ネオドパストン配合錠L100・配合錠L250 使用上の注意改訂のお知らせ

── 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読みください。──
使用上の注意改訂のお知らせ
パーキンソニズム治療剤
レボドパ錠
処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること
パーキンソニズム治療剤
レボドパ・ベンセラジド塩酸塩錠
処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること
パーキンソニズム治療剤
レボドパ・カルビドパ水和物錠
処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること
2016 年 4 月
このたび、標記製品の「使用上の注意」の一部を改訂いたしましたので、ご連絡申し上げます。
つきましては、今後のご使用に際しご参照いただくとともに、副作用等の治療上好ましくない有害事象を
ご経験の際には、弊社MRに速やかにご連絡くださいますようお願い申し上げます。
1. 改訂の概要
( 1)
「重大な副作用」
の項に「閉塞隅角緑内障」を追記しました。≪薬生安通知≫
( 2)
「その他の副作用」の項に「ドパミン調節障害症候群」を追記しました。≪自主改訂≫
( 3)
「相互作用(併用注意)
」の項に記載していた「チオリダジン」を削除しました。≪自主改訂≫
流通在庫の関係から、改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまでに若干の日数が必要ですので、ご使用に際しましては、ここに
ご案内申し上げました改訂内容をご参照いただきますようお願い申し上げます。
−1−
2. 改訂内容〔
( )薬生安通知による改訂、
( )自主改訂、
( )削除〕
■ドパゾール錠 200mg
改 訂 後
改 訂 前
3 .相互作用
( 1 )現行通り
( 2)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
3 .相互作用
( 1 )略
( 2 )併用注意(併用に注意すること)
機序・危険因子
薬剤名等
現行通り
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
略
抗精神病薬
本剤の作用が減弱す これらの薬剤により、 抗精神病薬
本剤の作用が減弱す これらの薬剤により、
フェノチアジン系 ることがある。
ドパミン受容体が遮
フェノチアジン系 ることがある。
ドパミン受容体が遮
薬剤
断される。
薬剤
断される。
(クロルプロマジン
(クロルプロマジン、
等)
チオリダジン等)
ブチロフェノン系
ブチロフェノン系
薬剤
薬剤
(ハロペリドール等)
(ハロペリドール等)
その他
その他
(ペロスピロン等)
(ペロスピロン等)
現行通り
略
4 .副作用
4 .副作用
注1)
( 1)重大な副作用(頻度不明 )
( 1 )重大な副作用(頻度不明注 1 ))
1)~ 5 )
現行通り
1)~ 5 ) 略
6)閉 塞隅角緑内障:急激な眼圧上昇を伴う閉塞
隅角緑内障を起こすことがあるので、霧視、眼痛、
充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、
投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
( 2)その他の副作用
( 2 )その他の副作用
10%以上 5 ~ 10%未満 0.1 ~ 5%未満 0.1%未満 頻度不明注1)
精神神
経系
不随意運動 妄想、興奮、
傾眠、
めまい、
頭痛、
倦怠感、
不眠、
味覚異常
多弁、
精神神
見当識障害、 経系
病的賭博、
病的性欲亢
進、
ドパミン調
節障害症候
群
現行通り
10%以上 5 ~ 10%未満 0.1 ~ 5%未満 0.1%未満 頻度不明注1)
不随意運動 妄想、興奮、
傾眠、
めまい、
頭痛、
倦怠感、
不眠、
味覚異常
多弁、
見当識障害、
病的賭博、
病的性欲亢
進
略
注1 )自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。 注1 )自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。
−2−
■ネオドパゾール配合錠
改 訂 後
改 訂 前
3 .相互作用
( 1 )現行通り
( 2)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
現行通り
3 .相互作用
( 1 )略
( 2 )併用注意(併用に注意すること)
機序・危険因子
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
略
抗精神病薬
本剤の作用が減弱す これらの薬剤により、 抗精神病薬
本剤の作用が減弱す これらの薬剤により、
フェノチアジン系 ることがある。
ドパミン受容体が遮
フェノチアジン系 ることがある。
ドパミン受容体が遮
薬剤
断される。
薬剤
断される。
(クロルプロマジン
(クロルプロマジン、
等)
チオリダジン等)
ブチロフェノン系
ブチロフェノン系
薬剤
薬剤
(ハロペリドール等)
(ハロペリドール等)
その他
その他
(ペロスピロン等)
(ペロスピロン等)
現行通り
略
4 .副作用
4 .副作用
( 1)重大な副作用(頻度不明注 1 ))
( 1 )重大な副作用(頻度不明注 1 ))
1)~ 5 )
現行通り
1)~ 5 ) 略
6)閉 塞隅角緑内障:急激な眼圧上昇を伴う閉塞
隅角緑内障を起こすことがあるので、霧視、眼痛、
充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、
投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
( 2)その他の副作用
( 2 )その他の副作用
5% 以上
0.1 ~ 5%未満
0.1% 未満
頻度不明注 1)
5% 以上
0.1 ~ 5%未満
0.1% 未満
頻度不明注1)
精神神 不随意運動 焦燥感、
特発性硬直、病的賭博、
経系 (顔 面、頸部、精神高揚、 構音障害
病的性欲亢
口、四肢等)せん妄、不安、
進、
不眠、頭痛、
ドパミン調節
頭重、めまい、
障害症候群
傾眠、
筋緊張低下
精神神 不随意運動 焦燥感、
特発性硬直、病的賭博、
経系 (顔 面、頸部、精神高揚、 構音障害
病的性欲亢
口、四肢等)せん妄、不安、
進
不眠、頭痛、
頭重、めまい、
傾眠、
筋緊張低下
