淡海スタイル - 滋賀県公立小中学校事務研究協議会

滋賀県版学校事務のグランドデザイン
お
う
み
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創造しよう!教育を活かす学校事務を
~未来を拓く子どもたちのために~
お
大きく豊かな琵琶湖のように
う
美しい湖国
み
滋賀県で
びわなちゃん と びわっぴ
未来を拓く子どもたちを支援する学校事務
平成 28 年 4 月
滋賀県公立小中学校事務研究協議会
滋賀県版学校事務のグランドデザイン
母なる湖「琵琶湖」・・・長い歴史のなかで、人と水と自然の共生が受け継がれてき
ました。琵琶湖のように豊かな恵みをもたらし、近江商人の「三方よしの精神」を持っ
て、滋賀の子どもたちの育ちを支援する学校事務をめざします。
淡海とは・
・
・
琵琶湖は四百万年の歴
史を持つ世界的にも有名
な淡水の古代湖です。
いにしえから滋 賀 の人
び と は琵 琶 湖 と 共 に 生
き、豊 かな自 然 の恵 みを
受 けてき ました。長 い暮
らしのなかで、琵琶湖のこ
とを「あわうみ」「おうみ」
と呼 んで親 しんできまし
た。
びわなちゃん
滋賀の子どもを
応援しています
と
びわっぴ
目
次
1
はじめに
1
2
淡海スタイル全体構成図
2
3
求められる学校事務像と求められる事務職員像
3
4
重点事項
5
5
具体的実行策
6
6
求められる事務職員の役割と研修体系
13
7
「淡海スタイル」の実現にむけた取り組み
18
8
資料編
21
(1) 市町立小中学校事務職員の標準的職務内容(通知)
(2) 滋賀県版「学校事務の共同実施」より理解するためのグランドデザイン
(3) 用語集(『淡海スタイル』を共通理解するための用語説明)
21
23
25
1 はじめに
(1)学校事務グランドデザイン策定の背景
滋賀県公立小中学校事務研究協議会(以下、滋事研という)では、発足以来
「関係機関との提携を密にして学校事務の研究、会員相互の親睦と緊密な連携、
資質の向上と学校教育行政推進の円滑を図ること」を目的に、研究活動を重ねて
きました。
昭和 59 年度には中長期研究推進・研修計画検討委員会を、平成 6 年度には滋事
研中長期研究研修計画検討委員会を設置し、滋事研活動の方向性や事務職員研修
のあり方について検討してきました。その後、平成 14 年度には第 3 次滋事研活動
中期計画を策定し、当時の社会情勢や教育現場の状況から将来的な学校事務や事
務職員のあるべき姿をめざした活動を進めてきました。
近年の学校を取り巻く状況は、学力の向上、特別支援教育の充実、生徒指導上
の諸問題、地域との連携など様々な教育課題を抱えています。これらを解決して
いくためには、「チームとしての学校」体制を構築することが求められています。
これからの学校が、地域と関わりながら自主性・自律性に基づく特色ある学校づ
くりを推進していくには、多様な職種のスタッフが専門性を十分に発揮し、学校
の総合力、教育力を高めていくことが重要です。
事務職員も学校マネジメントを担う職として事務機能の強化を図り、その役割
を拡大していく必要があると考えます。
(2)滋賀県の学校事務・事務職員の現状と課題
平成27年9月に滋賀県教育委員会より「市町立小中学校事務職員の標準的職
務内容について」の通知が出されました。この通知は、事務職員の能力を積極的
に活用し、学校運営への積極的な参画を促すことをねらいとしていますが、その
趣旨に見合った役割や職責を果たすための力量が求められます。
事務職員の研修制度は、一般の行政職員の研修に比べて充実しているとは言い
難い状況です。そのため、「事務研究会」が自らの資質向上のために研鑚しあい、
職務遂行に必要な研修を実施してきました。事務職員としての専門性を高めるた
めに経験・職能に応じた研修の充実が望まれます。
