理学部 数理科学科 談話会の実施のお知らせ

理学部数理科学科
学生向け談話会のお知らせ
次の要領で本校教員による学生向け談話会を開催します。
大学院進学を考えている学生や教員の研究内容を知りたい学生
など、多くの学生の方々の参加をお待ちしています。
日時:2016年5月11日(水)
15:00∼16:45
場所:万有館3階セミナー室
講演1 (15:00–15:45)
東谷 章弘 助教
題目:高次元版ピックの公式について ∼エルハート理論への誘い∼
要旨:格子多角形の面積は、内部や境界に含まれる格子点の個数を数えることで求めるこ
とが出来る。その公式は「ピックの公式」と呼ばれ、現在では広く知られた公式であり、離
散数学・数え上げ組合せ論などにおける重要な公式の1つとなっている。ピックの公式は、
2次元の図形である格子多角形のみを対象としているが、3次元以上の図形(格子多面体)
に対しても同様の公式が知られている。高次元ピックの公式は、1960 年代にフランスの数
学者 Eugèn Ehrhart によって創設された“ エルハート理論 ”を用いて導くことが出来る。
本講演では、エルハート理論に関する基本的な事項を紹介し、高次元版ピックの公式につい
て紹介する。時間があれば、エルハート理論に関する最近の研究結果についても紹介する。
講演2 (16:00–16:45)
渡辺 達也 准教授
題目:フランスでの在外研究報告および研究成果報告
要旨:この講演の前半部分では、フランスのボルドー大学で行った在外研究の報告および
在外研究中に行った研究の概要を述べる。
講演の後半部分では、ボルドー大学の Mathieu Colin 氏との共同研究である「ゲージ化さ
れた定在波解の安定性」に関する研究結果を紹介する。
非線形シュレディンガー方程式や非線形クラインゴルドン方程式における定在波解の安定
性については古くから調べられており、指数の大きさによる分類など、数多くの結果があ
る。一方で粒子が磁場と相互作用する場合には、マックスウェル方程式との連立系を考え
る必要があり、その場合の研究はまだ少ない。本講演では磁場との相互作用が小さい場合
の安定性に関する結果を紹介する。
談話会委員
伊藤悠
東谷章弘
(問い合わせ:[email protected] )