「主権者教育」に関する指導資料

■現代社会(現社 301)準拠
教科書と副教材『私たちが拓く日本の未来』を活用した
「主権者教育」に関する指導資料
※本資料は,2016 年 7 月に実施が見込まれている第 24 回参議院議員通常選挙に向けて,学習活動として「模擬選挙」を
実施する際の事前学習指導等にご活用いただくことを想定しています。
各資料中では,教科書『現代社会』(現社 301)/総務省 ・ 文部科学省発行『私たちが拓く日本の未来』との対応箇
所を示し,両者を基本教材とした授業展開ができるように構成しました。
■ 構成内容 ■
【指導計画】模擬選挙を実施する
対応資料
「主権者教育」の指導計画
第1時
「選挙制度」学習
【学習指導案】「日本の選挙制度と 18 歳選挙権」
【ワークシート①】18 歳選挙権チェッククイズ
【ワークシート②】政治参加の意義
【ワークシート③】日本の国政選挙のしくみと課題
【ワークシート① - ③ 教師用指導資料】
第2時
・
指 第3時
「選挙の争点分析」学習
【争点分析①】集団的自衛権と安全保障関連法
【争点分析②】憲法改正
【争点分析③】エネルギー問題
導
【争点分析④】消費税
の
【争点分析⑤】景気・雇用
流
【争点分析⑥】少子高齢化
れ
※【争点分析① - ⑥】は,今後の選挙で重要な争点になりうるテーマを
例示し,各テーマを授業で取り扱う際にポイントとなる指導事項や関
連教材等を整理したものです。
第4時
「争点の優先順位づけ」学習
「政策比較」学習
第5時
「模擬選挙」
事後学習
「模擬選挙」の振り返り
【模擬選挙実施計画案】
『現代社会』
(現社 301)準拠
教科書と副教材『私たちが拓く日本の未来』を活用した
模擬選挙を実施する「主権者教育」の指導計画
指導目標
①選挙のしくみや政治参加の意義を理解する。
②現代政治における主要な争点を多面的・多角的にとらえ,公正に判断する。
③根拠にもとづいて論理的に思考・表現し,意思決定を行う。
④現代社会の諸課題の解決に向けて,他者と協働して探究する。
⑤公共的な事柄に関心をもち,主体的に参画しようとする意欲・態度をもつ。
■指導計画の例(5時間+事後学習)
:
『現代社会』
(現社 301)/
下表では,①〜⑤の目標
のうち,各時の学習でと
くに重視されるものを示
してある。
:
『私たちが拓く日本の未来』
生徒の学習活動
① ・選挙制度を理解する。
主な指導内容
・日本の選挙制度の特徴を理解させ,その問題点を考えさせる。
第
1
時
⑤ ・選挙運動のルールを理
・選挙運動として何ができるか,何が違反になるかを理解させる。【学習指導案】
第
2
時
・
第
3
時
② ・争点を分析する。
目標
解する。
・政治参加の意義を考える。
③
・なぜ選挙を通して国民が政治に参加することが必要なのか,歴 【ワークシート
・直近の選挙で重要になる争点について,資料読解にもとづいて,
る。
④ ・政党や候補者の政策を
比較する。
・候補者や政党を選ぶにあたって,どの争点に関する政策を優先
的に考慮すべきか,話し合いを通して考えさせる。
話し合いの際は
p.64-65 にまとめさせるとよい。
・直近の選挙に関わる政党や候補者がどのような政策をかかげて
p.11)比較表にまとめさせる(
p.66-68)
。
② ・政党や候補者の政策を
⑤
評価する。
・意思決定し,模擬選挙
を行う。
⑤
用できる
て,各政党・候補者の政策を自分がどのように評価するか,考 【模擬選挙実施
計画案】
えさせる。
※候補者の評価表( p.54-55「未来の知事を選ぼう」ワークシー
ト②)を転用できる。
実際の選挙後
④
p.186-195
「スキル」も活
・争点分析で得た知識・理解や話し合いで得た判断基準に照らし
・模擬選挙を実施する。
② 模擬選挙を振り返る
※参考
※争点を複数挙げるためには KJ 法( p.34)を,争点の優先順位
p.91 「政
を考えるにはランキング( 指導資料 p.26)の手法を活用できる。 治の座標軸」,
いるか,
情報を収集させて(
事
後
学
習
【争点分析① -
※生徒の調べ学習や発表の時間を設けて進めてもよい。
⑥】
※〈争点分析① - ⑥〉の争点からいくつかを,授業時間数,学習形態
(講義,調べ学習)
,生徒の実態に応じて取り上げる。
③
第
5
時
① - ③】
史的背景や近年の状況をふまえて考えさせる。
多面的・多角的に分析させる。
② ・争点の優先順位を決め
第
4
時
対応資料等
・模擬選挙の結果と実際の選挙結果とを比較し,相違について分
析させる。
・投票した感想,実際の選挙結果を受けての感想などを話し合わ
せ,次の選挙への意欲を高める。
※振り返りの際は
p.70-71 にまとめさせるとよい。
【指導計画】
[第 1 時]用
教科書『現代社会』
(現社 301)と副教材『私たちが拓く日本の未来』の活用事例
学習指導案「日本の選挙制度と 18 歳選挙権」
本時の目標
① 18 歳選挙権に関する法改正の内容と選挙運動のルールを理解する。
②選挙を通して政治に参加する意義を理解する。
③日本の選挙制度のしくみと問題点を理解し,その改善の方法を考える。
学習内容
生徒の学習活動
18 歳から何 ●公職選挙法等の改正に
●:発問例/
:
『現代社会』
(現社 301)/
:
『私たちが拓く日本の未来』
指導上の留意点
対応資料
・18 歳から権利があるもの(国政選挙,地方選挙,国 【ワークシート
ができるの
よって,18 歳からどんな
民投票など),20 歳以上にとどまっているもの(裁判 ①】
か
権利が認められたのか?
