金融市場ウィークリー - みずほ総合研究所

金融市場ウィークリー
2016 年 4 月 8 日号
[経済・金融市場動向]
◆ 金融市場見通し・内外経済指標
米経済指標は底堅い結果を予想するも、市場の米利
上げへの慎重な見方は変わらず、金利低迷、ドル安、
株価伸び悩み。ドル円相場は下値を探る展開に
[トピックス]
◆ なぜ賃上げは本格化に至らないのか
人手不足が強まる一方、賃上げ率が伸び悩む背景に
は、「ノルム」と「賃下げ予備軍」の問題。官民対
話などを通して着実に賃上げ実績を作ることが必要
◆ 油価低迷下のロシア経済の行方
ロシア経済は、油価低迷の長期化により2年連続で
マイナス成長となる可能性大。財政も悪化するなか、
欧米制裁の解除に取り組む必要性が高まっている
✣[目次]✣
今週の注目チャート ···················································· 1
Ⅰ.経済・金融市場動向 ················································ 3
金融市場見通し·································································· 3
金融市場レビュー ································································ 4
内外経済指標の解説と予測 ························································ 5
Ⅱ.トピックス ························································ 8
なぜ賃上げは本格化に至らないのか ················································ 8
油価低迷下のロシア経済の行方 ··················································· 10
Ⅲ.参考資料 ························································· 12
今週・来週の主要経済指標 ······················································· 12
月次・四半期のスケジュール ····················································· 14
今週の金融市場の動き ··························································· 17
最新リポート一覧 ······························································· 18
〰〰 マーケット時流潮流 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰
パナマ文書の衝撃
調査本部本部長代理 長谷川克之
パナマ文書が世界を揺さぶっている。パナマの法律事務所から流出した 1,200 万件弱にも及ぶ内部
文書によって、各国首脳などがタックスヘイブン(租税回避地)で設立された法人に関与していたこ
とが暴露された。親族や知人などを通して関与が取り沙汰されている指導者にはキャメロン英首相、
プーチン露大統領、習中国国家主席などが含まれている。アイスランドの首相は辞任を表明した。
首脳などによる関与の真偽のほどは定かではない。関与していたとしても、法を犯したという訳で
は必ずしもない場合もあろう。良きにつけ、悪きにつけ、強権的なリーダーシップを発揮している指
導者もあり、関与を一蹴、パナマ文書問題の封印を図る動きも見られる。政治家に対する信認は多く
の国において必ずしも高くなく、国民としては「やっぱり」や「またか」との感もあるだろう。
しかし、タイミングが悪い。経済指標の一部に改善の動きがみられ、世界経済の回復への期待感も
浮上している矢先での今般の暴露である。本来ならば各国首脳が景気回復に向けた経済政策の執行に
専念することが期待されるところだが、パナマ文書の火消しにエネルギーを割かれることになりかね
ない。構造改革や汚職撲滅運動を緩めてでも景気回復を優先させる姿勢すら示唆していた中国では、
汚職撲滅に向けた動きが更に強化されることになるかもしれない。EU離脱を問う国民投票を 6 月に
控えている英国では、残留に向けた首相の指導力が危うくなる展開もあり得る。
パナマ文書の波紋がどこまで広がるかは未知数だ。長い目でみれば政治の透明性が高まり、民主化
が進む一つの契機になる可能性もある。しかし、短期的には政治リスクが一段と高まり、世界経済の
傷に塩を塗るような展開も考えられ、パナマ文書の影響を注意深く見守る必要がある。
〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
~今週の注目チャート~
【 地域金融機関の有価証券ポートフォリオ残高とリスク量 】
低金利長期化により有価証券運用の困難さが増す状況
( 信用金庫 )
( 地域銀行 )
(%)
(%)
100
100
90
90
80
国内債
(45%)
70
80
70
国内債
(80%)
60
50
外貨建債券
(26%)
40
0
30
外貨建債券
(13%)
外貨建債券
(2%)
20
投資信託
(29%)
10
投資信託(8%)
残高
外貨建債券
(3%)
40
30
10
国内債
(93%)
60
50
20
国内債
(76%)
0
リスク量
投資信託
(21%)
投資信託(5%)
リスク量
残高
(注)日銀の金融機関に対するアンケート結果により得られたリスク量に関する信頼区間および保有期間に合わせて、
金利VaRより計算・2015年6月末時点
(資料)日銀金融システムレポート
【解説】日銀が 3 月 28 日に発表した金融システムレポート(地域金融機関の有価証券投資とリスク管理の課
題)では、地域金融機関の有価証券ポートフォリオが多様化していることが示されている。地域銀行は残高
ベースで国内債(国内金利、クレジット)の比率が 80%を占めるが、リスク量ベースでは外貨建債券と投資
信託が国内債対比で相応の水準に達している。マイナス金利の中、有価証券運用は難しい状況が続きそうだ。
【 TOPIX の業種別騰落率(3/31→4/7) 】
下落が顕著なのは輸出業種と金融、内需関連は底堅い
上
位
5
業
種
TOPIX
水産・農林
医薬品
情報・通信
食料品
建設業
機械
銀行業
下
位
5
業
種
保険業
証券、商品
輸送用機器
▲ 10
▲8
▲6
▲4
▲2
0
2
(%)
(資料)NEEDS-Financial QUEST、Bloombergより、みずほ総合研究所作成
【解説】円高ドル安を背景に日本株の下落基調が強まっている。直近 1 週間の下落幅が大きかったのは、輸
送用機器や機械といった輸出業種と証券や保険、銀行といった金融セクターであった。金融については、マ
イナス金利に伴う収益悪化懸念が再び意識されているようだ。一部に割安感も出ている一方、円高地合いが
続き、追加金融緩和の思惑も燻る中では当面こうした業種の株価は軟調な推移となりそうだ。
^
1
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
【 ドル円相場と日米期待インフレ率 】
期待インフレ率の日米格差拡大と共に円高が進む
(円/ ドル)
105
(%)
ドル円相場
米・期待インフレ率(10年)(右目盛)
日・期待インフレ率(10年)(右目盛)
2.0
1.8
1.6
110
1.4
115
1.2
1.0
120
0.8
0.6
125
0.4
0.2
130
0.0
15/1
15/2
15/3
15/4
15/5
15/6
15/7
15/8
15/9
15/10 15/11 15/12
16/1
16/2
16/3
16/4
(注)図表上の期待インフレ率はブレークイーブンインフレ率(10 年)。
(資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成
(年/月)
【解説】米国の期待インフレ率は原油価格下落一服を受け 2 月中旬から回復に転じたものの、日本の期待イ
ンフレ率はいまだ 1 月以前の水準には持ち直していない。期待インフレ率の日米格差が拡大するなか、足元
でドル円相場は円高地合いになっている。市場のインフレ期待が以前の水準に戻るまで、円高基調がしばら
く続く可能性もあり、注視が必要だ。
【 米国と新興国の景況感 】
改善する各国の景況感
(指数)
60
財新(製造業)
中国(製造業)
米国(製造業)