現行通り
略
注1 )自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。 注1 )自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。
−3−
■ネオドパストン配合錠 L100・配合錠 L250
改 訂 後
改 訂 前
3 .相互作用
( 1 )現行通り
( 2)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
現行通り
3 .相互作用
( 1 )略
( 2 )併用注意(併用に注意すること)
機序・危険因子
薬剤名等
臨床症状・措置方法
略
機序・危険因子
抗精神病薬
本剤の作用が減弱す これらの薬剤により
フェノチアジン系 ることがある。
ドパミン受容体が遮
薬剤
断される。
(クロルプロマジン
等)
ブチロフェノン系
薬剤
(ハロペリドール等)
その他
(ペロスピロン等)
抗精神病薬
本剤の作用が減弱す これらの薬剤により
フェノチアジン系 ることがある。
ドパミン受容体が遮
薬剤
断される。
(クロルプロマジン、
チオリダジン等)
ブチロフェノン系
薬剤
(ハロペリドール等)
その他
(ペロスピロン等)
現行通り
略
4 .副作用
4 .副作用
( 1)重大な副作用
( 1 )重大な副作用
1)~ 5 )
現行通り
1)~ 5 ) 略
6)閉塞隅角緑内障(頻度不明)
:急激な眼圧上昇
を伴う閉塞隅角緑内障を起こすことがあるので、
霧視、眼痛、充血、頭痛、嘔気等が認められ
た場合には、投与を中止し、直ちに適切な処
置を行うこと。
( 2)その他の副作用
( 2 )その他の副作用
1% 以上
0.1 ~ 1%未満
0.1% 未満
頻度不明
1% 以上
0.1 ~ 1%未満
0.1% 未満
頻度不明
精神神 不随意運動注1)、不安・焦燥感注1)、興奮注1)、
妄想注1)、
精神神 不随意運動注1)、不安・焦燥感注1)、興奮注1)、
妄想注1)、
注1)
注1)
注1)
注1)
注1)
経系 不眠
歩行障害 、 見当識喪失 、 病的賭博 、
経系 不眠
歩行障害 、 見当識喪失 、 病的賭博注1)、
注1)
注1)
傾眠、めまい、 振戦の増強 、 病的性欲亢進 、
傾眠、めまい、 振戦の増強注1)、 病的性欲亢進注1)
頭痛、
しびれ感
ドパミン調節障
頭痛、
しびれ感
倦怠感・脱力感、
害症候群注1)
倦怠感・脱力感、
味覚異常
味覚異常
現行通り
注1)減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
略
注 1 )減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
3. 改訂理由
(1)
「重大な副作用」の項への「閉塞隅角緑内障」の追記
レボドパ製剤として、
「閉塞隅角緑内障」が集積されたため、
「重大な副作用」の項に追記しました。
≪厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長通知(薬生安通知)に基づく改訂≫
(2)‌レボドパ製剤として、
「ドパミン調節障害症候群」が集積されたため、
「その他の副作用」の項に
「ドパミン調節障害症候群」を追記しました。
≪自主改訂≫
(3)
「相互作用
‌
(併用注意)」の項に記載していた「チオリダジン」は、販売中止されたため、削除
しました。
≪自主改訂≫
☆添付文書全文については弊社ホームページに掲載しておりますので、併せてご参照いただきま
すようお願い申し上げます。
(https://www.medicallibrary-dsc.info )
−4−
■症例の概要【両眼性急性閉塞隅角緑内障】
レボドパ・ベンゼラジド製剤(
「マドパー」
〔製造販売元:中外製薬株式会社〕)
患 者
1日投与量
性別
使用理由
投与期間
年齢 (既往歴・合併症)
男 パーキンソン病
80 代 (前 立 腺 癌 の 術
後、慢性腎臓病、
肺 気 腫、尋 常 性
乾癬)
不明
副作用
経過及び処置
両眼性急性閉塞隅角緑内障
本剤の投与歴:不明
投与2日前
転倒により全身打撲。
投与開始日
受傷 2日後に近医内科を受診。慢性腎臓病の急性増悪及びパーキ
ンソン病と診断され、本剤とプラミペキソール塩酸塩水和物の
2剤が処方された。
投与2日目
内服後に幻覚を認めたため、プラミペキソール塩酸塩水和物は
投与中止。
投与4日目
10kgの体重減少があり、早朝に前頭部痛と嘔気、霧視を自覚し立つ
ことも不可能となり、救急搬送された。
初診時に内服薬の聴取を行った際、内服薬は 15剤あり、その中の
3剤は抗コリン作用を有する内服薬であった。
初診時の検査所見
視力:右眼0.4 (0.5×S+3.00D=C−2.25D Ax 90° )
左眼0.2 (0.4×S+1.75D=C−1.50D Ax 80° )
眼圧:右眼47mmHg、左眼48mmHg
瞳孔:正円で瞳孔径は両眼とも2.2mm
前房内に炎症はなく、結膜充血はあるものの、明らかな角膜浮腫
はなく、周辺前房深度はvan Herick法I度の狭隅角眼であり、隅
角検査はShaffer分類I度であった。両眼とも軽度の核白内障があり、
眼軸長は右眼 23.95mm、左眼 23.94mmであった。眼底には乳頭浮
腫や血管炎はなく、脈絡膜出血もなかった。
暗 室 下 で の 超 音 波 生 体 顕 微 鏡(以 下UBM)で は、ciliochoroidal
effusionが全周にあり、虹彩の前弯は軽度であったが、隅角は機能
的閉塞を呈していた。また、水晶体亜脱臼を疑わせるような所見
は認めなかった。
投与5日目
急性閉塞隅角緑内障発症
急性閉塞隅角緑内障と考え、UBM後から 2%ピロカルピン塩酸塩、
1%ブリンゾラミド、0.1%ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム
を頻回点眼したが、両眼とも 43mmHg までしか眼圧下降が得られ
な か った。ピ ロ カ ル ピ ン 塩 酸 塩 点 眼 後 の 前 眼 部 光 干 渉 断 層 計
(以下前眼部OCT)では、前房深度は右1.495mm、左1.522mmと浅く、
耳側隅角は機能的閉塞を起こしていた。肺気腫があり、β遮断薬
点眼は使用できず、腎機能障害があり炭酸脱水酵素阻害剤内服や
高張浸透圧薬の点滴は行えなかった。
瞳孔ブロックによる隅角閉塞機序を除外するため、レーザー虹彩
切開術 ( 以下 LI) を施行した。LI 前後に 1%アプラクロニジン塩酸
塩点眼を行った。LI後に眼圧は両眼とも 20mmHgまで下降した。
ピロカルピン塩酸塩点眼は LI 前に点眼したのみで、その後は中止した。
