山国川水系水防災意識社会推進協議会

平成28年3月29日
九 州 地 方 整 備 局
山 国 川 河 川 事 務 所
「山国川水系水防災意識社会推進協議会」を開催しました。
~社会意識の変革による「水防災意識社会」の再構築に向けて~
平成28年3月28日に「山国川水防災意識社会推進協議会」を開催しました。
つきましては、協議会資料を公表致します。
■議事次第
■規約 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(資料-1)
■名簿
■現状の水害リスク情報や取組状況の共有 ・・・・・・・・・・(資料-2)
■「水防災意識社会
再構築ビジョン」の基づく取組について ・(資料-3)
■減災のための目標(案)について ・・・・・・・・・・・・・(資料-4)
【 問い合わせ先 】
国土交通省 九州地方整備局 山国川河川事務所
TEL(0979)24-0571(代表)
技術副所長
篠原
昌秀(しのはらまさひで)
山国川水系水防災意識社会推進協議会(仮称)
日時:平成 28 年 3 月 28 日(月)15:00 ~
場所:中津市役所 4階研修室
議
事
次
第
1.あいさつ
2.議
事
(1)「山国川水系水防災意識社会推進協議会」(仮称)規約案について
(2)現状の水害リスク情報や取組状況の共有
(3)「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づく取組について
(4)減災のための目標(案)及び取組方針について
(5)今後のスケジュールについて
3.その他
資料-1
山国川水系水防災意識社会推進協議会(仮称)規約(案)
(名称)
第1条 この会議は「山国川水系水防災意識社会推進協議会」(以下「協議会」という。)
と称する。
(目的)
第2条 協議会は、平成24年7月の九州北部豪雨災害及び平成27年9月の関東・東北
豪雨災害を踏まえ、河川管理者、県、市町等が連携・協力して、減災のための目標を
共有し、ハード対策とソフト対策を一体的、計画的に推進することにより、山国川流
域において洪水氾濫が発生することを前提とし、社会全体で常に洪水に備える「水防
災意識社会」を再構築することを目的とする。
(協議会の構成)
第3条 協議会は、別表1の職にある者をもって構成する。
2 協議会の運営、進行及び招集は事務局が行う。
3 事務局は、第1項によるもののほか、協議会構成員の同意を得て、必要に応じて別表
1の職にある者以外の者(学識経験者等)の参加を協議会に求めることができる。
(幹事会の構成)
第4条 協議会に幹事会を置く。
2 幹事会は、別表2の職にある者をもって構成する。
3 幹事会の運営、進行及び招集は事務局が行う。
4 幹事会は、協議会の運営に必要な情報交換、調査、分析、減災対策等の各種検討、調
整を行うことを目的とし、結果について協議会へ報告する。
5 事務局は、第2項によるもののほか、幹事会構成員の同意を得て、必要に応じて別表
2の職にある者以外の者(学識経験者等)の参加を幹事会に求めることができる。
(協議会の実施事項)
第5条 協議会は、次の各号に掲げる事項を実施する。
一 洪水の浸水想定等の水害リスク情報を共有するとともに、各構成員がそれぞれ又
は連携して実施している現状の減災に係る取組状況等について共有する。
二 的確な避難に資するための正確で分かりやすい情報受発信と着実な施設整備、住
民や企業が主体的に危険を回避するための水防災啓発・教育・訓練及び、洪水氾濫に
よる被害の軽減や避難時間確保及び地域経済への影響最小化のための水防活動を実現
するために、各構成員がそれぞれ又は連携して取り組む事項をまとめた地域の取組方
針を作成し、共有する。
三 毎年、協議会を開催するなどして、地域の取組方針に基づく対策の実施状況を確認
する。また、本協議会等を中心として、毎年出水期前にトップセミナーや堤防の共同
点検等を実施し、状況の共有を図る。
四 その他、大規模氾濫に関する減災対策に関して必要な事項を実施する。
(会議の公開)
第6条 協議会は、原則として報道機関を通じて公開とする。ただし、審議内容によって
資料-1
は、協議会に諮り、非公開とすることができる。
2 幹事会は原則非公開とし、幹事会の結果を協議会へ報告することにより公開と見なす。
