第4章 計画の効果的な推進のために

第4章
計画の効果的な推進のために
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市民参加による計画の推進
総 合 計 画 は ,8 9 名 の 市 民 が 参 加 ※ 1 し た 市 民 委 員 会 に よ る 検 討 の ほ か ,
パ ブ リ ッ ク コ メ ン ト や ま ち づ く り 意 見 交 換 会 な ど を 実 施 し ,市 民 参 画 ※ 2
により策定してきました。
特に,市民委員会では,3 回にわたり延べ227名の方が参加し,市
民 の 生 活 実 感 や 経 験 な ど に 基 づ き ,基 本 構 想 の 中 心 と な る 将 来 都 市 像 や
「 将 来 都 市 像 を 支 え る ま ち づ く り の 柱 」,「 め ざ す べ き 都 市 の 状 態 」 に つ
いて検討しました。
こ の よ う に ,総 合 計 画 は , 市 民 の 参 画 を 得 て 策 定 し た 計 画 で あ る こ と
から,その運用に当たっても,市民と行政が協働で評価,点検し,施策
などの改善,見直しを行い,計画の着実な推進を図っていきます。
※1「参加」…行政が主体的に行う行事や取組に市民が参加するもの
※2「参画」…行政が主体的に行う事業や計画策定に,企画段階から市民が加わる もの
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行政経営システム の効率化
(1)計画の総合化

総合計画と個別分野の計画の関係性
総 合 計 画 は ,市 の ま ち づ く り の 基 本 原 則 を 定 め る 鈴 鹿 市 ま ち づ く り 基
本 条 例 が め ざ す「 住 み よ い ま ち 」を 具 現 化 す る た め の 最 上 位 計 画 で あ り ,
市 が 進 め る ま ち づ く り は ,総 合 計 画 の 基 本 構 想 と 基 本 計 画 が 定 め る 方 向
性に基づき行われます。
ま た , 個 別 分 野 に お け る 計 画 は ,基 本 計 画 が 定 め る 分 野 ご と の 取 組 の
方 向 性 に 則 り ,具 体 的 な 取 組 を 推 進 す る に 当 た っ て の 手 段 や 手 法 を 定 め
た計画です。
こ の た め ,個 別 分 野 に お け る 計 画 は ,総 合 計 画 で 掲 げ る ま ち づ く り の
方 向 性 と 絶 え ず 連 携 を 図 り な が ら ,一 体 的 に ま ち づ く り を 推 進 し て い く
ためのものとして位置付けます。

計画体系の総合化による効率的な行政経営
現在,多 くの 個別分 野にお ける計 画が 存 在し,そ れぞ れ計画 策定の 時
期 が 異 な る た め 計 画 策 定 の 背 景 や 問 題 意 識 に 差 が 生 じ ,総 合 計 画 と 個 別
分野の計画の取組の方向性が必ずしも一致していない場合もあります。
このた め,一 体的な まちづ くりを 推進 し ていく ために , 前 期 の 基本 計
画の4年間で,個別分野の計画の取組方針,内容,目標, 期間が,総合
計画の方向性に合致するよう,随時,整合を図っていきます。
また,後 期 の 基本計 画にお いては ,全 て の分野 におい て計 画 体系の 総
合化が実現するよう取組を推進します。
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(2)総合的な行政経営システムの構築

効率的な行政経営に向けた取組
本市では,これまで,簡素で効率的な行政経営をめざし,2003
(平成15 )年度以降,行政評価,行財政改革,人事評価 などの各種シ
ステムを導入するなど,行政マネジメントのための取組を進めてきました。
こ れ ら の 取 組 に よ り ,市 民 へ の 説 明 責 任 の 向 上 , 取 組 成 果 の 把 握 に 基
づ く 事 業 改 善 ,組 織 に お け る 目 標 管 理 の 適 正 化 な ど 多 く の 成 果 を 上 げ る
ことができました。
しかし ,個々の シス テムは 機能し てい て も,全体 として の成 果が分 か
り づ ら く な る な ど の 課 題 も 生 じ て い る こ と か ら ,前 期 の 基 本 計 画 の 4 年
間で,総合的な行政経営システムの構築に取り組む必要があります。
このため,継続的な人口減少の下で,行政をはじめ,地域全体の経営
を行っていくために,更なる効率化に向けた改善に取り組みます。