米国(非製造業)
インドネシア(製造業)
韓国(製造業)
マレーシア(製造業)
台湾(製造業)
(指数)
60
60
58
58
56
56
56
54
54
54
52
52
52
50
50
50
48
48
48
46
46
46
44
44
44
42
42
42
40
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
40
13/7
14/1
14/7
15/1
(年/月)
15/7
16/1
(年/月)
ブラジル(製造業)
トルコ(製造業)
南アフリカ(製造業)
ロシア(製造業)
(指数)
58
40
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
(年/月)
(注)50 を下回ると景気の悪化を意味する指数。なお、上記の「中国」は中国国家統計局が公表するPMI、「財新」は中国の財新PMI。
(資料)Markit、財新、日本経済新聞社、南アフリカ経済研究所、Bloomberg より、みずほ総合研究所作成
【解説】今週公表された FOMC の議事録では、FOMC 参加者の多くが米国経済は依然下振れリスクを抱えてい
ると見ていることが示された。しかし、その一因とされる海外経済に、足元で景況感の改善が見られる。中
国の製造業PMIは 2015 年 7 月以来初めて 50 を回復し、金融緩和を続けるインドネシアなどでも景況感の
改善が見られる。ただし、株式相場は今週軟調な展開となるなど、市場の先行きに対する見方は依然厳しい。
2
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
Ⅰ.経済・金融市場動向
~金融市場見通し~
金利低迷、ドル安、株価伸
今週の金融市場では、安倍総理の為替介入に慎重な姿勢を示唆する報道
び悩みの状況が続くと予
(4/5)が材料視され、1年5カ月ぶりに1ドル=110円を割る水準まで円高が
想
進行し、それに伴い日本株は下落した。またFOMC議事録(4/6)で海外経済・
金融市場動向が米国経済見通しに下振れリスクをもたらすとの見方が示さ
れ、米長期金利は低迷した。来週も、米経済指標は底堅さを示すものの、
市場の米利上げに対する慎重な見方を変えるには至らず、金利低迷、ドル
安、株価伸び悩みの状況が続くと予想する。
米経済指標は概ね底堅さ
を示す見通し
来週米国では3月の小売売上高(4/13)
、4月の消費者マインド指数(ミシ
ガン大、4/15)などの注目指標が発表予定される予定だが、いずれも米経
済の改善を示す結果となる見通しである。また企業部門でも、4月のニュー
ヨーク連銀製造業業況指数(4/15)は上昇を見込んでおり、製造業の持ち
直しの動きも確認できそうだ。
日米株は上値の重い展開
ただし、米株価は既に高値圏で推移していることから、良好な米経済指
標も一段の株高材料にはなりにくいだろう。日本株も円高地合いが意識さ
れるなか、上値の重い展開が続くと予想する。
日米長期金利は低位横ば
い
また米10年国債利回りは利上げに慎重な米当局の姿勢が意識され、来週
に入って以降も低位横ばいでの推移が続く見通しである。日本の10年国債
利回りは、4月の日銀金融政策決定会合(4/27・28)での追加緩和を巡る思
惑から、マイナス圏でもみ合う展開が続くと予想する。
ドル円相場は下値を試す
展開
ドル円相場は来週も下値を試す展開となりそうだ。5月G7(5/26,27)ま
で当局は為替介入や追加緩和には踏み込みづらいとの市場の思惑から、足
元円買いが進んでおり、来週も円高地合いが続くと予想する。一方急激に
円高が進展した場合、レートチェックなど介入に向けた動きが出る可能性
もあり、1ドル=105円台が下値の目安となろう。ユーロドル相場も米利上
げ期待が高まりにくいなか、ドル安地合いが続くと予想する。
(有田賢太郎)
【 来週の予想 】
項目
内外金利
内外株式
為 替
予想レンジ
USD LIBOR 3カ月(%)
米10年国債(%)
円 TIBOR 3カ月(%)
10年国債(%)
ダウ平均(ドル)
NASDAQ総合指数(ポイント)
日経平均(円)
TOPIX(ポイント)
円/ドル
ドル/ユーロ
円/ユーロ
3
0.610
1.60
0.05
-0.10
17,300
4,730
15,300
1,230
105.0
1.125
120.0
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
0.640
1.80
0.10
0.00
17,800
4,950
16,300
1,330
109.5
1.165
126.0
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
~金融市場レビュー~
<内外金利動向>
先週末以降の米 10 年国債利回りはやや低下する展開となった。3 月の米
米 10 年国債利回りは
雇用統計(4/1)や製造業・非製造業ISM指数(4/1、4/5)は予想を上回
1.7%を下回る
る結果となったが、債券市場への影響は限定的となった。3 月の FOMC 議事
録(4/6)で一部の委員が 4 月の利上げを検討していたことが判明し一旦利
回りが上昇するも、その後は景気のダウンサイドリスクが意識される内容
との見方から低下した。日本の 10 年国債利回りは概ね横ばい圏での推移と
なった。期初に見られる都銀などの益出し売りへの警戒感がある一方、日
銀短観(3 月調査)
(4/1)を受け月末の金融政策決定会合(4/27・28)での
追加緩和期待が金利上昇を抑制する要因となっている模様だ。
(野口雄裕)
<内外株式動向>
先週末以降の米株式相場は下落した。3 月の雇用統計は、雇用者増加数が
米国株は原油価格の下落
予想を上回る等総じて良好な内容となり、株価の押し上げ材料となった。
等を受け下落、日本株は
一方、週明け以降は原油価格が一旦下落に転じたことが嫌気され、軟調な
円高による企業業績への
推移となった。米国株は高値圏に戻しており、1~3 月期の企業決算発表を
懸念から下落
控えた利益確定の売りも出易かった。日本株は、下落した。米国景気の改
善を示唆した雇用統計発表後も円高・ドル安が進行し、輸出企業を中心に
業績への警戒感が高まった。週末に円高・ドル安が加速し、日経平均株価
は一時 15,500 円を割り込んだが、円高進行が一服すると急速に下落幅を取
(大塚理恵子)
り戻し、15,800 円程度まで持ち直した。
<為替動向>
ドル円相場は円高ドル安が進展し、1 年 5 カ月振りに 1 ドル=110 円を割
1 年 5 カ月振りの 1 ドル=
る展開となった。週明けのドル円相場は先週の流れを引き継ぎドル安地合
110 円割れ
いで推移した。週半ばには、安倍首相の為替介入に慎重な姿勢を示唆する
報道(4/5)を受け、ドル円相場は円高が進展した。その後、菅官房長官の
為替市場動向への注視を示唆する発言(4/6)を材料に、一旦は円安に戻し
たものの、米 FOMC 議事録のハト派的内容を受け、再び円高が進展した。ユ
ーロドル相場は 1 ユーロ=1.14 ドルをはさんでもみ合う展開となった。米・
非製造業ISM指数が市場予想を上回り一旦はドル高が進んだものの、そ
の後米金利低迷などを受けドル安に戻した。
<新興・資源国動向>
株式相場に変調の兆し
(有田賢太郎)
今週の新興国市場は、一部で良好な経済指標が見られるにも関わらず、
これまでの持ち直しに変調の兆しとも取れる動きが見られる。経済指標は、
10~12 月期のロシアの成長率(4/1)こそ予想通りの 4%近いマイナス成長
だったが、中国では製造業PMI(4/1)が 8 カ月ぶりに 50 を上回り、イ
ンドの利下げ(4/5)も市場には追い風のはずだ。米国の経済指標も景気の
堅調さを示唆し、原油相場は増産凍結に消極的なサウジアラビアの発言後
も大崩れしていない。これらの指標と米利上げ観測の後退は金融市場に心
地よい組み合わせだが、ギリシャ問題に注目が集まる欧州の株価下落をは
じめ、先行きを懸念させる世界的な株安が進む展開となった。 (井上淳)
4
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
~内外経済指標の解説と予測~
<国 内>
名目・実質賃金は 4 カ月ぶ
りに前年比プラス
2月の名目賃金(4/5)は、前年比+0.9%(1月同0.0%)と4カ月ぶりに
上昇した。内訳をみると、特別に支払われた給与(同+25.7%)が大きく
増加したほか、賃金の基調的な動きを示す所定内給与(同+0.6%)も押し
上げに寄与した。また、物価調整後の実質賃金(持家の帰属家賃を除く総
合消費者物価指数により実質化)も前年比+0.4%と4カ月ぶりに増加した。
