講義コード 25468031 担当者 久保 真 教授 研究題目 経済学から人間

講義コード
25468031
担当者
久保
研究題目
経済学から人間社会の過去と未来を考える
真 教授
【目的】
久保ゼミの第四期テーマは、
「経済学から人間社会の過去と未来を考える」とします。経済学は本来人間
社会の過去や未来について豊かな知見を提供するものだと考えられていたのですが、学問分野として専門
化・洗練化されるに従って、そうした想像力をかき立てることのない技術的な思考ツールと見なされるよ
うになりました。実際、皆さんも経済学部に入学してマクロ経済学やミクロ経済学の基礎を学んで、その
ような印象をもっているかもしれません。これは少しもったいないことだと思います。私が考えるに、こ
うした「常識」を打ち破って経済学の本来の力を知るためには、経済学の思考ツールをしっかり学ぶだけ
ではなく、歴史学とか人類学とか脳科学とかいろいろな学問分野の本を読んで、経済学を言わば「肉付け」
してあげる必要があります。そして、そういったアプローチから人間社会の過去と未来を考える場として、
ゼミに参加して欲しいと考えています。この点については、昨年度私の担当した「経済の歴史と思想」の
内容を参照していただければ(受講していない方は、受講した方に教えてもらえば)
、ある程度知ることが
できるのではないかと思います。
「○○に関心があるんだけど、経済学部のゼミじゃ無理かなぁ」などと思っている皆さんも、その問題
関心が自らに深く根ざしているものであれば、それを掘り下げることのできる場所になるよう、ゼミを運
営したいと考えています。実際、今年三月に卒業した一期生の書いた卒業論文は、国際紛争に対する人道
的介入、現代社会における NPO 法人の役割、障碍者雇用の現状と課題、1960 年代アメリカ公民権運動と当
時の音楽との関係など、そのテーマがとにかく多岐にわたっています。が、どのようなテーマを設定する
にせよ、上のような多様な学問分野の本を読むことを推奨します。
【内容】
以下は、一期生~三期生の経験を踏まえたおおよそのスケジュールです。
◆二回生秋学期
秋合宿(9 月、入ゼミ生相互の親睦を図りつつ、ディベートの準備を行う)
ゼミナール関関戦(10 月、ディベートに参戦)
テキストの輪読(10~12 月、担当グループによる内容要約プレゼン、毎回全員に課題あり)
書評プレゼン(12~1 月、個人による内容要約プレゼン、質疑応答)
合同ゼミ(1 月末もしくは 2 月初旬、二期生は関西大学佐藤ゼミとビブリオバトル@グランフロント大阪)
春休み課題(3 月、要約や書評など 6,000 字程度)
◆三回生春学期
春合宿(3 月、テキストの輪読およびレクリエーション、二期生は三泊四日@京都亀岡)
テキストの輪読(4~5 月)
合同ゼミ(5 月もしくは 6 月)
個人研究(三年次論文)および共同研究のテーマ選び、下調べ、構想(6~7 月)
夏休み課題(9 月、三年次論文の初稿提出、8,000~10,000 字程度)
◆三回生秋学期
共同研究(9~11 月)
学内インゼミ大会(11 月、共同研究の成果を発表)
合同ゼミ(11 月もしくは 12 月、一・二期生は中央大学益永ゼミと研究発表@中央大学後楽園キャンパス)
三年次論文の完成稿提出(1 月)
◆四回生
卒業論文の中間報告、最終報告、等
※ゼミ活動については、ゼミのページをご覧下さい(
をもらえると励みになります)
。
※※「研究演習入門」で輪読するテキストは、こちらを予定しています。
【選考にあたっての注意事項】
応募に先だって、ゼミ説明会に出席する(もしくは、少なくともそこで説明された内容を把握しておく)
ようにして下さい。また、応募者には大学の付与したメールアドレス(ドメインが@kwansei.ac.jp のも
の)宛に種々の連絡を行いますので、志望者は必ずチェックしておいて下さい。
【応募者へのメッセージ】
ゼミ生からは、「うちのゼミ、ゆるいっすね」と言われることもあれば、「このゼミ、全然ガチじゃないで
すか」と言われることもあります。ゼミ生によって受け止め方はいろいろなので、私から「うちのゼミは
基本的に○○だ」と言うことは控えたいと思います。以下は、ゼミ運営上の基本方針なので、応募者には
事前に了解しておいて欲しいと思います。質問があれば、説明会などで質問して下さい。
・授業時間は勉強に使います。授業時間に続く昼休みは、勉強に使うこともあれば、ゼミ運営についてゼ
ミ生に話し合ってもらうこともあります。授業時間中、飲食しても結構です(ただし、制限あり)
。授業
に遅刻や欠席をする場合は事前にメールにて連絡が必要です。
・授業には各自準備して臨んでもらいます。試験等は実施しませんが、課題提出は学期内だけでなく休み
期間中にもあります。
・授業に関する連絡や課題提出は、基本的にすべて Luna を通じて行います。それ以外にも、資料作成や論
文作成は、パソコン使用を前提とします。
・ゼミ生にはそれぞれゼミ運営の一部を担当してもらいます。ゼミ生からのイベント等の提案は歓迎しま
す。
・ゼミ合宿や合同ゼミなどは正規のゼミ活動と位置付けているので、ゼミ生は必ず参加して下さい。どう
しても参加できない場合は事前に説明が必要です。他のすべての活動にゼミ活動を優先させることは求
めませんが、ゼミ活動が常に後回しになることは絶対避けるよう求めます。
・極力学部等からの補助を利用することとしていますが、テキストの購入やゼミ合宿、コンパには相応の
金銭負担が生じます。
・ゼミ生同士、必ずしも「仲良し」になる必要はないですが、お互いに敬意を持って接して下さい。
以上です。
受け入れ条件
担当者のプロフィール
専攻
志望理由書の提出(上記のゼミページからダウンロードして下さい)が条件で
す。なお、志望者が定員を上回った場合には面接を行います。
経済学史
経済学という学問分野が自立した「科学」として社会に受容されていく過程に
現在の研究テーマ
研究上の関心をもっています。具体的には、18 世紀から 19 世紀にかけてのイ
ギリスの状況を考察することを、研究テーマとしています。
所属学会
経済学史学会、History of Economics Society