シニアと呼ばないで編

2016 年第 10 号
(2016.4.28)
シニアのライフスタイルと旅行に関する調査(2)
~シニアと呼ばないで!“次世代新シニア”時代の到来に向けて~
〇
〇
〇
二つの次世代新シニア「バブル」と「ポスト団塊」を大きく隔てるインターネット
情報収集、選択、活用に長けた”ネットサーフィン世代”の台頭
言われて嬉しい言葉は「実際の年齢より若くみえる」
自分の年齢に応じて表示される広告は“余計なお世話”
孫はやっぱりかわいい。“孫消費”には引き続き注目
三世代旅行、中抜き二世代旅行にも可能性
(株)JTB総合研究所(東京都千代田区 代表取締役社長 野沢 肇)は、
「シニアのライフスタイルと旅
行に関する調査(2)
」を実施しました。当社は生活者の消費行動と旅行に関する調査分析を継続的に行ってい
ます。
当社は 2007 年から継続して、団塊世代を中心とした「シニアのライフスタイルと旅行に関する調査」を実施
してきました。調査開始当時、60 代を迎える頃の団塊世代は、自分の将来の姿や老後の家計収支が見えない不
安感から、あまり積極的に消費や旅行をしようという意思が見えませんでした。しかし退職後は、収入は減って
も身の丈にあった生活の中で旺盛な活動をし、シニア消費の中核を担ってきました。その彼らもいよいよ 70 代
にはいり、消費、特に旅行に関してはピークアウトしたと言われています。先月発表した「シニアのライフスタ
イルと旅行に関する調査」の結果では、加齢や病気などがきっかけで体力や気力が衰え、同行者への遠慮などか
ら誘いを断ることで、誘われる機会が減り、自ら誘うことも少なくなった結果、レジャー頻度が下がってしまう
“負のスパイラル”現象が起こっていることがわかりました。
一方、シニアの世代交代の流れの中で、アクティブに消費やレジャーを楽しむ“次世代新シニア層”にはどの
ような特徴があるのでしょうか。次世代のシニアである、ポスト団塊世代やバブル世代はバブル経済の中でモノ
やコトの消費を楽しみ、若い頃からインターネットにも親しんできた新しいジェネレーションとして、団塊世代
やキネマ世代とは全く異なる側面を持っています。加齢やライフステージの変化など、年代特性による事象と、
育ってきた時代からくる世代特有の普遍的な価値観を考え合わせ、ポスト団塊世代やバブル世代の消費や旅行の
実態を読み解きます。
【調査概要】
調査方法:インターネットアンケート調査
調査対象:首都圏、名古屋圏、大阪圏に住む 20 歳から 79 歳までの男女 3,610 名
過去1年以内に1回以上、宿泊を伴う旅行をしたことがある人(国内、海外問わず)
調査期間:2016 年 3 月 8 日~3 月 14 日
~1~
【プロフィール】
本調査で対象としたポスト団塊世代とバブル世代の特徴、およびプロフィールは以下の通りです。
現在、
「仕事はしていない」と回答したポスト団塊世代は 50.1%となり、現役とリタイヤのちょうど狭間と位
置付けられます。一方、バブル世代全体の 59.1%(男性 90.6%)はフルタイムで働いており、まだ現役世代と
言えます。また男女別に職業を見てみると、ポスト団塊世代女性では専業主婦の割合が 62.8%、バブル世代女
性では 39.8%でした。バブル世代は男女雇用機会均等法が施行された世代でもあり、結婚後も働く女性が増え
たものと考えられます。配偶者の有無については、ポスト団塊世代が男女共にバブル世代より「配偶者がいる」
割合が高くなりました(表 1、図 1~図 4)
。
(表1)世代の特徴
世代名称
生年
年齢(2016年時)
特徴
キネマ(広義)
世代
1937
1945
71 ~ 79
戦後復興期に育つ。高度経済成長期を支えた。世代名の由来通り、若い頃には空前の映画ブームで、映画を通じて
海外文化を吸収した。海外には純粋な憧れを持つ。
団塊世代
1946
1950
66 ~ 70
青年期に高度経済成長を過ごす。40代のバブル崩壊まで右肩上がりの経済成長を経験。その後の不況のあおりを受
けた人も少なくない。安保問題などからアメリカ文化に憧れと反発。
ポスト団塊世代
1951
1959
57 ~ 65
右肩上がりの経済を担った世代。三無主義、シラケ世代とも呼ばれ、上の世代ほど会社一辺倒ではない。若い頃の
デートに車は必須。最初のデザイナーズブランドブーム、テニスやスキーなどを楽しんだ。
バブル世代
1960
1970
46 ~ 56
いわゆるバブル期に消費を謳歌した世代。男女雇用均等法の施行で男性並みに働く女性も増加した。様々なモノやコ
トの経験が豊富で、価値を認めたものには支出を惜しまない。
団塊Jr.世代
1971
1975
41 ~ 45
成人前後にバブル崩壊を経験し、期待外れ感を味わった世代。子供の頃にはファミコンが流行し、ゲーム好きも多い。
ポスト団塊Jr.世代
1976
1980
36 ~ 40
就職氷河期を経験し、無駄な消費は嫌う世代。派遣労働などを経験している人も多い。高校生の時にポケベルが流
行った。
プレゆとり世代
1981
1988
28 ~ 35
日本の景気が良かった時代を知らないため、現状に特に不満も持っていない世代。ただし先の見えない社会には不
安を持っており、友人や仲間を大切にする傾向。mixiや2ちゃんねるなどネットでの発信も広がった。
ミレニアル世代
1989
1995
21 ~ 27
プレゆとり世代同様に日本の景気が良かった時代を知らず、現状への不満は少ない。しかしバブル世代である親世代
の価値観を共有し、ブランドなどを好む一面も。10代の後半からスマホ利用も多い。いわゆる「ゆとり教育」を受けた
「ゆとり世代」とも重なる。
(図 1)性別 配偶者の有無
現在の就業状況
嘱託・契約社員
0%
20%
全体(759)
5.4
5.5
1.8
男性(298)
1.1
29.4
42.4
世帯年収
400万円未満
400~600万未満
600~800万未満
1000万円以上
わからない
無回答
20.8
69.5
17.6
ポスト団塊(393)
2.3
51.7
5.6 2.8
バブル(269)
62.8
19.7
5.2
39.8
24.5
22.5
24.9
14.8
40%
14.8
20.8
16.8
60%
16.1
18
15.3