学校事務の共同実施(以下、共同実施という)(* )は、滋事研が作成した
「滋賀県版 学校事務の共同実施 ~より理解するためのグランドデザイン
~ 」リーフレットの活用等を通して全県的な広がりをみせてはいますが、地域
によって温度差が生じているのも事実です。
全国的な課題となっている学校事務職員の世代交代も、滋賀県においては他府
県に比べて緩やかですが、次代を担うリーダーの育成が必要です。
学校事務グランドデザイン
事務職員としてこれからの学校教育に貢献するために、求められる学校事務像・
事務職員像を具体的に表し、滋事研活動の上位計画として、専門部や事務局の個別
計画の策定や活動を推進していく際の指針となる「滋賀県版学校事務のグランドデ
ザイン」を策定します。
1
2 「淡海スタイル」全体構成図
基本理念
創造しよう!教育を活かす学校事務を
~ 未来を拓く子どもたちのために ~
求められる
地域とともにある
学校の自主性・
安全・安心で質の高い
学校力の向上・
学校事務像
学校づくり
自律性の確立
教育環境づくり
学校運営体制の強化
地域連携では・・
(地域をつなぐ・・・
求められる
地域力向上)
家庭・地域との連携を推
事務職員像
進し特色ある学校づくり
を支援する事務職員
学校では・・
共同実施では・・
(学校をつなぐ・・・
学校力向上)
教職員と協働して学校教育目標
の実現を図り子どもたちの豊か
な育ちを支援する事務職員
(事務職員をつなぐ・・・
組織力向上)
組織の中での役割を担い、
学校事務の質の向上と学校
改善をめざす事務職員
重 点 事 項
マネジメント機能の強化
Ⅰ
学校運営体制の整備
相互理解と協働(共同)体制の確立
地域とともにある学校運営組織の確立
Ⅱ
学校事務体制の強化
Ⅲ
事務職員の人材育成
具
体
的
1 学校運営
○学校内外の資源を活用し教育
環境整備を行う
○学校内外の課題を理解し、課
題解決にむけて役割を担う
3評
価
○学校評価を活用し、学校改善
策を提言する
○事務部評価を積極的に行い、
信頼ある学校づくりをめざす
5 地域連携
○学校・地域・行政の思いをつ
なぎ、連携・協働を促進する
○地域に開かれた学校づくり
を推進する
共同実施組織の確立
研究会活動の充実と整備
研修制度の確立
資質能力開発によるキャリア教育
実
行
策
2組
織
○事務組織を確立させ、質の高
い安定した学校事務をめざす
○共同実施組織を通して、学校
事務機能の強化を図る
4 情報・財務
○教育課程を理解し、情報や財務
の観点から教育環境を整備する
○的確かつ適切な情報を学校内
外に発信する
6研
修
○研修制度を確立・充実させ、
人材育成効果を高める
○キャリア形成を図り、事務職
員の質を向上させる
2
会
員
研究会
活動
共同実施
組 織
3 求められる学校事務像と求められる事務職員像
求められる学校事務像
<基本理念を実現するために必要となる学校事務のあり方>
社会情勢や学校を取り巻く環境が急速に変化していく中、子どもの豊かな育ちを支
援し、保護者・地域社会の期待や信頼に応える学校づくりを推進するために、学校事
務職員として、今どのような役割が求められているのか考えました。
そこで「求められる学校事務像」として4つのキーワードを提示しました。この求
められる学校事務像は、基本理念「創造しよう!教育を活かす学校事務を~未来を拓
く子どもたちのために~」を実現するために、必要となる学校事務のあり方そのもの
で、事務職員が担当している事務だけでなく、学校における事務全体のあり方です。
地域とともにある学校づくり
学校の自主性・自律性の確立
学校、家庭・地域、行政の思いを
つなぎ、連携・協働を促進する
教育内容に関する学校の裁量を拡大
するとともに「チーム学校」として
マネジメント機能を果たす
求められる
学校事務像
安全・安心で質の高い
教育環境づくり
学校力の向上・
