仕様書 - 国立研究開発法人日本医療研究開発機構

仕様書
1.一般事項
(1)総則
本仕様書は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、
「機構」という)が調達
する「化合物情報管理システム業務 一式」の仕様について定める。
(2)目的と内容
「機構」創薬支援戦略部は、創薬ブースター事業を通して、各大学及び研究機関から、
膨大な量のスクリーニング化合物の化学構造情報及び活性情報を集積しつつあるが、こ
れらの情報を管理し利用する手段を有していない。今回、化合物情報管理システム一式を
導入設置して、これら化合物の化学構造及び活性に関する情報を統合的かつ簡便に登録、
管理及び閲覧参照して構造活性相関を解明し、速やかに創薬リード化合物を見出すこと
を目的とする。
化合物情報管理システム一式の納入、設置、並びに運用のためのトレーニング業務を行
うこと。
2.納入期限
平成28年8月31日(水)まで
3.納入場所
システム設置場所及び利用場所
【既存サーバ設置場所及びシステム利用場所】
・日本医療研究開発機構 創薬支援戦略部 西日本統括部
大阪府大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 タワーB 14階
【システム利用場所】
・日本医療研究開発機構 創薬支援戦略部 東日本統括部
東京都中央区日本橋室町1-5-5 室町ちばぎん三井ビルディング 8階
4.仕様
4.1 化合物情報管理システム
▶ データ参照閲覧機能は30ユーザ以上、データ登録機能は10ユーザ以上であること。
▶ グラフィカルユーザインタフェース及びウェブブラウザ等を利用して容易にシステ
ムを操作できること。
【基本機能】
・低分子有機化合物を登録できること。
・高分子有機化合物を登録できること。
・ペプチド等のアミノ酸系化合物及びマクロライド等を登録できること。
・DNA 及び RNA といった核酸系化合物を登録できること。
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・遷移金属錯体を登録できること。
【ID発番機能】
・登録された化合物及びその特定ロットに対して、固有の ID を発番できること。
【塩及び溶媒の入力機能】
・化合物の塩及び付加溶媒に関する情報を登録及び追加できること。
【構造式以外の情報の入力機能】
・備考等の文字列データ、比率等の数値データ及び登録日等の日付データの入力が
行えること。
【自動計算・入力支援機能】
・入力された構造式に基づいて、分子式、分子量及び PSA(polar surface area)
等が計算できること。
・入力された構造式に基づいて、Log P、pKa 及び溶解度等の物性予測値を算出で
きること。
【重複チェック機能】
・入力された構造式データがデータベース中の既存の構造式データと同一である
かをチェックできること。
・構造式データの同一性チェックの際、互変異性体又は立体異性体等も同一性チェ
ック対象に設定できること。
・構造式データが既存の構造式データと重複した場合、判断レベル(例:「完全一致」
「互変異性体」)をユーザに通知できること。
【一括登録機能】
・SD ファイルから複数件のデータを一括で登録できること。
・一括登録を実行した結果、既存の構造式データと重複した場合に登録保留にでき
ること。
・一括登録を実行した結果、既存の構造式データと重複した場合にロット追加とし
て処理できること。
・一括登録を実行した結果、登録成功となったデータを出力できること。
・一括登録を実行した結果、登録エラーとなったデータを出力できること。
【検索機能】
・構造式を検索条件として、検索できること。
・構造式検索の際、完全構造一致及び部分構造一致検索が行えること。
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・構造式検索の際、逆部分構造一致検索が行えること。
・構造式検索の際、互変異性体及び立体異性体を含む異性体の検索が行えること。
・文字列データ、数値データ及び日付データに対する検索が行えること。
【参照機能】
・検索結果として構造式データ、文字列データ、数値データ及び日付データを表示
し保存できること。
・フォーム形式の画面でデータを詳細に表示し保存できること。
・テーブル形式の画面でデータを俯瞰的に表示し保存できること。
【データ出力機能】
・検索結果を SD ファイル 、CSV ファイル、Excel ファイル及びこれら以外のファ
イル形式として出力できること。
【システムの管理機能】
・適切なシステム管理権限を持つユーザが、下記の業務を実施できること。
▢ ユーザの登録、変更又は解除
▢ システムの設定変更
▢ データベース項目の追加、変更又は削除
▢ データベース項目の入力規則及び入力補助の割り当て
【権限管理機能】
・各ユーザの権限を設定して、その権限設定に応じて利用できる機能を制限できる
こと。
・各ユーザの権限設定をグループ化できること。
・適切なシステム管理権限を持つユーザが、グループ化した権限設定の追加、変更、
及び削除できること。
【監査証跡機能】
・各データの変更履歴が記録されていること。
・変更前後の値を表示及び出力できること。
・システムとして各ユーザが閲覧できるデータの範囲を設定できること。
【その他】
・Web アプリケーション又は何等かの仕組みで、クライアント端末へデータベー
スの検索/参照/データ出力などの機能を導入できること。
・外部のシステムとの連携のためのインターフェースを備えていること。
4.2 Excelアドインツール(必要とする場合)
