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喜多方市過疎地域自立促進計画
平成28年3月
福島県喜多方市
喜多方市過疎地域自立促進計画
(平成 28 年度~平成 32 年度)
目
次
1 基本的な事項
(1)喜多方市の概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
ア 自然的、歴史的、社会的、経済的諸条件の概要・・・・・・・・ 3
イ 喜多方市における過疎の状況・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
(2)人口及び産業の推移と動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
ア 人口の推移と動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
イ 産業の推移と動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
(3)行財政の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
ア 行政の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
イ 財政の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
ウ 施設整備の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
(4)地域の自立促進の基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
ア 豊かな心を育むまちづくり
~ひとづくり~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
イ 魅力ある産業が有機的に結びつくまちづくり
~産業づくり~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
ウ みんなの知恵と協働で創るまちづくり
~地域社会づくり~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・14
エ 健康と思いやりで創る安全で安心なまちづくり
~くらしづくり~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
オ 自然と共生する美しく快適なまちづくり
~ふるさとづくり~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・15
カ 効率的で効果的な行財政運営 ・・・・・・・・・・・・・・・15
(5)計画期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
2 産業の振興
(1)産業振興の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
(2)現況と問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
(3)その対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
(4)計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
3 交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進
(1)交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進の方針・・・・23
(2)現況と問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
(3)その対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
(4)計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
1
4 生活環境の整備
(1)生活環境の整備の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
(2)現況と問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
(3)その対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
(4)計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
5 高齢者等の保健及び福祉の向上及び増進
(1)高齢者等の保健及び福祉の向上及び増進の方針・・・・・・・・・36
(2)現況と問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
(3)その対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
(4)計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
6 医療の確保
(1)医療の確保の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40
(2)現況と問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40
(3)その対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
(4)計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
7 教育の振興
(1)教育の振興の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
(2)現況と問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
(3)その対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
(4)計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
8 地域文化の振興等
(1)地域文化の振興等の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
(2)現況と問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
(3)その対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
(4)計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
9 集落の整備
(1)集落の整備の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
(2)現況と問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
(3)その対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50
(4)計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
10 その他地域の自立促進に関し必要な事項
(1)その他地域の自立促進に関し必要な方針・・・・・・・・・・・・52
(2)現況と問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・52
(3)その対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53
