資料2-1 農林水産省説明資料(PDF形式:2698KB)

資料2-1
社会資本整備等WG 提出資料
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
農村振興局関連
林野庁関連
水産庁関連
食料産業局関連
平 成 28年 4 月 15 日
Ⅰ-1 土地改良施設の維持管理費負担の現状
○ 土地改良区は、土地改良施設の新設・変更、農地の整備等工事を伴う業務や、土地改良事業によって造成された
施設の維持管理を行う。維持管理費については、一部を除いて原則として土地改良区が全額負担。
○ 土地改良区の維持管理体系
○ 土地改良区の業務
頭首工の操作、点検
ダムの操作、点検
土地改良区による維持管理は、自ら水路の整備補修等を行う場合に
は組合員から賦課金を徴収し、水路の草刈り等は夫役により行って
いる。
賦課金・夫役
集落
土地改良区
・頭首工の運転・操作
・揚水機場の運転
・水路の巡回、点検
・水路敷地の草刈りなど
組合員
水路敷地の除草
ダムの操作、点検
組合員による水路浚渫
水路の整備補修
○ 維持管理にかかる費用負担
農地の区画整理
組合員による水路浚渫
施設の維持管理費について、一部の国営造成施設※1に関しては国が助
成をしているが、その他施設は原則として土地改良区が負担。
一部の国営造成施設※ 1
国の
助成
賦課金
等 ※2
その他施設
賦課金等※2
※1地方公共団体が管理す
る公共・公益性の高い一定
規模以上の国営造成施設
※2都道府県、市町村等の
補助を含む
1
Ⅰ-2 土地改良施設の更新における施設計画の見直しの仕組み
○ 土地改良施設の更新にあたっては、地域の営農状況、受益面積、水利用状況および施設の老朽化状況等を把握した上で、
施設の機能性、経済性等を考慮し、ダウンサイジングの検討を含めた施設計画を改めて策定することにより、最適な施設規
模を実現。
○ 施設の統廃合等については、「土地改良法」、「土地改良施設計画設計基準」等のガイドラインにより運用中。
土地改良施設の統廃合
土地改良施設の更新フロー
・土地改良法第2条に明示
調査
第2条第2項(抜粋)
この法律において「土地改良事業」とは、この法律により行なう次に掲げる事業
をいう。
一 農業用用排水施設、農業用道路その他農用地の保全又は利用上必要な
施設(以下「土地改良施設」という。)の新設、管理、廃止又は変更
・営農状況
・受益面積の変化
・現況水利状況
・施設の老朽化状況 等
事業計画
・営農計画
・受益面積
・用水計画
・施設計画
等
考
慮
・統廃合やダウンサイジング
・維持(補修)
・機能向上
機能性・経済性を踏まえ選択
施設計画の見直しに関する基準の一例
基準の例:土地改良施設計画設計基準・計画「農業用水(水田)」
3.4 施設計画(抜粋)
施設のライフサイクルコストを低減するための機能保全対策や更新等について検
討するとともに、各々の施設が安全性、機能性、経済性等の諸条件を満たすよう
にし、水利システム全体の調和にも配慮したものとなるようにするものとする。
個別施設計画
事業計画
(施設計画)
との整合
個別施設の長寿命化
(機能保全)に関する計画
法手続(地元同意)
更新事業の実施
管理
個別施設計画(機能診断結果)の施設計画への反映
基準の例:土地改良施設計画設計基準・計画「農業用水(水田)」の運用通知
3.4 施設計画(抜粋)
機能診断結果に基づき、施設の有効活用と長寿命化を図り、ライフサイクルコスト
を低減する観点から、機能保全対策や更新等について検討するとともに、水利シ
ステム全体として調和がとれたものとなるよう計画を策定するものとする。
2
(参考)統廃合の事例
○ 施設の維持管理は、受益農家が組織する土地改良区が自ら実施していることから、維持管理費用の低減に対するインセ
ンティブは非常に高く、これまでも統廃合を実施。
ゆうふつと うぶ
【地区事例】勇払東部地区(北海道厚真町・むかわ町)
事業実施前
●基幹的水利施設(点施設)の新設・廃止数
存続施設:2施設(うち基幹1、末端1)
廃止施設:151施設(うち基幹4、末端147)
(箇所)
△35
60
△ 54
頭首工(廃止)
老朽化した開水路を自然圧を利用したパ
イプラインに更新整備することにより、末
端の頭首工や揚水機場を大幅に廃止。
(151施設を廃止→2施設を新設)
50
40
30
△17
△1
24
△ 31
△ 25
△2
19
20
14
10
11
△ 13
+10
揚水機場(廃止)
水路(開水路)
施設の最適化・統廃合
等によるコストの低減
13
事業実施後
△3
0
1
2
3
系列1
4
系列2
5
既存施設:2施設(うち基幹1、末端1)
堰(廃止)
新規施設:2施設(うち基幹2)
資料:農林水産省「農業基盤情報基礎調査」結果を
基に対前年度の新設・廃止施設数を集計
水路(パイプライン化)