員,検察審査会など)を確認する。
(10 分)
示する。
選挙権チェッククイズ」
導
に取り組む。
入
p.8-14,
・ワークシート①の「18 歳 ・副教材などを活用し,戸別訪問の禁止など具体的に例 p.16,
p.90-100
・規制事項を各国と比較し,日本の公職選挙法の特徴や
p.79,
問題点に気づかせるとよい。アメリカなど外国の選挙 p.81-82,
・18 歳選挙権に関する法
規定については調べておく。
改正の内容を理解する。
p.84-85,
・選挙運動と選挙違反につ ・少年法の特例(連座制の対象となる選挙違反には,未 p.99
成年者でも刑事処分)なども補足する。
いて具体的に理解する。
政治参加の
意義
(15 分)
・参政権の拡大の歴史とそ ・
の意義を理解する。
p.19 のコラムを関 【ワークシート
②】
連づけて利用する。
・近代選挙原則を理解する。 ・制限,不平等(等級別など),記名投票と対比して説
・投票率の現状を確認し,
展
p.84 の表「選挙権の拡大」や
明し,その意味を考えさせる。
p.56-57,
p.60,
開
選挙権を行使しない場合 ・特に若年層の投票率や政治的無関心に着目し,低投票 p.65,
①
の影響を考える。
率が一部の人々の利益に結びつくことに注目させる。 p.84,
●(政治家任せではなく) ・
p.89 側注の学習課題と関連づけ,
国民が政治に参加するこ
p.90 の内容
も参考にして考えさせる。
との意義は何か?
日本の選挙
議員選挙のしくみを理解
問題点
する。
展
開
②
p.19,
p.24-27
・衆議院議員選挙,参議院 ・図版などを活用して簡潔に説明する。比例代表制につ 【ワークシート
制度とその
(20 分)
p.88-90
いては,衆参の選挙システムの違いに留意する。
③】
p.84-85
・日本の選挙制度,特に小 ・“多数派”をつくり出す(死票が多い)小選挙区制の
p.9,
選挙区制の特徴とその問
特性をふまえ,民意の反映のされ方について問題提起 p.16-18
題点を考える。
する。以前の中選挙区制と比較し,1994 年の選挙制
度改革のねらいにもふれる。
●日本の選挙制度につい
て,どのような問題点を ・
p.84 の記述から考えさせる。
指摘できるか?
・「一票の格差」の現状を ・「一票の格差」については,判例や近年の定数是正(○
知り,その問題点と改善
増○減)にふれ,その問題点を確認する。
p.79 図版,
p.85
案を考える。
●「一票の格差」はなぜ問
題なのか?
2016 年参
ま
と 院選に向け
め て(5 分)
・18 歳が投票する初の選
挙である 2016 年参院
・投票日,公示日などのスケジュールや,時事的動向な
どを紹介する。
選について概要を知る。 ・生徒が投票権をもつ地域の状況に応じて説明する。
【学習指導案】
p.8-10
ワークシート①
18 歳選挙権チェッククイズ
組 番 氏名 p.79・p.81-82・p.84-85・p.99,
p.8-14・p.16・p.90-100 などを参照し,選挙権年齢が満 18 歳以上に
引き下げられたことに関連して,以下の文章のうち,正しいものには○,誤っているものには×をつけてみよう。
[Ⅰ]満 18 歳になると何ができるか。
( )①地方自治体における直接請求に関する投票ができる。
( )②最高裁判所裁判官に対する国民審査の投票ができる。
( )③裁判員になることができる。
[Ⅱ]選挙運動について
( )④満 18 歳未満でも満 18 歳以上の生徒と一緒なら選挙運動ができる。
( )⑤選挙運動期間外でも特定の候補者への投票を依頼することができる。
( )⑥電話での投票依頼のほか,戸別訪問による投票依頼ができる。
( )⑦電子メールやインターネットを利用した選挙運動ができる。
( )⑧選挙運動の様子を動画サイトなどに投稿することができる。
( )⑨候補者の選挙運動を手伝い,チラシを配って報酬を得ることが認められている。
( )⑩買収などの連座制の対象になる選挙違反でも,満 20 歳未満の場合は少年法が適用され,刑事処分の対
象とならない。
[Ⅲ]投票について
( )⑪投票日の翌日に満 18 歳の誕生日を迎える者は投票できない。
( )⑫部活動に行くことを理由としての「期日前投票」は認められない。
( )⑬選挙当日に病気やけがなどで投票の記載ができない場合の措置は設けられていない。
( )⑭外国にいながら国政選挙に参加できる「在外投票」制度は比例代表選挙のみに適用される。
【ワークシート①】
ワークシート②
政治参加の意義
組 番 氏名 [Ⅰ]参政権の拡大
p.60 の年表「日本国憲法成立前史」
,
p.84 の表「選挙権の拡大」
,
p.19 などを参照して,下表の空欄に適
語を入れてみよう。
●日本の選挙権拡大の流れ
*改正直後の選挙時
年
資 格
全人口に対する
有権者比率*
(① )
1889〔明治 22〕年
25 歳以上の男子,直接国税 15 円以上
1900〔明治 33〕年
25 歳以上の男子,直接国税 10 円以上
2.18%
1919〔大正 8〕年
25 歳以上の男子,直接国税 3 円以上
5.50%
(② )
〔大正 14〕年
(④ )
〔昭和 20〕年
2015〔平成 27〕年
%
25 歳以上の男子,納税による制限なし:
(③ )選挙
19.98%
20 歳以上の男女,納税による制限なし:完全普通選挙
48.65%
(⑤ )以上の男女,納税による制限なし
―――
[Ⅱ]近代選挙の原則
p.84 を参照して,文中の空欄に適語を入れてみよう。
A.〈
(⑥ )選挙〉:選挙権は性別,身分,財産などによって制限されず,一定の年齢以上の国民すべてに与
えられる。←→〈制限選挙〉
B.〈平等選挙〉
:有権者はすべて平等な票数の権利をもち,
(⑦ )も平等である。←→〈不平等選挙
(等級別選挙など)〉
C.〈
(⑧ )投票〉:有権者の投票内容は秘密にする《無記名投票》
。←→《記名投票》
D.〈
(⑨ )選挙〉:有権者が議員などを直接投票で選挙する。←→〈間接選挙〉
[Ⅲ]政治参加の意義
p.24-27 を参照して,近年の選挙における投票率の状況を確認しよう。
p.88-90 を参考に,下の問に答えてみよう。
【問】
投票などを通して,国民一人ひとりが政治に参加することの意義は何だろうか?(人々が投票に行かなくなる
と,政治にどんな影響があるだろうか?)
