市 長 副 市 長 平成28年度 部 長 課 長 専 決 係 長 精 算 者 設 計 者 実施設計書 小丸山古墳出土金属製品分析調査業務委託 諏訪市博物館内 設 計 大 要 契約方法 委託 金属製品分析調査業務 委託期間 小札分類整理作業 蛍光X線分析 有機質微小部観察 金属分析 赤外線分光分析 塗膜断面分析 X線写真・写真撮影 報告書作成 一式 11点 32点 2点 2点 1点 20点 一式 着手年月日 平成28年 月 日 完成年月日 平成29年 3月31日 契約保証方法 委託設計用紙 諏 訪 市 日間 起 工 理 由 金 円也 内 訳 明 細 書 No.1 本 委 託 費 内 訳 書 No Ⅰ Ⅱ Ⅲ 名 称 呼称 数 量 小札分類整理作業 式 1 蛍光X線分析 点 11 有機質微小部観察 点 32 金属分析 点 2 赤外線分光分析 点 2 塗膜断面分析 点 1 X線写真・写真撮影 点 20 報告書作成 式 1 輸送費 式 1 諸経費 式 1 消費税等相当額 式 1 分析調査業務費 事務管理費 合計 単 価 金 額 摘 要 仕 様 書 1 業務名 平成28年度小丸山古墳出土金属製品分析調査業務委託 2 目的 金属製品の保存処理を実施する前に、種類の特定と状態、特殊な加工の有無(象嵌・装飾など)を確 認する。また、金属以外の有機質について分析や観察を行い、その特定や考古資料としての情報を得る こととする。その結果として、製品の元の構造や埋葬時の状態などを検討する。 保存処理を実施するにあたっての注意すべき点や残すべき情報を把握し、資料の価値を保ち、最大 限に引き出せる処理とするために実施する業務である。 3 分析調査遺物 諏訪市所有(諏訪市博物館所蔵) 小丸山古墳出土遺物 ・大刀 刀身 22点 鍔 5点 刀装具 3点 ・鉄鏃 143点 ・馬具 鈴 4点 鏡板 7点 引手 4点 留金具 5点 辻金具 2点 雲珠 1点 鉸具 6点 ・小札甲 1016点 ・装飾具 梔子形空玉 1点 耳環 1点 ・細片・粒状金属物質(上記いずれかの製品) 小袋5袋 (以上の分類と点数は現状での観察によるため、分析調査の結果、変更などがあると推定される。) 4 内容 (1)写真撮影・X線写真撮影 数量 通常写真20点 X線写真20点 遺物は集合させ俯瞰で撮影。 金属製品全点について、遺物の状態を記録するため、写真撮影を行う。この写真をもとに台帳を作成 1 し、整理作業や途中の分析等で得られた知見等を記入する。また、遺物の構造や特殊加工の有無、劣化 状態と錆化有機質情報の確認を目的としてX線透過撮影を実施する。遺物の状態に応じて出力を変え てX線写真撮影を行う。 (2)有機質微小観察 数量 32点 目視調査やX線写真撮影により、金属製品に付着した有機質情報と思われる部位の微小観察を行う。 確実に有機質痕跡と思われる部位の顕微鏡写真撮影を行う(成果説明・価値付けに必要な点数で実施) 。 確認された有機質が金属製品の一部を構成するものか、使用・埋葬等に伴うものかなど、製作技法や考 古学的な考察を行う。 なお、使用機器は ・マイクロスコープ(株式会社ハイロックス(KH-1300・レンズ MXG-2016Z) ) または同等機器 試料の微小領域を拡大観察する。6 から 320 倍までの拡大観察が可能である。 ・走査型電子顕微鏡(以下、SEM) (株式会社日立製作所(S-3500N) ) または同等機器 収束させた細い電子線で試料表面を走査し、電子線を照射された部位から発生する 2 次電子(凹 凸の情報を含む)を検出し、増幅拡大させて観察する。 (3)小札分類整理 数量 一式 小札片を目視調査や顕微鏡微小観察及びX線写真撮影により、形状・規格、孔位置、有機質痕跡情報 から接合検討して個体識別を行い、使用部位毎の分類整理を行う。資料の特徴と類例などから考古学 的な検討を行い、甲冑全体を考察する。確認された部位や不足している部位などを模式図などを作成 し示すこと。 (4)蛍光X線分析 数量 11点 分析はエネルギー分散型蛍光X線分析装置(XRF)を使用する。分析手法は、試料の微小領域にX線 を照射し、その際に試料から放出される各元素に固有の蛍光X線を検出することにより元素を同定す る。定性分析を行う。分析結果から、金属製品の製作技法や考古学的な考察を行う。 分析する金属製品は、象嵌がある刀装具 3 点、金銅装または銀装とみられる馬具(鈴、鏡板、留金 具、辻金具、雲珠)と空玉 1 点、耳環 1 点。また、各種分析によって新たに象嵌、金銅装・銀装等と判 明したものについても行う。 (5)赤外線分光分析 数量 2点 分析・観察で有機質と推定される物質が確認された場合には、変換型赤外分光光度計を使用して測 定を行い、その同定を行う(成果説明・価値付けに必要な点数で実施)。分析結果から、金属製品の製 作技法や考古学的な考察を行う。 2 (6)塗膜の断面分析 数量 1点 漆と推定される物質が確認された場合にはその構造を把握するため、断面分析を行う(成果説明・価 値付けに必要な点数で実施)。分析結果から、金属製品の製作技法や考古学的な考察を行う。 (7)金属分析 数量 2点 各種の金属について、その種類と原料・素材を把握し、産地同定等を行う。そのために必要な分析を 実施する(成果説明・価値付けに必要な点数で実施)。分析結果から、金属製品の製作技法や考古学的 な考察を行う。 5 成果物 (1)X線写真・俯瞰写真 一式(全点撮影分) (2)各種分析結果報告 (3)小札分類整理及び有機質微小観察結果(顕微鏡写真含む)一式を報告書としてまとめたもの 1 部 と内容を記録したデジタルデータ一式 (1)から(3)について、納品形態は個別またはまとめても良い。 6 輸送 遺物の輸送に関しては美術品梱包を行い美術品専用車(エアーサスペンション車)で安全に輸送す ること。輸送中に生じた遺物の破損は、受託者の責任・費用負担により、元の状態に修復すること。 また、遺物所蔵先である諏訪市博物館から遺物の搬出及び同博物館への搬入を行う際に、諏訪市職 員の立会が必要となる場合には、その立会に必要となる旅費等は、受託者が負担すること。 7 その他 ・受託者が業務受託中に生じた遺物の破損は、受託者の責任・費用負担により、元の状態に修復する こと。 ・業務受託中、2ヶ月毎に、4内容(1)~(7)の進捗状況を報告すること。また、業務によって 新たに確認された特殊な加工や有機質情報も報告すること。報告を確認し、業務の不足や追加が 必要と判断された場合には対応すること。 ・業務受託中、本市担当職員が業務実施場所に立ち入りし、業務内容を確認することができる。 ・本仕様書に指定のない事項については、本市監督員及び関係者と充分な打ち合わせを行うものと し、疑義が生じた場合には、双方の協議のうえ、本市の指示により処理すること。 ・各分析・調査によって判明した事柄によって、さらに分析・調査が必要となった場合には実施する こと。 ・履行にあたっては、関係法令を遵守すること。 3
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