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▶ Excelアドインツールは10ユーザ以上であること。
【基本機能】
・クライアント PC 上で動作すること。
・構造式データ SD ファイル及びその他の分子データをファイルで取り込み可能で
あること。
・分子特性の計算機能として Excel 関数を利用してワークブック上で使用可能で
あること。
・置換基 R グループ分析が可能であること。
4.3 化合物情報管理システム構築作業
▶ 「機構」創薬支援戦略部
西日本統括部にある既存サーバ環境に対して本システム
を構築するものとする。
▶ Excelアドインツールを必要とする場合、西日本統括部及び東日本統括部にて使用
するため各クライアントPCへのインストール時の支援を行うこと。
4.4 化合物情報管理システム操作トレーニング
▶ 「機構」創薬支援戦略部
東日本統括部及び西日本統括部に対して本システムの操
作トレーニングを実施すること。
4.5 ライセンス
▶ ライセンス体系は永久使用権で提供可能であること。
4.6 その他
▶ 本システムが稼働可能なサーバ環境を提示すること。
▶ 本システムの導入後1年間、無償で保守サポートを行うこと。
5.操作マニュアル等
システム納入後に、下記の要件の操作マニュアル、システム完成図書を「機構」創薬支
援戦略部 西日本統括部のシステム担当者へ提出すること。
・紙媒体2部及び電子媒体(CD-R 等)2部にて納品すること。
・マニュアル及びシステム完成図書は日本語で記載すること。
・紙のサイズは、日本工業規格 A 列 4 番を原則とする。
・電子媒体に保存する形式は、原則 PDF、一太郎並びに Microsoft Office 2007 及びそ
れより新しいバージョンの Microsoft Office で扱える形式とすること。ただし、
「機
構」が別に形式を定めて提出を求めた場合はこの限りでない。
6.検収
納入物については、適宜、機構に進捗状況の報告を行うとともに、レビューを受けるこ
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と。最終的な納入成果物については、4に記載の全てが揃っていること及びレビュー後
の改訂事項等が反映されていることを機構が確認し、これらが確認され次第、検収終了
とする。
また、以下についても遵守すること。
(1) 検査の結果、納入成果物の全部または一部に不備不合格品を生じた場合には、受
注者は直ちに引き取り、必要な修復を行った後、機構の承認を得て、指定した日
時までに修正が反映された全ての納入成果物を納入すること。
(2) 納入成果物に規定されたもの以外にも、必要に応じて提出を求める場合があるの
で、作成資料を常に管理し、最新状態に保っておくこと。
(3) 機構が検査を行った結果、不適切と判断した場合は、機構の指示に従い遅滞なく
手直しをし、再検査を受け、これに合格しなければならない。
7.調達の条件
(1) 本調達の業務(以下、
「本業務」という。
)遂行にあたって発生した一切の経費に
ついては、受注者の負担とする。
(2) 納品日時は機構と調整の上、決めること。
(3) 受注者は本業務の遂行及び成果物について、善良な管理者の注意義務を持って業
務を遂行するとともに、成果物の管理・保管にあたらなくてはならない。
8.受注者の条件
(1)受注者は、化合物情報管理システムの販売設置業務の経験を有しており、これを過
去の実績で証明できること。
(2)受注者は、化合物情報管理システムの販売設置を円滑、正確に実施するために必要
な施設、設備、組織的資源を有しており、これを証明する書類を提出すること。
9.留意事項
(1) 成果物の帰属等
本業務において作成・取得されたデータを含む一切の成果物の所有権及び著作権
(著作権法第21条から第28条に定めるすべての権利を含む)
、著作隣接権、報
酬請求権(著作権法第94条の2、第95条の3第3項及び第97条の3第3項に
規定するもの)及び二次使用料請求権(著作権法第95条第1項及び第97条第1
項に規定するもの)及び外国における当該権利に相当する権利は、機構に帰属す
る。なお、受注者は著作者人格権を行使しないものとする。
また、受注者は、機構の承諾なしに、本業務により作成された成果物を自ら使用
し又は第三者に利用させてはならない。
(2) 知的財産等
本業務において新たに生じた発明に係る特許権(特許を受ける権利を含む。
)
、その
他の知的財産権(その他の知的財産権を受ける権利を含む。
)及びノウハウ等に関す
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る権利は、機構に属する。
(3) 再委託
① 本調達の業務遂行に当たり、受注者は全部又は主要部分を第三者に再委託する
ことはできない。
② 受注者は、受注業務の一部を再委託する場合は、事前に再委託する業務、再委託
先等を機構に報告し、承認を受けること。受注者は、機密保持、知的財産権等に
関して本仕様書が定める受注者の責務を再委託先業者も負うよう、必要な処置
を実施し、機構に報告し、承認を受けること。
③ なお、第三者に再委託する場合は、その最終的な責任を受注者が負うこと。
(4) 秘密保持
守秘義務等については次の事項を遵守すること。
① 本業務遂行に必要な従業員以外は本業務に従事させてはならない。
② 本業務に関して、媒体および手段を問わずに機構から開示もしくは提供された
情報のうち、次の各号の一に該当するものをいう。
(以下「本件秘密情報」という。)
I.