揚水機場(改修前)
※ 「基幹的水利施設」とは、農業用用排水のための利用に供
される施設であって、その受益面積が100ha以上のもの。
(事業実施前)
●取水施設:153施設
(増減数)
基幹:△2
末端:△147
頭首工(新設)
(うち基幹5、末端148)
●受益面積:3,100ha
(事業実施後(計画))
●取水施設:4施設
(うち基幹3、末端1)
●受益面積:2,990ha
揚水機場(改修後)
3
(参考)施設の廃止による維持管理費及び整備費用の低減
○ ため池は全国に約20万か所存在し、受益面積2ha以上のため池においては約7割が江戸時代以前に築造さ
れているとともに、約6割が農家等により構成される水利組合等が管理。
○ 農村地域の都市化や混住化の進展を踏まえ、災害の原因となる可能性のある利用度の低いため池の廃止
や、洪水調節機能の最大活用を図るため池群の再編整備を推進。
現状
今後の展開方向
築造年代
受益面積2ha以上
約6.3万か所
約70%
時間雨量50mm以上の年間観測
回数の推移
(回)
1,000地点当たりの観測回数
(時間雨量 50mm 以上)
明治・大正 昭和以降 約10%
約20%
江戸時代以前
ため池群を対象とした廃止を含む再編整備により
インフラの縮減や集約に貢献
降雨の変化
400
350
廃止
下流被害を防止するため、ため池を廃止
(インフラの縮減や集約に貢献)
5年移動平均
:期間にわたる変化傾向
:5年移動平均
300
調査計画
計画策定、ハザードマッ
プ作成
250
管理体制の整備
200
150
施設の状況を把握できる
監視・管理体制を構築
100
50
0
資料:
農林水産省「農業基盤基礎調査(平成26年3月)」
1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
(年)
資料:気象庁「気候変動監視レポート2013」
ため池の被災状況
被害額(億円)
箇所
ため池の決壊
5,000
4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
系列1
新潟中越地震
10回の台風上陸
系列2
東日本大震災
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
年災
しゅんせつ
しゅんせつに
より洪水調節
容量を確保
連結水路の整備
堤体の改修
下流被害を防止する
ため、堤体を改修
排水路の拡幅
排水路を拡幅することに
より、安全に洪水を流下
ため池間を水路でつ
なぎ用水調整をする
ことにより、洪水調
節容量を確保
資料:防災課調べ 平成27年3月
4
(参考)人口減少に応じた整備手法の見直し(集落排水施設)
○ 生活排水処理施設は、農村においても基礎的なインフラであり、農水省(集落排水)、国交省(下水道)、環境
省(浄化槽)の三省が連携して効率的な整備を推進。
○ 集落排水は、農村集落を対象とした小規模な集合処理施設であるが、人口減少による維持管理費の上昇な
ど、今後運営管理が困難となることも想定。
○ 将来にわたり安定的に生活排水処理サービスを提供するため、下水道、浄化槽との役割分担を見直しつつ、
集落排水施設の集約・縮減も実施。
●集落排水と下水道の利用料金の比較
3,100
3,000
2,900
2,800
2,700
2,600
2,500
2,400
2,300
2,200
集落排水は利用料金が上昇
(円/20m3 )
集落排水施設の統合の事例
2,974
2,879
統合前
東鮎川処理場
2,743
2,545
1
2,489
2,485
2
下水道(処理人口密度100人/ha以上)
都市部との
格差が増大
集落排水2処理区を統合す
ることで、建設費、維持管理
費を縮減。
東鮎川地区
計画人口 :960人
中畑処理場
3
集落排水
東鮎川地区
(秋田県由利本荘市)
統合後
東鮎川処理場
資料:総務省「下水道財政のあり方に関する研究会」
●適切な役割分担による効率的な整備
中畑地区
計画人口 :230人
人口減小を踏まえて、集合処理から個別処理(浄化槽)へ構想を見直し(長崎県: H24.3)
接続管路、中継
ポンプの施工
東鮎川地区
(統合後)
計画人口:980人
個別処理の
割合が増加
統合前後の維持管理費の比較
建 設 費
維持管理費
個別更新
351百万円
716万円/年
統合
265百万円
646万円/年
5
Ⅰ-3 生産性を高めるための農業水利施設の整備
○ 自由度の高い水利用と管理負担の軽減を実現するため、用水管理の自動化、パイプライン化、地下水位制御シス
テムの整備等の活用等によるリノベーションを進め、既存の農業水利施設の機能を強化することにより、地域の新
たな営農ニーズに対応した高収益作物の導入、ブランド化・6次産業化を推進。
用水管理の自動化
地下水位制御システムの整備