LI 施行後にデキサメタゾンリン酸エステルナトリウムの結膜
下注射を両眼に行い、腎機能障害に注意しながらブリンゾラミド
点眼を両眼に 2 回 /日、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム
点眼を両眼に3回/日を継続した。
投与6日目
前房深度は初診時よりさらに狭くなっており、前房深度は右眼
が 1.199mm、左眼が 1.097mmであり、眼圧は右眼 20mmHg、左眼
21mmHgであった。
投与10日目
眼圧は右眼13mmHg、左眼12mmHgであり、前房深度は右眼2.185mm、
左眼2.345mmと深くなった。
投与20日目
前房深度は右眼 2.421mm、左眼 2.478mmとさらに増加し、隅角
は開大した。同日には前房深度は初診時より約 1mm増加してお
り、同日のUBMでは、初診時に観察された全周のciliochoroidal
effusionは完全に消失し、隅角は開大していた。両眼とも矯正視力
は 0.9まで回復し、眼圧は緑内障点眼なしで右眼が 12mmHg、左眼
が15mmHgであった。隅角検査ではShaffer分類IV度であり、隅角
は完全に開放していた。
投与約1ヵ月目
(投与終了日)
本剤投与終了。
併用薬:プラミペキソール塩酸塩水和物
引用文献:多田明日美 , 他:抗 Parkinson 病治療薬内服により発症したと推測される両眼性急性閉塞隅角緑内障の1症例.
眼科臨床紀要 9(1):5-10, 2016
−5−
【使用上の注意】
〔 ※2016 年4 月改訂〕
4 .副作用
承認前の調査 1,023例中報告された主な副作用は悪心・嘔吐 49.1%(502件)、食欲
不振22.4%(229件)等の消化器症状、不随意運動8.6%(88件)
、精神症状4.9%(50件)、
1. 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
]
不眠8.1%(83件)等の精神・神経症状、たちくらみ9.3%(95件)
、心悸亢進2.8%(29
2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
件)
、血圧低下2.6%(27件)
、血圧上昇2.1%(21件)等の循環器症状であった。
3. 非選択的モノアミン酸化酵素阻害薬投与中の患者(「重要な基本的注意」
、
「相
承認後の調査(4年間)5,878例中報告された主な副作用は悪心・嘔吐28.1%(1,650件)、
食欲不振13.3%
(784件)
等の消化器症状、
不随意運動6.6%
(390件)
、
精神症状3.2%(186
互作用」の項参照)
件)
、不眠 2.6%(151件)等の精神・神経症状、たちくらみ 4.6%(271件)、心悸亢進
1.3%(78件)
、血圧低下1.0%(61件)
、血圧上昇0.4%(23件)等の循環器症状であった。
【使用上の注意】
(₁)重大な副作用(頻度不明注1 ))
1 .慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
₁)Syndrome malin(悪性症候群)
:急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害、
(₁)肝又は腎障害のある患者[副作用の発現が増加するおそれがある。
]
高度の筋硬直、不随意運動、ショック状態等があらわれることがあるので、こ
(₂)胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者[症状が悪化するお
のような場合には、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等適切な処置を行う
それがある。
]
こと。
(₃)糖尿病の患者[血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告
₂)錯乱、幻覚、抑うつ:幻覚、抑うつ、錯乱があらわれることがあるので、この
がある。
]
ような症状があらわれた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
(₄)重篤な心・肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者[症状が悪化するお
₃)胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化:胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化があらわれること
それがある。
]
があるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
(₅)慢性開放隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
]
₄)溶血性貧血、血小板減少:溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるの
(₆)自殺傾向等精神症状のある患者[精神症状が悪化するおそれがある。
]
で、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場
2 .重要な基本的注意
合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(₁)閉塞隅角緑内障のおそれのある場合は、隅角検査あるいは眼圧検査を行うことが
₅)突発的睡眠:前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような
望ましい。
場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
(₂)本剤の投与は、少量から開始し、観察を十分に行い慎重に維持量まで増量すること。
※₆)閉塞隅角緑内障:急激な眼圧上昇を伴う閉塞隅角緑内障を起こすことがあるので、
また他剤から本剤に切りかえる場合には、他剤を徐々に減量しながら本剤を増量
霧視、眼痛、充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、投与を中止し、直ち
するのが原則である。
に適切な処置を行うこと。
(₃)長期投与時:レボドパ製剤の長期投与により、次のような現象があらわれること
(₂)
その他の副作用
があるので、適切な処置を行うこと。
下記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には必要に