学校運営体制の強化
全ての子どもが質の高い空間で学
べる教育環境を整備する
学校組織の在り方を見直し、学校
力を向上する学校運営体制の構築
を行う
3
求められる事務職員像
<個々の事務職員に求められる姿・キーワードは「つなぐ」>
求められる学校事務像を具現化するためには、事務職員の役割が大切になってきます。
「地域」「学校」「共同実施」の3つの視点から「つなぐ」をキーワードとして、事務職
員 が 架 け 橋 と な る 役 割 を 果 た す こ と が 、円 滑 な 学 校 運 営 に つ な が っ て い き ま す 。
学校に勤務する唯一の行政職員として、行政的センスを学校運営に活かし、マネジメント
力を発揮して、子どもたちの豊かな育ちを支援していくことが必要です。
地域連携では・・・
家庭・地域との連携を推
進し、特色ある学校づく
りを支援する事務職員
学校では・・・
教職員と協働して学校教
育目標の実現を図り子ど
もたちの豊かな育ちを支
援する事務職員
共同実施では・・・
組織の中での役割を担
い、学校事務の質の向上
と学校改善をめざす事務
職員
地域とともにある学校づくりが求められています。地域から信頼される学校を
地 域
めざし、保護者や地域住民と連携し、地域ぐるみで子どもを育成する教育活動
~地域力向上~
を支援していくことが大切です。その中で、事務職員の果たす役割を常に考え
学 校
~学校力向上~
職務を遂行することが重要です。
教育活動と学校運営をつなぐことができる事務職員が求められています。学校で
唯一の行政職員として専門性を発揮し、企画・立案・提言・調整を行い、学校経
営を支えられることが必要です。
共同実施組織を活かして、学校事務部門のシステム化を図り、事務の効率化、標
共同実施
~組織力向上~
準化など事務部門の強化を推進するとともに、学校の課題を改善するなど学校事
務の質を高め、信頼される事務職員が求められています。
また、それぞれのポジションで役割を果たすことにより、事務職員全体の資質向
上につなげていくことが必要です。
4
4 重点事項
「求められる学校事務像」「求められる事務職員像」を実現するために、重点的に
取り組むべき項目として3つ提示します。
学校運営体制の整備
・マネジメント機能の強化
・相互理解と協働(共同)体制の確立
・地域とともにある学校運営組織の確立
学校事務体制の強化
事務職員の人材育成
・共同実施組織の確立
・研究会活動の充実と発展
・研修制度の確立
・資質能力開発によるキャリア形成
学校運営体制の整備
中央教育審議会より、学校組織の総合力を高める方策として、学校を一つのチ
ームとして活性化させるという具体的な取組施策が明示されました。これから
は、教員だけでなく多様な専門能力スタッフが協働し、チーム学校の力として組
織的にさまざまな課題を解決していくことになります。そのためには、事務職員
やその他の職員の専門性が発揮できるような連携、分担の体制を整備することが
重要です。
また、事務部門を統括する学校事務職員として、学校教育目標の達成に向け
て、学校組織マネジメントを担う学校事務組織を確立し、地域とともにある学校
運営体制を整備する必要があります。
学校事務体制の強化
学校事務の新たな役割を担っていくためには、地教委との連携や校区の学校間
連携を進めるなど、学校事務の組織化が不可欠です。組織化は、地域のニーズに
応え教育課題を解決するために、複数の学校事務職員が連携・協働して地域とと
もにある学校づくりに参画し、学校の教育力向上に向けて学校事務機能を強化で
きる取り組みです。その一つが共同実施組織です。また、研究会活動では滋事研
として実施すること、市町研究会として取り組むこと、会員として取り組むこと
を整理し、それぞれが取り組むべき方向を示すことが重要だと考えます。
5
事務職員の人材育成