80%
8.7
8.8
10.2
9.5
14.2
17.3
全体(1805)
100%
9.9
9.9
7.1
男性
20%
配偶者の有無
0%
ポスト団塊(366)
30.2
16.9
40%
配偶者がいる
60%
69.8
83.1
バブル(298)
26.2
73.8
全体(1805)
27.3
72.7
5.3
10.8
20%
ポスト団塊(393)
バブル(269)
~2~
15.8
23.4
84.2
76.6
80%
0.55.2
80%
10.5
100%
100%
22.4
9.6
21.1
23.2
0.7
1.3 5.4 2.0
16.7
5.5 6.3
18.6
3.6 6.6
28.3
(単一回答)
配偶者がいない
800~1000万未満
女性
0%
バブル(567)
12.7 0.44.8
40.7
全体(1805)
JTB総合研究所
60%
49.2
バブル(298)
3.0
40%
(単一回答) (図 4)配偶者の有無
JTB総合研究所
ポスト団塊(759)
無職
20%
ポスト団塊(366)
1.9
2.3 3.7 1.0
2.3
(図 3)世帯年収
全体(3610)
22.0
90.6
24.2
専業主婦(主夫)
その他
全体(1805)
4.4
2.5
15.2
経営者・役員・自営業
パート・アルバイト
0%
3.4
29.2
69.5
59.1
公務員・会社員
100%
50.1
10.4
19.3
女性(269)
その他
80%
12.6 0.1
0.8
全体(567)
バブル
仕事はしていない
60%
50.5
7.6
学生
40%
28.3
男性(366)
女性(393)
パート・アルバイト
(単一回答)
職業
JTB総合研究所
男性
フルタイム
(図 2)性別 現在の就業状況
女性
JTB総合研究所
ポスト団塊
(単一回答)
3.3 3.7
【日本の人口構造の変化】
日本の総人口(外国人も含む)は
(図 5)日本の人口構造の変化
2015 年 10 月 1 日時点で、約 1 億 2700
2015
万人となり、5 年前に比べて約 94 万人
(0.7%)減少しました。現在は約 25%
である 65 歳以上の高齢人口の割合は
2035 年には 33.4%、3 人に 1 人が 65 歳
以上となると予測されています(国立社
会保障・人口問題研究所の推計による)
。
今後は団塊世代が 70 歳を過ぎ、ポ
スト団塊世代やバブル世代がリタイヤ
期にさしかかります。
90歳以上
85~89
80~84
75~79
70~74
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
15~19
10~14
5~ 9
0~ 4
団塊
ポスト団塊
バブル
0
また、
「現在の高齢者は 10~20 年前に
2020
2,000 4,000 6,000 8,000 10,000
90歳以上
85~89
80~84
75~79
70~74
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
15~19
10~14
5~ 9
0~ 4
団塊
ポスト団塊
バブル
0
2,000 4,000 6,000 8,000 10,000
(千人)
(千人)
比べて、5~10 歳若返っていると想定さ
れる」
(日本老年学会)という報告もあり、これまでとは異なるシニア像を描く必要があると考えられます(図
5)
。
【シニアの生活と消費】
1. この 5 年間の生活の変化:
バブル世代は「子供が大きくなって手が離れた(24.9%)」
ポスト団塊世代は「孫の世話をするようになった(18.4%)」「介護をするようになった(9.1%)」
この 5 年間の生活の変化を見てみると、
バブル世代は「子供が大きくなって手が離れた」と回答した人が 24.9%
と全世代を通じて最も多くなりました。ポスト団塊世代では、「孫の世話をするようになった(18.4%)」「介護
をするようになった(9.1%)
」の山が高くなりました。子供の世話が終わり、自分の時間ができた段階のバブル
世代と、そこから再び家族の世話が出てきたポスト団塊世代のライフステージの違いが浮き彫りになったと言え
ます。また、ライフステージ以外の項目では、バブル世代は「健康状態が悪くなった」が 26.5%と全体の 23.6%
より約 3 ポイント高くなりました。収入に関しては、バブル世代、ポスト団塊世代共に「年収が減った」が上位
を占める一方で(バブル世代 32.5%、ポスト団塊世代 57.7%)、ポスト団塊世代は「退職金や相続など一時的な
所得があった」も 23.2%と他の世代に比較して高い結果となりました(図 6、表 2)
。
(図 6)この 5 年間の生活の変化(ライフステージの変化のみ) (複数回答)
この5年間の生活の変化
30%
24.9
18.4
20%
10.8
10%
6.3
2.0
0%
JTB総合研究所
2.5
0.7
0.7
1.0
4.7
6.7
3.4
17.8
介護をするように
なった
12.6
9.1
8.6
5.3
4.6
4.1
1.4
子供が大きくなって
手が離れた
孫の世話をするよう
になった
~3~
[比率の差]
(表 2)この 5 年間の生活の変化(すべて)
全体
全体
全体
+10 ポイント
+5 ポイント
全体
全体
-5 ポイント
-10 ポイント
(複数回答)
家の新 退職金や
子供が大
健康状態
築・リ
相続など
孫の世話 子育てを 健康状態 介護をす 介護から 郊外から 自動車の 孫が大きく 都心から 自動車の
年収が増
きくなって
が悪くなっ
フォームや で一時的
をするよう するように が良くなっ るように 手が離れ 都心へ 免許を取 なって手 郊外へ 免許を返
えた
手が離れ
た
建て替え な所得が
になった
なった
た
なった
た
引っ越した 得した
が離れた 引っ越した 納した
た
をした
あった
年収が
減った
全体
3610
37.6
23.6
19.6
12.6
9.3
9.1
8.0
ミレニアル
348
17.0
14.7
プレゆとり
446
24.9
18.2
40.2
4.3
3.2
0.9
42.8
14.3
4.0
2.5
ポスト団塊Jr.
