平成28年度教育課題研修指導者海外派遣プログラム 実施計画 派遣テーマ 教員の資質向上 趣 旨 派遣 団名 研修のねらい 派遣先国・地域 (予定) ニュージーランドでは、授業は子供が主体的に学ぶ時間であって、教師 ニュージーランド 我が国の更なる発展には、質の高い人材育成が不可欠であり、その中核 A-1 は一人一人の子供の学びをアセスメントし、適切に支援し助言を与えるとい (オークランド、クライ う役割を果たす。一斉画一ではない個に応じた教育の実際を視察し、日本 を担うのが学校教育である。中でも教育の直接の担い手である教員の資質 ストチャーチ) の学校教育への示唆を得る。 能力を向上させることが最も重要である。 そのため、教員自身が探求力を持ち学び続ける存在であるべきであると 専門職としての教員という観点から、教員にとって研修は重要な意味を いう「学び続ける教員像」を確立していくための教員政策について、諸外国 持っている。大学での先導的な教師教育研究(教員養成、研修)の取り組 の行政・研究機関等における取組について調査し、成果と課題を把握・分 カナダ みをはじめ、現職教員の資質向上のための大学でのプログラム開発とその 析するとともに、そこから得られる知見の活用方法等を考える。 A-2 (オンタリオ州トロン 実際、さらには、学校現場を中心とした資質向上を図る現職研修の実際等 ※ 教育機関等調査団(仮称) ト) について、大学(大学院)および、いくつかの学校を視察し、その事例をもと に調査研究を行う。 ICT、反転授業(Flipped Classroom) 、ロジカル&クリティカル・シンキング の活用、MOOCs (Massive Open Online Courses) など双方向型のオンライ アメリカ合衆国 B-1 ン大規模授業公開、ブレンド型学習 (Blended Learning)等を通し、児童・生 (ボストン、ローリー) 子供たちが、基礎的な知識・技能を習得するとともに、自ら課題を発見し、 徒が能動的に学ぶ問題解決型 (Project/Problem Based Learning) 授業の その解決に向けて主体的・協働的に探究し、その成果等を表現し、実践す 成果と課題について視察する。 ることが重要である。 アクティブ・ラーニ そのためには、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習、 日本の子供たちが課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学 ングの推進 いわゆるアクティブ・ラーニングや、そのための指導の方法等を充実させて 習(アクティブラーニング)を行うためには、言語力・コミュニケーション力の いく必要がある。このことから、諸外国の教育行政機関、学校におけるアク 育成が不可欠である。オーストラリアでは、以下の二つの点について視察 オーストラリア ティブ・ラーニングの推進の取組について調査し、成果と課題について把 を行う。 B-2 (シドニー ブリスベ 握・分析するとともに、そこから得られる知見の活用方法等を考える。 ・資質・能力の構成要素として7つの要素をあげ、教科等の内容に埋め込 ン メルボルン) んでいる点 ・アクティブラーニングを行うに当たって、必要な情報活用能力とメディア教 育において先進的な教育がなされている点 教育改革によりPISA型学力の育成で成果を上げているドイツ(フィンラン ドイツ ド)の教育について、資質・能力の育成を目指したカリキュラム、教材開発、 PISA型学力では、「読解力」、「数学的リテラシー」、「科学的リテラシー」 C-1 指導法、学習評価などの観点から、取組の実態と課題を調査し、思考力、 (ベルリン、ドレスデ ン) の向上が求められている。学習指導要領においても、知識・技能の習得、 判断力、表現力等を育む日本の教育の在り方について示唆を得る。 PISA型学力の育 それを活用するために必要な思考力・判断力・表現力等の育成を重視し、 成 課題解決的な学習や探究的な活動の充実を図っている。PISA調査の上 カナダでは国外で生まれた子供たちが多いにもかかわらず、PISAでは比 位の国における取組を調査し、成果と課題について把握・分析し、そこから 較的上位に位置する。