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情報提供資料
国内株式市場の下落について
2016年4月18日
 米原油先物市場の下落が投資家のリスク回避姿勢を強めたことに加え、円高への警戒感の高まり等から国内株
式市場は下落。
◆原油安・円高・熊本地震の影響を不安視
図表1.日経平均株価の推移
4月18日の日経平均株価は終値で16,275円95銭と前
日比572円08銭(▲3.4%)の大幅下落となりました(図
(円) (2015年3月31日~2016年4月18日:日次)
表1)。株価急落の背景には、以下の材料が挙げられます。 22,000
①原油相場の先行き不透明感の高まり
・17日にカタールのドーハで開催されたサウジアラビアや
ロシアなど主要産油国による会合が、増産凍結の最終合意
に至らず、米原油先物市場が時間外取引で急落しました。
・各国は1月の生産水準での増産凍結に合意するとの期待は
ありましたが、最終的には経済制裁解除後に増産を目指す
イランが今回の会合に不参加である点について、サウジア
ラビアが難色を示し、交渉が決裂した模様です。
②円高・米ドル安が進展
・週末米ワシントンで開催された20ヵ国・地域財務相・中
央銀行総裁会議(G20)では、「為替レートの過度な変動
や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を
与えうる」ことが再確認されました。
・ただし、米ルー財務長官が会見にて、「最近円高が進んで
いるが、無秩序ではない」旨の発言したことが、日本の円
売り介入に対して否定的な見解と受け止められ、円高圧力
となりました。
20,000
18,000
16,000
14,000
15/3
15/6
15/9
15/12
16/3
(年/月)
図表2.原油先物相場の推移
(2015年3月31日~2016年4月15日:日次)
(米ドル)
70
60
50
40
③熊本地震の景気等への影響を不安視
・まず、被災された方々にお見舞い申し上げます。
14日以降発生した熊本地方を中心とする地震による影響
で、自動車など製造業を中心に一部の企業が生産ライン停
止を決定しており、先行きの国内景気に対する下押し圧力
が懸念されました。
◆経済対策への期待、株価指標などから徐々に下値固
めへ
①原油相場と為替市場
原油市場における供給過剰感は、いましばらく、継続する
と思われます。特にイランの増産を巡るニュースには留意
が必要であり、原油市場を巡る思惑は、引き続き金融市場
の不安定要因になると思われます(図表2)。
米ドル円相場は、日本の金融政策の不透明感と米利上げの
後ずれ懸念などから円高に振れやすいものの、米国経済は
底堅く、6月にかけては再び利上げ観測が高まると予想さ
れます。したがって、円の上値も限定的で徐々に円安米ド
ル高に向かうと予想しています(図表3)。
30
20
15/3
15/6
15/9
15/12
16/3
(年/月)
図表3.米ドル/円相場の推移
(2015年3月31日~2016年4月18日*:日次)
(円)
130
125
120
115
110
105
15/3
15/6
15/9
15/12
16/3
(年/月)
*2016年4月18日は15時時点(日本時間)。
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記は、将来における日経平均株価、原油先物相場および米ドル/円相場の推移を示唆、保証するものではありません。
※日経平均株価に関する著作権並びに「日経」及び日経平均株価の表示に対する知的財産権その他一切の権利は、全て日本経済新聞社に帰属します。
※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。
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②今後本格化する決算発表が注目される
熊本地震自体の収束時期が見通せない中、地震が景気や企業業績に与える影響に関しては、現時点では不明確です。
4月下旬に本格化する2015年度の決算発表において2016年度の企業収益予想が明らかになります。3月末時点では
1ケタ台後半の経常増益を見込んでいましたが、足元の円高進行、国内景気悪化、地震の影響などから会社予想は経常
減益となる可能性があります。
③株価指標は割安を示唆
東証株価指数の配当利回りは2.1%(データ出所:ブルームバーグ)と、10年国債利回りがマイナス金利となる中、株
式への投資魅力は高まっていると判断されます。
④政策期待は高まる見通し
当面は低調なファンダメンタルズを受けて国内株式は下値模索が懸念されます。ただし、報道によれば、2017年4月
に予定されている消費増税の延期を含め、経済対策が講じられる見通しであり、株式市場は徐々に下値固めの展開とな
ると予想されます。
⑤他のリスク要因
・グローバルな景気鈍化(日本を含む)
・英国のEU離脱の是非を問う国民投票(6月予定)
・テロ多発による投資家心理の悪化
などから投資家のリスク回避姿勢が高まる可能性には、引き続き注意が必要とみています。
(2016年4月18日 16時執筆)
※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。
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