【ワークシート②】
ワークシート③
日本の国政選挙のしくみと課題
組 番 氏名 p.84,
p.9・p.16-18 などを参照して,次の各空欄に適する語句を下の語群から選んで入れてみよう。
[Ⅰ]衆議院議員選挙
・選挙方法…(① )
A.小選挙区選挙……全国を 295 の区に分け,区ごとに最多票を獲得した候補者 1 名が当選するしくみ
*特徴:
(② )が多く,
得票率と獲得議席の乖離が大きいので(③ )政党
に有利である
B.比例代表選挙……各政党が獲得した得票数(率)に応じて議席数を配分するしくみで,全国を
(④ )ブロックに分け,
ブロックごとに政党の得票数から当選者数を決定する
(⑤ )式を採用
*特徴:得票率と議席獲得率がほぼ一致するので死票は少ないが,小党分立になりやすく
(⑥ )政権を生みやすい
C.
(⑦ )立候補……A とBの両方に立候補できる制度
A で落選した候補者のうち,B の名簿順位が党の獲得議席数内であれば B で当
選する(復活当選)
重複立候補者は,B の名簿で同一順位に置かれることが多く,その場合に A で
の惜敗率(=当選者の得票数に対する落選者の得票数の割合)が高い順に当選
する
[Ⅱ]参議院議員選挙
参議院の議席 242 のうち,3 年ごとに半数の 121 議席が改選される
・選挙方法…(⑧ )選挙+(⑨ )選挙
A.選挙区選挙……原則(⑩ )を単位とし,改選の1人~ 6 人を選出
*特徴:1区から 1 人が選出される小選挙区では衆議院に同じ
複数が当選する(⑪ )では少数党にも議席獲得のチャンスあり
B.比例代表選挙……全国を1つの単位として,政党名か(⑫ )名を記入して投票
ドント式で各政党の当選者の数を決定し,得票の多い候補者から順に当選する
(⑬ )式が採用されている
〈語群〉
11 大 死票 重複 連立 ドント 候補者 選挙区 都道府県
比例代表 非拘束名簿 拘束名簿 小選挙区比例代表並立制 大選挙区
【ワークシート③】
[Ⅲ]日本の選挙の課題
1.選挙制度の問題点
【問】
p.84 と下の表を参考に,日本の選挙制度の問題点を考えてみよう。
2014 年(第 47 回)衆議院議員選挙の党派別得票数・得票率と獲得議席数・議席率(総務省資料をもとに作成)
党 派
自由民主党
小選挙区
得票数
*
比例代表
得票率(%) 議席数
議席率
(%)
得票数
合計
議席率
(%) 議席数
得票率
(%) 議席数
25,461,448.922
48.10
223
75.59
17,658,916
33.11
68
37.78
291
公明党
765,390.000
1.45
9
3.05
7,314,236
13.71
26
14.44
35
民主党
11,916,849.274
22.51
38
12.88
9,775,991
18.33
35
19.44
73
維新の党
4,319,645.823
8.16
11
3.73
8,382,699
15.72
30
16.67
41
日本共産党
7,040,169.793
13.30
1
0.34
6,062,962
11.37
20
11.11
21
次世代の党
947,395.994
1.79
2
0.68
1,414,919
2.65
0
0.00
2
生活の党
514,575.000
0.97
2
0.68
1,028,721
1.93
0
0.00
2
社会民主党
419,347.000
0.79
1
0.34
1,314,441
2.46
1
0.56
2
諸派・無所属
合 計
1,554,968.152
2.93
8
2.71
381,562
0.72
0
0.00
8
52,939,789.959
100.00
295
100.00
53,334,447
100.00
180
100.00
475
* 1 つの選挙区に同一の姓か名の候補者がいる場合,どの候補者に投票したか判断できない有効票を候補者の得票数に応じて比
例配分する「あん分票」を含むため得票数に小数点が発生する。
【問】
p.84 を参照して,1994 年に小選挙区制を導入する改革が行われたねらいは何だったのか考えてみよう。
2.
「一票の格差」問題
【問】
p.85 を参照して,下の事例はなぜ問題なのか,考えてみよう。
例:2014 年衆議院議員選挙小選挙区の場合
東京 1 区の有権者数…49 万 5724 人
宮城5区の有権者数…23 万 1668 人
どちらも当選人数は1人⇒ 2.13 倍の格差
【ワークシート③】
ワークシート① 教師用指導資料
18 歳選挙権チェッククイズ
p.79・p.81-82・p.84-85・p.99,
p.8-14・p.16・p.90-100 などを参照し,選挙権年齢が満 18 歳以上に
引き下げられたことに関連して,以下の文章のうち,正しいものには○,誤っているものには×をつけてみよう。
[Ⅰ]満 18 歳になると何ができるか。
( ○ )①地方自治体における直接請求に関する投票ができる。
*地方自治体レベルの住民投票についても可能。18 歳以下の投票を認めた例もある。⇨
p.81-82
( ○ )②最高裁判所裁判官に対する国民審査の投票ができる。
*憲法改正国民投票にも言及する。⇨
p.74・79,
p.28-29・93
( × )③裁判員になることができる。
*検察審査会,民生委員も同様(「公職選挙法等の一部を改正する法律〈平成 27 年法律第 43 号〉
」附則第 7 〜 10 条)。
⇨
p.80・p.99
[Ⅱ]選挙運動について
( × )④満 18 歳未満でも満 18 歳以上の生徒と一緒なら選挙運動ができる。
* 18 歳未満は一切の選挙運動ができない。⇨