書面又はサンプル等の物品により開示・提供される場合は、秘密である旨の表
示があるもの。
II.
電磁的記録化された情報として、電子メールや記録媒体等により開示・提供さ
れる場合は、当該情報を開示・提供する際に書面又は電子メールのいずれかに
より秘密である旨の表示があるもの。
III. 口頭又は映像等の視覚的手段によって開示・提供される場合は、当該情報を開
示・提供する際に秘密である旨を明示されたもの。
③ 本件秘密情報を再委託先以外の第三者に対して開示してはならない。ただし、
以下のいずれかに該当する情報については秘密情報に含まない。
・受注者が機構より開示を受けた時点で既に公知であった情報
・受注者が機構より開示を受けた時点で既に所有していたことを文書で証明でき
る情報
・受注者が機構より開示を受けた後に受注者の責によらずに公知となった情報
・受注者が正当な権限を有する第三者から適法に入手したことを証明できる情報
・受注者が機構より開示を受けた情報によることなく独自に開発・取得していたこ
とを証明できる情報
④ 本業務遂行のために必要な従業員がそれ以外の者に秘密情報を開示しないよう、
厳正な措置を講じること。
⑤ 本件秘密情報を本業務のみを目的として使用するものとし、他の目的には一切
使用してはならない。
⑥ 機構の書面による事前の承諾なしに、本業務遂行のため必要な最小限度の範囲
を超えて本件秘密情報を複写または複製してはならない。また、必要に応じて
施錠可能な保管庫に格納する等、適正に管理すること。
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⑦ 機構から要請がある場合または本業務終了後は直ちに本件秘密情報(複写及び
複製したものを含む。
)を機構に返還し、または秘密保持上問題のない方法によ
り処分すること。
⑧ 受注者が(4)秘密保持の内容に違反したことにより本件秘密情報が漏洩し、
機構に損害が発生した場合には、機構に対しその損害を賠償しなければならな
い。なお、賠償額については、機構と受託者にて別途協議して定めるものとす
る。
⑨ 秘密保持の内容は、本件業務終了後も本件秘密情報が秘密性を失う日まで有効
に存続するものとする。
⑩ 受託者は、秘密保持に係る措置の実施状況について、機構が定期または不定期
の検査を行う場合には、これに応じること。
(5) 遵守事項
① 機構へ提示する電子ファイルは事前にウイルスチェック等を行い、悪意のある
ソフトウェア等が混入していないことを確認すること。
② 民法、刑法、著作権法、不正アクセス禁止法、個人情報保護法等の関連法規を遵
守すること。
③ 受注者は、本業務において取り扱う情報の漏洩、改ざん、滅失等が発生すること
を防止する観点から、情報の適正な保護・管理対策を実施するとともに、これら
の実施状況について、機構が定期若しくは不定期の検査を行う場合においてこ
れに応じること。万一、情報の漏洩、改ざん、滅失等が発生した場合に実施すべ
き事項及び手順等を明確にするとともに、事前に機構に提出すること。また、そ
のような事態が発生した場合は、機構へ報告するとともに、当該手順等に基づき
可及的速やかに修復すること。
④ 受注者は、本業務を受注した事実について機構の書面による事前の承諾なしに
第三者に公表してはならない。
(6) 環境への配慮
環境への負荷を低減するため、以下に準拠すること。
① 本業務に係る納入成果物については、
「国等による環境物品等の調達の推進等に
関する法律(グリーン購入法)」
(平成15年7月16日法律第119 号)に基
づいた製品を可能な限り導入すること。
② 導入する機器等がある場合は、性能や機能の低下を招かない範囲で、消費電力節
減、発熱対策、騒音対策等の環境配慮を行うこと。
10.その他
本業務は、機構と十分な協議の上、実施することとし、本仕様書に掲げる事項の他、
本業務遂行のために必要な事項については、機構と協議することとする。
以上
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