新たな評価の仕組み
総 合 計 画 で は , 基 本 構 想 に 成 果 指 標 を 設 定 し ,基 本 計 画 以 下 の 評 価 体
系 と 一 体 的 に 評 価 で き る 仕 組 み を 作 り ,よ り 適 切 な 進 行 管 理 を 行 い ま す 。
また,基本計画でも,成果指標を設定し,実行計画に位置 付ける事務
事業と連動した評価体系を構築します。
さらに,毎年,事務事業の実施結果を 基に,施策の達成度を検証する
と と も に ,次 年 度 の 事 務 事 業 の 内 容 や 実 施 方 法 を 点 検 し ,見 直 し を 行 い
ながら,予算配分の適正化を図ります。

行財政改革の推進
総 合 計 画 の 着 実 な 実 現 に 向 け て ,効 率 的 に 取 組 を 進 め る た め に は ,事
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務 事 業 な ど の 個 別 の 取 組 の 質 を 向 上 し , か つ ,コ ス ト 削 減 な ど に よ り 生
産性を上げる必要があります。
こ の た め ,こ れ ま で 以 上 に 限 ら れ た 経 営 資 源 を ,最 大 限 効 果 的 に 活 用
す る た め に ,行 政 活 動 の 効 率 化 や 民 間 活 動 と の 連 携 な ど ,総 合 計 画 の 実
効性を高めるための行財政改革を推進します。

効率的な組織運営
総 合 計 画 に 基 づ く ま ち づ く り を 効 率 的 に 推 進 す る た め に は ,計 画 と 組
織の連動が必要です。
ま た ,各 分 野 を 担 う 組 織 が ,施 策 な ど の 推 進 に 当 た り 目 標 管 理 を 行 っ
ていく必要があります。
こ の た め ,職 員 の コ ス ト 意 識 や 市 民 サ ー ビ ス 向 上 意 識 の 醸 成 ,政 策 形
成 能 力 向 上 に 向 け た 人 材 育 成 ,施 策 な ど の 推 進 に 向 け た 適 正 な 職 員 配 置
などのための仕組みを構築します。
(3)財政運営の方針
総合計画の着実な推進のためには,基本計画の4年間における歳入,
歳出を 予測し ,財政 的な裏 付けの 下 で ,施策な ど を効 果的 に 進めて いく
必要があります。
このため,基本計画の策定に 併せて,中期財政計画を策定し,財政的
な 見 通 し を 明 ら か に し た 上 で ,戦 略 的 , 重 点 的 な 取 組 に 対 し て 優 先 的 に
予算配分するなど,財源の効果的な配分に努めます。
ま た ,計 画 的 な 事 業 の 推 進 に 当 た っ て は ,将 来 に 向 け て 過 度 に 負 担 が
生 じ な い よ う に ,か つ ,財 政 が ひ っ 迫 す る よ う な 事 態 が 生 じ な い よ う に ,
財政的な規律を設け,総合計画と予算との連動を図ります。
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協働によるまちづくりの推進
基 本 構 想 に 掲 げ た 将 来 都 市 像 は ,市 民 と 行 政 が 協 働 し て 活 動 し た 結 果
として実現されるものです。そのため,まちづくりに関わる 全ての主体
が,総ぐ るみ で力を 合わせ て取り 組 み ,地域の 実情や 特性 を 熟知し た市
民主体のまちづくりが必要です。
ま た ,そ れぞ れの主 体が担 うまち づく り の分担 領域を 再構 築 し,継 続
的に責任を持って担っていく必要があります。
このため,本市では,2015(平成27)年4月に「鈴鹿市協働推
進指針 」を策定 し ,協働に ついて の考 え 方や協 働のル ール な どを明 らか
にし,この指針に基づき,市民と行政との協働のみならず,それぞれの
主 体 同 士 の 協 働 も 促 進 し ,将 来 都 市 像 の 実 現 を め ざ し て ,協 働 に よ る ま
ちづくりを進めていきます。
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