自転車の基礎情報No.7『シティ車のタイヤに働く力』

自転車
の基礎情報
平成28(2016)年4月20日 No.7
シティ車のタイヤに働く力
春になると天気がよくなり、自転車に乗る機会が増えます。
また、新入生や新社会人は通学や通勤の手段として、自転車
の中でも特にシティ車の利用が多くなります。春は一日の寒暖差
が比較的大きいことも手伝い、タイヤの空気圧に影響がでやすい
のです。
ここでは、シティ車に乗っている時、タイヤにはどのような力が
働くのかを説明した後、「タイヤの空気圧」について、考えてみた
いと思います。
右の図1と2ではシティ車と乗員を単純化し、黒い四角で表して
います。図 1 はシティ車がまっすぐに走っている時に働く力です。
まっすぐ進もうとする力(推進力)と、タイヤと路面の摩擦、風の抵
抗、ブレーキなどによる、推進力とは反対に働く力(走行抵抗)を
矢印で示しています。推進力が走行抵抗より大きいと、シティ車は
前に進みます。
図2はシティ車が曲がる時に働く力です。曲がる時には、推進力
と走行抵抗に加えて、カーブの外側に働く遠心力と内側に働くタイ
ヤのサイドフォース(車輪の回転面に対する横向きの力)を矢印で
示しています。遠心力が大きいと外側に大きく曲がります。
自転車+乗員=黒い四角で表現
自転車+乗員=黒い四角で表現
図は当協会発行の自転車実用便覧第4 版、第5 版から引用しました。発行当時の
鳥山研究所の鳥山新一氏の図を引用しています。
このように、普段の生活では見逃してしまいがちになりますが、推進力や走行抵抗に加えて、遠心力とサイド
フォースも、タイヤに働いています。
タイヤを走行に適した状態にするために、タイヤに空気をいれることは、「パンクの防止」といったことばかりでな
く、事故を未然に防ぐための点検整備の第一歩なのです。
ちょっと面倒に思うかもしれませんが、ぜひ、この春から毎月9、19、29日は自転車の空気をいれるようにし
ましょう。
次号は、平成28年5月20日に発行を予定しています。
<発 行>
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