劣化と損傷を考慮した耐震設計と耐久 設計の融合に関する特別研究委員会 設置年度:2014年~2015年 研究の背景と目的 ●耐震設計に於いては材料の経年劣化が,耐久設 計に於いては地震による損傷が,それぞれ十分な形 で考慮されているとは言いがたい. ●各種構造(木造・鉄骨造・コンクリート造)において、 1)構成材料が腐食・腐朽等により劣化した場合の耐力評価と 2)構造部材性能評価としての経年劣化の取扱いについて調 査・整理 → 耐震設計と耐久設計の融合に向けた不連続点の抽出を行 う.今後,構造・材料分野が分野を横断して注力すべき技術・ 研究開発の方向性について議論を深める 2015年活動の状況 ●委員会等の開催状況 ◇ 全体委員会:2回(9/6,2/8),(通算 5回) ◇ 幹事会:2回(6/25,3/16),(通算 4回) ◇ WG:各系毎に数回(随時) → RC系の委員は本委員会と平行して設置されている「軍艦 島コンクリート系建築物の健全度調査小委員会」に所属する ため,必要に応じてWGを行った. 成果概要 ●委員会 両分野の相互理解を深める事を重点に,構造分野からは主 に地震による建物被害に関する情報を,材料分野からは材 料劣化の考え方に関する情報について提供を行い相互理 解を深化させた.これを基盤として今後おこなうべき研究課 題について討論を行った. ●報告書 ・基軸 「地震による損傷と損傷を受けた建物の耐久性」 「経年による劣化と劣化を生じた建物の構造性能」 ●報告書 ・各系での考え方の違いが非常に大きい → 系別(S系,W系,RC系)の構成とした (以下目次例 章のみ記載) ・RC系では,軍艦島調査結果についての報告も 記載している. 長崎県端島(軍艦島)の調査 ※ 軍艦島(長崎県 端島):築50年~100年のRC建築物が 存在しており,全ての建物について柱,梁,壁の劣化度判 定を行った.また一部の建物について全ての部材の撮影 を行った. ◇ 材料分野と構造分野の研究者の共同により,部材の劣 化度判定法を提案(別添資料) ◇ 建物の劣化度は,「鉛直荷重支持能力の残存率」およ び「耐震性能の残存率」の2つ ●課題 ・両分野(材料,構造)共同による研究実施 → 科研等の申請により共同研究を行うことを予定し ていたが十分な話し合いを行うことができなかった. ・両分野にまたがる委員会等の継続 → 現在,長崎県端島の建物調査に関連する委員 会が設置されており,本委員会のコンクリート系委員 の多数が参加している.同委員会内で本件につい て継続的な話し合いが行われることが望まれる.
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