まで,社会・経済
情勢を表とグラフで解説。
8類
『広辞苑』
新村出編
岩波書店
『新漢和辞典』
諸橋轍次ほか著
大修館書店
『フェイバリット英和辞典』
浅野博ほか編 東京書籍
『フェイバリット和英辞典』
浅野博ほか編 東京書籍
『語源海』
杉本つとむ著
東京書籍
辞典類も児童用だけでなく一般用のものを数種類ずつそろえる。
○「食」に関する参考図書を充実させよう(5類)
「食」をキーワードに,さまざまな今日的課題にせまることができる。身近な食生活を調べる学習へつ
なぐために。
『食生活データブック』
『食材図典』小学館
食生活情報サービスセンター編
農林統計協会
朝食に関する調査など,食生活 多様な食材・食品を調べる。
のデータ集。
○地域学習のために郷土資料を集めよう
『ぎょうとく昔語り』
『市川市の環境』
行徳昔話の会
市川市環境清掃部環境 政策課編集・発行
地方出版社や自費出版のもの 自治体の行政刊行物。
を見落とさないように。
『食品成分表』
女子栄養大学出版部
栄養学習の基本。
『広報いちかわ』市川市
『こちら119』市川市消防局
広報・博物館便り・消防署便り・
警察便り・公民館便りなどの定
期刊行物を集めて整理したい。