なお、速報段階ではパート労働者の比率が低く、名目賃金の水準が高めに
出る傾向があるため、22日発表予定の確報値では下方修正される可能性が
ある。
経常収支は高水準の黒字
2 月の経常収支(季節調整値、4/8)は、1 兆 7,335 億円と高水準の黒字
が継続した。第一次所得収支の黒字幅が拡大したほか、資源安による輸入
が継続
金額の減少を受けて貿易収支が改善した。今後も経常収支は当面高めの黒
字が続くだろう。第一次所得収支は、為替が円高方向に振れることが押し
下げ要因にはなるものの、引き続き高水準を維持するとみられる。また、
原油価格の水準が低位で推移すると見込まれるため、貿易収支も小幅なが
ら黒字が続く見通しである。
来週は機械受注統計や企業物価指数などが発表される。
機械受注は前月比マイナ
2 月の機械受注(船舶・電力を除く民需、4/11)は、前月比▲9.0%(1
スも、前月の大幅増の反動
月同+15.0%)と予測する。前月は鉄鋼業の大型案件などが押し上げてお
内
り、その剥落などから前月比でマイナスになるだろう。
国内企業物価指数の前年
3月の国内企業物価指数(4/13)は、前月比0.0%、前年比▲3.5%(2月
比はほぼ先月並みのマイ
前月比▲0.2%、前年比▲3.4%)と予測する。3月は原油や非鉄金属の価格
ナス幅
下落に歯止めがかかったため、前月比では横ばいを見込む。前年比でもほ
(川口亮)
ぼ先月並みのマイナス幅を予想する。
【 機械受注(船舶・電力を除く民需)の推移 】
【 企業物価指数の推移 】
(2010年=100)
(前年比、%)
140
月次
5
予測値
135
4
130
3
125
2
120
1
115
0
110
▲1
予測値
▲2
105
3カ月後方移動
平均
100
▲3
▲4
95
▲5
13/01
90
12/01
13/01
14/01
15/01
16/01
(年/月)
13/07
14/01
14/07
15/01
15/07
16/01
(年/月)
(注)2016年3月の値は、みずほ総合研究所による予測値。
(資料)日本銀行「企業物価指数」より、みずほ総合研究所作成
(注)2016年2月の値は、みずほ総合研究所による予測値。
(資料)内閣府「機械受注統計調査報告」より、みずほ総合研究所作成
5
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
<海 外(米国)>
労働市場は着実に改善
3 月の雇用統計(4/1)では、非農業部門雇用者数が前月差+21.5 万人
(2 月同+24.5 万人)と、2 カ月連続で雇用の着実な回復を示す 20 万人を
上回る増加となった。失業率(5.0%)、代替的失業率(9.8%)について
は、それぞれ前月から 0.1%ポイント上昇した。しかし、労働参加率、就業
率はともに上昇していることから、労働市場が改善方向にあることを示す
結果である。時間当たり賃金は前月比+0.3%(2 月同▲0.1%)とプラスに
転化し、前年比では+2.3%と前月から変わらず、緩やかに上昇した。
企業業況は製造業、非製
造業とも上向き
3 月の製造業ISM指数(4/1)は 51.8 と、6 カ月ぶりに 50 の水準を上
回った。在庫調整が和らぐなか、新規受注と生産に持ち直しの動きがみら
れた。また、非製造業ISM指数(4/5)は 54.5 と 5 カ月ぶりに上昇した。
事業活動、新規受注、雇用がそろって改善した。業種別では、2 月に業況悪
化を報告していた小売業が改善に転じた。
3 月の FOMC 議事録は、海
6 日公表の 3 月 FOMC(3/15・16)議事録によれば、多くの参加者は海外
外経済や金融市場に対す
経済と金融市場の動向が米国経済の見通しに相当なダウンサイドリスクを
る懸念を再確認
もたらすとの見方を示していたことが明らかとなった。17 人の参加者のう
ち 8 人が、経済へのリスクは下向きであるとみており、その数は 12 月(3
人)から増加した。今回の議事録は利上げ期待を後退させる内容であった。
年初に減速感がみられた
来週発表される経済指標に関して、3 月の小売売上高(4/13)は、自動車
小売売上高が持ち直す
が減少する一方で、コア小売が押し上げに寄与し、全体として小幅に増加
か、企業関連指標の改善
するとみられる。消費者のマインド(ミシガン大:速報 4/15)は 4 月も高
傾向が続くか注目
水準を維持するだろう。企業部門では、3 月の鉱工業生産指数(4/15)は前
月から概ね横ばいで推移すると見込まれる。4 月のニューヨーク連銀製造業
指数(4/15)は上昇するとみられる。物価面では、3 月のコアCPI上昇率
(4/14)は前年比+2.3%と、前月から横ばいと予想する。4 月の地区連銀
経済報告(ベージュブック、4/13)の内容にも注目したい。 (風間春香)
【 製造業・非製造業ISM指数 】
【 小売売上高 】
(前月比、%)
62
1.5
製造業ISM指数
非製造業ISM指数
60
コア小売
自動車・部品
建材・造園
ガソリン
外食
小売売上高
1.0
58
56
3月は小幅に
増加すると予想
0.5
54
54.5
0.0
52
51.8
▲0.5
50
製造業は6カ月ぶりの50超。
非製造業は5カ月ぶりの上昇
48
▲1.0
15/3
46
14/3
14/9
15/3
15/9
15/6
15/9
15/12
16/3
16/3
(年/月)
(年/月)
(注)2016 年 3 月の値はみずほ総合研究所予測値。
(資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成
(資料)米サプライマネジメント協会より、みずほ総合研究所作成
6
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
<海 外(欧州)>
今週発表された経済指標では、ドイツの生産や受注の改善テンポが緩慢
であることなどが示された。
2 月のドイツ鉱工業生産
2 月のドイツ鉱工業生産(4/6)は前月比▲0.7%と、大幅増となった 1 月
は減少。受注の改善テン
(同+2.1%)の反動もあって減産に転じた。また、2 月のドイツ製造業受
ポは緩慢で、3 月以降も生
注(大型輸送機械を除く、4/5)は前月比▲0.5%と落ち込んだ。受注の内
産は停滞する見込み
訳では、輸出向け受注(同▲2.0%)が減少したほか、国内向け(同+1.3%)
は力強さを欠いた。受注の改善テンポは緩慢であり、3 月以降の鉱工業生産
は停滞が続くと予想される。
2 月のドイツ建設業生産
2 月のドイツ建設業生産(4/6)は前月比+1.3%と、2 カ月連続で増加し
は増産。暖冬による建設
た。1・2 月の平均水準は、10~12 月期を 4.5%上回っている。暖冬という
投資の好調さを示唆
一時的要因の影響が大きい模様であるが、1~3 月期の建設投資が上振れ、
GDP成長率が押し上げられる可能性が高いことが示唆される。
2 月のユーロ圏小売数量(4/5)は前月比+0.2%と、4 カ月連続で増加し
2 月のユーロ圏小売数量
た。1・2 月の 10~12 月期比は+0.8%となり、10~12 月期(前期比+0.2%)
は改善が継続
から加速している。財消費の好調さがうかがわれる。
ギリシャへの次回融資を
今週に入り、ギリシャへの次回融資を巡る対立が、頻繁に報道されてい
巡って対立が生じている
る。次回融資の前提となる財政再建策に関し、厳しい緊縮措置に難色を示
模様
すギリシャ・EU側と、更なる緊縮と共に債務減免を求めるIMF側との
間で溝が深まっている模様である。7 月の国債償還が近づく中、対立が深刻
化すれば、市場の不安定化要因となる可能性がある。
今晩以降はドイツ輸出金
今晩以降は、2 月のドイツ輸出金額(4/8)や同月のユーロ圏鉱工業生産
額やユーロ圏生産などが
(4/13)のほか、3 月のユーロ圏インフレ率(確報値、4/14)などが公表さ
発表に
れる。輸出・生産は力強さを欠くだろう。インフレ率に関しては、速報段
(松本惇)
階で急上昇したコア・インフレ率の内訳が注目される。
【ドイツの生産統計 】
(2010=100)
112
111
【 ドイツの受注統計 】
114
(2013/1=100)
112
112
110
(2010=100)
鉱工業(除く建設業)
建設業(右目盛)
116
114
110
108
110
109
(2013/1=100)
118
112
110
106
108
108
108
104
107
106
106
104
102
106
製造業受注
104
105
100
102
国内受注
100
輸出受注(右目盛)
104
2014/2
14/8
15/2
15/8
98
2014/2
102
16/2
(年/月)
14/8
15/2
15/8
98
16/2
(年/月)
