塩化シアヌル

K:】Server/定期物/月刊ファインケミカル/FC09年01月号 W4(退)/087‐088 ケミプロ 塩化シアヌルE
2003.07.21 12.10.54
ケミカルプロフィル
塩化シアヌル
(Cyanuric chloride)
化審法 (既)
5―1045
C A S 108―77―0
別 名 トリシアンクロリド
Cl
N
C
Cl
C
N
N
C
刺激臭が強く,鼻,眼を強く刺激する。皮膚に
触れると刺激があり,夏季には人により発疹を起
こす。
#
製
!
Cl
C3Cl3N3;分子量:184.42
法
青酸と塩素で合成する(図 1)
:青酸と塩
素が反応塔で反応して塩化シアン CNCl(Cyanogen Chloride)となり,乾燥したのち重
!
概
合塔に入れ,約 400℃ で塩化シアヌルに転化
要
〈一般物性〉
性
される。200℃ 以上のガス状で結晶器に入
状:無色の結晶か淡黄色の粉末。刺激臭が
り,白色の結晶として取り出される。
"
あり粘膜を侵す。
比
重:1.32
融
点:145℃
(CN)
シアヌル酸(OH)
3
3 に五塩化リンを
作用させる方法
溶解性:水で分解してシアヌール酸と水素を生
ずる。アンモニアを作用させるとメラミンを
$
生
産
塩化シアヌルの国内メーカーは,現在クラレの
生ずる。アルコール,エーテル,クロロホル
ム,四塩化炭素に可溶。
製品純度:99% 以上
水
分:0.1% 以下
青酸
ベンゼン不溶物:0.1% 以下
"
毒
性
20
09年1月号 Vol.3
8 No.1
精
製
塩
化
シ
ア
ン
乾
燥
気
相
重
合
結
晶
塩化シ
アヌル
塩
素
急性毒性:
経口,マウス,LD50
反
応
2200mg/kg
図1
87
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K:】Server/定期物/月刊ファインケミカル/FC09年01月号 W4(退)/087‐088 ケミプロ 塩化シアヌルE
2003.07.21 12.10.54
Chemical Profile
表1
メーカー・生産量(2007 年)
CH
(単位:トン)
メーカー
クラレ
エボニックデグサ(ドイツ)
合
計
NH
C
N
SO3Na
生産・輸入量
N
C
C NH
N
NHCH2CH2OH
!1,
800∼2,
200
"
1,
800∼2,
200
CH
NH
C
N
SO3Na
N
C
C NH
N
NHCH2CH2OH
みとみられる。輸入品としてはエボニックデグサ
図2
(ドイツ;2007 年 11 月に社名変更)の製品があ
り,国産品は自消用を中心としたタイトな市場傾
表2
用途別需要構成(2007 年)
向が示されている。
(単位:トン)
2007 年の生産・輸入量は 1800∼2200 トンと推
用
途
需要量
定される。主原料の青酸については,塩化シアヌ
染
料
600∼800
その他
ル用の合成青酸を利用しており,製造原単位は青
酸 0.5 に対し塩素 1.5 である。
200∼300
輸
出
800∼1,
000
合
計
1,
800∼2,
200
自消分含む
!
需
要
国内向けの用途は合成染料用が中心となってお
り,その他酸化防止剤,医薬・農薬用,界面活性
り,主にセルロース繊維の染色に活用されてい
剤,ゴム加硫促進剤などである。合成染料用途で
る。輸出では,その用途のほとんどが農薬(トリ
は,スチルベン系蛍光染料向けが軸となっている
アジン系)原料向けとされ,サトウキビ,トウモ
とみられ,この蛍光染料は,洗剤,木綿,紙など
ロコシなどの畑作用除草剤に利用されている。
に利用されている。図 2 に構造例を示す。
2007 年 の 国 内 需 要 量 は 800∼1000 ト ン 規 模
"
価
格
で,その他輸出が同程度あるものとみられる。塩
価格:350∼550 円/kg(染料向けグレード)
化シアヌルは反応染料用原料にも向けられてお
荷姿:50kg ドラム缶
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ファインケミカル
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