日本工業経済新聞社

作業環境測定事業に本格参入
(伊勢崎健診プラザ環境測定事業)
日々努力し信頼と実績を
小澤 まずは、承継した業務をご迷
惑の掛からないように引き継ぐことが
塗料の剥離作業においても、作業者の
安全確保への配慮が必要と考えていま
先決と考えています。中長期的には、
生物や水質、土壌など環境に関する専
杉山 私自身大学卒業後、自然環境
に関する仕事に携わっていましたが、
共事業のコスト縮減や談合問題の表面
んでしたので。ただ、その一方で、公
の配慮﹂という言葉は浸透していませ
だ公共事業において﹁環境との調和へ
杉山 振り返ると、反対意見の方が
多かったと思います。当時は、まだま
︱環境分野への参入に対し、当時は
反対意見もあったのでは。
ます。当社では、単に測定して報告書
えこの領域を広げていこうと考えてい
す。この業務は非常に重要な分野と考
して﹁作業環境測定﹂が必要になりま
安心して業務に従事できる判断基準と
面が見られます。そのため、労働者が
ど当時の労働者への作業環境軽視の側
や中皮腫など十数年を経て発症するな
小澤 過去の作業環境問題ではアス
ベストの健康被害が有名です。肺ガン
す。
創出に貢献していきたいと思っていま
なかたちでPRし、適切な作業環境の
おります。そのような企業にも、様々
のイメージアップにも繋がると考えて
お客様への安全・安心を確保でき企業
間の差別化を図り、そこで働く方々や
環境測定を実施することによって企業
測定が義務付けられていない一般企
す。
門的な知識を習得、研究したいと感じ
化に伴い、異業種への転換が強く叫ば
杉山 おかげさまで、ここ数年、工
事で発生した土壌などの分析の仕事を
杉山
社長
ていました。2001年に環境省が設
れるようになってきていましたので、
頂くようになりました。また、平成
バイスし、環境改善をサポートしてい
が、2014年、 年は、みどり市内
︱地域貢献についての取り組みは
杉山 今まで大学生や高校生のイン
ターンシップは受け入れていました
た。ただ、年々公共事業において、環
及び優秀技術者表彰を頂いてから水質
らなる充実したサービスを目指すた
杉山 件数は少ないのですが作業環
境測定事業は行ってはいましたが、さ
︱その作業環境測定調査部門の取り
組みは
を担う世代の人たちに体験して頂き、
っています。お話があれば、これから
を体験して頂きました。生徒さんから
対策についても専門的な見地からアド
を作成するだけでなく、きちんとした
きたいと考えています。
︱設立当初は異業種ということもあ
り苦労されたと思います。
境問題が多様化してきているように感
分析の業務も頂けるようになりまし
た。設立から2年後に地元の伊勢崎市
えています。
思います。また、独立行政法人緑資源
す。例えば、有機溶剤を使用している
めの作業環境測定調査に着目していま
杉山 今、弊社は、従来型の環境調
査や分析業務に加え、働く人たちのた
門を承継。4月1日から同社の環境
健康確保のため、事業者に特定の
研究所において本格的に作業環境
作業場について作業環境測定を実
測定事業に乗り出す。有資格者や
施することを義務付けており、対
機材・分析機器も同時に移籍・移
象となる物質は、粉じん・特定化
行し、既存の水質・大気・土壌等
学物質・有機溶剤・鉛・騒音など
の調査分析業務と併せた総合的環
がある。
境サービスで本業の測量・設計業
プロファ設計では、働く人たち
務への波及効果を狙い新規顧客の
の健康を確保するうえで豊富な経
獲得を目指す。
験と卓越した技術をもつ作業環境
日本健康管理協会(伊勢崎健診
測定士とスタッフを移籍・配置す
プラザ)は、2016年3月1日より伊
ることで他社との差別化を図り、
勢崎市中町へ移転・新築リニュー
今後の需要が期待される作業環境
アルオープンし、人間ドックや施
測定分野へ本格的に参入する。
当環境研究所で承継させて頂くことに
なり、働く人たちの健康管理に貢献で
きるよう取り組んで参ります。
御礼の手紙を頂き研究所員の励みにな
環として生徒さんに環境研究所の仕事
の中学校のキャリアドリーム授業の一
