三二三 レーザ測距における大気ゆらぎの影響と補償光学系の効果 Perfo閃m Evaluatim of Laser Rangi咽Sys鹿珊扇触an軸ti博物七1CS -ノ瀬祐治、妹尾誠、洲崎保司* Yuji Icmnose, Makoto Senoo, Yasuji Suzaki (秩)日立製作所電力・電機開発本部(P.I.S R&D Div., Hitachi Ltd.) 同 情報通信事業部(Telecommunications Div.3 Hitachi Ltd.) Abstract : A satellite laser ranging system (SLR) with an adaptive optics (AO) which corrects wave front distortions induced in a beam propagating through turbulent atmosphere is proposed and computer simulation results are presented. A laser intensity received on a satellite is computed by using simulation model which adopts the Kolmogorov turbulence and has transmitting telescope with 0.2m diameter, 0.53 ju m laser wavelength. When the coherence length is lOcm and the propagation distance is 6,000km, the intensity of SLR with AO which has a deformable mirror with 64 actuators is improved from 0.22(arb.unit) to 0.97. 上 はじめに 地上と衛星間の距離をレ-ザの伝播時間から測定するレ-ザ測距装置では、大気ゆらぎ の影響により受信強度が変動し、これが測距精度低下の要因の一つとなる。補償光学系は 大気ゆらぎにより発生する波面歪みを補正できるため1)、我々はレ-ザ測距装置への応用 を検討している。本報では、補償光学系の導入効果をシミュレーションにより解析した結 果について述べる。 2.補償光学系を周いたレーザ測距装置の構成 Fig. 1に示すレ-ザ測距装置では、測距用レ-ザ1の衛星への送信時に生じるビームの 拡散を抑えるために、補償光学系を設けている。測距用レ-ザの反射波からも波面歪みは 検出できるが、大気ゆらぎの時間変動に追従するために高度90km付近に存在するNa共鳴 散乱層にレ-ザ2を送信しその反射波から波面歪みを検出する。波面歪みと形状可変鏡の ミラー面が位相共役の関係になるように制御されるため、形状可変鏡に反射させて測距用 レ-ザ1を送信することで、レ-ザ1の大気伝播時の波面歪みを補正できる。 Satel lite (-40, 000km) Receiving Transmitting te一escope te lescope 嵐 Return wave (589nm) Laser guide star (90km) Atmospheric turbulence Transmitting telescope 「 -管 碁 且A d a p P h o t o ID e f o r m a b l e 臣 d e t e c t o rlm 1 「 「 0 「 I I璽 一 一 I l 一■ 臣 一 幼 I R ang1 ng C0ntr o er I ] Receivi ng tel escope L as e「1 (53 0n m) Fig. 1 Conceptual system cnfiguration of a laser ranging system by using adaptive optics 113 3.解析手法及び解析結果 地上から送信したレ-ザビームの衛星上の受信強度を、キルヒホッフの回折積分公式を 数値積分により計算した。送信開口径Dから出力されるレ-ザビームは平坦な強度分布と し、位相分布として大気ゆらぎによる波面歪みを与えた。高度10km程度まで存在する大気 には屈折率の異なる層がいくつも存在するが、大気ゆらぎの強さを表すコヒ-レンス長rO は全伝播経路の値として観測されるものであるため、このような計算体系とした。大気ゆ らぎによる波面歪みはKolmogorov乱流に従うものとし2)、 (D/rO)を入力パラメータとし てツェルニケ係数の28項まで乱数により波面歪みを生成した。波面歪みを補正する形状可 変鏡のミラー面は、その下面に格子状に配列された駆動素子より制御されるものとした。 D=0.2m、レ-ザ波長0.53 /J m、伝播距離6,000km及び衛星上の受信開口7.5cmの解析 条件で計算した。 Fig. 2はrO=10cmで発生した波面歪みによる衛星上の受信強度を計算し たものであり、歪み毎に受信強度が変化しているのが分かる。その変動幅は波面補正をし ない場合が大きく、波面歪みの傾き成分のみの補正、形状可変鏡(駆動素子数64)による補 正の順で小さくなっている。Fig.3は50回の平均受信強度をrO毎に計算したものであり、 rO=10cmのときの補正無しの強度0.22に対し、傾き補正で0.69に、形状可変鏡(64)によ る補正で0.97に強度が向上する。 rOは気象条件等により変化し、日本では5-15cm程度 であり、送信開口径が0.2mと小さい場合には傾き補正のみでも充分効果がある。 4.まとめ レ-ザ測距装置の送信レ-ザビームの大気による拡散を補償光学系により補正すること で、衛星に到達するレ-ザのエネルギー密度を向上できることを明らかにした。このため、 衛星からの反射波の受信強度の増加が期待でき、測距性能の向上が可能となる。提案する レ-ザ測距装置では波面検出用に新たなレ-ザ発振器が必要としたが、天体光からの波面 検出や気象条件による波面推定が可能で有れば、補償光学系導入によるコストアップを抑 えることができる。 参考文献 1)一ノ瀬祐治: "補償光学系の原理とその応用" ,光学,24 (1995) 718-724 2) N.Roddier : Atmospheric wave front simulation using Zernike polynomials Opt. Eng.5 29 (1991) 1174-1181 ォ 0.75 」..一 >ト一 一 拍l iPtiltcorrectio兎 a展h I◎ t○ i y 輿 ∫ d⊥ 撃 ● N トー ■- C rrect io n ■・・-■ (ユニ 望0.25 ..」 t■ ■ 0.00 t - ■ ii 10 20 30 40 50 ■ …-牀 o講 Or*(牀 4ehト★ ★ ★ ′ 0 5 0 5 2 0 0.50 ▲ 、 ミ 0 0 0 【くつ ㌦■▲ 0 5 0 7 =⊃ ▲ 」 n"B] AIISN31MI 忘SVl山9V等)V 1 1 ■ C0 「 ec tio ni 4c h) ***AV アA 肺 ▲ 1 0 1.00 ■ 二二 二 申 Tip/ti It correc IOil / ● i 了 ノ ○ / C0「 ection (3 Ch) No correction … 10 5 20 EVENT NUMBER COHERENCE LENGTH rO [cm] Fig.2 Comparison of 一aser intensity on a sate一lite Fig.3 Comparison of average laser intensity on of wave front correction types satel lite of wave front correction types i14
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