楽読 (ラクヨミ) 2016年4月14日 Vol. 1,087 上昇基調が期待される新興国債券 新興国債券は、今年1月中旬頃から、持ち直しの動きがみられます。 2015年は、原油安や中国の景気鈍化に伴ない、新興国の景気減速懸念が強まったことに加え、米国の利 上げ観測に伴なう米ドル高を背景に、新興国の米ドル建て債務の増加に対する懸念が高まったことなどか ら、新興国市場から資金が流出しました。新興国債券は、新興国リスクが強く意識されたことで、信用リスク を示すとされるスプレッド(新興国債券利回り-米国債利回り)が拡大傾向となるなど、さえない展開となりま した。しかし、足元では、原油価格が需給改善期待の高まりを背景に反発したことに加え、米国の利上げ ペースが緩やかになるとの見方から米ドル高が一服したことなどから、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、 新興国債券は上昇基調となりました。 一部の新興国は、商品価格の下落に伴なう輸出の減少や、政治的なリスクの高まりなどにより、景気の先 行きに不透明感がみられます。また、米国の追加利上げ観測が高まった場合、新興国リスクが再び意識さ れる可能性もあります。しかし、多くの新興国は、先進国に比べて政府債務の水準が低いうえ、過去の金融 危機の教訓を踏まえ、先進国を上回る外貨準備高を積み上げていることなどから、資金流出への対応力を 有していると考えられます。また、2017年以降、新興国の景気回復は力強さを増すとみられるほか、新興国 債券の利回りは足元で6%弱と、世界的な低金利環境下で魅力的な水準にあります。 こうしたことなどから、米国の利上げが緩やかなペースで実施されるならば、信用リスク(スプレッド)の縮小 を通じて、新興国債券のさらなる上昇が期待されます。 新興国債券のパフォーマンスとスプレッドの推移 政府債務残高と外貨準備高 (兆米ドル) (2013年1月初~2016年4月13日) (%ポイント) 110 7 高 新興国債券*1(左軸) 105 7 6 (2015年) 8 新興国 6 100 5 拡大 95 4 90 3 85 2 80 1 ス プ レ ッ ド 5 外 安 貨 全 準 度 備 高 4 先進国 3 2 1 75 13/1 0 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 ※外貨準備高は2015年3月末時点 0 縮小 スプレッド*2(右軸) 0 低 16/1 (年/月) *1 起点を100として指数化 *2 新興国債券利回り-米国10年債利回り ※新興国債券はJPモルガン EMBI グローバル・ディバーシファイド(米ドルベース)を使用 高 (IMFおよび信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成) 50 100 健全度 150(%) 低 政府総債務残高(対GDP比) 出所:IMF「World Economic Outlook,April 2016、 COFER」) ※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 覧ください。 1/1
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