288
21.5
22.6
40.6
11.8
1.7
団塊Jr.
278
バブル
567
19.8
24.5
30.6
10.8
32.5
26.5
18.9
9.2
ポスト団塊
759
57.7
23.3
5.5
団塊
505
51.7
25.5
キネマ
419
45.1
31.3
その他
7.2
7.0
4.9
3.3
2.8
2.7
2.4
2.0
1.3
10.6
0.0
9.8
14.1
2.0
0.6
10.1
21.6
0.0
2.3
0.0
8.0
0.7
27.1
9.0
0.7
0.4
5.2
3.1
0.0
4.9
0.0
7.6
6.3
0.0
21.5
6.6
1.0
0.7
2.4
0.3
0.0
3.5
0.0
8.7
4.7
10.8
0.0
11.2
7.2
4.7
2.2
3.6
1.1
0.0
2.2
0.0
12.2
6.0
24.9
3.4
1.6
5.5
6.7
3.7
1.6
0.2
0.7
1.4
0.2
12.0
15.9
23.2
12.6
18.4
0.3
5.3
9.1
5.7
1.1
0.4
2.1
1.3
0.5
8.0
3.8
16.8
12.3
4.6
17.8
0.0
5.7
5.3
5.7
1.2
0.0
6.9
0.8
1.8
12.3
1.9
13.1
3.6
1.4
8.6
0.0
6.0
4.1
3.1
0.7
0.0
7.9
1.4
8.1
16.7
2. 足元の景気については不安が大きい
バブル世代は「来年の消費増税後の生活が不安(58.2%)」、ポスト団塊世代は「海外の景気悪化による影
響が心配(71.4%)
」が1位
次に足元の景気や為替について質問をしてみると、全体的に「海外の景気悪化による影響が心配」
「来年の消
費増税後の生活が不安」
「物価の上昇が生活を圧迫」
「マイナス金利導入で今後の景気が心配」などが上位となり、
「会社や産業の業績が良くなった」
「投資を増やそうと思う」
「給料やボーナスの上昇が期待できる」
「景気の見
通しが良くなった」などのポジティブな回答は少ない傾向となりました。特にポスト団塊世代はリタイヤしつつ
ある時期でもあるせいか、バブル世代よりも不安が大きいようです。
また、今後の生活についての不安では、バブル世代もポスト団塊世代も「体力の低下や体調の悪化が心配」が1
位となりました。この 5 年間の生活の変化(表 2)でも「健康状態が悪くなった」と回答した人の割合が高かっ
たことと考え合わせると、まだ若く第一線で働くバブル世代とはいえ、少しずつ身体の衰えを意識し始める年代
と言えるのかもしれません(図 7、8)
。
(図 7)現在の景気や為替の状況について
(複数回答)
現在の景気や為替の状況について
JTB総合研究所
80%
70%
61.4
61.2
59.2
ポスト団塊(759)
51.9
60%
全体(3610)
48.8
50%
33.8
40%
71.4
30%
バブル(567)
55.9
20%
27.5
61.958.2 60.7
57.0 56.9 54.9
50.4 49.9
21.6
21.3
19.1
34.4
28.9
15.2
32.8
10%
28.9
21.9 21.7
16.4
15.7 15.3 14.917.3 17.3
12.9
11.1
9.4
7.5
6.5
6.7
11.79.2 6.510.4 8.86.5 6.35.8 5.35.1 5.79.7
0%
海
外
影の
響景
が気
心悪
配化
に
よ
る
物
景
来
会
マ
訪
価 後イ
気
社
年
日
の のナ
の 済外
や
生の
ス
効
な
く
上 景
見
産
活消
金 っ通 果国 な業
気
昇
費
人
が
迫
が が利 たし に増 っの
不税
が 期に た業
生 心導
安増
悪 待よ
績
活 配入
税
で
く
が
る
を
後
今
悪
経
圧
の
科
学
技
来術
にの
希発
望展
に
よ
る
未
円
安
は
も
っ
と
進
む
べ
き
大来
き年
なの
買消
い費
物税
を増
し税
た前
いに
円
高
は
も
っ
と
進
む
べ
き
会
社
や
く産
な業
っの
た業
績
が
良
~4~
F
X
な
うど
との
思投
う資
を
増
や
そ
給
料
がや
期ボ
待ー
でナ
きス
るの
上
昇
景
株
気
や
の
期資
な
見
待産
っ
通
価
で
たし
き値
が
るの
良
上
く
昇
が
そ
の
他
(図 8)今後の生活で不安なこと
80%
70%
(複数回答)
今後の生活で不安なこと
JTB総合研究所
60.0
60%
ポスト団塊(759)
54.5
バブル(567)
全体(3610)
50%
40%
30%
29.1
68.1 64.9
53.1
26.3
57.1
20%
30.6 31.0
28.5
10%
9.9
11.8
24.7
5.7
5.3 10.8
7.0 11.1
子
供
や
孫
の
教
育
が
不
安
居
住
環
境
に
つ
い
て
不
安
4.9
0%
体
悪力
化低
が下
心や
配体
調
の
家
族
の
健
康
が
不
安
経
済
的
に
不
安
気
力
の
減
退
が
不
安
4.9
そ
の
他
3. 現在時間やお金を使っていることは、ポスト団塊世代もバブル世代もインターネットがテレビを超え1位
今後時間やお金を使いたいことは両世代とも「家族とのおでかけ(宿泊)」がトップ
バブル世代は、
「家族とのおでかけ(日帰り)」や「ショッピング」なども高い傾向
現在、バブル世代やポスト団塊世代が「時間やお金を使っていること」では、両世代とも1位が「インターネ
ット」でした。バブル世代では「ショッピング」
、ポスト団塊世代では「テレビ視聴」が 2 位となっています。
