山中湖デザインノート

山中湖デザインノート
山中湖村デザイン戦略会議
主に公共空間デザインのあり方を議論している「山中湖村デザイン戦略会議」では、
村のまちづくりのさらなる展開に役立てるため、
『 山中湖 デザインノート 』の素案を作成しました。
Q. デザインノートとは?
A. 地区ごとの未来予想図です。
Q. どんな内容が載っているの?
A. 公共で予定している整備計画・構想から、村民のみなさんの活動、
そして宝の情報まで、まちづくりに関するあらゆる情報がひとつにまとまっています。
Q. 何のためのものなの?
A. まちづくりの目標がイメージしやすくなります。 また、みなが共通のイメージをもつことで、
様々なまちづくりの
活動どうしの連携が生まれる きっかけになると考えています。
各地区の 空間デザインの考え方(案)
山 中
長 池
旭日丘
平 野
① もともとの
集落のかたち
線状集落
農村集落
入会地
農村集落
1950 年以降の開発等により
集落の骨格が変化
分散
② 現在の集落
各地区で様々な課題が見られる
③ 今後目指す
空間デザインの考え方
「各地区の特徴を際立たせて
湖全体の回遊性を高める」ために
以下の基本方針にもとづいて
各地区の考え方を整理
< 共通する基本方針>
・もとの骨格を活かす
・集落と湖をつなぐ
はしご状の集落構造を明確にし
旧道を軸とした安心して暮らせる集落
自然豊かな湖畔を遊歩道や
まちなかに来訪者の拠点 かつ住民の日常的
湖畔∼まちの回遊性を高める
祭事などで水辺とつながる
オープンスペースでつなぐ
な居場所をつくる(ゆいの中心となる広場)
このデザインノートの内容は、あくまで現時点の案であり、
山中地区 デザインノート
今後の村民のみなさんとの議論やまちづくりの動向によって更新されます
■もともとの集落
■山中地区 デザインノート(案)
鎌倉往還沿いの生業(駄賃稼ぎ等)
空間デザインの考え方(案)
はしご状の集落構造を明確にし
湖畔∼まちの回遊性を高める
■ 明神前交差点 <整備構想>
「まちと湖をつなぐ にぎわいの水辺広場」
・建物と一体となった歩行者デッキを設ける
・通学路や観光客のなどを考慮し、水辺を含めた回遊動線を確保する
・利用者の行動に合わせ、建物内に各施設を配置
整備方針 ・中央のひろばを囲むよう、デッキ・テラス・舞台などを配置
■ 山中たて道 <整備計画・一部整備済み>
「鎌倉往還と湖畔を山中湖村の自然にあった味わいのある
みちでつなぎ、庭のように地域で育てる風景をつくる」
明治 29 年地形図
1. 鎌倉往還と湖畔を味わいのあるみちでつなぐ
■ 山中湖畔駐車場 <整備構想>
2. 山中湖村の自然にあった素材
3. 庭のように、地域でみちの風景を育てる
コンセプト「富士
山中湖ベース」
豊かな自然と雄大にそびえる世界遺産富士の景色を堪能しながら、風を感じて走る。
世界中のサイクリストが一度は訪れてみたいと思う自転車の聖地
鎌倉往還 に向いた家のつくり
(大正∼戦前)
04. たて道から湖へと繋がる緑の連続
02. 交差点へと繋がる並木道のサイクリング
05. 様々な交通機関が集まる、交通の結節点
ロード
湖沿いには畑が作られ、たて道 鎌倉往還に向いた家のつくり
が農道として使われた。
01. 木立に囲まれた公園のような駐車場
03. サイクリストのための溜まりの空間
が残る(昭和20年代)
06. 段階的に駐車場を移設し、富士山の眺望に
ふさわしい湖畔の風景をつくる
(昭和20年代以前)
■現在の状況
湖畔道路 へのドライブイン店舗の進出
