H2 sensor

水素で開閉可能な電気スイッチの開発
富山大学研究推進機構水素同位体科学研究センター 赤丸悟士
将来の水素エネルギー社会における簡易水素検知装置として、水素を吸収することで磁化の大きさが変化
する材料を用いて、水素ガスで開閉ができる電気スイッチの開発を行っている。現在まで、素子の適用範囲の
検討を行い、爆発下限濃度の大気中水素によるスイッチング動作が可能であることを実証した。
一定の水素濃度で開閉可能な電気スイッチ
・水素・・・可燃性ガス(爆発下限界濃度4vol%(空気中))
H2
水素利用環境下・・・水素濃度の監視
安全装置(電源遮断) が必要
✅簡易的な水素センサとして機能
✅電子部品として電子回路に組み込み可
✅電源がなくてもスイッチは動作
✅既存技術(リードスイッチ)の応用可
sensor
将来、一般家庭へ水素エネルギーが普及すると、
一般家庭への簡易センサの設置が必要になるのでは?
水素で開閉可能なスイッチング素子の原型試作、及び動作確認
・装置
air
PdCo合金粉末
交流磁化率, χ / arb. unit
磁石
表
air
磁石
H2
端子(銅板)
PdCo合金
水素圧力, √P / kPa1/2
スイッチング素子の概念図
裏
装置の概観
PdCo-H系の磁気特性
・測定結果
(1)開放端子の水素応答
端子の動作を変位計で読取
(2)スイッチング動作の確認
0.25
変位, dx / mm
窒素中
2.80
2.70
4% H2
2.60
2% H2
1% H2
0.5% H2
in N2
0.20
2%
0.15
1.8%
0.10
0.05
4%
1.0%
1.5%
1.5%
0.00
2.50
0
2000
4000
6000
時間, t / sec
8000
10000
0
2.90
空気中
2000
4000
6000
8000
時間, t / sec
10000
12000
0.20
in Air
2.85
2.80
2% H2
2.75
4% H2
2.70
2.65
1% H2
0.5% H2
端子間距離, x / mm
(2) 動作確認(両端子の接触でx=0)
窒素中ではH2濃度1.5-1.8%、
空気中ではH2濃度3.0-3.5%、
を境界としてスイッチの開閉を
制御可能
in N2
2.90
変位, dx / mm
(1) 端子開放(両端子が非接触)
窒素中・・・
H2濃度0.5%まで動作確認、
濃度が濃くなるにつれ動作大
空気中・・・
H2濃度1%まで動作確認
(O2がH2吸収を阻害)
濃度が濃くなるにつれ動作大
(窒素中と同様の動き)
端子間距離, x / mm
3.00
in Air
4.0%
3.5%
0.15
0.10
0.05
3.0%
3.0%
0.00
2.60
0
1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000
時間, t / sec
0
2000
4000
6000
時間, t / sec
8000
10000
窒素中及び空気中での(1)端子の動きと(2)スイッチング動作の検証
窒素中において水素濃度1.8%、あるいは空気中の水素濃度3.5%を境として
可逆的にOn/Off可能な素子ができることを実証
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