今後お金や時間を使いたいことについて聞いた質問では、バブル世代、ポスト団塊世代共に「家族とのおでか
け(宿泊)
」
「家族とのおでかけ(日帰り)
」が上位となりましたが、ポスト団塊世代ではより「家族とのおでか
け(宿泊)
」が多く、
「家族とのおでかけ(日帰り)
」はバブル世代で高い傾向が見られます。バブル世代はまだ
仕事が忙しく、長い旅行をしにくい状況なのではないでしょうか(図 9、図 10)。
(図 9)現在、時間やお金を使っていること(TOP10)
(複数回答)
現在、時間やお金を使っていること(TOP10)
JTB総合研究所
80%
65.2
ポスト団塊(759)
バブル(567)
全体(3610)
60%
50.1
46.9
44.7
44.7
43.1
40%
30.1
69.7 67.5
56.7
47.8
20%
44.3
49.9
54.2
47.1
49.3 47.6
28.0
25.3
23.4
44.0 41.3
27.7 28.2
26.0 24.9
26.6 23.8
27.3
16.2
0%
イ
ン
タ
ー
ネ
ッ
ト
テ
レ
ビ
視
聴
買
い
物
以
外
)
シ
ョ
ッ
ピ
ン
グ
(
日
用
品
の
家
族
と
の
泊お
)で
か
け
(
宿
家
族
と
の
りお
)で
か
け
(
日
帰
飲
み
会
、
食
事
会
な
ど
貯
蓄
や
投
資
け
(
日
帰
り
)
友
人
や
恋
人
と
の
お
で
か
健
康
維
持
こ、
と増
進
の
た
め
の
通
院
~5~
(図 10)今後、時間やお金を使いたいこと(TOP10)
(複数回答)
今後、時間やお金を使いたいこと(TOP10)
JTB総合研究所
40%
ポスト団塊(759)
30.9
20.7
20%
バブル(567)
全体(3610)
19.7
37.9
15.5
13.6
30.5
13.2
13.1
12.6
12.5
12.3
24.3
20.0
19.8
14.0
15.7
18.0
13.3 12.7
11.3 10.1
13.6
13.6
15.3
11.6
8.6
11.3 11.5
7.5
0%
(
宿
泊
)
家
族
と
の
お
で
か
け
(
日
帰
り
)
家
族
と
の
お
で
か
け
貯
蓄
や
投
資
た
め
の
こ
と
健
康
維
持
、
増
進
の
飲
み
会
、
食
事
会
な
ど
お
で
か
け
(
宿
泊
)
友
人
や
恋
人
と
の
の
買
い
物
以
外
)
シ
ョ
ッ
ピ
ン
グ
(
日
用
品
イ
ン
タ
ー
ネ
ッ
ト
自
己
啓
発
資
格
取
得
な
ど
の
お
け
い
こ
事
サ
ー趣
ク味
ルの
や
4. まだまだ第一線で活躍する毎日。現役で働くバブル世代の今の気持ちを表す一文字は「疲」
「鬱」
リタイヤ期に差しかかり、一息つき始めたポスト団塊世代では「楽」の割合が高まる
プロフィールで見たように、まだ現役で仕事をしている人が多いバブル世代。子供が完全に独立していない人
も多いと考えられます。公私共に気が抜けない毎日なのか、今の気持ちを表す一文字として「疲」や「鬱」が比
較的多くあげられる傾向となりました。一方、徐々にリタイヤ期に差し掛かりつつあるポスト団塊世代は、
「忍」
や「鬱」も多いものの、
「楽」の割合は 10.3%と、全体の 8.5%やバブル世代の 6.7%と比べると高くなり、精神
的にも余裕ができつつあるようです(表 3)
。
(表 3)今の気持ちを表す「漢字一文字」
全体
バブル
件数 割合
(3,610)
(567)
(自由回答)
件数 割合
ポスト
団塊
(759)
団塊
(505)
件数 割合
件数 割合
1位
楽
308
8.5%
楽
38
6.7%
楽
78
10.3%
楽
40
7.9%
2位
眠
151
4.2%
疲
33
5.8%
忍
17
2.2%
静
12
2.4%
3位
疲
141
3.9%
鬱
26
4.6%
鬱
16
2.1%
優
9
1.8%
4位
鬱
98
2.7%
眠
21
3.7%
爽
14
1.8%
爽
7
1.4%
5位
忙
51
1.4%
憂
10
1.8%
眠
14
1.8%
忙
7
1.4%
5. 言われて嬉しいこと:バブル世代は「実際の年齢より若くみえる」、ポスト団塊世代は「親しみやすい」
次に、自分が言われて嬉しい言葉を選んでもらった結果をみると、バブル世代では「実際の年齢より若くみえ
る」が 26.1%と最も多い結果となりました。2 位には「親しみやすい」、3 位には「頭の回転が早い」が続きま
す。
ポスト団塊世代が言われて嬉しい言葉は 1 位が「親しみやすい(29.8%)」
、2 位が「優しい(26.0%)」で、
バブルで 1 位だった「実際の年齢より若くみえる」は 3 位となりました(表 4)
。なお、バブル世代もポスト団
塊世代も、男女であまり大きな違いは見られませんでした。
(表 4)言われて嬉しい言葉(単位:%)
(あてはまるもの3つまで回答)
~6~
バブル
(567)
ポスト団塊
(759)
1位
実際の年齢より若く見える
26.1
親しみやすい
29.8
2位
親しみやすい
21.7
優しい
26.0
3位
頭の回転が早い
21.3
実際の年齢より若く見える
25.8
4位
優しい
19.0
知識が豊富
18.3
5位
気がきく
17.1
頭の回転が早い
17.5
6位
面白い
14.1
気がきく
15.9
7位
知識が豊富
13.6
知的
13.3
8位
知的
12.7
面白い
10.9
9位
しっかりしている
11.1
しっかりしている
10.3
10位
視野が広い
9.0
上品
10.0
6. 普段の買い物はスーパーやドラッグストアで。ポスト団塊はホームセンターや百貨店、バブルはコンビニ
や郊外のアウトレットも比較的利用