₁)wearing off( up and down)現象があらわれた場合には、1日用量の範囲内で投
応じ投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
与回数を増すなどの処置を行うこと。
₂)on and off 現象があらわれた場合には、維持量の漸減又は休薬を行う。症状悪
10%以上
5 〜 10%未満 0.1 〜 5%未満 0.1%未満
頻度不明注 1 )
化に際しては、その他の抗パーキンソン剤の併用等の処置を行うこと。
不随意運動
妄想、興奮、
多弁、
※ 精神神経系
(₄)前兆のない突発的睡眠、傾眠、調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下
傾眠、めまい、
見当識障害、
頭痛、倦怠感、
病的賭博、
が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械
不眠、味覚異常
病的性欲亢進、
の操作には従事させないよう注意すること。
ドパミン調節
(₅)セレギリン塩酸塩( B型モノアミン酸化酵素阻害薬)との併用に際しては、使用
障害症候群
前に必ずセレギリン塩酸塩の添付文書を参照すること。
悪心・嘔吐
口渇、便秘、
消化器
(₆)レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊
( 31.2%)
、
胸やけ、下痢、
等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す
食欲不振
唾液分泌過多、
状態)
、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、
( 14.7%)
腹痛、
このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を
腹部膨満感
行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明
排尿異常
泌尿器
すること。
貧血等
白血球減少等
血 液
3 .相互作用
過敏症
発疹等
(₁)併用禁忌(併用しないこと)
【禁忌】
(次の患者には投与しないこと)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
循環器
機序・危険因子
非選択的モノアミン酸 血圧上昇、頭痛、ほてり等の 非選択的モノアミン酸化酵素
化酵素阻害薬
高血圧症状があらわれるおそ 阻害薬により、カテコールア
れがある。
ミンの代謝が阻害され濃度が
非選択的モノアミン酸化酵素 上昇し、冠血管の α 受容体を
阻害薬の投与中及び中止後少 刺激する。
なくとも2週間は本剤の投与
を避ける。
(₂)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
レセルピン製剤
テトラベナジン
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
脳内ドパミンが減少し、本剤 脳内のドパミンを減少させてパー
の作用が減弱するおそれがある。キンソン症状を悪化させる。
降圧薬
降圧薬の作用を増強すること 相互に作用を増強すると考え
メチルドパ水和物、 がある。
られている。
レセルピン、
交感神経節遮断薬等
※ 抗精神病薬
本剤の作用が減弱することが これらの薬剤により、ドパミ
フェノチアジン系薬剤 ある。
ン受容体が遮断される。
(クロルプロマジン等)
ブチロフェノン系薬剤
(ハロペリドール 等)
その他
(ペロスピロン等)
全身麻酔薬
ハロタン等
不整脈があらわれるおそれが 末梢でドパミンは β1 アドレナ
ある。
リン受容体を刺激し強心作用
を示す。またハロタンは心筋
の被刺激性亢進作用を示すの
で、本剤による心臓への影響
が増強されると考えられている。
ピリドキシン
本剤の作用が減弱することが 末梢での本剤の脱炭酸化を促
ある。
進すると考えられている。
他の抗パーキンソン剤
抗コリン作動薬、
アマンタジン、
ブロモクリプチン等
精神神経系及び循環器系の副 長期投与により、大脳皮質に
作用が増強することがある。 おけるコリン作動性神経系感
受性が亢進すると考えられて
いる。
NMDA 受容体拮抗剤
メマンチン塩酸塩等
本剤の作用を増強するおそれ これらの薬剤により、ドパミ
ン遊離が促進する可能性がある。
がある。
パパベリン塩酸塩
本剤の作用が減弱するおそれ 機序は明らかではないが、パ
がある。
パベリン塩酸塩が線条体での
ド パ ミ ン 受 容 体 を 遮 断 す る、
又はパパベリン塩酸塩がアド
レナリン作動性神経小胞でレ
セルピン様作用を示すと考え
られている。
鉄剤
本剤の作用が減弱するおそれ キレートを形成し、本剤の吸
がある。
収が減少するとの報告がある。
イソニアジド
本剤の作用が減弱するおそれ 機序は明らかではないが、イ
がある。
ソニアジドによりドパ脱炭酸
酵素が阻害されると考えられ
ている。
起立性低血圧 血圧低下、
血圧上昇、
心悸亢進、
不整脈
眼
視覚異常
肝 臓注 2 )
AST( GOT)
上昇、
ALT( GPT)
上昇等
腎 臓
浮腫
その他
発汗、筋肉痛、 脱 毛、唾 液・ 嗄声、痰・口
耳鳴、熱感、 汗・尿の変色 腔内粘膜・便
体重減少
(黒色等)
等 の 変 色(黒
色等)
注 1 )自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。
注 2 )投与中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。
5 .高齢者への投与
高齢者では、生理機能の低下によりレボドパに対する忍容性が低下していることが多く、
不安、不眠、幻覚、血圧低下等の副作用があらわれることがあるので注意すること。
6 .妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(₁)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
[動物実験
(ラッ
ト)で初期発生への影響及び胎児毒性が認められている。
]
(₂)授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。
[乳汁分泌が抑制される
おそれがあり、また動物実験(ラット)で乳汁移行が報告されている。]
7 .臨床検査結果に及ぼす影響
ニトロプルシドナトリウムの検尿テープによる尿検査では、ケトン体反応が偽陽性
になる場合がある。
8 .過量投与
