資料4 生物機能を高度活用した有用物質生産について (第2回研究会の後にいただいた委員からの御意見) 1.昆虫・植物の機能を活用した物質生産をめぐる課題 (1)研究開発から社会実装までの道筋 ・出口に応じた大まかなルールの整備と提示。(瀬筒委員) ・海外企業による物質生産に後れを取らないようにするためのルール整備。 (塩谷委員) ・実用化に向けた日本と海外との法・規制の違いの明確化。(高鳥委員) ・諸外国と比較した審査制度の比較。(塩谷委員) ・体外診断薬原料生産は閉鎖系の場合、カルタヘナ法以外の法規制がないため、GM カ イコによる問題はない。(冨田委員) ・医薬品原料生産は GMP あるいはそれに準ずる高度な管理体制が必要。(冨田委員) ・実用化に向けた規制要件を明らかにすることが重要。(川崎委員) ・医薬品の承認例がなく、開発上のボトルネックが不明。(高鳥委員) ・有用物質生産における養蚕技術・生産基盤の活用に関する考え方や方向性の明確化。 (毛利委員) (2)実用化に向けた取組からの示唆 ・伝統的な養蚕技術及び生産基盤を活用すべきだが、人材・施設の面で不安。(毛利委 員) ・体外診断薬原料生産では施設の老朽化、労働者の高齢化等、将来の継続に不安。(冨 田委員) ・府省連携による規制対応の迅速化・簡素化。(瀬筒委員) ・アメリカの医療用栄養食品を参考にした「医療用食品」という新たな枠組みの構築。 (市川委員) ・化粧品原料生産では一種使用による大幅なコスト低減が課題。(冨田委員) (3)研究開発環境・社会実装環境 ・研究から実用化に至る所に隘路がある。(塩谷委員) ・アカデミア創薬の支援組織を活用。(高鳥委員) ・短期的な実証研究と中長期的な研究開発を並行して実施することが必要。(瀬筒委員 委員) ・目的物質の品質や量により、課題は様々。(瀬筒委員) ・プラットホームの構築が重要。(瀬筒委員) ・出口に合わせた、農家、共同飼育所、工場等での生産体制構築。(瀬筒委員) ・既存施設の改修、IT・ロボット化を組み合わせた新たな生産体制の構築。 (瀬筒委員)) ・医薬品原料生産での GM カイコの飼育は身軽なベンチャー企業が担当するのが現実的。 (冨田委員) ・リスクアセスメントのケーススタディを実施することで実用化促進につながる。(川 崎委員) ・予算を獲得し、研究者及び技術者の雇用拡大。(瀬筒委員) ・生産工場の整備支援。(瀬筒委員) ・プレイヤーを増やすための方策。 (瀬筒委員) 2.革新的な研究開発成果の社会実装を迅速に進めるための対応 方向 (1)研究開発から社会実装へのクリアな道筋 ・クオリティ・バイ・デザインにより、品質管理戦略の構築も容易になる。 (川崎委員) ・GM カイコで生産性が向上した等の有用性を示す。 (高鳥委員) ・薬理作用や免疫反応などに起因するリスクを最小限とした医薬品等をターゲットとし て選択する。(川崎委員) ・規制を明確にした上で、開発ガイドラインを作成し、成功事例を生み出す。(高鳥委 員) ・医薬品開発に必要なルールは整備されており、昆虫・植物由来であることを難しく考 えることはない。(川崎委員) ・イネの交雑防止や食用にする場合の栽培ルールを策定し、安全性評価の流れを明確化。 (市川委員) ・有用物質生産のための栽培ルールを策定するのであれば、食品安全委員会で承認され た GM 作物の栽培ルールも策定すべき。 (市川委員) (2)研究開発の加速と迅速な社会実装を促すための条件 ・用途により、クリアすべき課題・コストの違いを明確にする。(塩谷委員) ・公的研究機関の隔離ほ場の共同利用。(髙根委員) ・カイコにおける医薬品開発に関する指針・ガイドラインの取りまとめ。(瀬筒委員) ・化粧品原料生産はメーカーの自己責任で安全性を保証。開放系での生産を期待(冨田 委員) ・新規参入者へのアドバイス及び支援。(瀬筒委員) ・ベンチャー企業の支援。(高鳥委員) ・革新的な取組を担うベンチャー企業には資金が必要。資金支援方法も検討すべき。 (髙 根委員) ・ベンチャー企業に対する資金面の支援も必要。(冨田委員) ・デメリットを越えるメリットを国民に提示し、国民受容を醸成。(市川委員) ・遺伝子組換え生物による開放系生産に対する十分な国民理解が重要。(高鳥委員) ・遺伝子組換え生物、および、生産される有用物質の安全性に対して、国民・消費者・ 患者の理解を深め、リスクとベネフィットをわかりやすく説明する必要。 (川崎委員) (3)現場目線と全体俯瞰を融合させ、将来を見据えた政策形成 ・食品産業や健康産業との連携も今後重要。(瀬筒委員) ・遺伝子組換え技術について、反対派、推進派のどちらにも公平性を保つ姿勢が重要。 (市川委員) ・国が科学的に判断された安全性を説明していくべき。(市川委員) ・国の研究機関が中心となった開発戦略及び府省、都道府県等による財政支援が必要。 (川崎委員) ・機能性シルクについては、農家に普及可能な技術体系の確立及び市場の開拓を同時並 行的に実施中。(毛利委員) ・技術情報開示、参入障壁の克服、及び橋渡しを強化することで企業の参入を促進し、 プレイヤーを増加。(瀬筒委員)
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