(資料)ドイツ連邦統計庁より、みずほ総合研究所作成
(資料) ドイツ連邦統計庁より、みずほ総合研究所作成
7
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
Ⅱ.トピックス
~なぜ賃上げは本格化に至らないのか?~
人手不足感が強まる一方、
春闘の賃上げ交渉が佳境を迎えている。デフレ脱却に向け、安定的な賃
力強さに欠ける賃上げ
金の改善を実現できるかを占う上で、春闘への注目度は高い。しかし、現
段階での春闘の賃上げ率(連合ベース、第 3 回集計結果)は、2.09%と前
年の同時点(2.33%)を大きく下回った。失業率が約 20 年ぶりの水準まで
回復するなど人手不足が深刻化しているにもかかわらず、近年の賃上げの
動きは精彩を欠いている。企業に賃上げに対する慎重姿勢が残る理由とし
て、これまで指摘されてきたのは、企業が景気の先行きに自信を持てない
点である。事実、企業が景気の先行きをどのように捉えているかを示す期
待成長率は、1990 年代後半の金融危機を境に足踏みしている(図表 1)。
もっとも、2006 年や 2007 年など期待成長率が大幅に改善した年でさえ、賃
上げ率は伸び悩んでおり、その他にも賃上げを阻む要因がありそうだ。
デフレによってしみつい
賃上げ率の伸び悩みについて一部の識者は、長い期間デフレが続いたと
た賃上げ恐怖症
いう経験から、好況時においてさえ賃上げを行わないことが企業にとって
の当然の慣習、いわゆる「ノルム(規範)」となってしまった可能性を指
摘している。こうした慣習の移り変わりは、賃上げ率の分布の変化から確
かめることができる。図表 2 は賃上げ率の分布の変遷を示したものである。
色が濃いほど各賃上げ率に対応する労働者の割合が高いことを表してい
る。デフレ以前の期間、つまり 2000 年以前の分布に着目すると、1986 年の
円高不況などの景気低迷局面においても、概ね全ての企業はある程度の賃
上げ率を保っていたことが分かる。ここから、多少景気が変動しても、一
定の賃上げを行うことが、当時の企業にとっては当たり前のこと、つまり
ノルムだったと言えそうだ。それとは逆に、デフレが定着した 2000 年以降
には、景気が回復する局面においても、一貫して分布が低位にとどまって
いる。賃上げを行わない期間が続いたため、賃上げを行わないことが企業
にとってのノルムとして定着してしまったと解釈できる。このように企業
【 図表1 春季賃上げ率と期待成長率の推移 】
(%)
【 図表2 賃上げ率の分布 】
(%)
7
▲0.1%
未満
4.5
賃上げ率(厚生労働省ベース)
6
賃上げ率(連合ベース)
5
期待成長率(右目盛り)
1986
4
3.5
1990
3
4
2.5
3
2
1995
1.5
2
2000
1
1
0.5
0
2005
0
1990
1995
2000
2005
2010
2015 (年)
(注) 1.期待成長率は、5年後の実質業界成長率
2.連合ベースは、第3回集計(毎年3月末頃)の集計値。
3.賃上げ率は、定期昇給を含むベースの値。
(資料)厚生労働省「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況について」、内閣府「企業
行動に関するアンケート調査」、日本労働組合総連合会「春季生活闘争回答集計
結果について」より、みずほ総合研究所作成
2010
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
2.2
1.4
4.5
4.3
1.9
1.3
0.6
0.3
1.2
6.8
3.2
2.4
1.7
1.7
0.8
0.6
0%
0.6
0.9
0.3
0.3
0.5
0.5
0.3
4.3
1.6
2.5
2.9
4.6
7.0
11.7
10.7
12.5
17.7
19.6
16.6
16.2
12.6
13.1
14.6
20.1
12.6
16.1
13.6
11.0
5.5
5.4
0.1~
0.9%
0.6
0.4
0.8
0.4
0.2
0.1
0.4
0.4
2.0
3.1
2.2
2.2
5.2
6.4
7.6
9.4
12.5
11.7
12.8
9.0
7.2
9.6
11.1
9.6
13.3
16.4
12.0
13.0
11.3
11.9
1.0~
1.9%
1.1
6.4
4.2
1.0
0.6
0.1
0.7
2.1
8.1
9.7
11.7
10.6
16.7
27.8
35.0
36.1
38.9
43.8
46.5
49.0
47.7
44.0
35.4
38.2
45.4
43.1
45.0
45.9
41.2
33.6
2.0~
2.9%
8.8
14.4
4.6
3.9
0.5
0.4
1.9
7.6
20.6
45.4
46.8
46.9
52.7
48.5
39.4
36.8
23.9
17.7
18.4
20.0
26.8
24.3
30.2
21.0
22.4
18.2
24.1
20.6
29.6
36.8
3.0~
3.9%
12.6
43.0
15.6
4.2
2.7
3.1
6.4
43.0
57.5
34.5
32.2
33.2
16.2
3.6
3.7
2.9
1.9
1.6
2.5
2.5
2.9
3.8
3.1
2.1
2.1
2.3
1.8
4.3
7.6
9.1
4.0~
4.9%
45.9
25.9
49.3
14.5
6.0
7.9
39.7
34.2
7.6
3.3
3.0
2.6
1.5
1.1
0.9
0.5
0.2
0.7
0.4
0.4
1.6
1.4
1.6
0.7
0.6
0.7
1.2
1.8
1.8
1.7
5.0~
5.9%
22.6
6.7
18.8
54.5
42.4
51.8
34.9
6.2
1.5
0.7
0.6
0.8
0.3
0.3
0.2
0.1
0.0
0.3
0.2
0.3
0.7
0.6
1.7
0.2
0.0
0.5
0.4
0.8
0.6
0.2
6.0%
以上
7.7
2.3
6.4
21.2
47.0
35.9
15.6
2.4
1.0
0.6
0.6
0.2
0.3
0.5
0.2
0.1
0.1
0.3
0.7
1.3
0.0
2.9
1.1
1.2
0.1
0.4
0.3
1.0
1.6
0.8
2015
(注)全規模・全産業。定期昇給を含むベースの値。
(資料)厚生労働省「賃金引上げ等の実態に関する調査」より、みずほ総合研究所作成
8
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
が未だに過去の経験にとらわれ、デフレマインドを拭えずにいることが、
足元の賃上げの足かせとなっているのである。
いまだ残る「賃下げ予備
この賃上げ率の分布からは、賃金を今すぐにでも下げたいと感じている
企業、いわゆる「賃下げ予備軍」と呼ばれる企業の存在も確認できる。2000
軍」
年以降の分布をみると、賃上げ率が 0%となる企業が増加している。日本経
済がデフレに陥ってからは、収益や物価の伸び悩みもあり、本来企業が支
払うべき賃金の水準が大幅に低下した。しかし、労働者の不利益となる契
約変更は容易ではないため、引下げるべき賃金を据え置かざるを得なかっ
た企業が多く存在したようだ。こうした企業は多少状況が改善しても過去
の未調整分を調整し終えるまでは賃上げを行おうとはしない。このように
デフレ期に十分を賃金調整ができなかった企業が「賃下げ予備軍」として
存在していることも、賃上げの本格化を阻む要因であると考えられる。
中小企業に重点を置いた
このような「ノルム」や「賃下げ予備軍」の問題は、とりわけ中小企業で深刻
だ。事実、2015 年の分布を企業規模別にみると(図表 3)、大企業では賃下げ
政策が必要
予備軍の問題は概ね解消されているが、中小企業では足元でも 1 割程度の企
業が未だ賃上げに踏み切れずにいる。さらに、分布が低位にとどまっているこ
とは、中小企業の賃上げを行わないというノルムが根強いことを示唆している。
中小企業でこのように賃上げが本格化する環境が整わない理由としては、
賃上げの原資となる収益が伸びていないことが挙げられる。賃下げ予備軍の
割合と 1 人当たり経常利益の関係をみると(図表 4)、2000 年以降に大企業で
は収益が大きく増加し、賃下げ予備軍の問題が解消されているが、中小企業
では収益の伸びは小さく、賃下げ予備軍の問題解消までには程遠い。政府と
しては、規制緩和などを通じて成長戦略のスピードアップを図ると同時に、中
小企業の事業環境の改善を後押しする政策を推し進めることが重要となる。
さらに、中小企業の賃上げが過去の実績に依存する度合いが強いこともノ
ルムの転換を遅らせる一因であることが知られている。政府は、官民対話など