湖畔側へ集落範囲が拡大
○湖畔清掃・山中湖おもてなしの会 (村民活動)
■歩行者自転車道 <整備計画・一部整備済み>
・山中湖一周ゴミ拾い ・区会花植え ・ハイキングマップ
・盆祭り ・諏訪神社例大祭竹燈篭 ・富士山サミット参加 ・雪まつり運営
○フットパス・山中まちづくり委員会 (村民活動)
■湖畔駐車場の代替地のイメージ
→ 湖畔の駐車場を 公園に転換
昭和 50 年地形図
■重要な意味をもつ鎌倉往還
■二つのみちをつなぐたて道
○まちづくり活動・ソフト (村民活動)
■整備事業・ハード <構想・計画・整備済み>
○空き保養所の活用・湖雲荘 (村民活動)
たて道
Scale=1/2000
鎌倉往還は今なお祭りの神輿ルートに
なるなど、地区における重要な意味を
持ち続けている。
湖畔道路に面して建てられた建物から
鎌倉往還へたて道が整備されるなど、
二つの道をつなぐ役割をもっている。
このデザインノートの内容は、あくまで現時点の案であり、
長池地区 デザインノート(案)
■もともとの集落
今後の村民のみなさんとの議論やまちづくりの動向によって更新されます
平成27年土地利用図
■現在の状況
明治27年土地利用図
民宿業の発展と集落空間の変化
典型的な農村集落空間
昭和30年代以降の村の観光地化にともない保養所の
発展による集落空間の変化。畑地の山林化、別荘地
の開発。
寛文9(1669)年検地時点で文書状平野村から分村集落
の中心である「なかみち」沿いに居住地が集中居住地
の周りを畑(本畑)、原野(山畑、共有地)が囲む典型的
な農村集落空間
舗装と拡幅が行われた
後の湖畔道路。
(撮影年不明)
▶
どの家にも屋敷地内に畑があった。
(昭和20年代頃)
湖畔でボート貸しを
行う家もあった。
(昭和30年代頃)
■寮経営のための湖畔道路沿いの建物増加と南向きへの改築
観光客に馬を貸して大平山へ登る、
観光地化の結果、長池地区では寮経営が流行。
その結果、1960年代頃から湖畔道路沿いに建物が
増加し、
もともとあった建物も南向きに建て替えられた。
馬貸しをする家もあった。
畑仕事が行われていた頃は広く見渡せた。
昔から湖畔道路沿いに防風林が連なっていた。
茅葺屋根の家が多かった頃の長池集落(撮影年不明)
舗装される前の湖畔道路。
(撮影年不明)
(昭和30年代頃)
■長池地区 デザインノート(案)
空間デザインの考え方(案)
蚕の神様
旧道を軸とした
安心して暮らせる集落。
祭事などでは水辺とつながる。
大平山からの眺望は美しく長池地区の宝にふさわしい。
しかし現在は背の高いスス
キで集落の景色を見る事ができない。
羽田家・天野家
の墓
はかど道
旧水
路
昔の
防災庫
シボ
クサ
道
天野家の墓
ドテシタ三軒
長池コミュニティ
センター
かやぶき
屋根
山の神様
○長池まちづくり委員会 (村民活動)
・郷土料理研究 ・フットパスコース検討 ほか
羽田家の墓
旧水路
道祖神
消防屯所
戦没者
慰霊碑
長池親水公園
至平
道祖神は天野三郎氏の先祖が寄付した敷地内に立つ。
どんど焼き当
日は同士宅に男性があつまって御神木の飾り付けの準備をする。若
い男性は外で御神木の組み立てや飾り付けを行う。
道祖神まつり
(どんど焼き)
野
サイクリングロー
ド
○まちづくり活動・ソフト (村民活動)
■整備事業・ハード <構想・計画・整備済み>
Scale=1/2000
このデザインノートの内容は、あくまで現時点の案であり、
旭日丘地区 デザインノート