近年、教育の平等と卓越性の更なる向上に向け、多 カナダ 得られる知見の活用方法等を考える。 C-2 様な取組が行われている。PISA型学力または学力向上を意識した取り組 (トロント、オタワ) みの実際とその取り組みを支える学内体制、教師間の協働、校種間連携な ど、日本への示唆を得る。 生徒指導の充実 キャリア教育の充 実 いじめ対策として、事後の適切な対応はもちろん重要であるが、いじめを 抑止し傍観者をなくす予防的開発的な取組がますます重要になっている。 学校においては、児童生徒に望ましい生活習慣を身に付けさせる教育や D-1 予防開発的な教育プログラムを海外の先進的な取組に学び、その成果を 規範意識を培うための教育の充実及び児童生徒の悩みに対して適切かつ 我が国の地域・学校における取組に生かす。 可能な限り迅速に対応することが求められている。このことから、諸外国の 教育行政機関、学校における生徒指導・教育相談等の現状や取組を調査 人口の10パーセント以上が外国生まれの人々であるフランスは、日本以 し、成果と課題について把握・分析し、そこから得られる知見の活用方法等 上に児童生徒が多様である。中央集権的な教育行政の枠組みを採用して を考える。 D-2 いるフランスで、多様な児童生徒に対する生徒指導・教育相談等をどのよう に実施しているか調査する。 学校においては、児童生徒の発達段階に応じて、社会や職業への円滑 な移行を図るために、必要な知識・技能や勤労観・職業観等を育成し、児 童生徒が将来の基盤を築き、自立して生きていくことができるようにする キャリア教育を充実させることが求められている。このことから、諸外国の教 育行政機関、学校におけるキャリア教育の現状や取組を調査し、成果と課 題について把握・分析し、そこから得られる知見の活用方法等を考える。 ノルウェー (オスロ、ベルゲン) 派遣期間 (予定) 11月27日(日) ~12月8日(木) 11月7日(月) ~11月18日(金) 10月24日(月) ~11月4日(金) 10月24日(月) ~11月4日(金) 10月17日(月) ~10月28日(金) 10月3日(月) ~10月14日(金) 10月3日(月) ~10月14日(金) フランス 10月3日(月) (パリ、マルセイユ、リ ~10月14日(金) ヨン) 日本の小・中・高等学校においては、1999年の中教審の答申以降、児童 生徒の発達段階を考慮したキャリア教育が全国的に展開されてきている アメリカ合衆国 10月17日(月) E-1 が、その実践には課題も多く存在する。そこで、アメリカ合衆国の学校にお (シアトル、ロサンゼ ~10月28日(金) けるキャリア教育の取組を調査・精察することによって、その課題を克服す ルス) る方策を見いだす。 1/2 平成28年度教育課題研修指導者海外派遣プログラム 実施計画 派遣テーマ 趣 旨 派遣 団名 研修のねらい 派遣先国・地域 (予定) 国民の誰もが身近にスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の 子供たちのスポーツ離れ、スポーツ経験の二極化、体力・運度能力の低 実現や児童生徒の体力・運動能力の向上に関する関心が高まっている。こ 下等の問題が顕著になっているが、日本の仕組みないし日本的な発想で イギリス スポーツ教育の推 のことから、地域スポーツクラブとの連携等の現状や取組や諸外国の教育 F-1 それらの解決策を見出すには限界がある。そこで、先進的かつユニークな (ロンドン、レスター 進 行政機関、学校における学校・家庭・地域等が協働して行う体力・運動能 取組みを実践している諸外国での研修を通じて、当該国の事情を踏まえた シャ―) 力の向上策を調査し、成果と課題について把握・分析し、そこから得られる うえで、日本に還元できるポイントを探る。 知見の活用方法等を考える。 学校教育の情報 化・ICTの活用 社会の情報化の急速な進展に伴い、ICTを最大限に活用し、子供たちの 情報活用能力の育成、協働型、双方向型の授業革新、校務の情報化によ る教員の負担の軽減等を実現するための学校づくりが求められている。