を通して、根気強く企業に働きかけることで、賃上げの実績を着実に上げてい
く必要がある。
(松浦大将)
【 図表3 企業規模別の賃上げ率の分布 】
【 図表4 経常利益と賃下げ予備軍の関係 】
(%)
(賃上げ率0%以下の企業の割合、%)
大企業
30
40
中小企業
35
25
30
大企業
25
中小企業
20
15
20
15
10
10
5
5
2015年
0
0
▲4.9
~▲2.5
0
0.5
~0.9
1.5
~1.9
2.5
~2.9
3.5
~3.9
50
4.5
(%)
~4.9
100
150
200
250
300
(1人当たり経常利益、2000=100)
(注)1.賃上げ率0%以下とは、定期昇給、ベースアップともに行っていないことを示す。
2.2005~2015年の値、全産業。大企業、中小企業の定義は図表3に同じ。
(資料)財務省「法人企業統計調査」、厚生労働省「賃金引上げ等の実態に関する調査」
より、みずほ総合研究所作成
(注)1.2015年の値、全産業、定期昇給を含むベースの値。
2.大企業は企業規模が5,000人以上、中小企業は100~299人の企業。
(資料)厚生労働省「賃金引上げ等の実態に関する調査」より、みずほ総合研究所作成
9
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
~油価低迷下のロシア経済の行方~
2015 年の経済成長率は
マイナス 3.7%に
2015 年のロシア経済は、原油安と欧米諸国による制裁という2つの逆風
が続く中で、
実質GDP成長率がマイナス 3.7%にまで落ち込んだ
(図表 1)。
最大の輸出品目である原油価格の下落によってルーブルが下落し、輸入物
価を中心にインフレ率が 2 桁台に上昇したことで、個人消費は大きく減少
した。また、欧米の制裁や、インフレ抑制を目的としたロシア中銀の高金
利政策により、企業の資金調達環境は悪化し、投資も減少した。
ロシア経済は今後、どのような展開を見せるのだろうか。以下では、2015
年のロシア経済の悪化を引き起こした原油安と欧米の制裁という 2 つのキ
ーワードを中心に、2016 年のロシア経済の行方を展望したい。
低迷長期化の見通しが
強い原油価格
原油価格については、2016 年内に急回復する可能性は極めて低く、むし
ろ、2015 年と比べてさらに原油安になるとの見方が強い。国際エネルギー
機関(IEA)は、2015 年 12 月に公表した石油市場報告で、少なくとも
2016 年末までは石油市場で供給過剰の状態が続き、油価の回復は 2017 年以
降にずれ込むと見ている。足元の原油価格の上昇についても、IEAは「最
悪期を脱したとの明白な兆候とは言えない」(2016 年 3 月 11 日公表の石油
市場報告)と慎重な姿勢を崩していない。また、イランが 2015 年 7 月の欧
米など 6 カ国(ロシアを含む)との最終合意を順守すれば、対イラン制裁
が解除されて同国の原油輸出が再開されることになり、それによって原油
価格は 5~15 ドル/バレル押し下げられるとの予想もある。これらの要因に
より、油価が 2016 年にもう一段下落するとなると、2015 年と同様ルーブル
の下落によるインフレ率の上昇と個人消費の減少が生じることになり、ロ
シア経済は 2 年連続でマイナス成長となる可能性が高まろう。
原油安の長期化により
油価がもう一段下落した場合、ロシアの国家財政への影響も大きい。ロ
底をつく「予備基金」
シアの連邦財政は、歳入の約半分が石油・天然ガス関連の税収によって占
められており、その税率は原油の国際市場価格に連動している。このため、
油価が下落すると歳入も減少し、歳出規模を維持しようとすると、財政赤
字の増大が避けられなくなる。
こうした油価下落時の財政赤字のファイナンスを目的に、過去の油価高
騰時の財政余剰を蓄えたのが予備基金だ。しかし、同基金からは 2015 年中
に 400 億ドル近くが取り崩されており、残高は約 500 億ドルにまで減少し
ている(図表 2)。2016 年連邦予算法によれば、2016 年についても 300 億
ドルを超える予備基金の取り崩しが行われ、同年末時点の残高は 200 億ド
ル弱になる見込みだ。また、ロシア財務省によれば、この見込みは原油価
格が前年並みの年平均 50 ドル/バレルで推移するとの前提に基づいたもの
であり、油価が年平均 40 ドル/バレルの場合、予備基金は 2016 年で底をつ
くことになる。
ロシアでは今後、2016 年 9 月に国家院(下院)選挙、2018 年 3 月には大
統領選挙が予定されており、プーチン政権としては向こう 2 年間、政治的
には歳出削減が難しい状況が続く。しかし、このまま原油安が続き、予備
10
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
基金が底をつけば、プーチン政権は大統領選挙の前年の 2017 年に、歳出削
減に踏み切らざるを得なくなる可能性がある。
延長が続く欧米諸国の
一方、欧米の制裁については、制裁期間の延長が続いている。欧州理事
制裁の行方
会が、ウクライナ東部の停戦・和平合意(ミンスク 2)の未順守を理由に、
対露制裁を半年間(2016 年1月末まで)延長したのに続き、2015 年 11 月
のG20 首脳会議では、欧米首脳が制裁期間をさらに半年間延長することで
合意した。
ただし、ミンスク 2 の実現に向けて、進展が見られることもまた事実の
ようだ。15 年 10 月、ウクライナ東部の親露派は、年内に予定していた独自
の地方選挙の実施を取りやめ、ウクライナ法に基づいた地方選挙を 2016 年
前半に実施することに応じたほか、緩衝地帯からの重火器の撤収を宣言し
ており、この頃を境に、実際に東部での戦闘状態は格段に沈静化に向かっ
たと報じられている。こうした東部親露派の姿勢の変化については、2015
年 9 月 30 日のロシア軍によるシリア空爆の開始に伴い、ロシアが二正面作
戦を避ける思惑から、東部親露派への関与を弱め始めた結果とみる向きも
ある。
今後、ウクライナ東部における停戦がより確実なものとなれば、現在の
欧米の制裁が解除される可能性がある。
期限である 2016 年 7 月末をもって、
この場合、油価のもう一段の下落が生じなければ、海外からの資本流入の
回復により、ロシア経済が 2016 年後半から上向く可能性が生まれよう。
プーチン大統領はかつて、「経済の困難は、長くて 2 年続く」とした上
で、その後は資源価格が再び上昇し、ロシア経済も回復に向かうとの見通
しを明らかにしたことがあった。2016 年の 12 月は、その「2 年」にあたる。
油価の低迷が長期化するとの見方が強まり、財政バッファーの予備基金も
底をつきつつある中で、ロシアとしては、経済悪化のもう1つの要因であ
る欧米の制裁の解除に、本腰を入れて取り組む必要に迫られている可能性
がある。この意味で、2016 年は、ロシアが欧米諸国との関係修復に向かう
(金野雄五)
ターニングポイントになるかもしれない。
【 図表1 ロシアの経済成長率 】
【 図表2 予備基金の残高推移 】
(億ドル)
(%)
5
(%)
1,200
10
1,000
4.3
個人消費
1.3
0.7
0
総固定資本形成
在庫その他
実質GDP
▲ 3.7
▲5
▲ 10
12
13
14
10
GDP比(右軸)
純輸出
3.5
2011
12
米ドル換算額
800
8
600
6
400
4
200
2
0
15 (年)
2011
(資料)ロシア国家統計庁より、みずほ総合研究所作成
12
13
14
0
15 (年)
(資料)ロシア財務省より、みずほ総合研究所作成
11
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
Ⅲ.参考資料
今週の主要経済指標
日 付
4/1(金)
経 済 指 標 等
今回実績
雇用統計(3月)
失業率
非農業部門雇用者数
時間当たり賃金(全従業員ベース)
前月差
前月比
ミシガン大消費者信頼感指数(3月確報)
製造業ISM指数(3月)
4/5(火)
前回実績
予想
米
日 毎月勤労統計(2月速報)
名目賃金
前年比
5.0%
+215千人
+0.3%
4.9%
+205千人 R
+0.2%
4.9%
+245千人
▲0.1%
91.0
90.5
2月確報
91.7
51.8
51.0
49.5
+0.9%
+0.2%
+0.4%
10年利付国債入札:最高利回り▲0.064%、 平均利回り▲0.069%、 入札倍率3.89倍
財・サ収支
米 貿易収支(2月)
非製造業ISM指数(3月)
4/6(水)
▲471億㌦
▲462億㌦ R
▲459億㌦
54.5
54.2
53.4
33.3%
37.5%
99.8
110.3
N.A.
N.A.