p.12・95-98
( × )⑤選挙運動期間外でも特定の候補者への投票を依頼することができる。
*公示,告示日に立候補の届出がされた日から投票日の前日まで選挙運動が可能。⇨
p.12・95-98
( × )⑥電話での投票依頼のほか,戸別訪問による投票依頼ができる。
*戸別訪問は認められていない。⇨
p.85,
p.12-13
( × )⑦電子メールやインターネットを利用した選挙運動ができる。
*電子メールを利用した選挙運動は候補者,政党等以外は認められていない。⇨
p.13・97-98
( ○ )⑧選挙運動の様子を動画サイトなどに投稿することができる。
*選挙運動のメッセージをブログに書き込んだり,SNS などで広めたりすることも可能。⇨
p.13・97-98
( × )⑨候補者の選挙運動を手伝い,チラシを配って報酬を得ることが認められている。
*選挙運動のための事務員,選挙運動用自動車の車上運動員など特定のもの以外は認められていない。⇨
p.97
( × )⑩買収などの連座制の対象になる選挙違反でも,満 20 歳未満の場合は少年法が適用され,刑事処分の対
象とならない。
*連座制の対象となるものは原則として検察官へ送致される(選挙犯罪についての少年法の特例─「公職選挙法等の一部を改正す
る法律〈平成 27 年法律第 43 号〉
」附則第 5 条)→成人と同じ刑事裁判を受ける。⇨
p.85,
p.100
[Ⅲ]投票について
( × )⑪投票日の翌日に満 18 歳の誕生日を迎える者は投票できない。
*投票日の翌日が満 18 歳の誕生日であり,選挙人名簿に登録されていれば投票できる。⇨
p.90
( × )⑫部活動に行くことを理由としての「期日前投票」は認められない。
*授業や仕事だけでなく,部活動やレジャーで出かける場合も認められる。また,
「不在者投票」制度もある。⇨
p.14・91-92
( × )⑬選挙当日に病気やけがなどで投票の記載ができない場合の措置は設けられていない。
*「代理投票」制度がある。視覚障がい者には「点字投票」も可能。⇨
p.14・91
( × )⑭外国にいながら国政選挙に参加できる「在外投票」制度は比例代表選挙のみに適用される。
*国政選挙全般に参加できる。⇨
p.79・85,
p.14
【ワークシート① 教師用指導資料】
ワークシート② 教師用指導資料
政治参加の意義
[Ⅰ]参政権の拡大
p.60 の年表「日本国憲法成立前史」
,
p.84 の表「選挙権の拡大」
,
p.19 などを参照して,下表の空欄に適
語を入れてみよう。
●日本の選挙権拡大の流れ
*改正直後の選挙時
年
資 格
全人口に対する
有権者比率*
(① 1.13 )
1889〔明治 22〕年
25 歳以上の男子,直接国税 15 円以上
1900〔明治 33〕年
25 歳以上の男子,直接国税 10 円以上
2.18%
1919〔大正 8〕年
25 歳以上の男子,直接国税 3 円以上
5.50%
(② 1925 )
〔大正 14〕年
(④ 1945 )
〔昭和 20〕年
2015〔平成 27〕年
%
25 歳以上の男子,納税による制限なし:
(③ 男子普通 )選挙
19.98%
20 歳以上の男女,納税による制限なし:完全普通選挙
48.65%
(⑤ 18 歳 )以上の男女,納税による制限なし
―――
[Ⅱ]近代選挙の原則
p.84 を参照して,文中の空欄に適語を入れてみよう。
A.〈
(⑥ 普 通 )選挙〉:選挙権は性別,身分,財産などによって制限されず,一定の年齢以上の国民すべてに与
えられる。←→〈制限選挙〉
B.〈平等選挙〉
:有権者はすべて平等な票数の権利をもち,
(⑦ 一票の価値 )も平等である。←→〈不平等選挙
(等級別選挙など)〉
。←→《記名投票》
C.〈
(⑧ 秘 密 )投票〉:有権者の投票内容は秘密にする《無記名投票》
D.〈
(⑨ 直 接 )選挙〉:有権者が議員などを直接投票で選挙する。←→〈間接選挙〉
[Ⅲ]政治参加の意義
p.24-27 を参照して,近年の選挙における投票率の状況を確認しよう。
p.88-90 を参考に,下の問に答えてみよう。
【問】
投票などを通して,国民一人ひとりが政治に参加することの意義は何だろうか?(人々が投票に行かなくなる
と,政治にどんな影響があるだろうか?)
【解答例】
政治参加の意義
・主権者として自らの意思を政治に反映させる。
・投票に行くことで,自分が社会の一員であるという自覚が高まる。
・選挙は,社会のことを学習する良い機会になる。
・政治家が国民のことをしっかり考えて政治をするようにチェックできる。
若者の低投票率の影響
・一部の人の利害が強く反映されてしまう(若者に利益のある政策は実現しない)
。
【ワークシート② 教師用指導資料】
ワークシート③ 教師用指導資料
日本の国政選挙のしくみと課題
p.84,
p.9・p.16-18 などを参照して,次の各空欄に適する語句を下の語群から選んで入れてみよう。
[Ⅰ]衆議院議員選挙
・選挙方法…(① 小選挙区比例代表並立制 )
A.小選挙区選挙……全国を 295 の区に分け,区ごとに最多票を獲得した候補者 1 名が当選するしくみ
*特徴:
(② 死 票 )が多く,得票率と獲得議席の乖離が大きいので(③ 大 )政党
に有利である
B.比例代表選挙……各政党が獲得した得票数(率)に応じて議席数を配分するしくみで,全国を
(④ 11 )ブロックに分け,ブロックごとに政党の得票数から当選者数を決定する
(⑤ ドント )式を採用
*特徴:得票率と議席獲得率がほぼ一致するので死票は少ないが,小党分立になりやすく
(⑥ 連 立 )政権を生みやすい
C.