現在の事務職員の研修は、地教委・県教委ともにキャリアステージに合わせた
研修体系(制度)がなく、研究会組織に頼っている現実があります。近年は共同
実施組織によるOJTや業務支援も加わりましたが十分とはいえない状態です。
ある程度の実務能力は日々の職務を遂行することや経験を積むことによって培わ
れますが、キャリアステージごとに求められる事務職員の役割を果たすには、実
務能力だけでなく、調整力、企画力、組織力などさまざまな能力を育成すること
が必要です。そこで、経験段階に応じて求められる役割と発揮すべき能力を明確
にした研修体系の整備と研修制度の確立が重要と思われます。
5 具体的実行策
先に提示した3つの重点事項を達成するために、6つの観点から具体的実行策を考
えました。
これらは私たちが組織(研究会組織および共同実施組織)として、また、学校事務
職員として取り組む内容です。
1 学校運営
6 研修
2 組織
6つの観点からの
具体的実行策
5 地域連携
3 評価
4 情報・財務
6
〈6つの観点からの具体的実行策〉
○学校内外の課題を理解し、課題解決にむけて役割を担う
○学校内外の資源を活用し、教育環境整備を行う
その1
学校運営
☆学校運営に関わる委員会などの会議に積極的に参画し、学校の
抱える実態と課題を全教職員と共有したうえで、行政的視点から
法的根拠に基づき意見を述べる。
☆子どもたちが安心して学べる教育環境を整えるため、学校内外
の資源(人・物・金・情報)のより効果的な活用についての方策
を教職員や地域へ提示して、企画提案する。
(例 地域のもつ資源を最大限に活用できる体制づくりの構築)
(施設整備年次計画の策定)
(学校評価・学校関係者評価)
☆教育環境の整備をより進めるため、事務職員の持つ専門性を活
かしながら、地教委との連絡・調整を密にする。
学校運営
研修
組織
6つの観点
地域連携
評価
情報・財務
7
<6つの観点からの具体的実行策〉
〇事務組織を確立させ、質の高い安定した学校事務をめざす
〇共同実施組織を通して、学校事務機能の強化を図る
《個人として》
☆学校や地域の課題解決のために学校事務を組織化し活用す
る。
☆学校教育目標を実現するため、事務部としての重点目標を設
定し、目標達成のための実行策等を記した学校事務部経営計
画を作成する。
☆学校や地域の長期展望をもち、校内組織や共同実施組織、研
究会組織などで積極的に企画立案を行う。
☆組織の目標を理解し、その達成のために他と連携して自分の
役割を果たす。
その2
組
織
《リーダーとして》
☆共同実施組織や市町全体、学校経営に対する長期展望を持
ち、方向性を示すとともに、積極的に企画立案を行う。
☆共同実施のリーダーとして外部組織や学校間の連携を図りな
がら共同実施組織を運営するとともに、人材育成のための支
援体制を確立する。
☆学校のマネジメント力と政策形成機能の強化を図るため、学
校の教育支援部門を統括する事務長の設置を要望し、事務機
能の強化を図る。
☆事務長は、学校経営推進スタッフとして校長を支え、校務の
調整を行い、学校運営についての助言、企画・提案等の役割
を担う。また、行政職員としての視点を持って、学校と地域
の連携強化を図り、地域の学校事務の統括者あるいは事務の
共同実施のリーダーとしての役割も担う。
【リーダーに必要な力】
・ポジティブな姿勢 ・全体を見渡す目
学校運営
研修
組織
評価
情報・財務
・目標をメンバーに明示する力 ・エネルギー
【リーダーシップに必要な要素】
・旗を立てる(目的地をしっかり見極め、導く)
・盛り上げる(全体のモチベーションを向上させて、仕事の効率化
6つの観点
地域連携
・一貫性
を図る。コミュニケーションを密にし、活気あふれる雰囲気を作り
出す)
・仕掛ける(物事を達成するため、能動的かつ主体的な活動を起こ
す)
8
<6つの観点からの具体的実行策>