こ 学校教育の情報化・ICT活用を積極的に推進し、教育方法や校務効率 のことから、諸外国の教育行政機関、学校におけるICTを活用した「分かる G-1 化等の改善を行ってきたイギリスの状況を視察を通して、我が国において 授業」の実現、児童生徒の情報活用能力の育成、校務の情報化など、学 望ましい学校教育の情報化・ICT活用を考察する。 校教育の情報化の推進方策等について、諸外国における現状や取組を調 査し、成果と課題の把握・分析を通して、そこから得られる知見の活用方法 等を考える。 イギリス (ロンドン、ブライト ン) 派遣期間 (予定) 11月21日(月) ~12月2日(金) 11月7日(月) ~11月18日(金) スウェーデン・デンマークにおけるインクルーシブ教育の現状を調査・分 一人一人に応じた指導や支援(特別支援教育)に加え、障害のある者と 析し、そこから得られた知見をわが国の教育に活用するために、以下の3 障害のない者が可能な限り共に学ぶ仕組み(インクルーシブ教育システ 点をねらいとする。 スウェーデン(ストック ム)を構築することが重要である。このことから、諸外国の教育行政機関、学 特別支援教育の充 ①幼児期から成人期までの医療・教育・福祉・労働等の連携体制 ホルム) 11月14日(月) 校における校内支援体制、家庭や関係機関及び他校種との連携、並びに H-1 実 ②スウェーデン・デンマークにおける障害児・者の教育を保障するための支 デンマーク(コペン ~11月25日(金) 専門的な相談・助言体制等、計画的・組織的な支援の在り方について現状 援システム ハーゲン) や取組を調査し、成果と課題について把握・分析し、そこから得られる知見 ③インクルーシブ教育における小・中・高等学校での学習指導の実際およ の活用方法等を考える。 び特別支援学校との連携 子供たちの「生きる力」を育むためには、学校・地域・家庭等が教育にお けるそれぞれの役割と責任を自覚し、相互に連携・協力に努めることが不 学校と地域等の連 可欠である。このことから、諸外国の教育行政機関、学校における社会体 験活動や、地域・家庭・各種団体等と学校との連携の在り方、行政機関の 携 支援体制等の現状や取組を調査し、成果と課題について把握・分析し、そ こから得られる知見の活用方法等を考える。 学校が、複雑化・多様化した課題を解決し、子供に必要な資質・能力を 育んでいくためには、専門性に基づくチーム体制の構築、学校のマネジメ ント機能の強化、教職員一人一人が力を発揮できる「チームとしての学校」 チーム学校の推進 の体制を整備が重要である。このことから、諸外国の教育行政機関、学校 における現状や取組を調査し、成果と課題について把握・分析し、そこから 得られる知見の活用方法等を考える。 I-1 本研修では以下の点に注目し、我が国における学校・地域連携の取り組 みのための示唆を得ることを目的とする。 1.地域の実態に応じたカリキュラム編成の在り方 オーストラリア 10月31日(月) 2.学校支援ボランティアの活動実態とそのコーディネートの仕組み (シドニー、ブリスベ ~11月11日(金) 3.校外活動の実態と運用の在り方 ン、ゴールドコースト) 4.School Councilなどの学校協議会の仕組みと成果・課題 5.地域連携と学力との関係 I-2 学校と地域との連携のあり方について、具体的には保護者の学校運営参 加の制度や保護者・地域住民が参加・協働する授業づくり(郷土教育、環 台湾 境教育、キャリア教育、市民性教育など)を調査する。教育行政機関、専門 (全域) 的に研究を行っている大学、学校等を訪問し、学校、地域双方からの協力 実践活動を、様々な視点から学ぶこととする。 J-1 (1)教員と教員以外の専門スタッフとはどのように分担し、生かし合ってい るのか、 (2)多様な教職員を生かす学校管理職の役割と養成の仕組みはどのよう なものか、 (3)学校に対して教育委員会はどうサポートしているのかという点について 日米を比較する。 10月31日(月) ~11月11日(金) アメリカ (ワシントンD.C、ア 11月14日(月) レクサンドリア、 ~11月25日(金) ニューヨーク) ※派遣期間は10月~12月とする。 2/2
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