•水管理の省力化が可能となるほか、労働時
間の削減に大きく寄与する直播栽培にも有効
• 配水管理ロ
スが節減
• 管理の省力
化
(自動給水栓の設置)
パイプライン化
ICT等の活用
• 用水需要に応じた水利用が可能
• 配水ロスを少なくして水資源を有効に活用
• 用水の見回りや施設の
操作など、人力に頼っ
てきた作業にICT等を
導入して、管理負担の
軽減、水利用の効率化
ほ場の用水状況の
を実現
ロス(蒸発)
ロス(漏水)
ロス(漏水)
開水路
リアルタイム確認
パイプライン化
施設整備による効果
きめ細かな水利用により、地域が求める新たな営農が展開
弾力的な水利用により安定的
で高品質な農業生産の実現
用水の管理負担の軽減により
6次産業化等の推進
新たな栽培技術の導入
(乾田直播)
水田の畑地化
(キャベツの栽培)
高収益作物の導入
(ブランド化)
6次産業化の推進
(直売所)
6
Ⅰ-4 耕作放棄地対策について
○ 優良農地の確保と担い手への農地集積・集約化のため、荒廃農地調査を市町村・農業委員会が毎年実施。
○ 把握した荒廃農地について、再生利用が可能か困難かを判断。
○ 再生利用が可能な荒廃農地については、再生作業や土壌改良、必要な施設の整備等を総合的に支援。また、農
地整備を実施する際に、荒廃農地がある場合には荒廃農地も併せて整備。
○現状の把握
○荒廃農地を解消し、作物生産を再開
[耕作放棄地再生利用緊急対策交付金]
◆A分類(再生利用が可能な荒廃農地)
抜根、整地、客土等により再生することにより、通常
の農作業による耕作が可能となると見込まれる荒廃
農地
再生作業
雑木等の障害物除
去・深耕・整地等
土壌改良
肥料、有機質資材の
投入
施設等整備
農業用施設の整備
等
【再生可能】
◆B分類(再生利用が困難と見込まれる荒廃農地)
森林の様相を呈しているなど農地に復元するため
の物理的な条件整備が著しく困難なもの、又は周囲
の状況からみて、その土地を農地として復元しても継
続して利用することができないと見込まれるものに相
当する荒廃農地
○農地整備を実施する際に、荒廃農地がある場合には荒廃
農地も併せて整備
<整備後>
<整備前>
不整形・狭小な農地
点在する耕作放棄地
【再生困難】
7
Ⅰ-5
農地の整備を契機とした競争力ある大規模経営・地域農業の実現
○ 将来の地域農業に向けた合意形成に基づき、地域の営農戦略の実現に必要な農地整備を実施。
○ 農地の整備の実施に合わせ、担い手への農地の集積・集約化、農業経営の戦略的な展開を図り、競争力ある大
規模経営・地域農業を実現。
将来の地域農業に向けた
合意形成
農 地の 整 備 を 契 機 と し た 地 域 農 業 の 発 展
地域の営農戦略
○担い手の育成・確保
地域の営農戦略に即した農地整備の実施
整
備
・大規模法人経営
・認定農業者
・企業参入
等
前
整
30a×12筆
備 後
3.6ha×1筆
○農地の集積・集約化
平均区画30~50a
○農業生産の低コスト化・高付加価値化
平均区画1.6~3.6ha
農地中間管理機構と連携した農地の集積・集約化
○高収益作物への転換
農地の整備に合わせた農業経営の戦略的な展開
○6次産業化の展開
低コスト栽培技術の導入
高収益作物の導入・拡大
直播栽培
地域の営農戦略の実現に
必要な農地の整備
○農地の大区画化、排水改善・汎用化
○営農の変化に応じた用水供給
先進的な生産技術の導入
GPSトラクター
多収性品種・新規作物導入への対応 等
○水管理の省力化、水利用の高度化
加工・直売等による6次産業化
競
争
力
あ
る
大
規
模
経
営
・
地
域
農
業
の
実
現
↑GPSアンテナ
地下水位制御システムの導入、パイプライン化 等
↑モニター
8
Ⅰ-6 多面的機能支払で構造改革を後押し
対策前
鳥獣被害
対策後
規模拡大しても水路、農道はみ
んなが守ってくれるのでありが
たいなぁ。預かった農地でし っ
かり稼ぐぞ!
規模拡大しようとすると、水
管理や農道補修が大変に
なるなぁ・・・
みんなで6次産業化
に取り組むぞ!
雑草の繁茂、路肩の崩壊
農道
多
面
的
機
水路のひび割れ
農地は担い手に預けて、隠居するか、
息子の元へ引っ越そうか・・・
能
支
払
このまま高齢化等が進めば…
・水路や農道等の保全・補修に係る担い手の負担が増大
・農地を預けた人の中には地域を離れる人も
高齢化、人口減少
により集落活動が
低迷
都市では、道路や水路の
管理費用は自治体が負担
水路の共同管理
道普請
水路や農道等を保全・補修する地域の共同活動を支援
・担い手の負担が減り、安心して規模拡大に取り組める
・担い手への農地集積という構造改革を後押し
の
導
入
農業の多面的機能は、これまで集落の
人々が無償で水路、農道を守ることによ
り維持
農地は担い手に預けたけど、
水路や農道はみんなで守ろう!