本剤の過量投与により、異常な不随意運動、混乱、不眠、まれに悪心、嘔吐、不整
脈等があらわれるおそれがある。このような場合には、呼吸器や心機能を観察しな
がら胃洗浄等の適切な処置を行うこと。
9 .適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること。
( PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこし
て縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。
)
10 .
その他の注意
(₁)抗パーキンソン剤はフェノチアジン系薬剤、レセルピン誘導体等による口周部等
の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない。場合によってはこのよ
うな症状を増悪顕性化させることがある。
(₂)悪性黒色腫が発現したとの報告がある。
(₃)高蛋白食によりレボドパの吸収が低下するとの報告がある。
注)
( )薬生安通知による改訂、
( )自主改訂
−6−
【使用上の注意】
〔 ※2016 年4 月改訂〕
4 .副作用
承認前の調査 331例中報告された副作用は 53.2%(176例)で、主な副作用は不随意
運動 24.5%(81件)
、幻覚 1.2%(4件)
、不眠 6.0%(20件)等の精神神経症状、悪心・
1. 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
]
嘔吐 12.7%( 42 件)
、食欲不振 9.1%( 30 件)等の消化器症状であった。二重盲検比較
2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
試験によるレボドパ単味剤との比較では、特に食欲不振、悪心、嘔吐等の消化器症
3. 非選択的モノアミン酸化酵素阻害薬投与中の患者(「重要な基本的注意」
、
「相
状の発現頻度が低いことが認められている。
承認後の調査(3 年間)2,875 例中報告された副作用は 13.9%(401例)で、主な副作
互作用」の項参照)
用は不随意運動 5.9%(171件)
、幻覚 1.4%( 41件)
、不眠 0.4%(11件)等の精神神経
症状、悪心・嘔吐2.7%(77件)
、食欲不振1.0%(30件)等の消化器症状であった。
【使用上の注意】
注1 )
(₁)重大な副作用(頻度不明 )
1 .慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
₁)Syndrome malin(悪性症候群)
:急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害、
(₁)肝又は腎障害のある患者[副作用の発現が増加するおそれがある。
]
高度の筋硬直、不随意運動、ショック状態等があらわれることがあるので、こ
(₂)胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者[症状が悪化するお
のような場合には、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等適切な処置を行うこと。
それがある。
]
₂)錯乱、幻覚、抑うつ:幻覚、抑うつ、錯乱があらわれることがあるので、この
(₃)糖尿病の患者[血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告
ような症状があらわれた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
がある。
]
₃)胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化:胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化があらわれること
(₄)重篤な心・肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者[症状が悪化するお
があるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
それがある。
]
₄)溶血性貧血、血小板減少:溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるの
(₅)慢性開放隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
]
で、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場
(₆)自殺傾向等精神症状のある患者[精神症状が悪化するおそれがある。
]
合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(₇)骨軟化症の患者(
「その他の注意」の項参照)
₅)突発的睡眠:前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような
(₈)25歳以下の患者(
「その他の注意」の項参照)
場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
2 .重要な基本的注意
※₆)閉塞隅角緑内障:急激な眼圧上昇を伴う閉塞隅角緑内障を起こすことがあるので、
(₁)閉塞隅角緑内障のおそれのある場合は、隅角検査あるいは眼圧検査を行うことが
霧視、眼痛、充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、投与を中止し、直ち
望ましい。
に適切な処置を行うこと。
(₂)既にレボドパ単味製剤の投与を受けている患者に対して本剤を投与する場合には、
レボドパの服用後少なくとも8時間の間隔をおいてから本剤を投与すること。た (₂)その他の副作用
下記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には必要に
だし、その他の抗パーキンソン剤の投与を中止する必要はない。
応じ投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(₃)レボドパ単味製剤の投与を受けていない患者に対して本剤を投与する場合には少
量から開始し、観察を十分に行い、慎重に維持量まで増量すること。
5%以上
0.1 〜 5%未満
0.1%未満
頻度不明注 1 )
(₄)長期投与時:レボドパ製剤の長期投与により、次のような現象があらわれること