(⑦ 重 複 )立候補…… A とBの両方に立候補できる制度
A で落選した候補者のうち,B の名簿順位が党の獲得議席数内であれば B で当
選する(復活当選)
重複立候補者は,B の名簿で同一順位に置かれることが多く,その場合に A で
の惜敗率(=当選者の得票数に対する落選者の得票数の割合)が高い順に当選
する
[Ⅱ]参議院議員選挙
参議院の議席 242 のうち,3 年ごとに半数の 121 議席が改選される
・選挙方法…(⑧ 選挙区 )選挙+(⑨ 比例代表 )選挙
A.選挙区選挙……原則(⑩ 都道府県 )を単位とし,改選の1人~ 6 人を選出
*特徴:1区から 1 人が選出される小選挙区では衆議院に同じ
複数が当選する(⑪ 大選挙区 )では少数党にも議席獲得のチャンスあり
B.比例代表選挙……全国を1つの単位として,政党名か(⑫ 候補者 )名を記入して投票
ドント式で各政党の当選者の数を決定し,得票の多い候補者から順に当選する
(⑬ 非拘束名簿 )式が採用されている
〈語群〉
11 大 死票 重複 連立 ドント 候補者 選挙区 都道府県
比例代表 非拘束名簿 拘束名簿 小選挙区比例代表並立制 大選挙区
【ワークシート③ 教師用指導資料】
[Ⅲ]日本の選挙の課題
1.選挙制度の問題点
p.84 と下の表を参考に,日本の選挙制度の問題点を考えてみよう。
【問】
2014 年(第 47 回)衆議院議員選挙の党派別得票数・得票率と獲得議席数・議席率(総務省資料をもとに作成)
小選挙区
党 派
自由民主党
得票数
*
比例代表
得票率(%) 議席数
議席率
(%)
得票数
合計
議席率
(%) 議席数
得票率
(%) 議席数
25,461,448.922
48.10
223
75.59
17,658,916
33.11
68
37.78
291
公明党
765,390.000
1.45
9
3.05
7,314,236
13.71
26
14.44
35
民主党
11,916,849.274
22.51
38
12.88
9,775,991
18.33
35
19.44
73
維新の党
4,319,645.823
8.16
11
3.73
8,382,699
15.72
30
16.67
41
日本共産党
7,040,169.793
13.30
1
0.34
6,062,962
11.37
20
11.11
21
次世代の党
947,395.994
1.79
2
0.68
1,414,919
2.65
0
0.00
2
生活の党
514,575.000
0.97
2
0.68
1,028,721
1.93
0
0.00
2
社会民主党
419,347.000
0.79
1
0.34
1,314,441
2.46
1
0.56
2
諸派・無所属
合 計
1,554,968.152
2.93
8
2.71
381,562
0.72
0
0.00
8
52,939,789.959
100.00
295
100.00
53,334,447
100.00
180
100.00
475
* 1 つの選挙区に同一の姓か名の候補者がいる場合,どの候補者に投票したか判断できない有効票を候補者の得票数に応じて比
例配分する「あん分票」を含むため得票数に小数点が発生する。
【解答例】
・小選挙区制では得票率と議席率の乖離が大きく,第一党が過大代表される。
※多数派による政権を安定させるという点で,望ましい特徴とする考え方もある。
・小選挙区制を中心とした制度の下では,より広い支持を獲得するために,政権を目指す政党は曖昧な公約を掲げがちになる。
・小選挙区制は死票が多い(「つくられた多数派」を生み出す)
。
・重複立候補制度により,小選挙区で落選した者が復活当選するのは民意に背くとの考え方もある。
【問】
p.84 を参照して,1994 年に小選挙区制を導入する改革が行われたねらいは何だったのか考えてみよう。
【解答例】
⇨
p.84 側注②
候補者(派閥)中心の選挙から,政党・政策中心の選挙に変えるため。
2.
「一票の格差」問題
【問】
p.85 を参照して,下の事例はなぜ問題なのか,考えてみよう。
例:2014 年衆議院議員選挙小選挙区の場合
東京 1 区の有権者数…49 万 5724 人
宮城5区の有権者数…23 万 1668 人
どちらも当選人数は1人⇒ 2.13 倍の格差
【解答例】
近代選挙の原則である「平等選挙」に反することになるから。
【ワークシート③ 教師用指導資料】
争
分
点
析 ①集団的自衛権と安全保障関連法
─集団的自衛権の行使は容認すべきか?─
■争点を理解するための問い■
・
「集団的自衛権」の定義は? 「個別的自衛権」との違いとは?
・新政府見解の内容は? どの部分が「集団的自衛権」容認なのか?
・どのような理由で「集団的自衛権」の行使が求められているのか?
・日本は戦争を放棄したはずでは? 憲法の解釈はどうなっているのか?
・安全保障関連法の成立で何が変わるのか?
■争点分析のポイント■
〈教科書対応ページ:
p.68-70,p.93,p.156,p.196〉
分析の観点と活用できる教科書該当ページ/資料等
①国際法:自衛隊はどのように位置づけられているか?
*分析に活用できる資料またはキーワード等
で示した。いずれも生徒用資料集
を
やウェブ検索によって収集可能なもの。
指導上の留意点
p.156 側注コラム「集団安全保障と集団的自衛権」
⇒ 国連憲章第 51 条 ,図解「集団安全保障」
(集団的自衛権と対比)
②日本国憲法(の解釈)
:自衛権に関してどのように定めているか?
p.196 参考資料の「第 9 条」
⇒ 遂行不能説(9 条解釈の通説)
③政府見解・判例の歴史:自衛権についてどのような見解を示してきたか?
p.68_14L-p.69_8L,p.68 表「政府の憲法第 9 条解釈の変遷」
⇒ 砂川判決 ,1972 年田中内閣統一見解(p.68 表中の箇所以外も)
④国際情勢・国際関係:集団的自衛権と関係する情勢とは?
p.68_22L-p.70_22L
⇒ 日米安全保障条約第 5 条,日本の安全保障環境 ,
自衛隊の海外派遣(p.68_23L-p.70_5L)
,安倍政権の対米外交(例:2015
年 4 月の米議会での演説),ガイドライン改定(p.70_7-8L)
⑤新政府見解・安全保障関連法の内容:安全保障関連法で何が変わるか?
p.68 表中の 2014 年安倍内閣閣議決定の内容
p.69 側注⑥,p.70 図「日本の安全保障法制」
⇒ 存立危機事態(p.69 側注⑥)
,重要影響事態 ,国際平和支援法
⑥民主主義:政府はどんな説明をしたか? 国民は納得しているか?
・国会答弁やテレビ番組などでの与
⇒ 2014 年新政府見解 ,2015 年安保法制に関する各種世論調査
野党議員の説明を視聴覚資料とし
⑦立憲主義:解釈変更と立法の手続きは正当か?