主食用米の作付や生産調整の達成とリンクしない新たな支払(デ
カップリング)は、経営判断をゆがめることがなく、選択の幅を
拡げる
○多面的機能を維持・発揮
○担い手を支える集落共同活動や
担い手以外の人達を含めて6次産業化、
都市との交流で地域が活性化
農産物の加工・販売
多面的機能とは、水路、農道等を含め、
農地を農地として維持することにより発揮され
る、
国土の保全、水源かん養、景観形成等の機能
9
Ⅰ-7 農業水利施設の保全管理と産業インフラの側面からのKPIの設定について
政策課題
政策目標
【政策目標1】
担い手の体質強化
政策課題Ⅰ
施
策
○農地の大区画化等や省力化技術の導
入による生産コストの削減 [ 施策1]
○担い手への農地集積・集約化の加
速化 [ 施策2]
施策の成果目標
【重要業績指標】
(KPI)
【活動指標】
○農業経営の法人化の促進 [ 施策3]
「強くて
豊かな農業」
【政策目標2】
産地収益力の向上
【政策目標3】
政策課題Ⅱ
「 美しく活力
ある農村」
農村協働力と美しい
農村の再生・創造
【政策目標4】
快適で豊かな資源
循環型社会の構築
○農業生産の拡大・多様化による収
益の増大 [ 施策4]
○6次産業化等による雇用と所得の
創出 [ 施策5]
○農村協働力を活かした地域資源の
保全管理体制の強化 [ 施策6]
○美しい農村環境の創造を通じた地
域づくり [ 施策7]
○農村の生活基盤の効率的な保全管
理 [ 施策8]
○小水力発電の導入等の再生可能エ
ネルギーの拡大 [ 施策9]
政策課題Ⅲ
「強くて
しなやかな
農業・農村」
老朽化や災害リスク
に対応した農業水利
施設の戦略的な
保全管理と機能強化
○農業水利施設の機能強化による災
害リスクの軽減 [ 施策11]
○農村協働力を活かした防災・減災力
の強化 [ 施策12]
○担い手の米の生産コストの大幅削減
・
・
・
・
・
・
・
基盤整備完了地区(水田)における担い手の米生産コストが削減目標に達している地区の割合
基盤整備完了地区における担い手への農地集積率
基盤整備完了地区における担い手経営面積に対する集約化率
基盤整備着手地区における農地中間管理機構との連携率
基盤整備完了地区において設立又は規模拡大した農業法人数の増加率
水管理等の省力化技術(ICT、GPS 等)の導入地区の割合(若しくは、導入地区の増加率)
基盤整備完了面積(水田)における大区画ほ場の割合
○ 高収益作物への転換による所得の増加
・ 基盤整備着手地区における作物生産額に占める高収益作物の割合(若しくは生産額の増加率)
○ 6 次産業化等による雇用と所得の増加
・ 基盤整備完了地区における6次産業化等の取組による雇用と売上の増加率
【活動指標】
【重要業績指標】
(KPI)
【活動指標】
【重要業績指標】
(KPI)
・ 基盤整備完了区域(水田)における野菜の作付率
・ 裏作が可能な地域における基盤整備完了区域の耕地利用率
・ (目標1に掲げる活動指標)
○ 地 域 資源の保全管理の質と持続性の向上
・ 地域共同活動における農業者以外の多様な人材の参画率
・ 持続的な広域体制の下での地域共同活動により保全管理される農地面積の割合
・
・
・
・
地域共同活動による農地・農業用水等の保全管理への参加者数
基盤整備において農村環境の創造に着手した地域数
農村環境の創造に着手した地域のうち、農業者以外の多様な人材が参画した地域数
農村環境の創造に着手した地域のうち、地域の活性化に向けた取組を行った地域数
○農村の生活基盤の再編等による保全管理の効率性の向上
・ 農業集落排水施設の維持管理費の削減目標を設定した再編計画の策定市町村数
○再生 可能エネルギーの導入による維持管理費の軽減
・ 農業水利施設を活用した小水力発電電力量等のかんがい排水に用いる電力量に占める割合
【活動指標】
○農業水利施設の長寿命化とライフ
サイクルコストの低減 [ 施策10]
【政策目標6】
災害に対する地域の
防災・減災力の強化
【重要業績指標】
(KPI)
【重要業績指標】
(KPI)
【政策目標5】
11
・
・
・
・
農道施設(橋梁、トンネル)の機能保全計画の策定率
農業集落排水施設の機能診断の実施率
汚水処理人口普及率(集落排水:農林水産省、下水道:国土交通省、浄化槽:環境省)
農業集落排水汚泥の再生利用率
○健全度評価に基づいた施設の保全管理の効率性の向上
・ 更新等が必要と判明している基幹的農業水利施設における対策着手の割合
○湛水被害等の災害防止と施設の耐震化
・ 湛水被害等が防止される農地及び周辺地域の面積
・ 耐震性が確保された重要度の高い国営造成施設の割合
【活動指標】
【重要業績指標】
(KPI)
【活動指標】
・
・
・
・
・
基幹的農業水利施設の機能診断の実施率
基幹的農業水利施設の機能保全計画の策定率
基幹的農業水利施設の施設情報の集約化・電子化の割合
新技術の開発件数
重要度の高い国営造成施設における耐震照査の実施率
○地域資源や農村協働力等を活用した防災・減災力の強化
・ コミュニティを活用した減災活動や農地・施設等が有する減災機能の活用が行われている市町村の割合
・ ハザードマップ等ソフト対策を実施した防災重点ため池の割合
・ 主として南海トラフ地震等の被害想定地域を対象とした主要な国営土地改良事業完了地区において、業務継
