(2)原子核と中性子

原子核と中性子
原子と原子核
「原子力図面集2014」より
原子と原子核
Wikipediaより
原子核の大きさをソフトボールくらいとすると、
原子の大きさは直径約3km
原子と原子核
Wikipediaより
原子核は、「陽子」「中性子」という「核子」で
構成されている。
陽子・中性子と素粒子
陽子、中性子は、「アップクオーク」と「ダウンクオー
ク」という「素粒子」で構成されている。
安定性と不安定性
リチウム-7の原子模型
Wikipediaより
リチウム-7は安定だが、陽子、中性子は単体で安定か?
中性子の不安定性
・陽子は水素イオンに相当するので核的には安定。
・中性子はそれ単体では不安定。
・中性子は半減期10.4分でβ崩壊する。
ି
௘
反電子ニュートリノ
中性子、陽子、電子のどれが一番重い?
中性子の不安定性
・中性子はそれ単体では不安定。
・半減期10.4分でβ崩壊する。
極めて小さいがゼロではない
ି
1.6749e-27[kg]
1.6726e-27[kg]
௘
9.1e-31[kg]
中性子の質量:陽子と電子の質量の和の約1.0008倍
中性子の不安定性
・ビッグバンにより宇宙が生まれた当初、中性子と陽子はほぼ同数
であった。
・中性子は不安定であるため、半減期に従いβ崩壊。
・一部の中性子は、崩壊前に陽子と結合し重水素を形成。
・さらに、重水素と一部の中性子が結合し、トリチウムが生成
(その後、β崩壊してヘリウム-3に)。
・もし、中性子の半減期が短かったら:
→ヘリウム-3や、さらに重い原子は生成されなかったであろう。
・もし、中性子の半減期が長かったら:
→中性子星が容易に生成され、恒星は生成されなかったであろう。
いずれにしろ、中性子の半減期が「適切」であったため、
生命が誕生したと言える。
(H.Sekimoto, “Light the Candle”より)
中性子のエネルギー
中性子は媒質中を、ある方向に向かって、ある速度(エネ
ルギー)を持って運動する。
自由な中性子は、その半減期(10.4分)よりもずっと短い時
間内に媒質中の原子核と反応するため、その崩壊につい
て考える必要はない。
中性子のエネルギー
中性子は媒質中を、ある方向に向かって、ある速度(エネ
ルギー)を持って運動する。
中性子の持つエネルギーは、通常eV(電子ボルト)単位で
記述する。
1 eV ≒ 1.6×10-19 J ≒ 14,000 m/s
1 keV ≒ 440,000 m/s
1 MeV ≒ 14,000,000 m/s
*中性子の質量は1.67×10-27 kg
**地球の周長は40,075,000 m
中性子のエネルギー
統計力学に基づくと、気体の分子運動では、温度Tにあ
る気体分子1個あたりの運動エネルギーの最確値はkT
になると言える(kはボルツマン定数:1.38×10-23 J/K)。
中性子の振る舞いを気体の分子運動と見做せるとした
場合、中性子の最確運動エネルギーはどの程度(eV単
位)になるか?
1 eV ≒ 1.6×10-19 J
*中性子の質量は1.67×10-27 kg