〇学校評価を活用し、学校改善策を提言する
〇事務部評価を積極的に行い、信頼ある学校づくりをめざす
☆自己評価を基本として位置付け、ICTを利用して、実効性
のある学校評価システムを確立する。
☆学校評価を学校・家庭・地域間のコミュニケーションツールとして活
用することにより、保護者・地域住民による学校運営への参画を促
し、開かれた学校づくりをめざすための共通理解を図る。
☆学校評価および学校関係者評価の結果を公表するとともに、設置
者(市町教委)等と課題を共有し、改善に取り組む。
その3
評
価
☆学校評価が学校経営のPDCA(R-PDCA)のマネジメントサイクル
において機能したかどうか、学校改善に結びつく評価であったかを
評価の時期・方法・組織・項目・指標などから検証し、評価の改善を
図る。
☆学校事務部経営計画にもとづき、事務部評価を実施する。
☆学校評価を事務職員として分析し、事務部評価とともに教育効果を
高める改善策を提案し、課題解決に向けて取り組む。
学校評価の定義
【自己評価】
各学校の教職員が行う評価
【学校関係者評価】
保護者、地域住民等の学校関係者などにより構成された評価委員
会等が自己評価の結果について評価することを基本として行う評価
【第三者評価】
学校とその設置者が実施者となり、学校運営に関する外部の専門
家を中心とした評価者により、自己評価や学校関係者の実施状況も
踏まえつつ、教育活動その他の学校運営の状況について専門的視
点から行う評価
※児童生徒・保護者対象のアンケート等は学校関係者評価とは異なる
学校運営
研修
ことに留意する。
組織
6つの観点
地域連携
評価
情報・財務
9
<6つの観点からの具体的実行策〉
〇的確かつ適切な情報を学校内外に発信する
〇教育課程を理解し、情報や財務の観点から教育環境を整備する
≪情報≫
☆学校だより、学校ホームページの起案・作成等に関わり、ホームペ
ージの運営管理を推進する。
☆地域や保護者に対し学校情報を提供するとともに、教育活動の成
果と課題を具体的に示し、学校としての説明責任を果たせるように
努める。
その4
☆校内情報(児童生徒や学校職員、学校組織等)、校外情報(地域、
保護者、外部からよせられた情報)を系統立てて分類・整理・選択・
保管し、有効に活用する。
情報・財務
☆個人情報の適正な取り扱いに留意し、個人情報が外部等へ漏洩
しないように管理する。
☆情報公開に対応できるように、文書や電子データ等を条例や規程
に基づき管理する。
☆情報処理・情報伝達の ICT 化を推進する。
≪財務≫
☆財務(予算)委員会を主宰し、財務全般を統括する。
☆カリキュラムマネジメントの考えを活かし計画を策定する。
(例 教育課程を実施するための施設・設備や教材・物品等の整
備計画策定)
☆学校の予算要求、予算編成、予算執行、決算、評価を R-PDCA
サイクルにより行い、教育活動を支援し、教育目標達成を具体化
する。
☆保護者、地域、学校間、教育委員会等の連携、協力を進めること
により、効果的な予算執行を行う。
学校運営
研修
組織
6つの観点
評価
地域連携
情報・財務
10
<6つの観点からの具体的実行策〉
○学校・地域・行政の思いをつなぎ、連携・協働を促進する
○地域に開かれた学校づくりを推進する
☆事務職員が「地域とともにある学校」づくりを実現するための役割を
担うための意識や能力を高める。
☆地域住民等の学校運営への参画(コミュニティ・スクール(学校運
営協議会制度))や教育活動等への支援(学校支援地域本部)の
マネジメントを担う。
☆学校を地域コミュニティの拠点として役割を考え、情報収集や学校
からの発信など教育環境の整備に努める。
その5
地域連携
☆行政職員として、学校と地域の連携強化を図り、学校内外の資源
(地域教材・人材)を活用し、地域連携等の役割を通してカリキュラ
ムマネジメントの推進に努める。