続計画(BCP)を策定した土地改良区の数
10
(参考)新たな土地改良長期計画(中間とりまとめ案)
○ 土地改良事業は「強くて豊かな農業」を実現するための産業政策という役割を担う。
○ この産業政策を下支えするため、政策目標として「農業水利施設の戦略的な保全管理と機能強化」を掲げ、重要業績
指標(KPI)を明確にして、その達成に必要な施策を講ずる。
社 会 資 本 の
新たな価値の創出
社 会 資 本 の 継 承
農村協働力の深化
政策課題 Ⅱ 美しく活力ある農村
政策課題 Ⅰ 強くて豊かな農業
~ 地域政策 ~
~ 産業政策 ~
政策目標1 担い手の体質強化
政策目標3 農村協働力と美しい農村の再生・創造
政策目標2 産地収益力の向上
政策目標4 快適で豊かな資源循環型社会の構築
[達成すべき重点目標]
[達成すべき重点目標]
● 担い手の米の生産コストの大幅削減
● 高収益作物への転換による所得の増加
● 6次産業化による雇用と所得の増加
産業政策
を
下支え
○ 地域資源の保全管理の質と持続性の向上
○ 生活基盤の再編等による保全管理の効率性の向上
○ 再生可能エネルギーの導入による維持管理費の軽減
政策課題 Ⅲ 強くてしなやかな農業・農村
農業水利施設の
政策目標5 戦略的な保全管理と
機能強化(ハード)
~ 産業政策と地域政策の土台 ~
[達成すべき重点目標]
○ 健全度評価に基づいた施設の保全管理の効率性の向上
○ 湛水被害等の災害防止と施設の耐震化
○ 地域資源や農村協働力等を活用した防災・減災力の強化
地域政策
を
下支え
災害に対する地域の
政策目標6 防災・減災力の強化
(ソフト)
11
(参考)TPP対策における農業農村整備
○ 総合的なTPP関連政策大綱に、「農地中間管理事業の重点実施区域等における農地の更なる大区画化・汎用化」、「水田の畑
地化、畑地・樹園地の高機能化」及び「畜産クラスター事業を後押しする草地の大区画化」が盛り込まれたところ。
○ 攻めの農林水産業への転換を図るため、農業の体質強化に資する事業を重点的に実施。
農地中間管理事業の重点実施区域等に
おける農地の更なる大区画化・汎用化
KPI:担い手の米の生産コストが9,600円
/60kgを下回ると見込まれること
KPI:作物生産額(主食用米を除く)に占める
高収益作物の割合がおおむね8割以上と
なることが見込まれる 等
担い手の米の生産コストを大幅に削減する
ため、農地の大区画化や排水対策、水管理の
省力化・合理化のための整備を推進
高収益作物を中心とした営農体系への転換
により、体質強化を図るため、水田の畑地
化・汎用化、畑地・樹園地の高機能化を推進
○大型機械の導入が可能な大区画のほ場を整備
整備後
整備前
○水田の畑地化の例
KPI:飼料作物の単位面積あたり収量が
25%以上増加することが見込まれること
地域ぐるみの高収益型畜産体制(畜産クラ
スター)の取組みを加速化し、効率的な飼料
生産を一層進するため、大型機械化体系に対
応した草地の大区画化等の基盤整備を推進
水路のパイプライン化とスプリンクラー整備により、野菜生産等へ転換
○水管理の省力化・合理化を可能とするパイプライン
化、地下かんがいを整備
パイプライン化
畜産クラスターを後押しする
草地整備の推進
水田の畑地化、畑地・樹園地の高機能化
地下かんがい
作業幅: 3.2m
○畑地・樹園地の高機能化の例
(たまねぎ生産の例)
現況の自然排水路に合わせて整備
小型機械による作業
大区画化や緩傾斜化による機械化・省力化や、かんがい排
水施設整備による高品質化を推進
30ha
米の生産コストの低減
大区画による効率的な飼料生産
(もも生産の例)
営農経費の低減
◆飼料作物の単位面積当たりの収量(栄養価)
生産額(ぶどう、茶等)の増加
収量が向上
TDNkg/10a
7 , 200 (<9,600)
※ 対象地区:H22~24年度完了地区
※「日本再興戦略」上の担い手の米生産コスト削減目標
16,000円/60kg(23年産米全国平均) → 9,600円/60kg
草地の大区画化による作業
効率の向上の結果、大型機械
により生育適期の収穫が可能
となり、飼料作物の単位面積
あたり収量が増加し、畜産農
家の体質強化に寄与。
整備前
(県営地区の調査結果から試算)
(国営地区の計画書から試算)
整備後
※TDNとは、飼料作物中に含まれる栄養価のことをいう。
12
Ⅰ-8 農山漁村地域整備交付金について
○ 農山漁村地域整備交付金は、地方の裁量によって実施する農林水産業の基盤整備や農山漁村の防災・減災対策
を支援するため、平成22年度に創設。
【個別補助事業】
農山漁村地域整備交付金
農業農村・基盤整備
森林基盤整備
地域の自主性に基づき、農・林・水にまたがる広
範かつ多様な事業を自由に選択
(都道府県が各地区に予算を配分)
水産基盤整備
平成26年度予算 : 1,122 億円
海岸保全施設整備
平成27年度予算 : 1,067 億円
平成28年度予算 : 1,067 億円
13
Ⅰ-9 個別補助事業と比較した農山漁村地域整備交付金の特徴
○
○
○
○
国が個別事業ごとに採択していたものを、都道府県等が計画を策定し、これに基づき事業を実施する方式に変更。
計画に位置づけられた事業の範囲内で、地方公共団体が国費を自由に充当可能。
