白庭病院 2016 年 4 月 後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは、どんなお薬かご存知ですか? ジェネリック医薬品とは、新薬(先発医薬品)と同じ有効成分を使っており、品質・効き目・ 安全性が同等で、さらに薬価(薬の価格)が安いお薬のことです。 「ジェネリック」とは「一般的な」という意味です。欧米では、一般名(generic name)で処方 されることが多いため、 「ジェネリック医薬品」と呼ばれています。 日本は超高齢社会により、医療費が増え続けています。医療の質を落とさず医療費を削減する 方法のひとつとして、ジェネリック医薬品の使用が推進されています。ジェネリック医薬品の使 用により、患者様の薬剤費の自己負担の軽減や、医療費の抑制につながります。 ●なぜ同じ成分なのに安いの? 新薬(先発医薬品)の開発には、長い年月と研究費用がか かります。先発医薬品を開発した医薬品メーカーには、その 薬を独占的に販売できる期間があります(特許期間といいま す)。特許が切れると、その薬の有効成分は、国民共有の財産 になります。そして、他の医薬品メーカーでも、その有効成 分を使って、 「ジェネリック医薬品」として製造・販売ができ るようになります。 ジェネリック医薬品は、すでに安全性・有効性が確認され た有効成分を使っているため、開発期間や経費があまりかか りません。また、先発医薬品のメーカーはお薬の情報を医療関係者に伝えたり、逆に情報を集め たりするのに費用がかかりますが、ジェネリック医薬品ではこうした販売管理費も少なくてすみ ます。 このような理由で、ジェネリック医薬品は先発医薬品より安く販売できるのです。 ●安いけど本当に効き目はあるの? 先発医薬品と同様、ジェネリック医薬品には国が定める厳しい審査があり、それをクリアした ものだけが製造・販売できます。その審査により、先発医薬品と効き目や安全性が同等であるこ とが証明されています。 ●先発医薬品とまったく同じではないらしいが、何が違うの? その違いによって不具合はおきないのか? ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を同じ量を用いていますが、有効成分以外 の物質(添加物といいます)や、薬の製造方法は異なる場合があります。 先発医薬品と違う添加物を使用する場合でも、安全性が確保されている添加物のみが使われま す。そして、その添加物により、薬の効き目に影響が出ないことを確認するために、有効成分の 血中濃度の挙動が先発医薬品と同等であることを確認する試験を行っています。 まれに添加物が原因でアレルギー反応などを引き起こすことがありますが、それはジェネリッ ク医薬品に限ったことではなく、先発医薬品であっても同様に起こる可能性があります。 ●ジェネリック医薬品に、価格以外のメリットはある? 先発医薬品が錠剤しかないものの場合でも、ジェネリック医薬品では口腔内崩壊錠(水がなく ても、口の中ですぐに溶ける薬)や、散剤、シロップ剤などが販売されているものがあります。 また、先発医薬品では大きくて飲みづらいカプセルを、大きさを小さくしたり、錠剤に変えたり しているものもあります。お子様でも飲みやすいよう、味やにおいを改良したものもあります。 このように、一部のジェネリック医薬品では、患者様が薬を飲みやすくする工夫がなされていま す。 ●ジェネリック医薬品を調剤してもらうには? ①ジェネリック医薬品を処方してもらうよう 医師に相談する ②薬局で、薬剤師に相談する 処方箋の「変更不可」欄に「✓」または「×」 印が入っていて、保険医師署名欄に署名があるも のは、ジェネリック医薬品に変更できません。 「✓」または「×」印がない処方箋の場合は、 ジェネリック医薬品が存在する薬については、薬 局でジェネリック医薬品に変更することができま す。 *この処方箋のように、「変更不可」欄に 「✓」印が入っているものは、 ジェネリック医薬品に変更できません。
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