160420熊本現地報告.txt 20日 中越地震から、大地震の起こるたびに現地に調査に入ります。今回も余震はあるものの、 熊本、益城町にはいらせていただきました。 直下型の特徴である、建物の倒壊は凄まじく、中越地震以来と感じる。被災者は、思った より冷静に見えましたが、 手付かずの家が相当数あり、室内の状況からとても片付けて住める状況にない。 特にこの雨は追い討ちをかけています。 今回特に感じたのは、古い建物が倒壊し、新しい建物はほとんど被害がないのは今までと 同じですが、 1,擁壁、ブロック塀、地盤など、地震対策が安易に考えられており、被害を大きくしてい る。 ブロック塀は鉄筋や控え壁はあっても、肝心な基礎はなく綺麗に倒れている。擁壁は、玉 石積み、間知積み、安易なRC。 2,住んではいけない場所への建築 敷地の安全性が担保できない、崖地の上下、昔の河川敷内など、明らかに厳しい敷地は、 転がるように建物が崩壊している。 3,耐力壁の重要性が、理解されていない アンカーボルトは12mmが多く、筋交いはエアコンのスリーブで切断、土台は、水道配管 でカットなど、 施工でこのくらいは、いいか?これが致命傷。施工能力、設計力が不十分な建物は命取り に成る。 4,建築中の建物の崩壊 屋根を乗せ、耐力壁は筋交いだけで、雑壁ができていない状況では崩壊するのは当たり 前。 この実質責任は、元請け会社になるでしょう。 二度と発注はもらえない、保証も余儀なくされる、保険はあるのだろうか?小さな会社は 経営を揺るがす。 法的な調査、施工手順の見直し、対策が必要。 5,鉄骨造も要注意 古い店舗には重量鉄骨が目立ち、ベースアンカーが基礎ごとひっくり返ってるケースがあ る。 混構造建築の崩壊は、非常に多い。 移動に往復7時間以上かかり、調査時間が思ったより取れなかったが、被害場所は集中し ており、ほとんど見ることができた。 現地を見ると生き方が変わると思います。 プレカットの関係者、設計、施工関係者は、自分の一つ一つの仕事が、人の命に大きく関 わってると感じると思います。 特に建築中の崩壊は考えさせられます。ぜひ見させたい、感じてもらいたい。 正式な見解ではありません。私の感想であり、意見を今後まとめます。 ページ(1)
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