計画作成主体は自らの裁量により計画全体を事前・事後評価(公表)。
交付金の制度としては、事業毎のB/Cの算出は求められていない。
(土地改良法に基づく事業として実施するものについては、法律に基づきB/Cを算出。)
交付金制度の特徴
個別補助金
個別補助事業ごとに採択
個々の事業にのみ使用
補助金の余剰分は返還か繰
越手続
交付金制度
都道府県が広範かつ多様な事業を自由に選択した計画を策定
都道府県の裁量による弾力的かつ機動的な運用が可能(農・
林・水横断的な予算融通が可能)
農山漁村地域整備と一体となって、事業効果を高めるために必
要な効果促進事業の実施が可能
計画内の他事業に国費の流用が可能
(予算補助事業は)年度間でも国費率の調整が可能
地方が自ら目標を設定し、事前・事後評価(公表)
国が詳細に事前審査
(土地改良法に基づく事業として実施するものについては、法律
に基づきB/Cを算出)
土地改良事業のB/C算出根拠
土地改良法施行令(昭和24年政令第295号)(3)「全ての効用が全ての費用を償う土地改良事業であること。」
14
Ⅰ-10 農山漁村地域整備交付金におけるB/C算出について
経済・財政再生計画改革工程表
(平成27年12月24日経済財政諮問会議決定)
○ 地方公共団体が行う交付金に係る事業について、一定の線引きを行った上で、
評価のあり方を国において検討し、その結果に基づき早期に実現するよう要請
対
応
○ 本交付金のうち、既にB/Cの算出が義務化されている事業について、継続して実施
○ その他の事業については要件化が可能か検討し、一定の線引きを行った上で、B/C算出の要件化
(原則平成29年度~)
15
Ⅱ- 1 林業の成長産業化を支える森林整備事業・治山事業
○山村にある森林(人工林)が本格的な利用期を迎え、木材自給率(平成26年)も26年ぶりに30%台を回復するなど、
明るい兆しが見え始める中で、今まさに、林業の成長産業化を実現し、地方創生に貢献する好機。
○林業の成長産業化の実現に向けて、間伐等の森林施業とこれと一体となった路網整備を推進し、森林の有する多面的
機能を発揮させつつ国産材の安定供給体制を確立。
○治山施設の設置等による森林の保全を通じて、水源の涵養とともに、集中豪雨・地震等に起因する山地災害から人家
や公共施設等を保全。
■ 木材の供給量の推移
■ 主伐期を迎えた人工林
1 0 齢 級(46~50年生)
以上の人工林
51%
150
輸 入燃料材
木 10,000
材
供 8,000
給
量 6,000
50
75.7%
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
輸 入製品
国産材
37.2%
資料:林野庁「森林資源の現況」(平成24年3月31日現在)
注1: 齢級(人工林)は、林齢を5年の幅でくくった単位。苗木を植栽した年を1年生として、1~5年生を「1齢級」と数える。
0
1
6
11
路網を、「林道」、「林業専用道」、「森林作業道」に区分
し、それぞれの役割等に応じて効率的に組み合わせた路網ネッ
トワークを整備。
路網整備や施業の集約化により、効率的な間
伐等を実施。
森林作業道
間伐材等生産
16
21
26
31
資料:林野庁「木材需給表」
間伐等森林施業
林業専用道
20.8%
自給 率最低(H 14)
32.9%
18.8%
林道施設
林道
31.2%
2,000
(齢級)
現在 (H26)
輸入丸太
4,000
1
木材自給率(右軸)
12,000
100
0
(%)
(万㎥)
96.1%
14,000
(万ha)
200
材の搬出
流域(森林計画区)の資源量に
林業の成長産業化に貢献
応じつつ森林資源を積極的に利 多面的機能の発揮
木材の安定供給
用している流域の数
経済成長を支える安心な国土基盤の形成
(H25:58流域→H30:80流域) 山村の活性化・雇用創出
36
41
46
51
56
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
木
材
自
給
率
(年)
治山施設
地形、山地の荒廃状況、保全対象との位置関
係、経済性等を踏まえ、最も効率的・効果的
な工種・工法、施設配置により実施。
人家や鉄道インフラを守る治山施設
周辺の森林の山地災害
防止機能等が発揮され
災害の防止
た集落の数
安全・安心の確保
(H25:5万5千集落
→H30:5万8千集落)
16
Ⅱ- 2 林道施設の長寿命化に係るロードマップ
○林道施設における個別施設計画の策定割合を、2020年度までに100%とすることを目標。
○毎年度、個別施設計画の策定割合を把握。(2016年3月末:約4%)
○2015年3月、「林道施設に係る個別施設計画策定のためのガイドライン」を策定し、都道府県及び市町村等が行う
個別施設計画の策定を支援。
○都道府県及び市町村等が行う施設の長寿命化対策の技術的な水準を確保するため、2016年3月、「林道施設長寿命
化対策マニュアル」を策定し、技術的に支援。
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度
2017年度
2018年度
2019年度
2020年頃
2021~
2029年度
2030年度
【インフラ長寿命化基本計画の策定】
インフラ老朽化対策の推進に関する
関係省庁連絡会議において策定
