スマート自然画像自動領域分けアルゴリズムの開発 工学部

スマート自然画像自動領域分けアルゴリズムの開発
工学部 電気電子システム
戸田 英樹
産業機械,医療福祉機器,自動運転
セキュリティー,ロボティクス
工学部電気電子システム工学
講師 戸田英樹
提案手法の効果:本アルゴ
リズムによって右図a)が右図b)
の様に自動的に区分けされる.
本提案は,工場のラインや自動
車などに高性能カメラとPCを搭
載したとしても,コンピュータに
よる物体の認識能力が30年以
上あがらなかったボトルネックを改善したものである.従来まで,画像認識の
世界では認識対象(チップ形状や文字,自動車の形,人の形等)と環境(青や
黒背景,町中など)の画像の特徴を取り出すために画像フィルタを駆使して複
雑なプログラムを作っていたが,対象の光の加減や,環境が変わってしまう場
合は,認識処理が不可能になるという問題があった.更に認識対象の個数が
増えたとき,計算量が膨大になるという問題が深刻である.
従来機構との差異:
k-means 法 (k=15) による分割
従来までは二値画像に
関してImuraらのアルゴ
リズムによってクラスタ
リングを行う事が出来
るが,カラー画像では
色数だけクラスタリング
を行う必要があり,計算
量が膨大になるため,
右図に示すようなK‐means法や,SIFT,SURFなど
の特徴座標を追跡する形で形状認識や画像内
での動きの認識を行う技術が昨今では研究さ
れている.しかし特徴点の抽出が安定しない事
から現実の応用は殆ど例がない.
【本技術に関する知的財産権】
特開2013‐234362号「領域分け方法、領域分け
プログラム及び画像処理システム」出願人:富
山大学
【想定される技術移転】
提案機構の新規部位
■画像認識の世界で30年間解決困難な問題であったカラー自然画像
内の「領域分割」を高速で行うアルゴリズムを開発した.
■最大の特徴は,画像の上から下へのラスタースキャン2回で画像全
体を分割出来ることで,従来技術では実現不可能である.
■四つの計算プロセスとHSV系において「同じ色と見なす条件式」を利
用することで人間の見た目に近い領域分割を行う.
■分割後の認識は各領域の形状判断を行えばよい.
SIFT 特徴量によ る 特徴点の抽出 SURF 特徴量によ る 特徴点の抽出
■以下の図に示すように環境に影響を受けず,カメラ
画像情報のみで領域分けを自動的に行う
■ラインの製品認識アルゴリズムの高度化・強化・冗
長化を実現出来る.セキュリティー・医療システム・自
動自動車等応用可能性は膨大.
左図では,同じ色は同じクラスタと認識されている.
本手法は,単に色の輝度をクラスタするという手法
では無く,ある程度の輝度差があったとしても連続
した領域であれば「同じ領域」と見なし,輝度や色
変化が大きい場所では,別の領域として認識を行
う.これは人間の目での認識手法を意識している.
画像内の図形がいくら複雑だとしても機能し,画像
内にいくつの領域があったとしても正確に動作する.
また,左図右下に示したのは,OpenCVライブラリ
にある,二値化画像用のImuraのアルゴリズムとの
速度比較をおこなったものであるが,提案アルゴリ
ズムではフルカラー画像であるにも関わらず,同じ
図に関して約2倍の実行速度を実現している.
★本アルゴリズムは「画像処理を利用する領域全体」に適用可能なアルゴリズムである.
★従来の画像処理では,ラインなどで「赤いマーカ」や「固定したパターン」を画像内から探索し て処理を行う仕組
みを取り,探索対象の数だけ画像処理が必要だったが,本アルゴリズムで画像をあらかじめ領域に分割してしまう
事により,その後の認識処理・速度が劇的に安定化し軽くなる.画像内に存在する対象が多くなればなるほど,本ア
ルゴリズムの有効性が表れる.
★本アルゴリズムにより「すべての対象認識処理」が容易になり,産業機械からロボット,自動車,携帯,セキュリ
ティシステムの能力が激変する.
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