今後の村民のみなさんとの議論やまちづくりの動向によって更新されます
■現在の状況
■もともとの集落
入会地から恩賜県有地へ
別荘地開発と地域住民の観光業経営への参画
・現在の旭日丘地区は、近世までは萱や入会地であった
・明治 14(1881)年に官有地に編入、明治 22(1889)年に御料地となった
戦前の山梨県、富士山麓電鉄、富士山麓土地会社(現富士急行)による別荘地開発
・明治 40(1907)年、43(1910 年の大水害を契機に、
戦後、地元農民の観光業への積極的な参加、外来観光資本の進出により多様な観光開発が展開
→平野、長池地区での別荘地開発の活発化
明治 44(1911)年山梨県所在の入会御料地 29.8 万 ha が払い下げられた
大正末期の富士北麓地域観光開発計画図
(出典:山村順次『観光地の形成と機能』1994)
昭和10年代の旭日丘別荘地区(出典:山村順次『観光地の形成と機能』1994)
明治29年地形図
富士山麓開発計画図(出典:富士北麓開発計画策定委員会『富士北麓開発計画』1951)
■旭日丘地区 デザインノート(案)
平成27年地形図
■旭日丘交差点 <基本構想>
湖畔の自然をつなぐやすらぎの散歩道
空間デザインの考え方(案)
自然豊かな湖畔を遊歩道や
オープンスペースでつなぐ
スワンボート乗り場
湖面
・982m
山中地
区
平野地区
・990m
ライン
ノラマ
富士パ
富士パノラマライ
ン
文学の森
Scale=1/3000
このデザインノートの内容は、あくまで現時点の案であり、
平野地区 デザインノート
今後の村民のみなさんとの議論やまちづくりの動向によって更新されます
■もともとの集落
■現在の状況
大正3-9年
平成 2 7年
土地利用図
土地利用図
民宿業の発展と集落空間の変化
典型的な農村集落空間
明治初年から大正にかけて行われた村持地の個人分割によって,均等に割られた土地区画の所在.
→個人分割された土地を有効活用して、生業を営んできた。
→昭和30年代以降、民宿拡大にともない、居住域(民宿兼)が畑地に移転
明治・大正期に村持地の
個人分割が行われた土地
H23住宅地図に加筆
寛文9( 1669)年検地帳によると,屋敷地は小字「古屋」に集中しており,
現在宅地が集中している小字「新井」には7 軒が存在するのみだった.
→その後、元禄16(1703)年,大地震により集落が「新井」に移転.
・元禄16(1703)年以降、寺社を中心に居住域が位置.
・居住域の周りを畑(本畑)と原野(山畑、共有地)が囲む.
■平野地区 デザインノート(案)
○ゆいボード・平野区会 (村民活動)
・区のイベント情報を掲載するゆいボード
空間デザインの考え方(案)
御神木祭・どんどん焼き
まちなかに来訪者の拠点 かつ
住民の日常的な居場所をつくる
(ゆいの中心となる広場)
特徴的な
屋敷林
平野天満宮
道志みち
寿徳禅寺
県
道
山
北
山
中
湖
線
イ
サ
県道山北山中湖線
マ
ク
リ
リ
モ
道祖神
通
■ 平野交差点周辺 <H28 ∼ 30 年度整備予定>
ド
ー
ロ
グ
ン
り
・通り抜けで連結しあう " 結 " の広場
平野交差点
・多様な動線で地域と結びつく " 結 " の広場
- あらゆる活動が集まる地域の中心(古民家の利活用)
- 来訪者を歓送迎する平野の玄関口
- 富士山を望むお祭りの広場
○フットパス・宝つなぎ (村民活動)
旧道祖神
旧 道
平野天満宮
○まちづくり活動・ソフト (村民活動)
寿徳寺
■整備事業・ハード <構想・計画・整備済み>
Scale=1/2000