【行動計画の策定】
林野庁において
行動計画を策定
行動計画の取組期間(~2020年度)
行動計画に基づき、ガイドライン、マニュアルを作成し、都道府県等を支援
取組状況等を踏まえ計画を更新
【個別施設計画の策定】
都道府県及び市町村等において林道橋・林道トンネル等の個別施設計画を策定
点検・診断結果等を踏まえ計画を更新
2015.3 「林道施設に係る個別施設計画策定のためのガイドライン」を策定
【個別施設計画に基づく点検診断・保全整備】
都道府県及び市町村等において林道橋・林道
トンネル等の点検・診断、保全整備を実施
点検・診断、保全整備を実施
2016.3 「林道施設長寿命化対策マニュアル」を策定
17
Ⅱ- 3 林道施設の維持管理費等の低減に向けた対応方向
◯ 人工林の多くが本格的な利用期を迎える中、循環利用する森林を主体に林道等の整備を重点的に進めることが課題。
◯ 林道等の開設に当たっては、極力、地形に沿った線形となるよう十分な検討を行い、維持管理費等の抑制を期待でき
る丈夫で簡易な林業専用道等の整備を推進。
◯ また、既存の林道等についても、橋梁等の点検診断の徹底とともに、法面の整形・保護工等の改良事業を推進し、長
寿命化を図り今後の維持管理費等を抑制し、林道等に係るトータルコストを縮減。
林道整備に係る公共予算(当初)の推移
維持管理費等の見通し(イメージ)
林道整備に係る予算額が減少する中、増大す
る維持管理費等を縮減する必要。
500
450
丈夫で簡易な路網
400
林業専用道
350
維
持
管
理
費
等
( 300
億 250
円
) 200
150
100
276
270
1
2
238
225
212
3
4
5
点検診断、保全整備を実施しない場
合、都度の補修等が必要となり維持管
理費等が増大
点検診断、保全整備を推進する
ことにより、予防的な補修等が
図られ、維持管理費等が縮減
50
0
※民有林における予算額を記載。
◯ 限られた予算の中で、丈夫で簡易な林業専用道
等の整備を推進。
将来
(維持管理費等の低減に向けた今後の対応方向)
◯ 林道施設の維持管理等については、林道の利用
頻度等を踏まえ、対象施設の優先度を考慮しつ
つ、開設時から丈夫で簡易なものとするととも
に、計画的な点検診断、保全整備を推進。
18
Ⅲ-1 個別施設計画の策定と推進の状況
○水産物の安定供給のためには、漁業活動に必要な漁港施設の機能を将来にわたり、適切に保つことが必要。
○財政状況が厳しい中、今後、多くの漁港施設が更新時期を迎え、そのための費用の増大が懸念。
個別施設計画策定地区(漁港)数
1500
漁港施設の更新需要と予算額
1098
(100%)
1000
495
(45%)
619
(56%)
750
(68%)
500
0
縮
減
1
2
平成33年までに耐用年
数(50年)を経過する係
留施設を有する一定規模
の漁港
3
4
5
漁港漁場整備長期
計画における対象
漁港(1,098港)
○財政状況が厳しい中、機能を維持していくために
は、計画的な保全対策が必要
≪更新コストの増大に対する対応の方向≫
○ 漁港施設のライフサイクルコストを考慮した計画的な漁港施設の保全対策の実施。
○ 対象施設の優先度を考慮しつつ、既存ストックを有効に活用出来るよう計画的に補修・改修を行い、施設の長
寿命化を図ることにより、コストの縮減・平準化を可能とする個別施設の計画の策定を推進。
○ 漁港施設の更新の際には、漁港機能の集約と有効活用を併せて推進。
19
Ⅲ-2 【水産業競争力強化】 漁港の高度衛生管理対策による水産物輸出の促進
○ 世界的な水産物需要が増大する中、水産物の輸出額倍増【1,700億円(2012年)→3,500億円(2020年)を目標】
○ 水産物の輸出の促進や輸入水産物に対する国際競争力の強化を図るため、水産物の流通や輸出の拠点となる漁港において、
衛生管理対策を推進。【2020年度末までに高度な品質・衛生管理体制が構築された漁港の割合を5割まで引き上げ】
ホタテ貝輸出促進のための漁港の衛生管理
<湧別漁港(北海道)>
マサバ等輸出促進のための高度衛生管理型荷さばき所
<八戸漁港(青森県)>
湧
別
漁港におけるEU向け水産物の取扱
○
・衛生管理型屋根付き岸壁
・清浄海水導入施設
八戸漁 港の第三市 場A棟が国 内で初め て「対EU 輸出水産 食品取扱施 設」
として登 録(平成27年3月 19日)
の整備
湧別漁港における衛生管理対策によるホタテ輸出量増大
(輸出先: EU 、米国、中国)
輸出量(t)
8,000
整備後
整備前
6,000
4,000
226%上昇
2,000
0
1
2
3
平均1,465t
4
5
年度
6
7
8
9
平均4,777t
フィッシ ュポンプ の導入
自動魚体選別機の導入
フィッシュポンプや自動魚体選別機の導入等
により危害要因混入の防止
スラリーアイスの使用
漁獲物の鮮度の保持
20
Ⅳ 6次産業化ネットワーク活動交付金について
21
6次産業化ネットワーク活動交付金の概要
○ 6次産業化ネットワーク活動交付金は、農山漁村の所得や雇用の拡大、地域活力の向上を
図ることを目的に、平成25年度に創設。地域の創意工夫を生かしながら農林漁業者が多様な
事業者とネットワークを構築して実施する6次産業化への取り組みを支援。(平成28年度の