99.8
110.3
50.0%
55.6%
101.8
113.5
52.2
N.A.
51.2
267千人
270千人
276千人
経常収支 +24,349億円 +20,323億円
(前年比)
+63.7%
+35.9%
貿易収支 +4,252億円 +4,297億円
(前年比)
-
+5,208億円
+411.6%
▲4,110億円
-
日
先行DI
一致DI
先行CI
一致CI
景気動向指数(2月速報)
中 財新サービスPMI(3月)
米 FOMC議事録(3/15・16)
4/7(木)
米 失業保険新規申請件数(~4/2)
4/8(金)
日
国際収支(2月速報)
景気ウォッチャー調査(3月)
消費動向調査(3月)
現状判断DI
45.4
45.5
44.6
消費者態度指数
41.7
40.5
40.1
739
N.A.
656
全国企業倒産件数[帝国データ](3月)
予想:情報ベンダー(Bloomberg、Reuters 等)の取りまとめた予想コンセンサス。米国の経済指標は特に断りのない限り季調値。R は改定値。
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、
泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア
12
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
来週の主要経済指標
日 付
4/11(月)
経 済 指 標 等
日
予 想
機械受注(2月)
[船舶・電力を除く民需]
前 回
前々回
前月比
前年比
[▲9.0%]
[+1.1%]
+15.0%
+8.4%
+1.0%
▲3.6%
前年比
+2.4%
+2.3%
+1.8%
前月比
前年比
[ 0.0%]
[▲3.5%]
▲0.2%
▲3.4%
▲1.0%
▲3.2%
M2 前年比
M3 前年比
広義流動性 前年比
+3.1
+2.5
N.A.
+3.1%
+2.5%
+3.9%
+3.2%
+2.6%
+3.9%
中 貿易収支(3月)
米ドル
+350億㌦
+326億㌦
+633億㌦
輸出総額(3月)
前年比
+9.7%
▲25.4%
▲11.2%
輸入総額(3月)
前年比
▲10.0%
▲13.8%
▲18.8%
米 小売売上高(3月)
前月比
[+0.1%]
▲0.1%
▲0.4%
前月比
前月比
+0.3%
+0.1%
▲0.2%
0.0%
+0.1%
+0.4%
前月比
前月比
[+0.3%]
[+0.2%]
▲0.2%
+0.3%
0.0%
+0.3%
[270千人]
267千人
276千人
N.A.
100.1
97.6
前年比
+5.5%
1~2月
+5.4%
12月
+5.9%
前年比
[+6.6%]
10~12月期
+6.8%
7~9月期
+6.9%
前月比
[0.0%]
75.3%
▲0.5%
75.4%
+0.6%
75.8%
ニューヨーク連銀製造業業況指数(4月)
[+2.0]
+0.6
▲16.6
ミシガン大消費者信頼感指数(4月速報)
[92.0]
91.0
91.7
黒田日銀総裁挨拶(第91回信託大会)
中 消費者物価指数(3月)
4/12(火)
日 10年物価連動国債入札
米 3年国債入札
4/13(水)
日
国内企業物価指数(3月)
マネーストック(3月速報)
生産者物価指数(3月)
[食品・エネルギーを除く]
ベージュブック(地区連銀経済報告)
10年国債入札
4/14(木)
日 30年利付国債入札
米
消費者物価指数(3月)
[食品・エネルギーを除く]
失業保険新規申請件数(~4/9)
30年国債入札
英 英中銀金融政策委員会(13・14日)
4/15(金)
日 設備稼働率(2月)
中
鉱工業生産(3月)
実質GDP(1~3月期)
米
鉱工業生産指数(3月)
設備稼働率(3月)
G20(20か国財務大臣・中央銀行総裁会議、ワシントンD.C.)(14・15日)
予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg 等)。予定は変更になる可能性があります。
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、
泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア
13
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
4 月のスケジュール
国
1
内
日銀短観(3 月調査)
新車販売台数(3 月)
米
1
国 他
米 雇用統計(3 月),製造業ISM指数(3 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(3 月確報)
2
2
3
3
4
4
米 製造業新規受注(2 月)
5
米 非製造業ISM指数(3 月)
貿易収支(2 月)
米 FOMC 議事録(3/15・16)
5
6
毎月勤労統計(2 月速報)
10 年利付国債入札
景気動向指数(2 月速報)
7
8
6
7
国際収支(2 月速報),消費動向調査(3 月)
景気ウォッチャー調査(3 月)
8
9
9
10
10
11 黒田日銀総裁挨拶(第 91 回信託大会)
機械受注統計(2 月)
12 10 年物価連動国債入札
11
13 マネーストック(3 月速報)
企業物価指数(3 月)
14 30 年利付国債入札
16
13 米 小売売上高(3 月),PPI(3 月)
ベージュブック(地区連銀経済報告),10 年国債入札
14 英 英中銀金融政策委員会(13・14 日)
米 CPI(3 月),30 年国債入札
15 米 鉱工業生産・設備稼働率(3 月)
ネット対米証券投資(2 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(4 月速報)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(4 月)
16
17
17
18
18
19 5 年利付国債入札
19 米 住宅着工・許可件数(3 月)
20 貿易統計(3 月)
20 米 中古住宅販売件数(3 月)
21 20 年利付国債入札
22 第 3 次産業活動指数(2 月)
21 欧 ECB政策理事会
米 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(4 月)
景気先行指数(3 月)
22
23
23
24
24
25
25 独 ifo景況感指数(4 月)
米 新築住宅販売件数(3 月)
26 米 S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・2 月)
耐久財受注(3 月),2 年国債入札
カンファレンスボード消費者信頼感指数(4 月)
27 米 FOMC(26・27 日),5 年国債入札
15 設備稼働率(2 月)
26
27 2 年利付国債入札,全産業活動指数(2 月)
12 米 連邦財政収支(3 月),3 年国債入札
28 日銀金融政策決定会合(27・28 日)
日銀総裁定例記者会見
日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)
鉱工業生産(3 月速報)
商業動態統計(3 月速報),住宅着工統計(3 月)
消費者物価(3 月全国・4 月都区部)
労働力調査(3 月),家計調査(3 月)
29 昭和の日(日本休場)
28 米 GDP(1~3 月期速報)
7 年国債入札
30
30
29
個人所得・消費支出(3 月),シカゴPMI指数(4 月)
雇用コスト指数(1~3 月期)
ミシガン大学消費者信頼感指数(4 月確報)
*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ
14
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
5 月のスケジュール
国
内
1
米
国 他
1
2 新車販売台数(4 月)
2
3 憲法記念日(日本休場)
3
4 みどりの日(日本休場)
4
5 こどもの日(日本休場)
5
6
6
7
7
米 製造業ISM指数(4 月)
米 非製造業ISM指数(4 月),貿易収支(3 月)
労働生産性(1~3 月期暫定)
製造業新規受注(3 月)
米 雇用統計(4 月)
8
9 日銀金融政策決定会合議事要旨(3/14・15 分)
消費動向調査(4 月)
毎月勤労統計(3 月速報)
10 10 年利付国債入札
8
9
11 景気動向指数(3 月速報)
11 米 連邦財政収支(4 月)
10 年国債入札
12 英 英中銀金融政策委員会(11・12 日)
米 30 年国債入札