☆地域とともにある学校づくりを推進するために、行政をはじめ、様々
な団体や組織と連携し、校内学習支援などに活かせるようにコーデ
ィネートする。
*「子どもの豊かな学びを創造し、地域の絆をつなぐ~地域ととも
にある学校づくりの推進方策~」(平成 23 年 7 月学校運営の改
善の在り方等に関する調査研究協力者会議)において、「地域
とともにある学校」では、学校内の組織運営を管理することにと
どまらず、地域との関係を構築し、地域の人々と一体となった取
組を進め、成果を上げることができる力を、学校が備えるべき
「マネジメント力」と捉えるべきである旨が示されている。
学校運営
研修
組織
6つの観点
地域連携
評価
情報・財務
11
<6つの観点からの具体的実行策〉
〇研修制度を確立・充実させ、人材育成効果を高める
〇キャリア形成を図り、事務職員の質を向上させる
《個人として》
☆職務に対する目標を持ち、事務職員として自ら学ぶ意欲を高め、
積極的に研修会等へ参加をして資質の向上に努める。
☆学校を取り巻く教育環境の変化に柔軟に対応し、学校経営スタッ
フの一員として役割を果たすために、教育に関する知見を広める。
その6
研
修
《組織として》
☆標準的職務内容に示された役割を実践するための研修体系・事
務職員研修モデルカリキュラムを構築し、計画的に研修を実施す
る。
☆共同実施組織において、教育委員会や学校長との連携の下に、リ
ーダーによる職場(組織)内研修(OJT)を実施する。
☆地域(組織)内でのリーダー研修を行い、それぞれの地域(組織)全
体にフィードバックすることにより事務職員の資質向上を図る。
☆滋事研と滋賀県公立小中学校主任事務主査会が連携し、事務職
員出身の指導主事の配置、教育委員会事務局職員や学校の教
職員からなる研修企画協議会等の設置に向けて、関係機関に働
きかける。
学校運営
研修
組織
6つの観点
地域連携
評価
情報・財務
12
13
14
15
16
17
7 「淡海スタイル」の実現に向けた取組
滋賀県における学校事務の課題解決に向けて、ビジョンや方向性を示す。
・グランドデザインに基づいた年次計画の策定
学校事務職員のスキルアップ
・事務職員の人材育成と能力開発を行う。
・県・市町教育委員会等が行う研修を補完する。
研
滋事研
究
会員の意識高揚
・各専門部の活動を通して、会員の意識・資質の向上を図ると共に、会
員相互の交流を行う。
・事務職員の意識が高揚し取組を充実させることにより、共同実施組織、
市町研究会の活性化を図る。
学校教育などの動向にかかる情報提供
・総会や研究大会、広報などを通して、学校教育の全国的な動向にかか
る情報提供を行う。
会
関係機関との連携
・滋賀県教育委員会、全事研、近事研などとの連携を強化し、学校事務
や事務職員に関わる諸課題等について、連絡調整・情報交換を行う。
・滋賀県教育委員会・総合教育センター・校長会・教頭会などに働きか
け、滋賀県におけるこれからの学校事務のあり方や事務職員制度など
の課題解決に向けて取り組む。
活
動
滋事研の活動方針や情報を市町での活動に反映させ、取組を進める。
市町研究会
市町における課題解決
・各市町での学校事務にかかる課題を明らかにし、その解決に向けて手
立てを講じる(研究・研修を行う)。
・会員の悩みなど相談できる仕組み作りをする。
会員個々の意欲を引き出し、能力が向上するように研究会での役割を調整
する。
地教委との連携を進め、活動を活性化する。
18
教育目標の達成と学校力の向上
・学校経営へ参画し、学校運営を支援する。(*41)
事務処理の適正化・効率化
・集中処理や相互点検により迅速で正確な事務処理を行う。
・事務処理体制の整備・充実を図る。
・審査および責任体制の確立を図る。
・情報公開に対する組織的体制の確立を図る。
事務の標準化
・事務処理システムの開発や様式・処理方法の統一を行う。