(協議会資料等の公表)
第7条 協議会に提出された資料等については速やかに公表するものとする。ただし、個
人情報等で公表することが適切でない資料等については、協議会の了解を得て公表し
ないものとする。
2 協議会の議事については、事務局が議事概要を作成し、出席した委員の確認を得た後、
公表するものとする。
(事務局)
第8条 協議会の庶務を行うため、事務局を置く。
2 事務局は、山国川河川事務所調査課に置く。
(雑則)
第9条 この規約に定めるもののほか、協議会の議事の手続きその他運営に関し必要な事
項については、協議会で定めるものとする。
(附則)
第10条
本規約は、平成28年 月 日から施行する。
資料-1
別表1
国土交通省九州地方整備局 山国川河川事務所長
気象庁 大分地方気象台長
中津市長
吉富町長
上毛町長
福岡県総務部 防災企画課長
福岡県総務部 消防防災指導課長
福岡県県土整備部 河川課長
大分県生活環境部 防災対策室長
大分県土木建築部 河川課長
資料-1
別表2
国土交通省九州地方整備局 山国川河川事務所副所長
気象庁 大分地方気象台 防災管理官
中津市 総務課長
吉富町 総務課長
上毛町 総務課長
福岡県総務部 防災企画課長補佐
福岡県総務部 消防防災指導課長補佐
福岡県県土整備部 河川課長補佐
福岡県京築県土整備事務所 河川砂防課長
大分県生活環境部 防災対策室主幹
大分県土木建築部 河川課長補佐
大分県中津土木事務所 次長兼企画調整課長
山国川水系水防災意識社会推進協議会(仮称)
組 織
氏
名
国土交通省九州地方整備局
山国川河川事務所長
福山 龍一
気象庁 大分地方気象台長
若林 正夫
中津市長
奥塚 正典
吉富町長
今冨 壽一郎
上毛町長
坪根 秀介
福岡県総務部
防災企画課長
田島 誠
福岡県総務部
消防防災指導課長
鳥枝 浩彰
福岡県県土整備部
河川課長
鴨打 章
大分県生活環境部
防災対策室長
法華津 敏郎
大分県土木建築部
河川課長
平野 芳昭
備 考
※順不同 敬称略
山国川水系水防災意識社会推進協議会(仮称) 「幹事会」
組 織
氏
名
事務担当
国土交通省九州地方整備局
山国川河川事務所 副所長
篠原 昌秀
調査課長(中元)
調査係長(安部)
気象庁 大分地方気象台
防災管理官
日髙 政嗣
水害対策気象官(松本)
中津市 総務課長
大下 洋志
担当(総務係長 鳴、
総務係 近藤)
吉富町 総務課長
守口 英伸
担当(太田)
上毛町 総務課長
川口 彰
担当(秋吉)
福岡県総務部
防災企画課長補佐
浜田 康之
防災企画係長(酒谷)
福岡県総務部
消防防災指導課長補佐
永利 修一
防災指導係長(田中)
福岡県県土整備部
河川課長補佐
姫野 保則
防災事務係長(大坪)
担当(小泉)
福岡県京築県土整備事務所
河川砂防課長課長
谷本 正則
用地課長補佐兼管理係長(辻)
大分県生活環境部
防災対策室主幹
狭間 卓也
担当(橋本)
大分県土木建築部
河川課長補佐
木下 清人
担当(藤本、房﨑)
大分県中津土木事務所
次長兼企画調査課長
中村 哲則
企画調査課主幹(森迫)
企画調査課主査(幸)
※順不同 敬称略
資料-3
「水防災意識社会 再構築ビジョン」
に基づく取組について
水防災意識社会 再構築ビジョン
H27.12.11 記者発表
関東・東北豪雨を踏まえ、新たに「水防災意識社会 再構築ビジョン」として、全ての直轄河川とその沿川市町村
(109水系、730市町村)において、平成32年度目途に水防災意識社会を再構築する取組を行う。
<ソフト対策>
住民が自らリスクを察知し主体的に避難できるよう、よ り 実効性のある「 住 民 目 線 の ソ フ ト 対 策 」 へ 転 換 し
平 成 28年出水期までを目途に重点的に実施。
<ハード対策>
「 洪水を安全に流すためのハード対 策 」 に 加 え 、氾濫が発生した場合にも被害を軽減する
「 危機管理型ハード対策」 を 導 入 し 、 平成32年度を目途に実施。
主な対策
各地域において、河川管理者・都道府県・市町村等からなる協議会等を新たに設置して
減災のための目標を共有し、ハード・ソフト対策を一体的・計画的に推進する。
<危機管理型ハード対策>
○ 越水等が発生した場合でも決壊までの時間を
少しでも引き延ばすよう堤防構造を工夫する
対策の推進
いわゆる粘り強い構造の堤防の整備
