2016 年度 国際植物の日 京都府立大学 公開シンポジウム ************************************************************************************** あったらいいな! バーチャル植物園 ~ 時空間とスケールを超えた植物の世界の可視化 ~ ************************************************************************************** ■趣 日 時: 平成28年5月14日(土) 13:30〜17:00 場 所: 京都府立大学 104号室 稲盛記念会館 参加費: 無料(事前申し込み不要) 内 大学と植物園の連携についての一般向け講演です。 容: 旨 京都府立植物園では 12,000 種類もの植物が栽培されており、四季折々の植物が生きた状態 で実際に観察することができます。そのため、日本一の植物園として高く評価されています。 しかし、環境教育や環境保全活動という観点からは、実物を観察するだけではなく、時空間の 制限を越えて、標本を互いに比較することや、ミクロやマクロの視点で捉えることも重要であ ると考えています。そうした体験が可能となるバーチャル植物園があったらいいなと思い、 この公開シンポジウムを企画しました。本学の教員が日頃取り組んでいる研究テーマの中か ら、時空間とスケールを超えた植物の世界の可視化につながる研究を紹介します。 ■プログラム 発表内容の要旨については裏面をご覧ください -------------------------------------------------------------------------------------◆「マクロ・ミクロからみる植物のダイナミクス」 …………………………… 武田 征士 ◆「和紙のスゴさを植物の観点から可視化する」 細矢 憲 …………………………… ◆「さまざまな花粉のかたち ~植物のミクロの形態」 …………………… 高原 光 ◆「微小昆虫のミクロな構造 ~花粉食と左右非対称な口器」 …………… 中尾 史郎 石田 昭人 ◆「教育のための Web カメラ設置と比叡山の長期観測」 ◆「光を食べる生き物たち」 …………………… …………………………………………………… 小保方 潤一 -------------------------------------------------------------------------------------■主 催 京都府立大学 ■共 催 京都植物バイテク談話会 ■後 援 京都府立植物園 ■連絡先 京都府立大学 生命環境科学研究科 森林計画学研究室 田中 [email protected] 2016 年度 国際植物の日 京都府立大学 公開シンポジウム ************************************************************************************** あったらいいな! バーチャル植物園 ~ 時空間とスケールを超えた植物の世界の可視化 ~ ************************************************************************************** 日 時: 平成28年5月14日(土) 13:30〜17:00 場 所: 京都府立大学 104号室 稲盛記念会館 ◆「マクロ・ミクロからみる植物のダイナミクス」 …………………………… 武田 征士 植物の体は、たくさんの特徴的な細胞からできています。例えば葉では、ジグソーパズル状の大きな細胞、 小さな孔辺細胞、様々な形の毛(腺毛やトライコーム)がひしめき合っています。肉眼ではほとんど見えな いこれらの細胞は、観察手法と顕微鏡の向上によって、その形や役割が明らかになってきています。様々な レベルで植物を「見る」技術を紹介します。 ◆「和紙のスゴさを植物の観点から可視化する」 ……………………………… 細矢 憲 コウゾはクワ科の植物であり、和紙の原料として用いられています。しかし、和紙に用いられるのは、 実はコウゾの皮の一部であり、その他の部分は有効利用されてきませんでした。コウゾの芯を改めて眺め てみると、まるでストローを束ねたような精緻な構造をしています。コウゾは皮が和紙原料になりますが、 この皮を育てるために、芯も重要な役割を担っているのが推察できます。この芯、比較的低温で焼くと構 造を保ったまま炭になり、芯を通して直接水を流すことも可能で、環境浄化にも寄与します。このように、 植物の観点からみた和紙についてお話します。 ◆「さまざまな花粉のかたち ~植物のミクロの形態」 ……………………… 高原 光 花粉と言えば,思い浮かぶのは花粉症で、見たくもないという方が多いのではないでしょうか? この ように悪名高き花粉ですが、その形態は驚くべき微細で複雑な構造をしています。デザイン的に見てもす ばらしいものばかりです。編み目状、畝状模様、棒状突起、カリフラワーのような模様、刺状模様などの 表面模様に加えて、形も、球形、三角形、ミッキーマウスのような大きな耳のあるものなど、さらに発芽 孔の形も千差万別です。このような花粉の形態を顕微鏡を通して紹介いたします。 ◆「微小昆虫のミクロな構造 ~花粉食と左右非対称な口器」 …………… 中尾 史郎 体長わずか1ミリほどの虫でもロボットのように精緻で複雑な構造を持っています。ミクロの視点で昆 虫のからだを観察すると、その左右非対称性“歪み”にも気がつきます。微小昆虫の歪んだ口器は花粉食 に適しているという説があります。花粉は虫の栄養源として優れており、その飛散は昆虫や植物病原微生 物の動向にも影響を及ぼすことを紹介したいと思います。 ◆「教育のための Web カメラ設置と比叡山の長期観測」 ………………………… 石田 昭人 Web カメラの性能向上とストレージの価格低下により、タイムラプス撮像システムが安価に構築できよう になりました。筆者の専門は顕微分光学ですが、バイオ研究に不可欠な分光測定や画像解析の初歩を教える うえでも Web カメラはよい教材となります。そこで、比叡山の定点観測を行ってきました。最近では全国に 設置されている Web カメラの画像解析から森林の状態を分析する研究にも応用されています。この比叡山カ メラについて紹介します。 ◆「光を食べる生き物たち」 …………………………………………………… 小保方 潤一 植物の仲間は、光のエネルギーを使って光合成をします。ところが、光合成をするのは植物たちだけで はありません。地上の水たまりの中には、光合成をする微細な動物たちも棲んでいます。一方、海の中で は、ウミウシやクラゲ、イソギンチャクなどのなかにも、光合成をしている仲間たちがいます。植物園の 「緑」を手がかりにして、生き物たちの多様性と、不思議な進化を考えてみましょう。
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