予算額は2,033百万円)
○ 具体的には、地方自治体を通じて、農林漁業者が主体となって取り組む新商品開発や販路
開拓を支援するとともに、新商品の加工・販売施設等の整備を支援。
○ また、市町村が地域ぐるみで新商品を開発するための加工機械等の整備を支援。
(参考)
6次産業化ネットワーク活動交付金の予算額の推移
単位:百万円
6次産業化ネットワーク活動交付金
平成25年度
平成26年度
平成27年度
平成28年度
2,172
(1,985)
2,131
(1,241)
2,331
2,033
加工販売施設(米粉パン)
※括弧内は補正予算額で外数
加工販売施設(鶏卵スイーツ)
22
都道府県への交付スキーム
○
都道府県は、事業実施計画について、事業実施主体の適格性、事業の効果検証、バリュー
システムの構築、地域への波及効果等の評価項目について、配分基準に従いポイント付けし、
国に提出。
○ 国は、同配分基準の配分方法に基づき、交付金の配分対象となる事業について、ポイント
上位のものから予算の範囲内で都道府県に配分。
○ 都道府県から交付金の配分対象となった事業の実施計画の提出を受け、国(地方農政局等)
は、その内容についての妥当性協議を行った上で、交付決定。
【主な評価項目】
○事業実施主体の適格性について :組織の財政的基盤、運営の公開性、
専門性(知見、経験)を有しているか
○事業の効果検証について
:具体的な目標を設定し、その成果、効果
が検証できるか
○バリューシステムの構築について :商品の安定的な生産・供給・物流体制が
整っているか
○地域経済への波及効果について :地域の雇用創出、農林水産業及び関連
産業の振興への波及効果があるか
※ 「6次産業化ネットワーク活動交付金の配分基準について」
(平成25年5月16日付け25食産第626号農林水産省食料産業局長通知)より
23
交付金におけるPDCAサイクルの取組
○ 成果目標については、六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画等における目標で
ある、6次産業化に係る農林水産物及び新商品の売上高を設定。
○ 都道府県は、事業実施主体から事業成果の評価報告を受け内容を点検。
○ 成果目標を達成していない場合は改善を指導するとともに国に報告。国は、必要に応じ都道
府県を指導。
○ 事業全体の実施状況を踏まえ、随時、交付金全体の事業要件等を見直し。
Plan
成果目標を設定
Action
六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画等
における目標を成果目標に設定
・6次産業化に係る農林水産物及び新商品の売上高
(事業実施期間3年~5年)
事業の実施
事業の見直し
・成果目標を達成してい
ない場合は改善を指導
・国は必要に応じ都道府
県を指導
・事業全体の実施状況
を踏まえ交付金全体の要
件等を改善
Do
Check
事業実施状況の把握
・都道府県は、事業実施主体から事業成果の
評価報告を受け内容を点検
※施設整備事業のPDCAサイクル
24
具体的な交付金の改善・見直し
過去に実施された施設整備事業につい
て、費用対効果分析や事前の販路開拓の
取組が不十分であり、成果目標の達成率
が低調となっていた。(会計検査院から
も平成26年10月24日改善の処置要
求)
平成26年度補正予算から実施要領を改
改善・ 正し、成果目標の達成に資する以下の措
見直し 置を講じた。
○事業実施計画に費用対効果分析におけ
る投資効率の算定根拠や新商品の販路等
を明らかにした資料を添付させる。
○補助率を1/2以内から3/10以内
に引き下げるとともに、金融機関の融資
を受けたものを支援する融資残補助の制
度に改め、現実的な投資を促す仕組みと
した。
※ 交付金額については、以下の1~3の一番低い額。
1 事業費×3/10
2 融資額
3 事業費-融資額-地方公共団体等による助成額
例えば、5,000万円(事業費)の加工・販売施設を整備する
際、3,000万円の融資を受け、地方公共団体等から助成を受け
ず、自己負担分が2,000万円の場合、事業費(5,000万円)の
3/10となる1,500万円の範囲内で交付金を交付する。
25
○農林漁業者等による6次産業化の推進状況
農林漁業者等
(六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画の認定)
交付
申請
事業実
施状況
報告
交付
決定
地方農政局等(都道府県経由)
6次産業化ネットワーク活動交付金
(農林水産物の加工・販売施設等の整備を支援)
【年度ごとの認定件数(累計)の推移】
指導
助言
フォロー
アップ
地方農政局等
都道府県サポートセンター等
(6次産業化プランナー)と連携、情報共有
・毎年、総合化事業計画のフォローアップを実施
・都道府県等の6次産業化サポートセンターと連
携して、認定事業者をサポート
【認定申請時と比較した農林漁業及び関連事業の売上高増減】
平成26年度フォローアップ調査結果
平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度
709
1,321
1,811
2,061
2,156
増減なし,1.5%
減少,
25.0%
増加,
73.5%
26