12 景気ウォッチャー調査(4 月)
国際収支(3 月速報)
30 年利付国債入札
13 マネーストック(4 月速報)
第 3 次産業活動指数(3
月)
14
10 米 3 年国債入札
13 米 小売売上高(4 月),PPI(4 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(5 月速報)
14
15
15
16 企業物価指数(4 月)
16 米 ネット対米証券投資(3 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(5 月)
17 米 CPI(4 月),鉱工業生産・設備稼働率(4 月)
住宅着工・許可件数(4 月)
18 米 FOMC 議事録(4/26・27)
17 5 年利付国債入札
設備稼働率(3 月)
18 GDP(1~3 月期 1 次速報)
19 機械受注統計(3 月), 20 年利付国債入札
20
19 米 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(5 月)
景気先行指数(4 月)
20 米 中古住宅販売件数(4 月)
21
21 G7(財務大臣・中央銀行総裁会議、仙台)(20-21 日)
22
22
23 貿易統計(4 月),全産業活動指数(3 月)
23
24
24 米 新築住宅販売件数(4 月)
2 年国債入札
25 独 ifo景況感指数(5 月)
米 5 年国債入札
26 米 耐久財受注(4 月)
7 年国債入札
27 G7(サミット、伊勢志摩)(26・27 日)
25
26 40 年利付国債入札
27 消費者物価(4 月全国・5 月都区部)
米 GDP(1~3 月期暫定)
ミシガン大学消費者信頼感指数(5 月確報)
28
28
29
29
30 商業動態統計(4 月速報)
30 米 メモリアルデー(米国休場)
31 鉱工業生産(4 月速報),住宅着工統計(4 月)
2 年利付国債入札
労働力調査(4 月)
家計調査(4 月)
31 米 個人所得・消費支出(4 月) ,シカゴPMI指数(5 月)
企業収益(1~3 月期暫定)
S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・3 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(5 月)
*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ
15
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
四半期スケジュール
6月
日 本 1
2
3
7
8
9
10
13
14
16
17
20
21
23
28
29
30
米 国 1
3
7
8
9
10
14
15
16
17
22
23
24
27
28
29
30
欧 州 2
7月
法人企業統計調査(1~3 月期)
新車販売台数(5 月)
消費動向調査(5 月)
10 年利付国債入札
毎月勤労統計(4 月速報)
30 年利付国債入札
景気動向指数(4 月速報)
国際収支(4 月速報)
景気ウォッチャー調査(5 月)
GDP(1~3 月期 2 次速報)
マネーストック(5 月速報)
5 年利付国債入札
機械受注統計(4 月)
企業物価指数(5 月)
第 3 次産業活動指数(4 月)
法人企業景気予測調査(4~6 月期)
設備稼働率(4 月)
日銀金融政策決定会合(15・16 日)
日銀総裁定例記者会見
資金循環統計(1~3 月期速報)
貿易統計(5 月)
全産業活動指数(4 月)
20 年利付国債入札
2 年利付国債入札
商業動態統計(5 月速報)
鉱工業生産(5 月速報)
1
ベージュブック(地区連銀経済報告)
製造業ISM指数(5 月)
貿易収支(4 月)
非製造業ISM指数(5 月)
雇用統計(5 月)
労働生産性(1~3 月期改訂)
米 3 年国債入札
米 10 年国債入札
米 30 年国債入札
連邦財政収支(5 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(6 月速報)
小売売上高(5 月)
FOMC(14・15 日)
PPI(5 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(6 月)
鉱工業生産・設備稼働率(5 月)
経常収支(1~3 月期)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(6 月)
CPI(5 月)
住宅着工・許可件数(5 月)
中古住宅販売件数(5 月)
新築住宅販売件数(5 月)
景気先行指数(5 月)
耐久財受注(5 月)
米 2 年国債入札
企業収益(1~3 月期改訂)
GDP(1~3 月期確定)
S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・4 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(6 月)
米 5 年国債入札
個人所得・消費支出(5 月)
米 7 年国債入札
シカゴPMI指数(6 月)
1
6
ECB政策理事会
16 英中銀金融政策委員会(15・16 日)
8
11
12
13
21
25
29
8
12
13
14
15
19
21
25
26
27
28
29
8月
新車販売台数(6 月)
消費者物価(5 月全国・6 月都区部)
日銀短観(6 月調査)
労働力調査(5 月)
家計調査(5 月)
景気ウォッチャー調査(6 月)
国際収支(5 月速報)
毎月勤労統計(5 月速報)
マネーストック(6 月速報)
第 3 次産業活動指数(5 月)
企業物価指数(6 月)
設備稼働率(5 月)
全産業活動指数(5 月)
貿易統計(6 月)
日銀金融政策決定会合(28・29 日)
日銀総裁定例記者会見
日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)
商業動態統計(6 月速報)
消費者物価(6 月全国・7 月都区部)
鉱工業生産(6 月速報)
労働力調査(6 月)
家計調査(6 月)
1
5
8
製造業ISM指数(6 月)
貿易収支(5 月)
非製造業ISM指数(6 月)
FOMC 議事録(6/14・15)
雇用統計(6 月)
連邦財政収支(6 月)
米 3 年国債入札
ベージュブック(地区連銀経済報告)
米 10 年国債入札
PPI(6 月)
米 30 年国債入札
小売売上高(6 月)
CPI(6 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(7 月速報)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(7 月)
鉱工業生産・設備稼働率(6 月)
住宅着工・許可件数(6 月)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(7 月)
中古住宅販売件数(6 月)
景気先行指数(6 月)
米 2 年国債入札
新築住宅販売件数(6 月)
S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・5 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(7 月)
米 5 年国債入札
FOMC(26・27 日)
耐久財受注(6 月)
米 7 年国債入札
GDP(4~6 月期速報)
雇用コスト指数(4~6 月期)
シカゴPMI指数(7 月)
1
2
3
5
14 英中銀金融政策委員会(13・14 日)
21 ECB政策理事会
9
10
15
18
19
26
30
31
新車販売台数(7 月)
毎月勤労統計(6 月速報)
景気ウォッチャー調査(7 月)
国際収支(6 月速報)
マネーストック(7 月速報)
第 3 次産業活動指数(6 月)
企業物価指数(7 月)
設備稼働率(6 月)
GDP(4~6 月期 1 次速報)
貿易統計(7 月)
全産業活動指数(6 月)
消費者物価(7 月全国・8 月都区部)
商業動態統計(7 月速報)
労働力調査(7 月)
家計調査(7 月)
鉱工業生産(7 月速報)
31
製造業ISM指数(7 月)
個人所得・消費支出(6 月)
非製造業ISM指数(7 月)
貿易収支(6 月)
雇用統計(7 月)
労働生産性(4~6 月期暫定)
連邦財政収支(7 月)
PPI(7 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(8 月速報)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(8 月)