て活用できる。
・メディアによる論調の違いに留意
p.93_10-33L
⇒ 内閣法制局の役割 ,憲法改正と解釈改憲の手続き的違い
し,多様な立場の見解をバランス
よく取り上げる。
【争点分析 ①】
争
分
点
析 ②憲法改正
─日本国憲法改正は必要か?─
■争点を理解するための問い■
・憲法とは何か? 立憲主義とは何か?
・憲法改正の手続きとは? 硬性憲法とは?
・なぜ憲法改正が議論となるのか?
・押し付け憲法論とは何か?
・どのような点が改正の論点になっているか?
・そもそも憲法はどこまで改正できるのか?
■争点分析のポイント■
〈教科書対応ページ:
p.61,p.66-67,p.68,p.74,p.93,p.200〉
分析の観点と活用できる教科書該当ページ/資料等
①立憲主義:立憲主義とはどのような考え方か?
*分析に活用できる資料またはキーワード等
で示した。いずれも生徒用資料集
を
やウェブ検索によって収集可能なもの。
指導上の留意点
p.93_10-33L,p.200 参考資料の「第 97・98・99 条」
⇒ 法の支配・立憲主義・最高法規性 ,最高法規性(憲法第 97・98・99 条)
②憲法改正の手続き:どのように憲法改正は行われるか?
p.74 コラム「憲法改正」
,p.200 参考資料の「第 96 条」,
⇒ 憲法第 96 条 ,日本国憲法の改正手続に関する法律(国民投票法)
③憲法改正の経緯:どのように憲法改正が議論となってきたのか?
p.68_14-19L,p.74 コラム「憲法改正」
⇒ 憲法調査会 ,解釈改憲 ,自民党憲法改正草案 ,世論調査
④押し付け憲法論:どのように日本国憲法はつくられたか?
p.61_2-8L,p.61 年表「日本国憲法制定の経過」
・改憲派と護憲派どちらの立場の根
拠も提示する。
⇒ 日本国憲法制定過程 ,ハーグ条約 ,ポツダム宣言の第 10 項・第 12 項 ,
憲法研究会 「憲法草案要綱」 ,帝国議会の審議状況 ,日本国憲法の自律性
⑤改正の論点:どの条文を,どのように変えるのか?
p.66_2L-p.67_11L,p.74 コラム「憲法改正」
⇒ 憲法審査会の議論 ,自民党憲法改正草案 ,国家緊急権 ,96 条改正論 , 新しい人権 ,従来の憲法解釈での対応(幸福追求権など)
⑥憲法改正の限界:そもそも憲法はどこまで改正できるのか?
p.93_10-33L
⇒ 憲法改正限界説と憲法改正無限界説 ,他国の改正例(ドイツやアメリカ等)
【争点分析 ②】
・改正の論点については多様な考え
があることに留意する。
争
分
点
析 ③エネルギー問題
─持続可能なエネルギー利用をどう確保するか?─
■争点を理解するための問い■
・一次エネルギーにはどのようなものがあるか? それぞれの特徴は何か?
・日本のエネルギーの使用状況はどうなっているか?
・日本を含む世界が,エネルギーの利用をめぐって直面している問題点には何があるか?
・日本の原子力発電はどのような状況にあり,どのような課題に直面しているか?
・日本では再生可能エネルギーはどの程度普及しており,どのような課題に直面しているか?
■争点分析のポイント■
〈教科書対応ページ:
p.6,p.8,p.11,p.12–13,p.184〉
*分析に活用できる資料またはキーワード等
で示した。いずれも生徒用資料集
を
やウェブ検索によって収集可能なもの。
分析の観点と活用できる教科書該当ページ/資料等
①一次エネルギー:それぞれの長所と短所は何か?
指導上の留意点
p.12_13-31L,p.184 左段 7-13L
⇒ 各エネルギーの比較(コスト,安全性,供給の安定性,環境負荷など)
②日本のエネルギー:化石燃料の割合はどのくらいか? 自給率は?
p.13 側注⑧,p.184 グラフ「日本の一次エネルギー供給の推移」
・それぞれ,東日本大震災以前と以
後の変化にも注目する。
⇒ 日本の一次エネルギー供給割合(p.184 グラフ),
化石エネルギー依存度の国際比較(エネルギー白書など),
日本のエネルギー自給率の推移(エネルギー白書など)
③エネルギーをめぐる問題点:現在の問題点と改善策は?
・各国の環境税などの取り組みや,
p.12_5-12L…資源・エネルギー問題の総論
国際会議での議論についても触れ
p.6,p.8_1-18L,p.11「クローズアップ」…地球温暖化とその対策
る。
p.13_1-33L,p.13 グラフ「おもな国の一次エネルギー消費量」
…エネルギーの利用に関する問題と解決に向けての取り組み
⇒ 世界のエネルギー消費量の推移〔地域別/エネルギー源別〕(エネルギー白
書など),低炭素社会( p .13 _1- 5 L ),環境税(p.13_18-19L),気候変動枠
組条約および締約国会議(COP)(p.8_11-18L,p.11「クローズアップ」),
地球温暖化に関する国内対策/国際的取り組み(環境白書など)
④原子力発電:現在,どのような状況にあるか?
・①と関連させて扱う。
p.12_24-29L,p.184 左段 14L- 右段 23L
⇒ 日本の原子力発電所所在地・稼働状況(日本国勢図会など),
核燃料サイクルとプルサーマル計画(p.184 右段 8-10L),
核廃棄物の処理 ,再稼働の是非に関する判例 ,原子力協定
⑤再生可能エネルギー:普及の状況と現在の課題は?
p.12_20-23L,p.184 右段 24-33L
⇒ 再生可能エネルギー特別措置法 ,発送電分離 ,
再生可能エネルギーの種類と特徴(資源エネルギー庁 HP)
【争点分析 ③】
争
分
点
析 ④消費税
─消費税率を引き上げるべきか?─
■争点を理解するための問い■
・消費税はどのような税か? 所得税や法人税と何が違うのか?
・消費税が導入された理由は何か? 導入後に税率が引き上げられた理由は何か?
・消費税が国税に占める割合はどのくらいか? 地方公共団体との関係は?
