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【異議申し立て理由の簡単な解説】
異議申立ての理由
「1」 は、自分の子どもが認可保育所に入れないのは、法律違反だということが書かれて
います。児童福祉法 24 条 1 項の市区町村の保育の実施責任に関わる原則違反であ
り、違反でないとするなら、その理由を具体的に説明するよう求めています。
「2」 は、保育の利用調整は平等原則違反だということが書かれています。認可保育所に
入所が認められた他の子どもとの関係において差別的取扱いをするものとして、憲
法 14 条 1 項の平等原則違反であり、違反でないとするなら、その理由を具体的に
説明するよう求めています。
「3」 は、ここ数年の認可保育所への入所希望者は年間数百人のペースで増えていますが、
十分な数の認可保育所を整備しておらず、子どもがあふれている状況です。これは
児童福祉法 24 条 1 項違反であり、違反でないとするなら、その理由を説明するよ
うに求めています。
「4」 は、自分の子どもが認可保育所に入れなかったために残された選択肢は、①認可さ
れていない保育所に通うか、②親が仕事をやめて保護するかです。①の場合、認証
保育所や認可外保育所は、児童福祉法第 45 条に基づく児童福祉施設の設備及び運
営に関する保育所の最低基準を満たしていません。これは、憲法第14条第1項平
等原則違反だということが書かれています。また、認可外保育所は、認可保育所と
同等の設備・運営基準としても良いはずですが、杉並区の認証保育所や保育室の基
準を低くしている理由を説明するように求めています。②の場合、自宅で保護する
ことは、職業選択の自由の人権の侵害であること、憲法第14条第1項及び第27
条に違反するということが書かれています。認可保育所の整備の遅れにより、母親
が仕事を辞めざるを得ないなどの 不利益を被ること等、男女間の不平等、働く女性
の権利を奪うことになると指摘しています。
(2015 年にはなかった、最低基準につ
いての指摘、職業選択の自由の人権の侵害、憲法第 27 条違反の指摘を盛り込んでい
ます。
)
「5」 自分の子どもが認可保育所に入れなかった理由を、不承諾通知に記載していないこ
とはおかしい、法律違反、行政手続法違反だということが書かれています。不承諾
通知に理由を記載しなくても良い理由を説明するように求めています。
【参考】
児童福祉法第 24 条 1 項
「市町村は、この法律及び子ども・子育て支援法の定めるところにより、保護 者の労働又
は疾病その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児その他の児 童について保育を必要
とする場合において、次項(※注)に定めるところによるほか、当該児童を保育所(認定こ
ども園法第三条第一項の認定を受けたもの 及び同条第九項の規定による公示がされたも
のを除く。
)において保育しなければならない。」
(注:児童福祉法 24 条 2 項のこと)
児童福祉法 24 条 2 項
「市町村は、前項(※注)に規定する児童に対し、認定こども園法第二条第 六項に規定す
る認定こども園(子ども・子育て支援法第二十七条第一項の確認 を受けたものに限る。)又
は家庭的保育事業等(家庭的保育事業、小規模保育 事業、居宅訪問型保育事業又は事業所
内保育事業をいう。以下同じ。
)により 必要な保育を確保するための措置を講じなければな
らない。ただし、保育に対 する需要の増大、児童の数の減少等やむを得ない事由があると
きは、家庭的保 育事業による保育を行うことその他の適切な保護をしなければならない。
」
(注:児童福祉法 24 条 1 項のこと)
憲法第 14 条 1 項
「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又 は門地により、
政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」
児童福祉法 45 条
第四十五条
都道府県は、児童福祉施設の設備及び運営について、条例で基準を定めな
ければならない。この場合において、その基準は、児童の身体的、精神的及び社会的な発達
のために必要な生活水準を確保するものでなければならない。
○2
都道府県が前項の条例を定めるに当たつては、次に掲げる事項については厚生労
働省令で定める基準に従い定めるものとし、その他の事項については厚生労働省令で定め
る基準を参酌するものとする。
一
児童福祉施設に配置する従業者及びその員数
二
児童福祉施設に係る居室及び病室の床面積その他児童福祉施設の設備に関する事項
であつて児童の健全な発達に密接に関連するものとして厚生労働省令で定めるもの
三
児童福祉施設の運営に関する事項であつて、保育所における保育の内容その他児童
(助産施設にあつては、妊産婦)の適切な処遇の確保及び秘密の保持、妊産婦の安全の確保
並びに児童の健全な発達に密接に関連するものとして厚生労働省令で定めるもの
○3
児童福祉施設の設置者は、第一項の基準を遵守しなければならない。
○4
児童福祉施設の設置者は、児童福祉施設の設備及び運営についての水準の向上を
図ることに努めるものとする。
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
第五章 保育所 (設備の基準)
第三十二条
保育所の設備の基準は、次のとおりとする。
(※以下略。
具体的な最低面積や、設備、建築基準などについて書かれています。
)
憲法第 27 条 1 項
「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
」
行政手続法
許可、認可、免許等の処分や「行政指導」
「届け出」
「命令等」を行う際の手続きにおいて、
行政機関が守るルールを定めたもの。
行政不服審査法
簡易な手続きで行政の処分に不服を申し立てられるようにし、行政の適正な 運営を確保す
るための法律。