住宅着工・許可件数(7 月)
CPI(7 月)
鉱工業生産・設備稼働率(7 月)
FOMC 議事録(7/26・27)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(8 月)
景気先行指数(7 月)
新築住宅販売件数(7 月)
中古住宅販売件数(7 月)
耐久財受注(7 月)
企業収益(4~6 月期暫定)
GDP(4~6 月期暫定)
個人所得・消費支出(7 月)
S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・6 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(8 月)
シカゴPMI指数(8 月)
4
英中銀金融政策委員会(3・4 日)
9
10
12
15
16
17
18
23
24
25
26
29
30
*印は期日未定を示す〔予定は変更の可能性があります〕
16
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
今週の金融市場の動き
[海外金利]
3/31
ドルLIBOR 3M(%)
ユーロドル金先(Dec16)
4/1
4/4
4/5
4/6
4/7
4/8
前週末比
0.62860
0.62910
0.63010
0.62660
0.63060
0.62880
▲ 0.00030
99.175
99.140
99.155
99.185
99.170
99.200
0.060
米国債(10年、%)
1.769
1.771
1.762
1.720
1.755
1.689
▲ 0.082
スワップ金利(10年、%)
1.639
1.650
1.634
1.591
1.628
1.561
▲ 0.088
独国債(10年、%)
0.153
0.134
0.131
0.098
0.119
0.089
▲ 0.045
英国債(10年、%)
1.415
1.409
1.429
1.375
1.381
1.328
▲ 0.081
[内外株式]
3/31
ダウ平均(㌦)
S&P500指数
NASDAQ総合指数
日経平均(円)
TOPIX(Pt.)
4/1
4/4
4/5
4/6
4/7
4/8
前週末比
17,685.09
17,792.75
17,737.00
17,603.32
17,716.05
17,541.96
▲ 250.79
2,059.74
2,072.78
2,066.13
2,045.17
2,066.66
2,041.91
▲ 30.87
4,869.85
4,914.54
4,891.80
4,843.93
4,920.72
4,848.37
16,758.67
16,164.16
16,123.27
15,732.82
15,715.36
15,749.84
15,821.52
▲ 342.64
▲ 66.18
1,347.20
1,301.40
1,302.71
1,268.37
1,267.75
1,272.64
1,287.69
▲ 13.71
出来高(百万株)
2,225.49
2,579.28
2,068.50
2,233.88
2,147.27
2,112.41
2,504.58
▲ 74.70
売買代金(億円)
23,073.77
26,570.37
20,896.18
22,797.10
21,149.33
20,898.98
25,798.94
▲ 771.43
2,460.06
2,422.73
2,417.75
2,378.45
2,363.77
2,364.80
2,379.73
▲ 43.00
3/31
4/1
4/4
4/5
4/6
4/7
4/8
0.09800
0.09800
0.09800
0.09800
0.09600
0.09600
日経JASDAQ平均(円)
[円金利]
TIBOR 3カ月(%)
0.09800
前週末比
▲ 0.00200
ユーロ円金先(Jun16)
99.930
99.930
99.940
99.935
99.935
99.935
99.940
0.010
新発国債(10年、%)
▲ 0.050
▲ 0.070
▲ 0.085
▲ 0.070
▲ 0.065
▲ 0.060
▲ 0.085
▲ 0.015
長国先物(Jun16)
スワップ金利(5年、%)
151.30
151.48
151.69
151.55
151.49
151.38
151.65
0.170
▲ 0.070
▲ 0.070
▲ 0.079
▲ 0.079
▲ 0.079
▲ 0.083
▲ 0.094
▲ 0.023
3/31
4/1
4/4
4/5
4/6
4/7
4/8
[為替]
前週末比
円/$
112.57
111.69
111.34
110.34
109.79
108.21
108.70
▲ 2.99
$/EUR
1.1380
1.1391
1.1391
1.1384
1.1399
1.1378
1.1366
▲ 0.0025
円/EUR
128.11
127.21
126.81
125.61
125.15
123.12
123.56
▲ 3.65
(注)前週末比は、海外などについては現時点での直近値と前週末値との比較。
東京市場の発行日表示値は終値もしくは 15:00 時点値。
米国 10 年債、米金利スワップ 10 年物は Bloomberg の終値。
日本株出来高・売買代金はそれぞれ東京証券取引所第一部出来高・売買代金。
TIBOR は全銀協発表のユーロ円 TIBOR 平均値。
新発 10 年国債は日本相互証券発表の気配値。
金利先物は東京金融取引所(TFX)のユーロ円 3 ヵ月金利先物。
独・英 10 年国債は Bloomberg の提示する終値。
為替は NY 時間終値(発行日のみ東京時間 15:00 時点、出所:Bloomberg)
。
17
金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)
最新リポート一覧
<みずほインサイト>
2016 年 4 月 5 日 2016 年夏季ボーナスの見通し~実勢としては、3 年連続の増加を見込む
~http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp160405.pdf
2016 年 4 月 5 日 人口減少下の二極化の進展~国勢調査にみる大都市や都心への人口集中
~http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/pl160405.pdf
2016 年 4 月 5 日 インドネシアの対外債務構造~ぜい弱性は残るが危機防止の制度整備は強化
~http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/as160405.pdf
2016 年 4 月 4 日 インドネシア TPP 参加の本気度~意欲的なジョコ大統領も国内の反発を無視できず
~http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/as160404.pdf
<内外経済見通し>
2016 年 3 月 8 日 2015・16・17 年度 内外経済見通し(2015 年 10~12 月期 GDP2 次速報後改訂)
~2016 年1~3 月期も日本経済は踊り場が続く見通し~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_160308.pdf
2016 年 2 月 16 日 2015・16・17 年度 内外経済見通し
~新興国減速に止まらず世界連鎖不況のリスクも~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_160216.pdf
2015 年 7 月 24 日 内外経済の中期見通し~長期展望も視野に、2020 年までの世界経済の行方~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_150724.pdf
執筆担当者
・市場調査部
武内浩二
野口雄裕
井上 淳
有田賢太郎
大塚理恵子
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・欧米調査部
小野 亮
吉田健一郎
松本 惇
風間春香
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・経済調査部
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金融市場ウィークリー(2016 年 4 月 8 日号)