富川高等学校 - 北海道教育委員会

別記様式2
ICT 活用教育促進事業実施報告書(平成27年度)
北海道富川高等学校
【実践指定校】
【連携校】
(小・中学校)
学校名
立
学校
学校名
立
学校
(高等学校)
学校名
北海道富川高等学校
【取組内容】
区
取
分
組 内 容
内
容
1 指導者のタブレット PC 活用に関わる研修
(1) タブレット PC の活用に向けた情報収集のための校外研修の参加
ア
北海道立教育研究所情報処理教育研修(授業におけるタブレット PC の活用)
イ 第 41 回全日本教育工学研究協議会全国大会
ウ
佐賀県 ICT 利活用教育フェスタ
(2) タブレット PC の導入に向けた職員の情報提供と授業への活用方法の検討
(3) 外部講師によるタブレット PC の研修会の実施
ア
Xing Board を用いた主体的・協働的な学びに係る校内研修
イ
日高管内情報活用指導者養成講座及びネットパトロール講習会
ウ
マイクロソフト社によるソフトウェアの活用に関する校内研修
※
イ及びウは、近隣の小・中学校教員の参加を募り実施した。
2 タブレット PC の導入に向けた校内組織の構築と使用に関わる校内ルールづくり
(1) 校内に ICT 活用実行委員会を立ち上げ、情報通信機器等の整備及び活用方法の検討
(2) 活用において自由度の高いガイドラインを作成し、教員の共通理解の促進
3 タブレット PC の授業における効果的な活用に関する研究
(1) タブレット PC を中心とした ICT 活用による生徒主体の授業づくりの検討
(2) 通信機能を活用した調べ学習や指導方法の研究とその検証
(3) 授業(部活動を含む)等における生徒の活動時での活用(動画を生かした技術向上)
(4) タブレット PC によるグループワークを通した学習意欲醸成
(5) タブレット PC を用いた授業の実践事例
ア
国語科(国語表現)
(調べ学習、ディベート時を撮影した動画による振り返り)
イ
地歴公民科(学校設定教科 時事問題研究)
(調べ学習、発表学習)
ウ
ベーシックスタディ(学校設定科目)(千歳科学技術大学との高大連携による e-
ラーニングコンテンツの活用)
エ
外国語科・保健体育科(動画撮影した学習活動の振り返りの促し)
成果及び課題
オ
理科(生物基礎)(植生の観察と撮影及び植物の同定)
カ
進路指導(動画撮影した面接練習の振り返りの促し)
1 指導者のタブレット PC 活用に関わる研修
【成果】
(1) 外部講師による授業におけるタブレット PC の活用に係る校内研修会を実施するこ
とにより、教員の資質向上を図ることができた。また、北海道立教育研究所の研修講
座に参加することにより、教員の意欲向上に繋げることができた。
(2) 「第 41 回全日本教育工学研究協議会全国大会」及び「佐賀県 ICT 利活用フェスタ」
に参加することにより、授業におけるタブレット PC の効果的な活用について、先進的
な取組の情報を収集することができた。
(3) ICT 活用に関わる情報を適宜提供することで、教員の興味・関心を引き出し、ICT 活
用を促進することができた。
【課題】
(1) 1間口の移行期により教員数が減少するため、校内組織の見直しが必要であり、ICT
活用実行委員会の位置付けについて検討する必要がある。
(2) 授業に関するタブレット PC の効果的な活用に関して、更なる情報を収集する必要が
ある。
2 タブレット PC の導入に向けた校内組織体制の確立と校内の使用ルール作成
【成果】
(1) タブレット PC の導入にあたり、ICT 活用実行委員会を設置し、活用方法についての
検討や授業への導入、公開授業による検証を行ったことにより、授業での活用方法に
ついて改善が図られ、教員の ICT 活用に関する理解が進み、全校体制での取組となり
つつある。
(2) 他校の規定等を参考とした校内の使用ルールを作成することできた。
(3) 簡単なタブレット PC 使用簿を用意し記録することにより、活用履歴や活用状況を把
握できた。
【課題】
(1) 作成した使用ルールについて、教務内規の情報管理システム委員会則に照らした改
善を図る必要がある。
(2) 空き教室を活用し、タブレット PC を配置した ICT 教室を設置する必要がある。
3 タブレット PC の授業における効果的な活用に関する研究
【成果】
(1) 全ての共通教科においてタブレット PC を活用した授業を展開し、生徒の興味・関心
を引き出す手段の一つとして有効であることを確認できた。
(2) 進路に関わる面接指導など授業以外に活用することができ、全ての教育活動におい
て有効な手段であることが分かった。
(3) ICT 活用連絡協議会による生徒アンケート結果から、タブレット PC を用いた授業へ
の関心度が非常に高いことが分かった。
【課題】
(1) 授業においてタブレット PC をさらに有効活用するため、ポケット WiFi を含む通信
環境の整備やプロジェクタの提示装置などの情報インフラを整備する必要がある。
(2) タブレット PC を活用した授業について継続的な研究と結果を踏まえた効果の検証
を進める必要がある。
到 達 目
標
に対する結果
以下の1~5は、ICT 活用連絡協議会によるアンケートの質問項目である。
1 生徒が必要な情報を自由に活用することができ、生徒自身の知識の整理や再構成をす
ることができる。
ICT 活用連絡協議会によるアンケートでは、タブレット PC を活用した授業を実施した
全ての教員は生徒自身の知識の整理や再構成をすることが「できた」と回答し、同様の
問いに対する生徒アンケートでは約 85%の生徒が「できた」と回答した。
2 インターネット上のサービスを活用し、さまざまな情報を得ることが可能となり、生
徒の豊かな学習環境を保障することができる。
ICT 活用連絡協議会によるアンケートでは、この質問に対して、
「大変できた」または
「できた」と回答した者の割合は、教員で約 67%、生徒で約 68%であり、
「あまりでき
なかった」または「全くできなかった」を含めた教員と生徒の回答は同様の分布を示し
ていた。
3 生徒が授業に貢献する学習コミュニティを形成し、生徒間相互による多様な視点や価
値観を提供することができる。
ICT 活用連絡協議会によるアンケートでは、この質問に対して、
「大変できた」または
「できた」と回答した者の割合は、教員で約 67%、生徒で約 70%であった。
4 生徒間の情報伝達を短時間で行うなど、水平方向の情報のやりとりが効率的に行われ、
相互作用を通した知の創造を促すことができる。
ICT 活用連絡協議会によるアンケートでは、この質問に対して、
「大変できた」または
「できた」と回答した者の割合は、教員で約 67%、生徒で約 68%であった。
5 生徒間の知を共有し、相互に発展させていこうとする指向が働き、生徒間で情報を提
供し合い、多様な視点や価値観を広げることができる。
ICT 活用連絡協議会によるアンケートでは、この質問に対して、
「大変できた」または
「できた」と回答した者の割合は、教員で 100%、生徒で 80%であった。
【まとめ】
(1) 1~5より、授業における教員の生徒への働きかけと生徒の学習活動との関連性が
高いことから、主体的・協働的な学びを導くための授業デザインについて、さらに研
究を進める必要がある。
(2) タブレット PC を中心とする ICT を活用した主体的・協働的な学びにより、生徒にど
のような資質・能力が身に付いたか把握する必要がある。
(3) 生徒自身による自律的な学びに導く方法についてさらに検討する必要がある。