⑦ 1月からの上昇は売り方ファンドの踏み上げ主導 (山本)

★どうなる原油相場? ⑦ 1月からの上昇は売り方ファンドの踏み上げ主導 (山本)
北辰物産株式会社 『波動展望の部屋』 http://www.hoxsin.co.jp/hadoutenbou/ 作成:山本 毅 [email protected] ☎ 0120-253-277
左図は米商品先物委員会が毎週公
表している建玉明細である。
2009年以降、リーマンショック対策で
の超金融緩和政策によるインフレ期待
を背景として上昇、ファンド勢も買い上
がってきた。さらに2014年前半までも、
さらに一段高を期待してファンド勢は過
去最高水準まで買い玉を増やした。し
かし、逆オイルショック暴落が発生、ファ
ンド勢は損切りを強いられた。
昨年3月から5月まで戻した時もファン
ド勢は買い上がったが、6月からの一段
安で再び損切りを強いられている。
そして今年1月から、ファンド勢は再び
買い上がってきている。また、売り方
ファンド勢は年末へ一挙に売り上がった
が、相場が反騰したため、売りを一挙に
解消している。
この間のファンド勢における買い増し
と、売り玉の仕切り度合を見れば、ファ
ンドが買ったから上がったというよりも、
売り方ファンドが失敗して踏み上げたと
いうのが実情のようだ。
現在の上昇が継続なら、売り方はいっ
たん撤退しているので新たな売り上がり
を始め、買い方は買い増ししてくるのだ
ろう。またそうした傾向が続く内は相場
の上昇基調も継続しやすい。しかし、相
場が下落、買い方ファンド勢な投げ売り
開始となる場合には、昨年の二の舞と
なりかねない。
もう一つ特徴的なことは実需筋の売り
上がりである。採算割れまで相場が下
がったのに生産を継続しているのは、
暴落前水準でヘッジ売りしている分の
利益があるからだともいえる。現状でも
売り上がっているということは実需、生
産者は先行きの下落不安が解消してい
ないことを示しているのかもしれない。
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