焦燥感、
特発性硬直、
病的賭博、
※ 精神神経系 不随意運動
があるので、適切な処置を行うこと。
(顔面、頸部、
精神高揚、
構音障害
病的性欲亢進、
口、四肢等)
せん妄、不安、
ドパミン調節障
₁)wearing off( up and down)現象があらわれた場合には、1日用量の範囲内で投
不眠、頭痛、
害症候群
与回数を増すなどの処置を行うこと。
頭重、めまい、
₂)on and off 現象があらわれた場合には、維持量の漸減又は休薬を行う。症状悪
傾眠、
化に際しては、その他の抗パーキンソン剤の併用等の処置を行うこと。
筋緊張低下
(₅)前兆のない突発的睡眠、傾眠、調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下
悪心、嘔吐、
唾液分泌過多
消化器
が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械
食欲不振、口渇、
便秘、腹痛、
の操作には従事させないよう注意すること。
胃部不快感、
(₆)セレギリン塩酸塩( B型モノアミン酸化酵素阻害薬)との併用に際しては、使用
下痢、胸やけ、
前に必ずセレギリン塩酸塩の添付文書を参照すること。
口内炎、
(₇)レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊
腹部膨満感
等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す
排尿障害
泌尿器
状態)
、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、
白血球減少
血 液
このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を
皮 膚
発疹
蕁麻疹様湿疹、
行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明
四肢色素沈着、
すること。
口唇の水ぶくれ、
3 .相互作用
脱毛
(₁)併用禁忌(併用しないこと)
循環器
動悸、たちくらみ、不整脈
【禁忌】
(次の患者には投与しないこと)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
血圧低下
機序・危険因子
眼
非選択的モノアミン酸 血圧上昇、頭痛、ほてり等の 非選択的モノアミン酸化酵素
化酵素阻害薬
高血圧症状があらわれるおそ 阻害薬により、カテコールア
れがある。
ミンの代謝が阻害されレボド
非選択的モノアミン酸化酵素 パの濃度が上昇し、冠血管の
阻害薬の投与中及び中止後少 α 受容体を刺激する。
なくとも2週間は本剤の投与
を避ける。
その他
(₂)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
レセルピン製剤
テトラベナジン
臨床症状・措置方法
降圧薬の作用を増強すること 相互に作用を増強すると考え
降圧薬
メチルドパ水和物、 がある。
られている。
レセルピン、
交感神経節遮断薬等
※ 抗精神病薬
本剤の作用が減弱することが これらの薬剤により、ドパミ
フェノチアジン系薬剤 ある。
ン受容体が遮断される。
(クロルプロマジン等)
ブチロフェノン系薬剤
(ハロペリドール等)
その他
(ペロスピロン等)
他の抗パーキンソン剤 精神神経系及び循環器系の副 長期投与により、大脳皮質に
抗コリン作動薬、
作用が増強することがある。 おけるコリン作動性神経系感
アマンタジン、
受性が亢進すると考えられて
ブロモクリプチン等
いる。
NMDA 受容体拮抗剤
メマンチン塩酸塩等
本剤の作用を増強するおそれ これらの薬剤により、ドパミ
ン遊離が促進する可能性がある。
がある。
全身麻酔薬
ハロタン等
不整脈があらわれるおそれが 末梢でドパミンは β1 アドレナ
ある。
リン受容体を刺激し強心作用
を示す。またハロタンは心筋
の被刺激性亢進作用を示すの
で、本剤による心臓への影響
が増強されると考えられている。
パパベリン塩酸塩
本剤の作用が減弱するおそれ 機序は明らかではないが、パ
がある。
パベリン塩酸塩が線条体での
ド パ ミ ン 受 容 体 を 遮 断 す る、
又はパパベリン塩酸塩がアド
レナリン作動性神経小胞でレ
セルピン様作用を示すと考え
られている。
鉄剤
本剤の作用が減弱するおそれ キレートを形成し、本剤の吸
がある。
収が減少するとの報告がある。
イソニアジド
本剤の作用が減弱するおそれ 機序は明らかではないが、イ
がある。
ソニアジドによりドパ脱炭酸
酵素が阻害されると考えられ
ている。
AST
(GOT)
上昇、
ALT
(GPT)
上昇、
ALP 上昇
発汗、胸痛、
脱力・倦怠感、
浮腫
のぼせ感
唾 液・痰・口 腔
内粘膜・汗・尿・
便 等 の 変 色(黒
色等)
注 1 )自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。
注 2 )投与中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。
機序・危険因子
脳内ドパミンが減少し、本剤 脳内のドパミンを減少させてパー
の作用が減弱するおそれがある。キンソン症状を悪化させる。
視覚異常
肝 臓注 2 )
5 .高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しており、不安、不眠、幻覚、血圧低下等の副作
用があらわれるおそれがあるので注意すること。
6 .妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(₁)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
[動物実験(ウ
サギ)で催奇形性が報告されている。
]
(₂)授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。
[乳汁分泌が抑制される
おそれがあり、また動物実験(ラット)でレボドパの乳汁移行が報告されている。]
7 .臨床検査結果に及ぼす影響
ニトロプルシドナトリウムの検尿テープによる尿検査では、ケトン体反応が偽陽性
になる場合がある。
8 .過量投与
本剤の過量投与により、異常な不随意運動、混乱、不眠、まれに悪心、嘔吐、不整
脈等があらわれるおそれがある。このような場合には、呼吸器や心機能を観察しな
がら胃洗浄等の適切な処置を行うこと。
9 .適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること。
( PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこし
て縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。
)
。
10 .その他の注意
(₁)動物実験(幼若ラット)において、ベンセラジド塩酸塩による骨端軟骨板の内軟
骨性骨化の異常(閉鎖不全)が報告されている。
(₂)抗パーキンソン剤はフェノチアジン系薬剤、レセルピン誘導体等による口周部等
の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない。場合によってはこのよ
うな症状を増悪顕性化させることがある。
(₃)悪性黒色腫が発現したとの報告がある。
(₄)高蛋白食によりレボドパの吸収が低下するとの報告がある。
注)
( )薬生安通知による改訂、
( )自主改訂
−7−
【使用上の注意】〔 ※2016 年4 月改訂〕
4 .副作用(本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。
)
総症例 5,610 例中副作用が報告されたのは、1,331 例( 23.73%)で、そのうち主な
ものは悪心( 5.56%)、食欲不振( 3.30%)、嘔吐( 2.30%)等の胃腸症状及び不随意
運動( 6.17%)、起立性低血圧( 0.94%)であった。
〔新開発医薬品の副作用のまとめ(その 59 )〕
(₁)重大な副作用
₁)Syndrome malin
(頻度不明)
:急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害、
高度の筋硬直、不随意運動、ショック状態等があらわれることがあるので、この
ような場合には、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等適切な処置を行うこと。
【使用上の注意】
₂)錯乱(頻度不明)
、幻覚(頻度不明)
、抑うつ(0.55%)
:錯乱、幻覚、抑うつがあ
1 .慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
らわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には減量又は休薬
(₁)肝又は腎障害のある患者[副作用の発現が増加するおそれがある。
]
するなど適切な処置を行うこと。
(₂)胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者[症状が悪化するお
₃)胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化(0.05%)
:胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化があらわ
それがある。
]
れることがあるので、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止
(₃)糖尿病患者[血糖値の上昇を誘発し、インシュリン必要量を増大させるとの報告
し、適切な処置を行うこと。
がある。
]
₄)溶 血性貧血(頻度不明)
、血小板減少(頻度不明)
:溶血性貧血、血小板減少が
(₄)重篤な心・肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者[症状が悪化するお
あらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行
それがある。
]
い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(₅)慢性開放隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
]
₅)突発的睡眠(頻度不明)
:前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、
(₆)自殺傾向など精神症状のある患者[精神症状が悪化するおそれがある。
]
このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと(「重
2 .重要な基本的注意
要な基本的注意」の(5)項参照)
。
(₁)閉塞隅角緑内障のおそれのある場合は、隅角検査あるいは眼圧検査を行うことが
※₆)閉塞隅角緑内障(頻度不明):急激な眼圧上昇を伴う閉塞隅角緑内障を起こすこ
望ましい。
とがあるので、霧視、眼痛、充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、投与
(₂)既にレボドパ単味製剤の投与を受けている患者に対して本剤を投与する場合には、
を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
レボドパの服用後少なくとも8時間の間隔をおいてから本剤を投与すること。た
(₂)その他の副作用
だし、その他の抗パーキンソン剤の投与を中止する必要はない。
(₃)レボドパ単味製剤の投与を受けていない患者に対して本剤を投与する場合には少
1%以上
0.1 〜 1%未満
0.1%未満
頻度不明
注 1)
量から開始し、観察を十分に行い、慎重に維持量まで増量すること。
、 興奮 注 1 )
、
妄想 注 1 )
、
※ 精神神経系 不随意運動 注 1 )、 不安・焦燥感
(₄)長期投与時:レボドパ製剤の長期投与により、次のような現象があらわれること
不眠
歩行障害注 1)
、
見当識喪失注 1 )
、 病的賭博注 1 )
、
注1)
があるので、適切な処置を行うこと。
傾眠、めまい、 振戦の増強 、 病的性欲亢進注 1)
、
頭痛、
しびれ感
ドパミン 調 節 障
₁)wearing off( up and down)現象があらわれた場合には、1日用量の範囲内で投
注1)
倦怠感・脱力感、
害症候群
与回数を増やす等の処置を行うこと。
味覚異常
₂)on and off 現象があらわれた場合には、維持量の漸減又は休薬を行う。症状悪
悪心、嘔吐、
腹部膨満感、
胸やけ、
消化器
化に際しては、その他の抗パーキンソン剤の併用等の処置を行うこと。
食欲不振、口渇、腹部不快感、
唾液分泌過多、
(₅)前兆のない突発的睡眠、傾眠、調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下
便秘
腹痛、下痢
口内炎、
が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械
