研究・研修とその成果の還元・啓蒙

「研究・研修とその成果の還元・啓蒙」
兵庫県立川西緑台高等学校
教諭 鈴 木 寿 之
1 取組の内容・方法
(1) 魚類の研究・研修
大学および大学院の頃より、約 40 年にわたり、沖縄県西表島の魚類の研修・研究活動
を継続し、論文・著作を多数公表しています。また、その研究分野や研究地域の特性が認
められ、下記委員を務めています。
2
取組の成果
(1) 論文・著書
平成 25 年度末の段階で公表した論文数 210 編、発表した新種の数 50 種になりまし
た。
(2) 各種委員
日本魚類学会自然保護委員会委員、平成 20 年度∼環境省第 3 次絶滅のおそれのある
野生生物の選定・評価検討会部会委員、平成 21 年度∼環境省希少野生動植物種保存
推進員、平成 25 年度∼環境省海洋生物の希少性評価検討委員。
(3)
講演会・授業
本校では、上記の研修・研究で培った知識を生かし、数理探究類型の生徒に対して、特
別講義「生物多様性とその保護」を年 1 回 1 時間行っています。また、科目「生物Ⅱ」や
「生物基礎」の授業では、生物分類学や自然保護の単元において、「世界でここだけでし
か聞けない授業」として、私自身が発表した新種の話や直接かかわった自然保護活動の話
などを取り上げています。なお、特別講義とほぼ同様の内容の話を、研究地域の西表島の
小学校や公民館において子供たちや地元の児童の皆さんに聞いていただき、また宮中吹上
御所において生物学者である今生天皇陛下に奏上させて頂いたこともあります。
(4)
講師の招聘
本校では年 1 回、数理探究類型の生徒と 1 年生全員を対象に著名な方々を招き、特別講
演会を実施しております。これまで、天然記念物アユモドキの保護活動の岩田明久京都大
教授、ウナギの研究で世界的権威の塚本勝巳当時東京大海洋研究所教授、ウミガメの大家
である亀崎直樹須磨水族園園長、動物行動学の権威である柳沢康信愛媛大学学長にご講演
いただきました。これらの方々の招聘は個人のネットワークによるもので、これまで培っ
た研修・研究活動の成果の一つと考えられます。
3
課題及び今後の取組の方向
本校は数理探究類型に関する特色選抜入試を実施し、理科・数学好きの生徒を伸ばし、リ
ーダーになるよう日々、教育活動に努力しております。今後は類型における特別講義や特別
講演の充実させ、国立大学との高大連携を模索していきたいと思っています。
また、「生物多様性とその保護」に関連した講義を、地域の小・中学校の児童生徒や先生
方に広げていきたいと思っています。
H25年度 地域貢献事業 猪名川水質調査 まとめ
兵庫県立川西緑台高等学校野外観察同好会
2.水質調査場所
3.水質調査項目
(1) 4月20日(土)
A.文珠橋
①pH
(2) 6月 8日(土)
B,ゴルフ橋
②COD
(3) 8月28日(水)
C.肝川橋
③リン酸態りん
(4)10月 6日(日)
D.南田原橋
④アンモニウム態窒素
(5)12月14日(土)
E.屏風岩
⑤亜硝酸態窒素
(6) 2月 1日(土)
F.槻並大橋
⑥硝酸態窒素
G.御社橋
⑦気温
H.こんにゃく橋
⑧透明度
1.
水質調査日
4.魚類調査
B ゴルフ橋
① 投網10投あたりの匹数(全長3㎝以上)
オイカワ
カマツカ
4 月 20 日
5.0
5.0
6月8日
5.0
5.0
コウライモロコ
4.0
② タモ網5人30分あたりの匹数(全長3㎝以上)
オイカワ
マドジョウ シマドジョウ
4 月 20 日
8.0
0.5
1.0
6月8日
2.5
1.3
1.3
ミナミメダカ
ドンコ カワヨシノボリ
4.0
2.5
0.63
2.5
H こんにゃく橋
③ 投網 10 投あたりの匹数(全長3㎝以上)
オイカワ
カマツカ
コウライ コウライ ブルーギ
コイ
ニゴイ
モロコ
ギンブナ
ル
ゲンゴロ カワヨシ
ウブナ
ノボリ
8 月 28 日
16
2.0
1.0
1.0
3.0
2.0
23.0
1.0
10 月 6 日
10
0
0
1.0
0
0
0
0
④ タモ網 5 人30分あたりの匹数(全長3㎝以上)
コウライ
ニゴイ
ギギ
8 月 28 日
0.50
10 月 6 日
0
※有効数字 2 桁
カダヤシ
0
1.3
1.0
3.8
ドンコ
カワヨシノボリ
0
1.3
8.5
3.3
0
0.50
5.水質調査分析結果(8 カ所の地点から水をくみ取りパックテストを行った。)
① pH
② COD
*2013 年 8 月 H こんにゃく橋は試薬が足りずデータなし
③ リン酸態りん
④アンモニウム態窒素
⑤亜硝酸態窒素
⑥硝酸態窒素
⑦気温
⑧水温
⑨透明度