・軽減税率とは何か? 導入した場合のメリット・デメリットは何か?
・消費税率の 10%への引き上げは必要だろうか?
■争点分析のポイント■
〈教科書対応ページ:
*分析に活用できる資料またはキーワード等
で示した。いずれも生徒用資料集
を
やウェブ検索によって収集可能なもの。
p.116-118,p.120〉
分析の観点と活用できる教科書該当ページ/資料等
①直接税と間接税:それぞれの長所と短所は?
p.116_8-10L,p.116 側注②,p.117_20-22L,p.117 側注⑧
指導上の留意点
・それぞれの性質の検討を通して,
消費税が誰にとって重い負担とな
るかを考察させる。
⇒ 直接税・間接税の特徴(p.117_20-22L)
,
累進課税(p.116 側注②),所得の再分配機能(p.116_8L),
逆進性(p.117 側注⑧),垂直的公平と水平的公平
②消費税導入の目的:
「大型間接税」として消費税が導入された背景は?
p.117_23-24L,p.117 グラフ「主要国の国税の直間比率」,
p.118_10-13L,p.118 グラフ「国債発行額と国債依存度の推移」,
p.120_14-16L,p.120 側注⑤
⇒ シャウプ勧告(p.120_14-16L,側注⑤)
,直間比率是正論 ,
中立性の原則(p.117_23-24L)
,物品税から消費税へ
赤字国債の発行(p.118_10-13L)
③税としての位置づけ:国・地方の歳入のどれくらいを占める?
p.116 グラフ「日本の歳入と歳出(一般会計)」
⇒ 「国税・地方税の税目・内訳」
「消費課税の概要(国税)」(財務省 HP),
・国の財政だけでなく,身近な地方
公共団体の財政にもかかわる問題
であることにも注目する。
地方消費税 ,地方財政に占める地方消費税の割合(地方財政白書など)
④軽減税率:軽減税率とは何か? 何に適用されるか?
⇒ 「軽減税率 Q&A」
(国税庁 HP)
,各国の軽減税率と対象品目
⑤消費税率の推移:消費税率引き上げの経緯と法的根拠は?
・他国の具体例や国内での議論を踏
まえ,線引きの難しさにも触れる。
・現行の法律が定める消費税収の使
途や消費税率引き上げの時期を確
p.117 側注⑧
⇒ 社会保障・税一体改革法(2012 年)
,消費税法第 1 条 2 項 ,
消費税法の一部改正(2015 年)
⑥今後の消費税率:どのような選択肢をとりうるのか?
⇒ 予定通り 2017 年実施 ,引き上げ先送り論 ,引き上げ凍結論 など
【争点分析 ④】
認する。
争
分
点
析 ⑤景気・雇用
─わたしたちの経済生活をどのように維持するか?─
■争点を理解するための問い■
・景気とは何か? 景気対策としてとられる政策に何があるか?
・日本の景気はどのように推移してきたか? 現状はどうなっているか?
・景気動向は雇用にどのように影響しているのか?
・特に景気の沈滞の影響を受けやすいのは,どのような層の企業/労働者だろうか?
・景気や雇用に対して今後とるべき政策とは?
■争点分析のポイント■
〈教科書対応ページ:
p.111,p.113-114,p.116,p.120,p.125-128,
p.134-135,p.180〉
*分析に活用できる資料またはキーワード等
で示した。いずれも生徒用資料集
を
やウェブ検索によって収集可能なもの。
分析の観点と活用できる教科書該当ページ/資料等
①景気とは:好景気/不景気とはどのような状態なのか?
指導上の留意点
・景気の安定と一定の経済成長をめ
p.111_9-19L,p.111 図解「景気変動」
,p.113 側注⑥,
p.114_12-22L,p.114 図解「金融政策」
,p.116_10-20L
ざして,財政政策・金融政策がと
られていることを理解させる。
⇒ 好況・不況/景気と物価の関係(p.111)
,
景気安定化の手段:金融政策/財政政策(p.113-114,p.116)
②日本経済の現状とその経緯:2000 年代以降の景気動向と経済政策は?
p.120 グラフ「日本経済のあゆみ」
,p.125_10-25L,
・直近の景気動向については,新聞
記事などで補足してもよい。
p.126-127「日本経済の現在」
⇒ 「失われた 10 年」
(p.125_23L)
,
「構造改革」
(p.126),
「失われた 20 年」,
各種景気指標(日銀短観,景気動向指数など)
③景気と雇用の関係:景気が変動すると,雇用はどうなるか?
p.125 グラフ「日本の企業倒産件数 ・ 負債額と失業率の推移」,
・グラフなどを用いて,景気と雇用
が連動していることを確認する。
p.125_6-9L,p.127_5-10L,p.134_4-8L
p.180 右段 15-19L,p.180 グラフ「若年層の失業率と有効求人倍率の推移」
⇒ バブル崩壊とリストラ(p.125,
p.134)
「就職氷河期」,世界金融危機と「派
,
遣切り」
(p.127)
,失業率の推移(p.180 グラフ)
④雇用環境の現状:景気沈滞のなか,雇用はどう変化してきたか?
・企業規模別の特徴や雇用形態の変
p.126_14L-p.127_10L,
p.126 グラフ
「非正規雇用者数と正規雇用者数の推移」
化にも注意しつつ,さまざまな観
p.128_2-18L,p.128 グラフ「大企業と中小企業の格差」,「中小企業の日
点から雇用の状況を確認する。
・中小企業白書には企業規模別の各
本経済に占める割合」
,
種指標が充実しており,発展的な
p.134-135「現代の雇用・労働問題」
⇒ 規制緩和(p.126)
,労働者派遣法改正(p.127,p.134 表),「格差社会」
(p.126-127)
,非正規雇用者の増加(p.127),二重構造(p.128),大企
業と中小企業の格差拡大(中小企業白書など)
⑤今後の景気対策・雇用政策:今後の望ましいあり方は?