<洪水を安全に流すためのハード対策>
○ 優先的に整備が必要な区間において、
堤防のかさ上げや浸透対策などを実施
C町
<被害軽減を図るための堤防構造の工夫(対策例)>
排水門
天端のアスファルト等が、
越水による侵食から堤体を保護
(鳴瀬川水系吉田川、
平成27年9月関東・東北豪雨)
<住民目線のソフト対策>
○ 住民等の行動につながるリスク情
報の周知
・立ち退き避難が必要な家屋倒壊危険区域
等の公表
・住民のとるべき行動を分かりやすく示した
ハザードマップへの改良
・不動産関連事業者への説明会の開催
○ 事前の行動計画作成、訓練の促進
A市
・タイムラインの策定
横断図
D市
対策済みの堤防
○ 避難行動のきっかけとなる情報を
リアルタイムで提供
・水位計やライブカメラの設置
・スマホ等によるプッシュ型の洪水予報等
の提供
B市
氾濫ブロック
家屋倒壊危険区域 ※
※ 河川堤防の決壊に伴う洪水氾濫により、
木造家屋の倒壊のおそれがある区域
1
H27.12.11 記者発表
住民目線のソフト対策
○水害リスクの高い地域を中心に、スマートフォンを活用したプッシュ型の洪水予報の配信など、住民が自らリスク
を察知し主体的に避難できるよう住民目線のソフト対策に重点的に取り組む。
リスク情報の周知
○立ち退き避難が必要な家屋倒
壊危険区域等の公表
⇒平成28年出水期までに水害
リスクの高い約70水系、平成
29年出水期までに全109水
系で公表
事前の
行動計画、 訓練
○ 避難に着目したタイムライ
ンの策定
○ 首長も参加するロールプ
レイング形式の訓練
避難行動のきっかけとなる情報を
リアルタイムで提供
スマホ等で取得
ライブカメラ
自分のいる場所の近傍の情報
ライブカメラ
洪水予報等の情報を
プッシュ型で配信
自分のいる場所
家屋倒壊危険区域
詳細な雨量情報
河川水位
○住民のとるべき行動を分かり
やすく示したハザードマップ
への改良
⇒「水害ハザードマップ検討委員会」
にて意見を聴き、平成27年度内を
目途に水害ハザードマップの手引
きを作成
○不動産関連事業者への説明
会の実施
⇒水害リスクを認識した不動産売
買の普及等による、水害リスクを
踏まえた土地利用の促進
⇒平成28年出水期までに水害リス
クの高い約400市町村平成32年
度までに全730市町村で策定
⇒・平成28年夏頃までに洪水に対しリスクが高い区間において水位
計やライブカメラを設置
・平成28年出水期からスマートフォン等によるプッシュ型の洪水予
報等の配信を順次実施
2
H27.12.24 記者発表
洪水を安全に流すためのハード対策
平成27年9月関東・東北豪雨を踏まえて設定した、堤防整備・河道掘削等の流下能力向上対策、浸透・パイピン
グ対策、侵食・洗掘対策に関し、優先的に対策が必要な区間約1,200kmについて、平成32年度を目途に、今後
概ね5年間で対策を実施する。
パイピング、法すべり
流下能力不足
↓
↓
漏水対策(浸透含む)
堤防整備・河道掘削
侵食・洗掘対策
L=約760km
L=約110km
L=約360km(堤防への浸透対策)
L=約330km(パイピング対策)
・過去の漏水実績箇所等、浸透により堤防
が崩壊するおそれのある箇所
・旧河道跡等、パイピングにより堤防が崩
壊するおそれのある箇所
鳴瀬川支川吉田川(宮城県)
・堤防高が低い等、当面の目標に対して
流下能力が不足している箇所
(上下流バランスを確保しながら実施)
利根川支川鬼怒川(茨城県)
水衝・洗掘
↓
・河床が深掘れしている箇所や水衝部等、
河岸侵食・護岸欠損のおそれがある箇所
阿武隈川支川荒川(福島県)
優先的に対策を実施する区間L=約1,200km
※各対策の延長は重複あり
3
H27.12.24 記者発表
危機管理型ハード対策
氾濫リスクが高いにも関わらず、当面の間、上下流バランス等の観点から堤防整備に至らない区間など約1,800
kmについて、決壊までの時間を少しでも引き延ばすよう、堤防構造を工夫する対策を平成32年度を目途に、今後概
ね5年間で実施する。
堤防天端の保護
堤防天端をアスファルト等で保護し、堤防への雨水の浸透を抑制
するとともに、越水した場合には法肩部の崩壊の進行を遅らせる
ことにより、決壊までの時間を少しでも延ばす
堤防裏法尻の補強
裏法尻をブロック等で補強し、越水した場合には深掘れの