普段の買い物場所としては、スーパーやドラッグストアが1位、2位となりました。世代の特徴としては、バ
ブル世代は大型ショッピングセンター、コンビニ、郊外のアウトレットなどが比較的高く、ポスト団塊世代はホ
ームセンターや百貨店の利用が多い傾向でした(図 11)
。
(図 11)普段の買い物場所
(複数回答)
普段の買い物場所
90%
77.3
JTB総合研究所
80%
70%
ポスト団塊(759)
バブル(567)
全体(3610)
60%
45.7
50%
43.5
35.4
35.4
40%
30.5 28.4
30%
19.0
17.8
20%
16.1
12.9
11.0
10%
1.7
0%
ス
ー
パ
ー
マ
ー
ケ
ッ
ト
ド
ラ
ッ
グ
ス
ト
ア
大
型
シ
ョ
タッ
ーピ
ン
グ
セ
ン
コ
ン
ビ
ニ
ホ
ー
ム
セ
ン
タ
ー
家
電
量
販
店
百
貨
店
駅
ビ
ル
・
エ
キ
ナ
カ
ロ
ー
ド
サ
イ
ド
店
郊
外
の
ア
ウ
ト
レ
ッ
ト
大
都
市
部
の
繁
華
街
商
店
街
そ
の
他
7. 一緒によく出掛ける人は、バブル世代もポスト団塊世代も配偶者が1位
バブル世代は子供や仕事関係の友人、親が比較的多い。ポスト団塊世代では孫の割合も高まる
孫はやっぱりかわいい存在。バブル世代、ポスト団塊世代の3人に1人は「孫と一緒に旅行したい」
普段よく一緒に出掛ける人は、バブル世代もポスト団塊世代も配偶者が1位で、特にポスト団塊世代では
66.5%と全体より 8 ポイント上回りました。また、孫の割合も全体を上回っています。一方、バブル世代では子
供や親の割合が高い傾向が見られました。バブル世代は、いわゆる“三世代”のまだ真ん中世代が多く、ポスト
団塊世代は親世代が多くなっていると考えられます。
では、孫についてはどのように考えているのでしょうか。働き方や家族の概念も多様化してきている中、孫に
ついてもドライな感覚を持っているのではないかという予想に反し、バブル世代では「いつも一緒にいて成長を
感じたい」が 50.0%となりました。また、
「孫と一緒に旅行したい」もバブル世代 36.4%、ポスト団塊世代 31.3%
と、それぞれ 3 割を超えました。やはり孫が可愛いというのは、人間として普遍的な気持ちなのでしょう。これ
~7~
から孫ができるバブル世代、ポスト団塊世代も多いと予想されることから、孫との旅行(三世代旅行や中抜き二
世代旅行)にも期待ができそうです(表 5、図 12)
。
[比率の差]
(表 5)普段よく一緒に出掛ける人
全体
配偶者
学生時代 趣味を通 仕事関係
の友人 じた仲間 の友人
子供
全体
3610
58.5
ミレニアル
348
プレゆとり
446
ポスト団塊Jr.
団塊Jr.
近所の友
子供を通
兄弟姉妹
人
じた友人
親
孫
全体
全体
+10 ポイント
+5 ポイント
全体
全体
-5 ポイント
-10 ポイント
祖父母
(複数回答)
その他
特にいな
い
27.5
18.3
14.0
12.7
10.9
8.4
5.3
3.9
3.4
0.3
7.9
7.4
21.8
9.2
49.4
12.9
18.1
31.9
8.0
13.5
0.9
0.0
1.7
14.1
9.5
50.4
31.2
24.4
9.6
15.7
21.7
8.7
7.6
5.4
0.0
0.4
10.5
7.4
288
59.7
51.7
13.5
10.1
10.4
14.2
3.5
4.2
8.0
0.0
0.3
5.6
5.9
278
59.0
46.0
11.9
9.4
11.9
12.9
5.0
2.9
5.4
0.0
0.0
7.2
8.6
バブル
567
59.8
33.5
12.5
12.3
14.3
10.2
7.4
5.5
4.9
1.2
0.2
6.5
10.2
ポスト団塊
759
66.5
24.1
13.6
14.2
11.9
5.8
8.8
2.6
3.0
5.5
0.0
6.2
8.0
団塊
505
72.1
17.0
14.9
17.8
11.1
1.2
11.5
3.0
2.8
8.9
0.0
8.3
3.4
キネマ
419
63.7
20.3
14.3
22.4
8.6
0.0
11.2
5.7
2.9
7.2
0.0
6.2
5.7
(図 12)孫についての考え方
(複数回答) *孫がいると回答した人にのみ質問
孫についての考え方
80%
バブル(22)
67.3
70%
ポスト団塊(160)
全体(535)
60%
50%
40%
32.3
65.6
30%
50.0
20%
22.6
20.6
22.5
20.0
50.0
36.4
31.3
10%
0.0
8.0
9.1 10.6
0%
可
会愛
えい
れが
ば、
よた
いま
に
JTB総合研究所
孫
と
一
緒
に
旅
行
し
た
い
成い
長つ
も
を一
感緒
じに
たい
いて
経時
済間
的は
な自
支分
援に
使
はい
した
たい
いが
自自
分分
のが
時好
間き
をな
使よ
いう
た
いに
8. クレジットカードや電子マネーを活用
次に普段の消費についてみてみます。バブル世代、ポスト団塊世代のクレジットカード利用率はそれぞれ
83.6%、84.3%で全体の 80.9%を上回りました。世代の特徴としては、ポスト団塊世代はプリペイドカード、バ
ブル世代はデビッドカードの利用が比較的多くなりました。また、「可能な限りクレジットカードで支払う」と
回答した人の割合もバブル世代 61.6%、ポスト団塊世代 58.9%と 6 割前後で、クレジットカードを積極的に利
用している様子が垣間見られました。
最近 1 年間におけるクレジットカード利用の変化についての質問では、団塊世代でやや「減らした・減らそう
と思う(33.3%)
