平成 28 年 4 月 20 日 内閣総理大臣 安倍晋三 殿 平成 28 年熊本地震災害に関する緊急申し入れ 民進党 平成 28 年熊本地震災害対策本部 本部長 1 岡田克也 民進党は、4 月 14 日より発生している地震を受け「民進党・平成 28 年熊本地震災害対策本部」を立ち上げ、関係省庁からのヒアリン グや地元県連からの報告による被害状況の把握と、被災者の方々の 緊急要望等の集約を行ってきた。 民進党としても政府に協力を惜しまず、被災者支援と復興をさら に効果的なものとするため、以下の提言を申し入れるものである。 1.被災者の救助及び支援 現在も安否不明となっている方々について、二次災害等が予 測される中、困難な作業であるが、自衛隊を現地に増派するな ど、人命を最優先として早期発見及び救助等に全力を尽くすこ と。 2.激甚災害の指定 被災者等の方々は、生活拠点、生活手段など今後の展望等に ついて強い不安を感じている。そのため、一刻も早く「激甚災 害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」に基づく 激甚災害指定を行い、当該地方公共団体や被災者の方々等に対 2 する財政的支援を図ること。指定に先立ち当該地方公共団体か らの意見聴取をきめ細かく行うこと。 3 緊急災害対策本部への改組 4 月 14 日に設置された政府の非常災害対策本部は、河野太郎・ 内閣府特命大臣が本部長を務めている。4 月 16 日の本震で被害が さらに拡大し、10万人を超える避難者がいるにも拘わらず、政 府は緊急災害対策本部に切りかえず、河野大臣はTPPに関する 国会審議に対応している。政府を挙げた震災対応の体制を確立す べく、総理を本部長とする緊急災害対策本部に改組すること。 4.政府現地対策本部の拡充・強化 被災地においては、県や市町村職員等の方々が全力を尽くして いるが、災害の規模が大きく広範囲にわたるため、避難者の方々 の支援が遅れている面もある。そのため、政府の現地対策本部の 機能・人員を強化し、大規模災害対応のノウハウを持つ、内閣府 や各省庁の担当者を現地の市町村に早急に派遣し、下記のような 情報収集と自治体の活動支援を行うこと。 ① 救援物資等の集約・分類、各市町村や避難所への配布について、 3 配送手段を含めた計画的な実施と、新たな具体的手法を確立す ること。 ② 乳幼児、子供、高齢者、病院患者、障がいを持つ方など、社会 的弱者の方々が必要とする物資や情報提供について、特別な対 応をすること。 ③ 物資供給や被災者生活支援などに関するノウハウを持つNPO や民間団体の活動を支援し、自治体との連携が速やかにとれる よう協力体制の整備を進めること。 5.被災者生活支援の強化 被災者の生活支援を強化するために、下記の措置を講ずること。 ① 二次災害の危険性、避難計画、避難場所、生活必需品の配布場 所や時間、通行可能な道路及び利用可能な公共交通手段など、 被災者の方々が必要とする情報を確実に提供し、周知徹底する 体制を確立すること。 ② 病院入院・通院患者、老人関係施設、児童養護施設等の方々の 避難先の確保及び迅速かつ安全な移動をさせること。 ③ 避難所での感染症の予防、パーテーション設置やトイレの確保、 常備薬の確保と供給、子どもや高齢者の心理ケア、PTSD対 4 策など被災者に寄り添った支援を進めること。 ④ 避難所以外での場所や車中生活等を余儀なくされている方々の エコノミークラス症候群の防止策をはじめ、必要な支援(弾性 ストッキングの配布)や情報提供を行うこと。 避難所が設置されていない孤立地域への物資・食料などの供給 に留意すること。 ⑤ 広域避難体制の確立にむけた自治体間連携や、旅館・ホテルな ど民間施設の借り上げによる一時避難先等の確保をはかること。 被災者支援や復旧活動の経験を有する自治体職員の被災市町村 への派遣等を進めること。 6.ライフライン、交通インフラ等の早期復旧 ライフライン、交通インフラ等の復旧は、被災者支援及び生 活再建のために不可欠なものである。そのため、下記の事項に ついて早急な対応及び支援を行うこと。 ① 断水、停電が発生し、今なお復旧していない地域における、電 気・ガス・水道等の早急な復旧のための支援をすること。 ② 預金等の引き出しについては柔軟に対応するよう金融機関に指 導すること。 5 ③ 熊本空港や高速道路や幹線道路、鉄道などを早期復旧させるた めの支援を行うこと。 ④ 災害廃棄物の迅速な処理に向け、広域処理を含む必要な支援を 実施すること。 ⑤ 農林業被害や観光業における損害について早急に把握し、対応 策を講ずること。 7.川内原発等について 稼働中の川内原発について、更なる地震が発生した場合の安 全性を不安視し、一時停止を求める声もある。こうした不安に 応え、川内原発に影響を及ぼす地震が発生した場合に備え、従 来の地震等に関する想定が正しいのか否か、本当に想定通りの 避難が出来るのか、避難先の受け入れ態勢は十分なのか等を再 検証すること。また、それらの情報提供を十分にはかること。 以上 6
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