楽読 (ラクヨミ) 2016年4月18日 Vol. 1,089 フィンテックの興隆で 金融ビジネスは大変革期を迎えるか!? 新たな金融サービス「フィンテック(FinTech)」が日本でも注目を集めています。フィンテックとは金融(Finance)と技 術(Technology)を組み合わせた造語で、スマートフォン、ビッグデータ、AI(人工知能)などのIT(情報技術)を駆使 した新たな金融サービスのことです。金融業はこれまで新規参入が難しい業種とされていましたが、ITベンチャーな どの参入により、オンライン融資やモバイル決済など、これまで既存の金融機関が未開拓だった分野を中心に急成 長しています。 フィンテックは欧米が先行しており、大手コンサルティング会社によると、2014年の米国のフィンテック関連の投資 額は98.9億米ドル(約1兆1,836億円*)と2012年比で約5倍に拡大しています。米国でフィンテックが拡大した背景と して、リーマン・ショック以降、巨額の公的資金で救済された大手金融機関の貸し渋りや、預金金利の低下に対する 市民の不信感があります。こうした中、スマートフォンの普及とITの発展により、既存の金融機関によらないインター ネットを通じた新しい金融サービスが一挙に加速したとみられています。(*1米ドル=119円68銭、2014年12月末値で換算) 米国のフィンテック関連企業は銀行ビジネスの本丸とも言える「融資」や「決済」の分野で存在感を高めています。例 えば、オンライン融資のフィンテック企業は顧客の審査にあたって、顧客の電子商取引やSNSなどのアカウントを通 じて得た売上高や決済などの情報をもとに、AIが信用力を算出します。これにより、既存の金融機関であれば審査 に数週間かかるところを、わずか数分で完了することができます。このような革新的なサービスを武器に、フィンテッ ク関連企業は従来は信用力が適切に評価されず、銀行から融資を受けることができなかった中小企業などを中心 に取引を拡大しています。 フィンテックによる金融サービス分野の進化のスピードは速く、「ウォール街にシリコンバレーがやってきた」と警戒 感を強める声も聞かれるほどです。日本においても、新たな潮流となりつつあるフィンテックに乗り遅れまいと、 2015年から政府がメガバンクやベンチャー企業などと共同でフィンテックの研究を進めており、今後、銀行法の改正 に伴ない、金融グループによるフィンテック関連企業への投資拡大や協業などが期待されます。フィンテックの興隆 が世界の金融ビジネスに大きな変革を与えるかが注目されます。 米国におけるフィンテック関連の投資額 (億米ドル) 120 100 98.9 約5倍 80 60 33.9 40 20 0 2013年 ③ 融 ① 資 融 の 資 可 中小企業 を 否 依 を 頼 返 信 中小企業の情報 ②企業の情報をネットから 取得し、人工知能が 融資を審査 2014年 わずか数分で 融資審査が完了 出所:accenture「Fintech New York:Partnerships,Platforms and Open Innovation」 電子商取引 サイト (売上、決済) SNSサービス (顧客との関係) フィンテック 企業 20.2 2012年 AI(人工知能)を活用した融資審査のイメージ 人工知能が 人間の代わり 会計クラウド サービス (財務状態) ※上図はイメージです。 ※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。 ■当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘 資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料 作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建 資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことが あります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付 目論見書)をご覧ください。 1/1
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