・事務職員の初任者と未配置校等への事務支援を行う。
共同実施組織
事務機能の強化や事務職員の資質向上
・共同処理による情報交換や先輩事務職員のアドバイスにより、未経験
の事務処理への迅速な対応をする。
・個性を生かしチームとして業務することにより、事務機能の強化につな
げる。
・事務職員がお互いのモチベーションを高められる研修の企画・運営を
行う。
教員の児童生徒と向き合う時間の確保・教育活動支援
・管理部門の強化と、指導部門との連携を図る。
・事務機能の強化が学校経営に十分反映されることにより、きめ細かな
学習指導を支援する。
・行政職員である事務職員の専門的な能力を積極的に活用する。
・学校事務のシステム化や仕組み作りをすることにより、学校全体の事
務処理を効率化させる。
・総合的かつ全校的な視点で学校内の組織間の調整、整理を行い、教
育活動を支援する。(外部から依頼される様々な事務等、校外行事計
画、外部講師招聘、作品応募、渉外事務、校外活動事務、共通備品
等の活用など学校や学校外との総合調整を行う。)
地教委・地域との連携
・共同実施での活動を更に発展させるため、地教委と連携を図る。
・地教委と学校との事務配分の見直し(権限委譲等)や組織的な学校管
理運営への支援体制の確立を図る。
・情報を収集整理し、タイムリーに保護者や地域等に対し、公開および
提供する。
・地域(校区)内の学校の実情や保護者および地域等のニーズを的確
に把握する。
・地域(校区)内の学校の教育課程や学校行事等を積極的に支援す
る。
19
会
員
*自分なりのグランドデザインを描き込んでみましょう。
☆今の自分の姿・現状
~自分を見つめ直して~
〇
〇
〇
グランドデザインを手に
とって、自分の目指す姿
を思い描いてみましょ
う!
★5年後の自分の姿
~こんな事務職員になりたい~
●
●
●
そのためには・・・
年度
(今年は)
年度
(2年目)
年度
(3年目)
年度
(4年目)
年次別課題と目標
学校運営
6
つ
の
観
点
・
・
・
・
組
織
・
・
評
価
・
・
情報・財務
・
・
地域連携
・
・
研
修
・
・
※毎年、年度末には振り返り(自己評価)をして、次年度の目標修正をしましょう。
20
年度
(5年目)
8 資料編
(1) 市町立小中学校事務職員の標準的職務内容(通知)
滋教委教第1398号
平成 27 年(2015 年)9 月 15 日
写
各市町教育委員会
学校教育主管課長 様
滋賀県教育委員会事務局教職員課長
(
公 印
省 略
)
市町立小中学校事務職員の標準的職務内容について(通知)
学校が抱える課題が複雑化・多様化する中で、こうした課題に的確に対応していくためには、教
員が子どもと向き合う時間を確保し、学校が組織として一体的な学校運営を行うことが求められて
いるところです。
写
学校運営において、学校事務は、教育指導、研究研修とともに重要な部分を占めるものであり、
今日の学校を取り巻く環境の中で、その重要性は一層増してきております。
こうした学校事務は、主に学校事務職員が担当するものであることから、県教育委員会としては、
市町立小中学校に県費負担教職員として配置している事務職員について、学校運営への積極的な参
画を促し、学校運営のより一層の充実と活性化を図るため、その職務を明確にすることが必要であ
ると考えております。
小中学校事務職員の職務内容は、服務監督権者である市町教育委員会において整理・検討してい
ただくことになりますが、その際の基礎資料として、別紙のとおり「市町立小中学校事務職員の標
準的職務内容(例)」(以下「標準的職務内容(例)」という。)を作成いたしました。
つきましては、こうした趣旨をご理解いただき、各市町教育委員会において小中学校事務職員の
標準的職務内容を作成される場合は、標準的職務内容(例)を参考にしていただくとともに、下記