」が多く、退職を期にカードを整理しようと考える人もいると考えられますが、
「使用をやめた」
人の割合はどの世代も 5~6%程度に留まっていることから、退職をしても利用を止める人は少なく、決済方法
の一つとして便利に使い続ける人が多数派であると考えられます(図 13~図 15)
。
~8~
(図 13)利用する支払いサービス
(複数回答)
利用する支払いサービス
90%
80.9
80%
70%
JTB総合研究所
キネマ(419)
団塊(505)
ポスト団塊(759)
バブル(567)
全体(3610)
56.4
60%
50%
40%
85.3 83.6
78.8 84.3
57.4
55.0 58.4
47.0
30%
20%
11.6
10%
10.4
5.0
13.8
3.3 3.0
9.9 7.6 9.3
5.1 6.0
12.6 15.3 9.9
12.3
0%
デ
ビ
ッ
ト
カ
ー
ド
プ
リ
ペ
イ
ド
カ
ー
ド
電
子
マ
ネ
ー
ク
レ
ジ
ッ
ト
カ
ー
ド
現
金
の
み
(図 14)クレジットカードの利用
(複数回答)
クレジットカードの利用
JTB総合研究所
可能な限りカードで支払う
持ち合わせが少ないときだけ利用
その他
0%
20%
40%
全体(2921)
高額な買い物にだけ利用
保険や付帯サービスのみ利用
60%
80%
56.7
ミレニアル(223)
29.4
40.8
プレゆとり(367)
8.8 1.14.0
34.1
49.6
ポスト団塊(238)
18.8
31.1
59.2
団塊Jr.(218)
バブル(474)
1.8 4.5
14.2
23.5
64.7
1.93.3
10.9 0.4 5.9
24.3
61.6
ポスト団塊(640)
100%
6.0 1.43.7
27.0
58.9
7.2 1.13.2
30.9
5.9 0.63.6
団塊(431)
56.1
31.8
7.2 0.54.4
キネマ(330)
57.3
29.4
6.4 2.1 4.8
(図 15)クレジットカード利用の変化(最近 1 年間)
クレジットカード利用の変化(最近1年間)
JTB総合研究所
増やした・増やそうと思う
0%
全体(3610)
(複数回答)
変わらない
減らした・減らそうと思う
20%
40%
6.6
キネマ(419) 1.2
団塊(505)
4.4
ポスト団塊(759)
5.4
バブル(567)
6.7
60.9
60%
使用をやめた/解約した
80%
27.3
100%
5.2
61.3
31.3
6.2
56.6
33.3
5.7
59.7
60.0
30.4
4.5
28.2
5.1
~9~
【次世代新シニアとインターネット】
9. 9 割以上がインターネット上で決済まで行った経験あり。日常の食料品から旅行まで様々なものを購入
インターネットでの決済経験については、バブル世代 96.3%、ポスト団塊世代 94.3%とほとんどの人がイン
ターネットで決済を行った経験があると回答しました。また、購入したことのある商品についても多岐にわたり、
書籍や雑誌を筆頭に、国内の宿泊施設、電化製品、お取り寄せ食品など様々なものを購入しています。特にバブ
ル世代はほとんどの項目で全体を上回り、インターネットショッピングに積極的な姿勢が見てとれました(図
16、図 17)
。
(図 16)インターネットでの決済経験
(複数回答)
インターネットでの決済経験
JTB総合研究所
インターネットで決済経験あり
0%
20%
40%
全体(3610)
経験なし
60%
80%
100%
93.4
キネマ(419)
6.6
84.7
団塊(505)
15.3
91.3
ポスト団塊(759)
8.7
94.3
バブル(567)
5.7
96.3
3.7
(図 17)インターネットで購入した経験があるもの
(複数回答)
インターネットで購入した経験があるもの
JTB総合研究所
80%
70%
ポスト団塊(759)
バブル(567)
全体(3610)
57.8
60%
51.4
48.6
47.9
46.8
50%
38.3 38.0
37.6
40%
34.0
34.0
33.0
28.6
30%
24.9
22.3
19.5
20%
10%
0%
書
籍
や
雑
誌
国
内
の
宿
泊
施
設
電
化
製
品
食
品
(
お
取
り
寄
せ
)
洋
服
、
靴
日
常
品
、
食
料
品
コ
カ
ン
バ
サ
ン
ー
や
ト
財
や
布
映 小な
ト画 物
ど
な
フ
ど
ァ
ッ
の
シ
チ
ョ
ケ
ン
ッ
化
粧
品
健
康
食
品
、
サ
プ
リ
メ
ン
ト
オ
ー
ク
シ
ョ
ン
国
内
旅
行
の
航
空
券
国
内
旅
行
の
パ
ッ
ケ
ー
ジ
ツ
ア
ー
国
内
の
鉄
道
切
符
宝時
飾計
品・
10. 買い物のきっかけとなる情報源:バブル世代からインターネットが紙媒体を上回る
キーワード検索だけでなく、口コミや価格比較サイト、ブログなどさまざまなサイトから情報を取得
では普段の消費について、どのような情報源がきっかけとなって「買いたい」と感じるのでしょうか。買い物
のきっかけとなる情報源を世代別にみてみると、バブル世代以降から、インターネットがきっかけとなる割合が
新聞や雑誌などの紙媒体の割合を上回ることがわかりました。
また、バブル世代では、インターネットで情報収集をするにあたり、「キーワード検索で出てきたページだけ
を見る」人の割合は全体より低く、
「口コミ、比較サイト、SNS、ブログなど様々なところから探す」は 55.2%
と過半数を超え、全体よりも 6.3 ポイント高い結果となりました。若い頃からパソコンでインターネットを利用
~ 10 ~
