補助事業の名称 大谷石採取場跡地内冷熱エネルギーを活用した事業化

成果報告書要約版
平成26年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金 構想普及支援事業(Ⅰ事業化可能性調査)
補助事業の名称 大谷石採取場跡地内冷熱エネルギーを活用した事業化可能性調査
平成28年2月
3.調査の結果
事業者名:
対象地域:
実施期間:平成27年8月~平成28年2月
事業化の可否の結論:
事業化予定時期:
検討項目
1.事業の背景・目的
①EMSの構成
宇都宮市大谷町は、古くは大谷石の町として栄えてきたが、新建材や海外産材の台
頭による石産業の地盤沈下とともに、近年では、地域全体の高齢化の進展、空き家や
耕作放棄地の増加が進む等、地域全体の衰退が著しい。
一方で、古墳時代から採掘されてきたとも言われる採石の歴史から、地下に広大な
空間を作り出し、この空間に水が貯留し、しかも低温であるという特徴を有している。ま
た、地域を東北自動車道がかすめるように通過し、2021年には、大谷スマートインター
チェンジが供用開始の予定で、地域を変えていく要素を持つ地域である。
そこで、大谷石採取場の跡地に存する冷熱エネルギーを有効活用することで、地産
地消のエネルギーシステムを構築し、従来に比べて省エネルギーを図ること、同時に、
その冷熱を活用して大谷地域に新たな産業を興していくことを目的に本調査を行う。
②EMSの効果
実施方法
冷熱量メータ(温度、流量)で
取得したデータを、Internetを
介して、熱利用管理側へ、送
信、マネジメントシステムを構
成する。
検討結果
大谷地域整備公社が、地区の陥没の早
期警戒のために整備した安全システム
の一部を利用して、EMSを構築するのが
妥当であると判断できた。
利用用途、冷熱の温度に応じ 【各利用者側のメリット】
た利用システムを検討し、年 住宅利用(100m2): 3千円/年
間の利用メリットを推定する。 農業利用(10a) :2,000千円/年
冷蔵倉庫
:30,000千円/年
③再生可能エネル
ギーに関する調査
(任意)
貯留水の冷熱エネルギー以外の
再生可能エネルギーの利用は現時点で検討しない。
地域熱供給事業者
2016年 実施設計
④事業実施体制・事業 (公益財団大谷地域整備公社 (熱量メータ開発、安全設備開発)
事業体制の検討・設立
スキーム・スケジュー 及び大谷地域冷熱利用調査
検討会社等からの出資) によ 2017年 設備設置工事
ル
2.補助事業の概要
る熱供給
大谷地区の地下に拡がる空洞には、5~15℃の水が大量に貯留している。この水は、
空調用に利用することで、非常に効率の良い空調システムを構築することができる。そ
こで、
① 冷熱エネルギーポテンシャル等に関する基礎調査
・貯留水の水温の調査、貯留水量の推定(現地モニタリング等)。
・冷却メカニズムの調査(文献調査、専門家へのヒアリング調査等)
② 冷熱エネルギー需給と管理に関する調査
・現状の地域の冷熱需要量の把握(世帯数、面積、土地利用等)
・自然冷熱、地下空間等を用いた産業利用の事例調査
・冷熱利用を行った場合の利用者側メリットの推定(各種用途による調査)
③ 地下空間の冷熱エネルギーを用いたシステムの全国展開可能性調査
・大谷以外の地下空間が広がる事例調査
⑤事業採算性評価
⑥他地域への展開
2018年 供給開始
地域への冷熱供給を行う事業 投資額:総額170,000千円
について、冷熱エネルギー単 (供給設備、安全対策、管理システム)
価を設定し、当該事業体が事 最終売上:20,000千円/年
業継続できるかについて判定 最初の投資(2017年)から15年後、
設備更新費用を確保できることを確認
を行った。
大谷地区同様に、地下に空間 岐阜県御嵩町(亜炭炭鉱跡地)が、大谷
地区の状況と類似。
が広がる地域を調査。
冷熱利用については、雪氷熱を利用し
て食品貯蔵、空調へ応用している。
正確な冷却メカニズムの把握 詳細な冷却メカニズム把握のため、次
をすることにより、利用の拡大 年度以降、フィールド調査を行うことと
なった。
⑦今後の展望・課題・
を図れる。
対策
4.地産地消型エネルギーシステムの概要
貯留水の利用先と熱管理システム
貯留水の温度の特性を生かした利用フロー
【エネルギーマネジメントシステムの構成】
アイテム
対象需要
EMSシステム
電源・
熱源
需要家数:300
供給エリア面積: 約1,800ha
年間冷熱需要:156,273MWh(562GJ/年)
公益財団の持つ光ファイバによるデータ転送とサーバシステムを組み合わせた熱管理システムを構築
地域の地下に拡がる空洞に貯留する冷水を空調の冷媒あるいは熱原水として活用する。
【空調出力(冷房)】
住宅利用:
4.6kW ×200戸
26.0kW/施設 × 150施設
農業利用:
貯留水の
冷蔵倉庫: 2,000kW/施設 × 5施設
冷熱エネルギー
大規模物流施設: 8,500kW/施設 × 1施設
【電源】
第三者からの供給を想定
蓄電池
その他
導入予定時期
(既設or新設)
設備概要(出力、容量、用途、台数等)
2018~2024
2017
2018~2024