の事項に留意願います。また、各市町教育委員会において作成された標準的職務内容は、管内の小
中学校長に周知いただき、学校運営において学校事務職員の能力を積極的に活用されるようご指導
願います。
記
1
学校運営における学校事務の重要性を認識するとともに、教職員が相互に協力し、学校運営
が円滑に機能するよう努めること。
2
標準的職務内容を定めるに当たっては、地域の実情および事務職員の職務に関連する諸規則
等を考慮し、適正な職務内容となるよう配慮すること。
3
市町教育委員会は、各学校において、学校事務がより適切かつ組織的に遂行されるよう、当
該市町教育委員会が作成した事務職員の標準的職務内容に基づき、具体的な校務分掌を定める
よう指導すること。
なお、学校規模、職員数、事務職員の経験年数および学校の実情等を考慮し、事務職員に過
重な負担とならないよう配慮するよう指導すること。
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市町立小中学校事務職員の標準的職務内容(例)
1.事務職員の役割
項目
企画調整に関すること
学校管理に関すること
教育課程に関すること
子ども・教職員に関すること
内容
学校経営計画策定への参画
職員会議・企画運営等各種委員会への参画
学校評価・関係者評価・第三者評価の企画参画
危機管理・情報管理に関する事務
学校財務に関する事務
教育環境整備に関する事務
就学援助に関する事務
服務・給与に関する事務
2.標準的職務
職務内容
企画調整に関すること
危機管理に関すること
地域連携に関すること
学校情報に関すること
教育課程に関すること
子ども・保護者に関すること
教育環境整備に関すること
学校財務に関すること
教職員に関すること
学校事務共同実施に関すること
具体的な職務内容
学校経営計画に関する事務
校内諸規定の整備、監査・検査対応に関する事務
学校安全計画、学校防災計画、危機管理マニュアル等の管理に関すること
校内、学区等危険箇所等の情報の管理に関すること
地域との連携事業に関すること
学校ボランティア・地域人材情報の管理
情報公開、学校広報(学校だより、HP)に関する事務
情報セキュリティの整備、個人情報保護に関する事務
教育情報(図書・教材・各種名簿類等)管理の推進に関する事務
教科書給与に関する事務
教材教具整備計画の策定
就学援助・特別支援就学奨励に関する事務
児童生徒に関する証明書の発行
学校給食費等に関する事務
教育環境整備、営繕計画等の策定
教材・物品・施設設備等維持管理、活用促進に関する事務
学校施設開放に関する事務
財務委員会の運営に関する事務
学校予算編成・執行に関する事務
学校徴収金計画の策定・執行管理等に関する事務
教育関係団体経費に関する事務
助成金・補助金に関する事務
服務の整理に関する事務
給与旅費諸手当、福利厚生に関する事務
教職員各種情報管理の推進に関する事務
学校事務共同実施の運営に関する事務
事務職員研修の企画・運営
3.留意事項
・ 「事務職員の役割」は、事務職員が学校運営に果たす役割を例示したものであり、職位に応じた職務内容とな
るよう各学校において適正に定めること。
・ 「標準的職務」は主として事務職員が担当する職務を示したものであるが、校長が校務分掌を定める場合には
学校の実態に応じ、事務職員以外が担当することも想定される。
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滋賀県版「学校事務の共同実施」~より理解するためのグランドデザイン~
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びわなちゃん
と
びわっぴ
~滋賀の子どもを応援しています~
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