していたバブル世代は、スマートフォンだけを利用する若い世代よりもむしろ様々な情報源から、自ら幅広く情
報収集を行うことに抵抗がないと言えるかもしれません(プル型の情報収集が得意)
。
ウェブ広告についての考え方を見てみると、バブル世代はウェブ広告に比較的ネガティブな意識を持っている
ようです。
「大きな広告が出ると間違えてクリックしてしまって邪魔だ」
「検索履歴に関連した広告表示は監視さ
れているようで嫌だ」などが上位になると共に、「年齢に応じた広告が出るのは余計なお世話だ」は 21.2%で、
全体の 15.8%を 5 ポイント以上上回りました(図 18、19、表 6)
。自分の意思で情報収集する傾向が強い分、一
方的に出現する広告には敏感なのかもしれません。
(図 18)買い物のきっかけとなる情報源
(複数回答)
買い物のきっかけとなる情報源
JTB総合研究所
紙媒体と
ウェブが逆転
80%
70%
60%
50%
紙媒体
40%
ウェブ
30%
テレビ
20%
口コミ
(図 19)情報収集におけるインターネットの活用
(複数回答)
情報収集におけるインターネットの活用
JTB総合研究所
海外や外国語のサイトなども見る
口コミやSNS、ブログなど様々な場所を探す
検索で出てきたページだけ見る
誰かに頼んで調べてもらう
ネットでは調べない
0%
10%
20%
30%
40%
全体(3601)
8.6
団塊(504)
8.7
43.5
ポスト団塊(757)
9.8
41.3
バブル(567)
9.9
団塊Jr.(278)
50%
60%
70%
48.9
36.3
2.2 6.5
2.63.4
31.2
1.1
2.6
34.5
(表 6)ウェブ広告についての意識
検索履歴
に関連し
た広告表
示は監視
されている
ようで嫌だ
100%
42.8
56.1
大きな広
告が出る
と間違え
てクリック
してしまっ
て邪魔だ
90%
1.94.3
39.1
55.2
6.5
80%
1.1
1.8
(複数回答)
年齢に応
じた広告
が表示さ
その他
れると興
味を引か
れる
[比率の差]
インター
ネット広告
には興味
がないの
で見ない
興味に
合った広
告が表示
されるの
で見ること
が多い
年齢に応
じた広告
が表示さ
れるのは
余計なお
世話だ
15.8
7.3
0.9
19.3
特にない
全体
3601
34.1
28.1
23.2
20.0
ミレニアル
348
39.7
34.5
16.1
27.9
9.8
11.2
1.1
13.5
プレゆとり
443
44.0
30.2
21.4
21.2
16.0
9.3
0.7
14.7
ポスト団塊Jr.
287
37.6
31.4
20.2
17.4
18.1
7.7
0.3
14.3
団塊Jr.
278
38.5
33.5
22.7
19.8
18.7
3.2
1.4
16.9
バブル
567
37.0
30.5
22.6
16.9
21.2
4.4
1.1
19.2
ポスト団塊
757
30.5
25.9
23.8
20.2
14.7
6.1
0.8
20.3
団塊
504
27.2
23.0
26.4
19.0
14.5
8.3
1.2
23.4
キネマ
417
24.7
21.6
29.0
19.2
13.2
9.4
1.0
27.1
~ 11 ~
全体
全体
+10 ポイント
+5 ポイント
全体
全体
-5 ポイント
-10 ポイント
11. SNS 利用の実態には「ポスト団塊とバブル」、
「ポスト団塊 Jr.とプレゆとり」の間に大きな差
SNS の利用率をみると、
「ポスト団塊とバブル」
、
「ポスト団塊 Jr.とプレゆとり」
、の間に大きな差があること
がわかりました。それと呼応するように、旅行先での SNS の利用についても同様の差が見られます。今後の ICT
の進展によって、また違う動きがみられる時代も遠くないと考えられますが、SNS の利用という観点から見る
と、バブル世代以降はより積極的に活用していると言えそうです(図 20、図 21)
。
(図 20)情報収集におけるインターネットの活用
90%
(複数回答)
SNSは利用していない
70.0
大きな差
60%
72.5
76.8
団塊Jr
(278)
30%
42.0
ポスト団塊Jr
(288)
51.0
43.9
22.0
10.9
キネマ
(419)
団塊
(505)
ポスト団塊
(759)
バブル
(567)
プレゆとり
(446)
ミレニアル
(348)
0%
JTB総合研究所
(図 21)旅行先での SNS 利用
(複数回答)
旅行先でのSNS利用
30%
20%
10%
0%
「ポスト団塊とバブル」、「ポス
ト団塊Jr.とプレゆとり」
の間に差
メールやSNSを利用し
て家族や友人とコミュ
ニケーションをとる
SNSを利用して自分の
体験を旅行先から発
信する
JTB総合研究所
12. 旅行商品の予約はインターネット(ポスト団塊 63.5%、バブル 69.5%)
次にパッケージツアーや宿泊施設などの旅行商品はどんなところで予約しているのかをみると、バブル世代も
ポスト団塊世代も 6 割以上が「インターネット」と回答しました。一方、旅行会社の店舗に来店して予約する割
合は、バブル世代 12.7%、ポスト団塊世代 13.1%と全体の 14.0%を下回っています。むしろミレニアル世代や
ポスト団塊 Jr.世代で店頭での予約が多い傾向が見られました。旅行の経験を積むにつれ、自分で判断できるこ
とも多くなり、また前述した通り、バブル世代は自らの意思で、口コミや SNS、ブログなど様々な場所から情
報を探すのが得意であることから、インターネットだけでも十分と考える人が多くなるのではないかと考えられ