進行を遅らせることにより、決壊までの時間を少しでも延ばす
表土
表土
砂質土
粘性土
砂質土
粘性土
粘性土
粘性土
堤防天端をアスファルト等で保護した堤防では、ある
程度の時間、アスファルト等が残っている。
堤防裏法尻をブロック等で補強
アスファルト等
※ 具体的な工法については検討中
約630km
約1,310km
対策を実施する区間L=約1,800km
※各対策の延長は重複あり
4
資料-4
減災のための目標(案)について
平成24年7月九州北部豪雨災害の主な特徴と課題(山国川)
【特徴】
○上中流域で2週間のうちに2度、観測史上最大規模の洪水が発生
(旧下毛地域及び上毛町原井地区を中心に、約200戸の浸水)
○下流域(中津市街地等)ではほとんど被害が生じていない
【課題】
○避難勧告等の発令が遅れた
→「情報の受発信」に関する課題
○水位の上昇が早く、逃げる時間がなかった
→「情報の受発信」と住民の「水防災意識」に関する課題
○避難所に行くための主要道路が寸断された
→避難に資する「施設整備」に関する課題
○必ずしも十分な水防活動ができなかった
→「水防活動」の的確性に関する課題
※上記課題により、多くの住民の避難遅れが生じた
1
減災のための目標(案)
■5年間で達成すべき目標
山国川の大規模水害に対し、
「避難行動100%」、「地域経済への影響最小化」を目指す。
※大規模水害とは・・想定しうる最大規模の降雨に伴う洪水氾濫による被害
※避難行動100%とは ・・立ち退き避難が必要なエリアの住民は立ち退き避難行動100%
それ以外の浸水想定区域内の住民は、氾濫特性・地形特性等を踏まえた避難行動100%
(垂直避難等も含む)
■上記目標達成に向けた3本柱の取組
山国川床上浸水対策特別緊急事業として、再度災害防止を目的に河川管理者が実施す
る対策に加え、平成24年7月九州北部豪雨災害の課題を踏まえ以下の取り組みを実施。
①的確な避難に資するための、正確で分かりやすい情報受発信と
着実な施設整備の取り組み
②住民や企業が主体的に危険を回避するための、水防災啓発・教
育・訓練の取り組み
③洪水氾濫による被害の軽減や避難時間確保及び地域経済への
影響最小化のための水防活動の取り組み
2
正確で分かりやすい情報の受発信と着実な施設整備①
■的確な避難に資する防災情報収集・伝達ツール、施設の整備・補強
・監視カメラの増設、PCやスマホでの画像配信
監視用カメラの増設
※馬溪橋などの危険箇所など
スマホ画像配信(イメージ)
など
3
正確で分かりやすい情報の受発信と着実な施設整備②
■的確な避難に資する防災情報収集・伝達ツール、施設の整備・補強
・防災無線、防災告知端末、CATV文字放送
など
・耶馬溪地区では「告知端末」各戸に配置。(通常は居間に配置)
・夜間の就寝時や、雨音でアラームが聞こえない事がある
(居間)
●●地区に
避難勧告
・・・・・・・・・
音声告知端末
(写真提供:中能登町)
(改良例)
・端末を寝室に移動
・寝室に外部スピーカーを設置
・携帯に転送する
等々
(寝室)
一部地域の既存ツールの拡大
一部地域で運用中の課題部分
を改良
4
正確で分かりやすい情報の受発信と着実な施設整備③
■的確な避難に資する防災情報収集・伝達ツール、施設の整備・補強
・避難にも活用できる堤防等の整備補強、防災拠点整備
など
(例)防災ステーション
※防災ステーションに接続する堤防の避難経路としての活用
など
5
水防災啓発・教育・訓練①
■マイハザードマップ
■既存の洪水ハザードマップ
中津市で作成・公表している洪水ハザード
マップでは、地区レベルで避難行動等に活
用することは困難
平田、戸原地区付近
マイハザードマップイメージ
市民中心でマップ作成
→これを用いた避難訓練
6
水防災啓発・教育・訓練②
■まるごとまちごとハザードマップ
■学校での防災教育
防災教育の様子(中津市立下郷小学校)
防災教育指導資料
(さつま町)
見せる防災
防災学習の体系化
7
水防活動の取組事例①
■水防活動の効率化及び水防体制の強化に関する事項
・水害リスクの高い箇所の共同点検
など
水防団、住民との共同点検を実施
8
水防活動の取組事例②
■水防活動の効率化及び水防体制の強化に関する事項
・水防活動の担い手となる水防協力団体の募集・指定の促進 など
9