嚥下障害
の操作には従事させないよう注意すること。
排尿異常
泌尿器
(₆)セレギリン塩酸塩( B型モノアミン酸化酵素阻害剤)との併用に際しては、使用
注2)
前に必ずセレギリン塩酸塩の添付文書を参照すること。
顆粒球減少、
血 液
貧血
(₇)レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊
注2)
等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す
過敏症
発疹
状態)
、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、
循環器
起立性低血圧、 不整脈、
血圧上昇
このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を
心悸亢進
血圧低下
行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明
眼
視覚異常
すること。
肝 臓注 3 )
AST
(GOT)
上昇、LDH 上昇、
3 .相互作用
ALT
(GPT)
上昇 ALP 上昇
(₁)併用禁忌(併用しないこと)
【禁忌】
(次の患者には投与しないこと)
1. 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
]
2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
3. 非選択的モノアミン酸化酵素阻害剤投与中の患者(「重要な基本的注意」
、
「相
互作用」の項参照)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
腎 臓
機序・危険因子
その他
非選択的モノアミン酸 血圧上昇等を起こすおそれが レボドパから変換して産生さ
化酵素阻害剤
ある。
れたドパミン、ノルアドレナ
リンの分解が非選択的モノア
ミン酸化酵素阻害剤によって
抑制され、これが体内に蓄積
されるためと考えられている。
(₂)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
レセルピン製剤
テトラベナジン
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
※ 抗精神病薬
本剤の作用が減弱することが これらの薬剤によりドパミン
フェノチアジン系薬剤 ある。
受容体が遮断される。
(クロルプロマジン等)
ブチロフェノン系薬剤
(ハロペリドール 等)
その他
(ペロスピロン等)
他の抗パーキンソン剤
精神神経系の副作用が増強す
抗コリン剤、
ることがある。
アマンタジン塩酸塩、
ブロモクリプチンメシ
ル酸塩
併用によりレボドパの効果増
加につながるが、同時に精神
神経系の副作用が増強される
可能性もある。
NMDA 受容体拮抗剤
メマンチン塩酸塩等
本剤の作用を増強するおそれ これらの薬剤により、ドパミ
ン遊離が促進する可能性がある。
がある。
パパベリン塩酸塩
本剤の作用が減弱するおそれ パパベリン塩酸塩が線条体に
がある。
あるドパミンレセプターをブロッ
クする可能性がある。
鉄剤
本剤の作用が減弱するおそれ キレートを形成し、本剤の吸
がある。
収が減少するとの報告がある。
イソニアジド
本剤の作用が減弱するおそれ 機序は不明であるが、イソニ
がある。
アジドによりドパ脱炭酸酵素
が阻害されると考えられている。
脱毛、嗄声、
筋肉痛、
唾 液 の 変 色(黒 体重減少、
色等)
痰・口腔内粘膜・
汗・尿・便 等 の
変色(黒色等)
、
抗 DNA 抗体の陽
性例、
ク ーム ス 試 験 の
陽性例
注 1 )減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
注 2 )投与を中止すること。
注 3 )投与中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。
脳内ドパミンが減少し、本剤 脳内のドパミンを減少させてパー
の作用が減弱するおそれがある。キンソン症状を悪化させる。
血圧降下剤
血圧降下剤の作用を増強する 機序は不明であるが、レボド
メチルドパ水和物、 ことがある。
パに血圧降下作用があるため
レセルピン、
と考えられている。
節遮断剤等
浮腫、BUN 上昇
のぼせ感、
発汗
5 .高齢者への投与
不安、不眠、幻覚、血圧低下等の副作用があらわれるおそれがあるので注意すること。
[一般に高齢者では生理機能が低下している。]
6 .妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(₁)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
[動
物実験(ウサギ)で催奇形性が報告されている。]
(₂)授乳中の婦人には投与しないことが望ましい。
[乳汁分泌が抑制されるおそれ
がある。また、動物実験(ラット)でレボドパの乳汁移行が知られている。]
7 .臨床検査結果に及ぼす影響
ニトロプルシッドナトリウムの検尿テープによる尿検査では、ケトン体反応が偽陽
性になる場合がある。
8 .過量投与
本剤の過量投与により、異常な不随意運動、混乱、不眠、まれに嘔気、嘔吐、不整
脈等が起こるおそれがある。このような場合には、呼吸器や心機能を観察しながら
胃洗浄等の適切な処置を行うこと。
9 .適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること。
( PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこし
て縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。
)
10 .
その他の注意
(₁)抗パーキンソン剤はフェノチアジン系化合物、レセルピン誘導体等による口
周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない。場合によって
はこのような症状を増悪顕性化させることがある。
(₂)悪性黒色腫が発現したとの報告がある。
(₃)高蛋白食によりレボドパの吸収が低下するとの報告がある。
注)
( )薬生安通知による改訂、
( )自主改訂
〈製品情報お問い合わせ先〉
第一三共株式会社 製品情報センター
TEL:0120-189-132
〔受付時間 9:00〜17:30(土、日、祝祭日、当社休日を除く)〕
−8−
DP7OS0501
2016年 4 月作成