ます。また少数ながらもポスト団塊 Jr.でも比較的店頭での予約が多いのは、ちょうど家族旅行の時期で旅行人
数が多いなど、子供の対応や三世代旅行などの複雑な手配について相談したいといった要望が多いのではないで
しょうか。ミレニアル世代は旅行経験が少なく情報の選別が未熟であること、情報が溢れているにも関わらずス
~ 12 ~
マホアプリや SNS によるプッシュ型情報に慣れ、自ら積極的にサイトに情報を取りに行かない傾向が過去の調
査から見られることから、店頭での第三者の助言が必要な場面も多いと考えられます(図 22)
。
(図 22)パッケージツアーや宿泊施設を予約した場所
(複数回答)
ツアーや宿泊施設の予約をした場所
JTB総合研究所
インターネット
旅行会社の店舗(来店)
旅行会社(電話やメールなど)
その他
同行者に任せていたのでわからない
0%
20%
40%
全体(3347)
64.1
ミレニアル(329)
64.1
プレゆとり(417)
80%
14.0
12.7
63.5
団塊(473)
13.1
58.6
45.5
18.2
3.5
0.4 10.9
10.7 0.8
1.6
69.5
ポスト団塊(712)
1.5
0.3
16.8
73.1
バブル(518)
14.8
12.7 1.7
0.7 11.0
68.4
団塊Jr.(253)
100%
4.92.2
15.8
73.9
ポスト団塊Jr.(256)
キネマ(389)
60%
13.3
18.3
11.3
13.8
4.40.6 12.7
5.12.7
15.7
8.2 4.0
5.9
15.9
19.0
13. まとめ
二つの“次世代新シニア”である「バブル世代」と「ポスト団塊世代」は同じように好景気の中で消費経験を
積むと同時に、その後の不況を過ごしてきましたが、今回の調査結果から、大きく異なる特徴を持っていること
がわかりました。この二つの世代を隔てる核となるものは、
“インターネット”です。バブル世代は学生~新社
会人を迎える頃にウィンドウズが普及し、インターネットが情報収集の強力なツールとなったことから、それま
でとは異なる情報との関わり方と行動形態が生まれたのだと考えられます。買い物のきっかけとなる情報源とし
て、インターネットが紙媒体を超えたのもバブル世代からです。
●“次世代新シニア”は情報収集能力が高い“ネットサーフィン”世代
前述した通り、バブル世代とポスト団塊世代を比較すると、自らの意思で積極的に、様々な情報源(口コミ、
比較サイト、SNS、ブログなど)から情報収集を行う力が、バブル世代では大きいことがわかります。
この情報収集能力は若ければ若いほど持っているというわけではなく、逆にスマートフォンの利用が当たり前
になったミレニアル世代は、選別され、自動的に送られてくるプッシュ型の情報収集が当たり前で、自分から積
極的に情報を探すプル型の情報収集はあまり得意ではありません。そのため、旅行会社の店舗を訪れて相談する
割合も高いなど、自分の知識があまりない領域については、リアルなコミュニケーションへの回帰も見られます。
“次世代新シニア像”は、この世代に独特な情報収集能力と、豊富な知識からもたらされる、新しい価値観を
意識して、改めて描きなおすことが今後のシニアを考える上で重要なことと言えます。
●“若々しさ”がキーワードだが、もろ刃の剣にも
言われて嬉しい言葉は「実際の年齢よりも若くみえる」、年齢に応じて表示される広告は“余計なお世話”と
感じるバブル世代。微妙な“お年頃”でもあり、また、上記のとおり自分で情報を選別することを好む傾向があ
ることから、特に加齢などに関わるプッシュ型の情報提供には工夫が必要であると考えられます。
一方で、
“若々しくありたい”という気持ちをくみ取り、おせっかいではない形で情報提供ができれば、バブ
ル世代の消費を動かすきっかけとなるのではないでしょうか。
~ 13 ~
●孫の可愛さは普遍。
“孫消費”には引き続き注目
バブルの好景気の中で様々な消費体験を楽しみ、働き方や家族のあり方など既成概念からも解き放たれたイメ
ージがあるバブル世代にとっても、孫の可愛さは普遍的なようです。
「いつも一緒にいて成長を感じたい」
「孫と
一緒に旅行したい」などの割合も高くなりました。
「現在の高齢者は 10~20 年前に比べて、5~10 歳若返っていると想定される」
(日本老年学会)という報告もあ
るとおり、年々若くなっているシニア世代。また、LINE や SNS などを通じて孫世代とも頻繁にやり取りをす
る中で、共通の趣味や嗜好も生まれ、消費にもつながっているとも考えられます。旅行も含め、孫と一緒に楽し
めるモノやコトに関わる“孫消費”には引き続き注目できそうです。
●リタイヤを期にストレスから解放され、身の丈にあった生活ながらも消費意欲は旺盛に
ポスト団塊世代では、今の気持ちを表す一文字で「楽」が増えたことからわかるように、リタイヤ期を迎えつ
つある中で、今後の生活設計などがある程度見え、精神的には落ち着いた状況になってきているようです。ちょ
うど 2012 年前後の団塊世代と同じようなステージにあると言えます。団塊世代はその頃から旅行の頻度が増え
るなど、消費意欲が活発になりました。バブル世代も今の時点では、まだ一線で活躍していることもあり、公私
に渡るストレスも多いようですが、ライフステージの変化と共に、団塊世代やポスト団塊世代同様、身の丈にあ
った生活の中で、思い思いの生活や消費を楽しむようになることが期待されます。
<お問い合わせ>
(株)JTB総合研究所
調査・分析担当:早野陽子
03-3525-4495
(担当
早野・三ツ橋・波潟)
www.tourism.jp
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