第2章 鈴鹿市を取り巻く情勢 (PDF 727KB)

第2章
鈴鹿市を取り巻く情勢
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現状と将来展望
既に始まっている人口減少
本 市 で は ,2 0 0 9( 平 成 2 1 )年 1 月 を ピ ー ク に ,人 口 減 少 が 既 に
始 ま っ て い ま す 。ま た ,将 来 推 計 人 口 で は ,2 0 4 0( 平 成 5 2 )年 に ,
総 人 口 が ,現 在 よ り も 約 1 .3 万 人 減 少 し ,1 9 万 人 を 下 回 る と 予 測 さ
れています。
今 後 ,人 口 構 造 も 大 き く 変 化 し ,2 0 4 0( 平 成 5 2 )年 に は ,6 5
歳 以 上 の 老 年 人 口 が 約 1 .8 万 人 増 加 す る 一 方 で ,1 5 歳 か ら 6 4 歳 ま
で の 生 産 年 齢 人 口 は 約 2 .3 万 人 ,1 5 歳 未 満 の 年 少 人 口 は 約 0 .8 万
人 ,そ れ ぞ れ 減 少 す る な ど ,少 子 高 齢 化 の 影 響 が 本 格 的 に 現 れ る と 予 測
されています。
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これまで以上に計画的な財政運営が必要
2 0 0 8( 平 成 2 0 )年 の リ ー マ ン シ ョ ッ ク 以 降 ,株 価 の 回 復 や 景 況
感 の 改 善 な ど ,明 る い 兆 し が 見 ら れ る も の の ,本 市 で は ,本 格 的 な 景 気
の回復を実感するにはいまだ至っていません。
市税は依然と して 低い 水準で推移し て おり, かつ ,今後の 人口減少 に伴
い,生産年齢人 口 の減 少や, 経済活動 の縮小 などが予測され ること から,
将来的には,財源の確保が更に困難になるものと考えられます。
こ の よ う に 厳 し い 財 政 状 況 が 続 く と 見 込 ま れ る 中 で ,多 様 化 す る 行 政
サ ー ビ ス の 需 要 に 対 し て ,限 ら れ た 財 源 を 有 効 に 活 用 す る た め に は ,こ
れまで以上に計画的な財政運営が求められます。
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老年人口の増加に伴う社会保障費の増大
人口構造の変化に伴い,本市の高齢化率は,20年後の2035
(平成47)年 には市全体で30%を超え,2040(平成52)年の
時点においても増加し続けると予測されています。
老年人口は,2014(平成26)年9月末の約4.5万人から,
2 0 4 0( 平 成 5 2 )年 に は 約 6 .3 万 人 と な る こ と が 見 込 ま れ ,医 療 ,
介護,福祉などの社会保障費が増加し続けると予測されています。
一 方 ,年 少 人 口 及 び 生 産 年 齢 人 口 は 減 少 し 続 け , 社 会 を 支 え る 世 代 の
人 口 が 減 少 し て い く こ と か ら ,社 会 保 障 費 の 伸 び を 抑 制 す る こ と や ,負
担 と 給 付 の あ り 方 な ど ,社 会 保 障 制 度 の 維 持 に 向 け た 対 応 が 課 題 と な っ
ています。
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少子化の状況
老 年 人 口 が 増 加 す る の に 対 し ,年 少 人 口 は 減 少 し 続 け て お り ,本 市 で
は,2004(平成16)年にその数が逆転しています。
本 市 の 出 生 数 は ,未 婚 化 や 晩 婚 化 , 晩 産 化 の 影 響 か ら 年 々 減 少 し て お
り ,こ の ま ま の 状 況 が 改 善 さ れ な い と 今 後 も 減 少 が 続 く と 考 え ら れ ま す 。
少子化が続き,子どもの数が減少することは,子育てや教育 ,産業や
経 済 な ど 個 々 の 分 野 だ け で は な く ,長 期 的 に 見 る と コ ミ ュ ニ テ ィ の 存 続
に大きな影響を及ぼすことになります。
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一斉に更新時期を迎える公共建築物やインフラ
学校や文化施設,体育施設など,本市の公共建築物の多くは,昭和
5 0 年 代 頃 の 高 度 成 長 期 に 建 設 さ れ た も の で あ り ,建 築 後 3 0 年 を 経 過
し て い る こ と か ら ,今 後 ,短 期 的 に 更 新 時 期 が 集 中 す る こ と が 予 想 さ れ
ます。
ま た ,道 路 や 橋 り ょ う ,上 下 水 道 ,公 園 な ど の イ ン フ ラ に つ い て も 同
様であり,老朽化対策のための費用が必要となってきます。
今後,市民生活に必要な行政サービスの質を低下させないためには,
厳 し い 財 政 状 況 の 中 で ,公 共 建 築 物 な ど を 計 画 的 に 維 持 ,整 備 し て い け
る よ う に ,適 切 な 保 全 ,総 量 の 抑 制 の ほ か ,機 能 向 上 や サ ー ビ ス の あ り
方の見直しなどが必要となってきます。
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これまでの総合計画の取組と課題
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これまでの総合計画をはじめとする計画行政への取組
本市では,これまで5次にわたり総合計画を策定し,長期的なビジョ
ンの下で計画行政を推進してきました。
第5次鈴鹿市総合計画では,経営的な視点から行政運営を推進してい
く必要があるとの認識から,基本計画である行財政経営計画に,施策な
ど を 担 う 部 や 課 を 明 記 し ,組 織 と し て の 責 任 の 所 在 を 明 ら か に し た ほ か ,
単位施策に成果指標を設定するなど,行政経営型の計画としました。
また,第5次鈴鹿市総合計画に掲げた取組を確実に推進するために,
行政評価を中心に,行財政改革や人事評価などのマネジメントシステム
との連携を意識しながら,効率的な経営資源の配分や 計画的な行政運営
の実現をめざし,市民への説明責任の向上などにも努めてきました。
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更なる改善に向けた課題
人口が継続的に減少していくという過去に例のない社会経済情勢の
下 で ,構 造 的 な 社 会 問 題 へ の 対 応 が 必 要 と な る こ と に 加 え て , 財 源 の 確
保 は ま す ま す 困 難 に な る こ と か ら ,よ り 効 果 的 に 行 政 経 営 を 行 う こ と が
求められます。
このため,総合計画とその他のマネジメントシステムについては,今
後より一層,連携を進めていく必要があるほか,総合計画と個別 分野の
計画との整合性を図り,実効性を向上させていく必要があります。
ま た ,策 定 に お け る 市 民 参 加 手 法 を は じ め ,政 策 形 成 プ ロ セ ス へ の 市
民意見 の反映 など ,市民と 行政に おけ る 協働の 仕組み を強 化 し,市民 力
の向上を図っていく必要があります。
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併せて,行政経営においても,一層の改革,改善に取り組み ,行政力
の向上 を図り ,将来 都市像 の実現 に向 け て,本市 全体で まち づくり を行
う必要があります。
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