⇒ 「アベノミクス」への評価 ,金融緩和策(
「量的・質的金融緩和」/「マイ
ナス金利」
),消費増税・法人減税 ,トリクルダウン論 ,雇用の流動性・同
一労働同一賃金
【争点分析 ⑤】
データとして活用できる。
・雇用・労働環境についての直近の
課題や発展的なデータは,厚生労
働白書などでも参照できる。
争
分
点
析 ⑥少子高齢化
─日本社会の少子高齢化に対して何をすべきか?─
■争点を理解するための問い■
・
「高齢者」
「高齢化率」「合計特殊出生率」など用語の定義は?
・少子高齢化はなぜ問題なのか?
・少子化・高齢化はいつから始まった?
・外国と比較した場合の特徴は?
・なぜ少子化が進行するのか? 有効な対策とは?
■争点分析のポイント■
〈教科書対応ページ:
p.28-29,p.126,p.134-135,p.180〉
分析の観点と活用できる教科書該当ページ/資料等
①経緯と未来:日本の少子高齢化はいつ始まり,どこまで進むのか?
*分析に活用できる資料またはキーワード等
で示した。いずれも生徒用資料集
を
やウェブ検索によって収集可能なもの。
指導上の留意点
・総務省,厚生労働省,内閣府のH
p.29_1-13L,p.28 グラフ「日本の人口構成の変化」,「おもな先進国の高齢
Pから白書など様々な公的統計資
化率の推移」
料を入手できる。
⇒ 戦後日本の合計特殊出生率の推移(p.29_8-10L),日本の人口構成の変化
(p.28 グラフ)
,欧米諸国の合計特殊出生率の推移 ,欧米諸国の高齢化率の
・人口構成の変化を人口ピラミッド
で示すと直感的に理解しやすい。
推移(p.28 グラフ)
②社会保障:少子高齢化は社会保障制度にどんな影響を与えるか?
p.137_21L-p.138_13L
p.185「少子高齢社会における世代間格差をどうするか?」
⇒ 社会保障費の推移 ,世代ごとの負担額・給付額(p.185 図)
③結婚と家族のあり方:晩婚化・非婚化と少子化の関係とは?
⇒ 完結出生児数の推移 ,婚外子率の国際比較 ,年齢別未婚率の推移
④働き方:なぜ育児と仕事は両立困難なのか?
・発展的なデータとして,女性の労
p.29_7-13L,p.29 グラフ「日本の家族類型別世帯割合の推移」,
働力率と出生率との相関,労働者
p.135_14-23L,p.135 側注⑩,p.135 グラフ「女性の年齢別労働力率の国
の平均就業時間と出生率との相関
際比較」
,グラフ「年間総労働時間の国際比較」
がある。
⇒ 女性の年齢別労働力率の国際比較の推移 ,男女別家事・育児関連時間の国
際比較 ,男女別育児休業取得率
・発展的なデータとして,世界各国
⑤若者の雇用環境:現代の若者の経済力は?
p.134_2L-p.135_1L
の所得水準と出生率との相関があ
p.126 グラフ「非正規雇用者数と正規雇用者数の推移」
る。
p.180「若者の労働環境をどう改善するか?」
⇒ 失業率の推移(p.180 グラフ)
,若年層の所得水準の推移
⑥子育て・教育費:子育てにかかる費用・負担はどれぐらいか?
・出産以降,親にどのような経済的・
⇒ 大学卒業までにかかる教育費総額 ,待機児童に関するルポ
身体的・心的負担があるのか,実
⑦大都市への人口流出:東京一極集中はなぜ問題なのか?
感をもたせる記事を使用したい。
⇒ 日本創成会議「ストップ少子化・地方元気戦略 」
⑧政府・自治体の少子化対策:政府はどんな対策をしてきたか? 地方自治体や
他国の成功例は?
p.29 コラム「少子高齢社会への政府の対応」
⇒ 日本の少子化対策(p.29 コラム)
,長野県下條村/岡山県奈義町の少子化対
策ルポ ,北欧諸国やフランスの少子化対策ルポ
【争点分析 ⑥】
・
「地方創生」政策を少子高齢化対
策の観点から理解させる。
平成●年度 ■■高校「模擬選挙」実施計画フォーマット
1 模擬投票の対象選挙・日程
対象選挙:7月●日の参議院選挙(※選挙区・比例代表ともに実施)
日 程
期日前投票日 7月●日(水),7月●日(木)
模擬投票日 7月●日(金)
2 事前学習
対象授業 1 学年:▲▲/ 2 学年:★★/ 3 学年:▼▼
授業内容 【模擬選挙を実施する「主権者教育」の指導計画】参照
3 模擬投票の流れ
(1)期日前投票
日 時
7月●日(●)放課後
7月●日(●)放課後
場 所
1会場を用意
投票箱
2箱(選挙区・比例代表)
(2)模擬投票当日
日 時
7月●日(●)放課後
場 所
各学年2会場を用意
投票箱
6会場×2箱(選挙区・比例代表)
投票者
生徒各自の判断で投票に参加する(自由投票)
①受付で投票所入場整理券をチェック後,投票用紙を2枚受け取る
②投票記載所で投票用紙に記入した後,投票箱に投票する
立会人
受付,投票の立ち会い,投票箱の管理
4 事後学習
開 票
8月●日(●)の始業式後,模擬投票プロジェクトチームで実施
対象授業 1 学年:▲▲/ 2 学年:★★/ 3 学年:▼▼
授業内容 【模擬選挙を実施する「主権者教育」の指導計画】参照
5 模擬投票プロジェクトチーム(生徒ボランティアで組織)
活動内容 模擬投票の企画・運営,啓発活動
選挙管理委員会と連携した選挙街頭啓発 7月●日(●)
選挙管理委員会と連携した投票事務臨時職員 7月●日(●)
【模擬選挙実施計画案】
6 投票所入場整理券
生徒の氏名等を記載して配布する
投票所入場整理券を持参し忘れても投票可能であることを説明する
平成●年度 ■■高校 参議院議員通常模擬選挙
投票日 平成●年7月●日(●)
*期日前投票日 平成●年7月●日(●),●日(●)
投票所入場整理券
年 組 番
選挙人氏名: 名簿対照
参選
参比
7 投票会場設置イメージ
選挙区・比例代表ともに行うため,記載台・投票箱ともに2つ用意する
【模擬選挙実施計画案】