杉山 民間のお客様への営業ノウハ
ウやお付き合いなどの知識が無かった
じていますので、日々の研さんを忘れ
環境の仕事について興味を持って頂け
事務所より水質調査において優良業務
ため、環境研究所を知って頂くことと
め、この度、一般財団法人日本健康管
年度に国土交通省利根川ダム統合管理
業、事務所、店舗などにおいても作業
置されたことと法改正において、事業
公共事業依存型の構造には危機感を抱
︱昨年 月に環境研究所設立から
周年を迎えましたが、そもそも本格的
実施の原則として﹁環境との調和への
いていました。
まり、環境研究所を立ち上げたい意向
を当時の社長に伝えました。
信頼して頂くことに大変苦労しまし
ずに信頼と実績を築けていけたらと考
たらと思います。
で、春菊に関する残留農薬の問題が発
生し、地元農家を助けたい思いから採
機構︵現・森林農地整備センター︶と
工場や粉じんなどが舞っている作業場
︱今後はどのような環境問題に着目
しているのですか
公共事業における環境配慮の一環とし
労働安全衛生法では、労働者の
環境調査会社に36年間勤務し、水質や底質の調査業務に従事。
主に湖沼の水質浄化や排水処理に係わる業務を担当。その後、
プロファ設計株式会社へ転職、執行役員環境研究所長として現
在に至る。
算度外視で残留農薬の分析を行いまし
た。このことが評価され徐々に民間か
て、小動物のための脱出用水路の実験
で働く人たちの作業環境を正しく評価
崎健診プラザ)の作業環境測定部
小澤
所長
【主な業務内容】
ら信頼を得られるようになってきたと
と検証を行い、共同で特許出願できた
することを目的とした取り組みです。
ている可能性があります。そのため、
人体に影響を与える化学物質が含まれ
場などで使用されている塗料の中には
公共事業においても、橋梁やポンプ機
性が一致した。
小澤 章 (おざわ あきら)
ガスクロマトグラフ質量分析器
(2台)
/ガスクロマトグラ
フ
(2台)
/原子吸光光度計/水銀分析装置/液体クロマト
グラフ/イオンクロマトグラフ/可視・紫外分光光度計/
ICP質量分析装置/ガンマ線シンチレーションスペクト
ロメータ/その他各種機器・設備
ことも役所から評価された一つである
団法人 日本健康管理協会(伊勢
東京農業大学卒業後、1989年プロファ設計株式会社に入社。
2000年技術士(農業部門)05年環境カウンセラー(市民部門)
を取得し、同年12月プロファ設計㈱環境研究所を設立。06年群
馬県環境GS推進員、伊勢崎市地球温暖化対策地域協議会員を
委嘱、
13年群馬県計量協会環境分科会理事に就任し現在に至る。
【主要機器・設備】
と考えています。
業の収益性を図る事で両者の方向
杉山 崇 (すぎやま たかし)
■ 騒音・振動測定
■ 廃棄物分析
■ 放射能測定
■ その他の分析・委託実験
■ 環境・生態系調査
■ 作業環境測定
■ 水質分析
■ 土壌分析
■ 大気分析
■ 臭気分析
︱今では群馬で有数の計量測定会社
に育ちました。
社・群馬県伊勢崎市)は、一般財
環境改善をサポート
設・巡回健診に業務を集約し、本
PLOFI L E
事業展開していた作業環境測定事業を
理協会伊勢崎健診プラザ環境測定部が
15
25
に環境分野へ参入するきっかけは。
配慮﹂が加えられ、より一層、環境に
10
対する研究がしたいという気持ちが強
12
今後の取組みなどについて話す
主な業務内容及び主要機器・設備
プロファ設計株式会社
環境研究所の取組み
プロファ設計(杉山崇社長、本
杉山社長︵右︶と小澤所長︵左︶
総合的なサービス提供へ
企業の新たな挑戦
土木コンサルタント会社として着実に実績を築き上げて
きたプロファ設計は、新たな事業を模索する中で、環境分
野に参入すべく環境研究所を立ち上げた。それから10年
―。県内でも有数の環境計量会社となったが、次の10年は
どのような事業展開をしていくのか。同社代表取締役の杉
山崇氏と環境研究所所長の小澤章氏に、展望を聞いた。
日本健康管理協会から事業承継
(Ⓒ日本工業経済新聞社/2016年4月1日付 埼玉・群馬・茨城版に掲載)