(4)計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54
事業計画(平成 28 年度 ~ 32 年度)過疎地域自立促進特別事業分 ・・・55
2
1 基本的な事項
(1)喜多方市の概況
ア 自然的、歴史的、社会的、経済的諸条件の概要
本市は、福島県の北西部、会津盆地の北に位置し、北西に、世界遺産の国内候補に挙げ
られた飯豊連峰の雄大な山並みが連なり、東には名峰磐梯山の頂を望む雄国山麓が裾野を
広げる豊かな自然に恵まれた風光明媚なまちである。
本市の一帯は、会津の北方に位置していたことから、古来、北方(きたかた)と称され、
江戸時代には会津藩の領地となっていた。明治以降、小さな集落を合わせて町や村が形成
された後、昭和 20 年代後半から 30 年代にかけて町村合併促進法により複数の市町村が形
成され、これらのうち、喜多方市、熱塩加納村、塩川町、山都町及び高郷村の5つの市町
村が平成 18 年1月4日に合併し、新しい喜多方市が誕生した。
本市は、北は山形県米沢市、同県西置賜郡飯豊町、同県同郡小国町、東は耶麻郡北塩原
村、西は耶麻郡西会津町、新潟県新発田市、同県東蒲原郡阿賀町、南は会津若松市、河沼
郡会津坂下町、同郡湯川村、耶麻郡磐梯町と接する総面積 554.63k㎡の広大な市域を有し
ており、うち約7割を林野が占めている。市の東部、西部、北部地域を中心に山林が広が
っている一方、市の中心部から南部にかけては平坦な地形で、市街地を囲むように田園地
帯が広がっている。市の南端には、一級河川の阿賀川が流れており、猪苗代湖を源とする
一級河川の日橋川や山林地帯からの支流が集まり、只見川と合流し、山間地帯を蛇行しな
がら新潟県に向かって流れている。
本市の気候は、日本海側気候に属し、また、盆地特有の内陸性気候の特徴を有している。
年平均気温は 11℃前後で、
年間降水量は 1,300mm 程度となっているが、
寒暖の差が大きく、
夏は気温が高く厳しい暑さが続く日もある一方、冬は寒冷で平均1~2m、多いところで
は3m に及ぶ大量の積雪に見舞われるところもある豪雪地帯である。
本市の公共交通機関は、東日本旅客鉄道株式会社(JR 東日本)の郡山駅~新津駅間を結
ぶ磐越西線が市の南部を走っているほか、路線バスが運行されている。
主な道路網としては、東北内陸部と北関東を結ぶ国道 121 号が市を南北に縦断し、新潟
県と本県浜通りを結ぶ国道 459 号が東西に横断しているほか、県道が 21 路線、市道が 2,114
路線あるが、特に山間部においては急峻で屈曲が多い道路となっている。また、会津縦貫
北道路は第4工区が完成し、国直轄権限代行区間の全線が開通となった。
本市の産業は、昭和 40 年頃までは、稲作を中心とした農業が基幹産業となっていたが、
農産物価格の下落などにより従事者が減少し、就業人口は、製造業、サービス業などに移
行してきた。商業においては居住地や商業施設などが郊外に分散し、人口の減少などによ
り、本市各地区の中心区域にある商店街は空洞化が進んでおり、商店街の衰退が危惧され
ている。
一方、本市は、飯豊連峰、雄国山麓、三ノ倉高原など雄大な自然環境に恵まれ、文化財
や蔵などの歴史を感じさせる建造物も多く残されている。加えて、全国的に知名度の高い
ラーメンやそば、多彩な農林産物や地場産品、温泉施設、さらに地域性を活かしたイベン
トなど豊富な観光資源にも恵まれ、年間 170 万人の観光客が訪れている。
また、本市には、良質で豊富な水や米を原料とした酒、味噌醤油などの醸造業、桐材加
工や漆器などの伝統産業も息づいており、一方、農業においては、環境にやさしい生産方
式による高付加価値農産物の生産や、グリーン・ツーリズムによる都市と農村の交流など
の取組みも展開されている。
3
イ 喜多方市における過疎の状況
本市の国勢調査による人口は、平成 22 年においては 52,356 人で、
昭和 35 年の人口 75,175
人と比較すると、50 年で 22,819 人減少している。特に、昭和 35 年から昭和 50 年にかけ
ては、高度経済成長期における若年層を中心とした都市部への人口流出が大きな要因とな
り、14,251 人もの減少となっている。
合併前の旧市町村別に昭和 35 年と平成 22 年の人口を比較すると、旧喜多方市が△20.2%、
旧熱塩加納村が△57.7%、旧塩川町が△22.2%、旧山都町が△56.1%、旧高郷村が△57.0%と
いずれも減少しており、特に山間地域における減少が顕著である。旧塩川町については、
昭和 50 年に 10,009 人まで落ち込んだ後は増加傾向にあったものの、平成9年以降は再び
減少に転じている。
年齢別人口では、昭和 35 年における 15 歳~29 歳までの若年人口は 65 歳以上の高齢者
人口の3倍以上であったが、昭和 60 年にはほぼ同数となり、平成 22 年には高齢者人口が
若年人口を大きく上回り 2.5 倍以上となった。また、0歳~14 歳の人口も、平成 22 年に
は昭和 35 年の約4分1にまで減少し、少子高齢化の進行が数字に現れており、地域社会
に及ぼす影響は大きくなっている。また、空き家の増加や農村集落においては、後継者不
足による農業従事者の高齢化や耕作放棄地の拡大など大きな問題となっている。
※ 旧市町村別人口の推移(国勢調査)
年次
昭和 35 年
昭和 40 年
昭和 45 年
昭和 50 年
昭和 55 年
昭和 60 年
平成 2 年
平成 7 年
平成 12 年
平成 17 年
平成 22 年
喜多方市
75,175
69,571
64,177
60,924
60,456
60,411
59,817
59,554
58,571
56,396
52,356
旧喜多方市
42,338
40,424
38,352
37,471
37,553
37,546
37,288
37,532
37,495
36,410
33,778
(単位:人)
合併前の旧市町村
旧熱塩加納村 旧塩川町
旧山都町
6,959
12,737
8,351
5,956
11,568
7,391
5,155
10,565
6,400
4,501
10,009
5,620
4,358
10,087
5,340
4,369
10,404
5,165
4,130
10,603
4,985
3,871
10,695
4,755
3,633
10,612
4,317
3,256
10,354
4,055
2,945
9,907
3,664
4
旧高郷村
4,790
4,232
3,705
3,323
3,118
2,927
2,811
2,701
2,514
2,321
2,062
過疎集落支援員制度における調査対象集落の世帯・人口数・高齢化率
地
区
旧喜多方
旧喜多方
熱塩加納
熱塩加納
熱塩加納
熱塩加納
熱塩加納
山 都
山 都
山 都
山 都
山 都
山 都
高 郷
高 郷
高 郷
高 郷
高 郷
(※平成 27 年 4 月 1 日現在住民基本台帳による。
)
世帯数
人口
行政区名
65歳以上人口
高齢化率
(戸)
(人)
楚々木
7
18
15
83.3%
赤崎林
21
50
28
56.0%
五枚沢
3
3
3
100.0%
黒岩
5
6
4
66.7%
山岩尾
8
15
9
60.0%
板の沢
9
30
16
53.3%
大平
5
10
7
70.0%
沼ノ平
23
51
29
56.9%
藤巻
6
9
9
100.0%
川吉
9
26
13
50.0%
舟引
26
79
31
39.2%
宮古
29
52
40
76.9%
川入
9
14
11
78.6%
漆窪
15
32
19
59.4%
塩峯
24
73
28
38.4%
三方
12
28
13
46.4%
小土山
21
64
29
45.3%
揚津
43
122
56
45.9%
※塩川町駒形地区も支援対象地区としている。
市町村合併以降は、市全域がみなし過疎の指定を受け、過疎対策に取り組んできた。
これまでの主な過疎対策は、農業の基盤整備、経営近代化施設等の整備や温泉保養施設の整
備など「産業の振興」
、道路や橋梁等の整備、除雪ドーザ等の整備や携帯電話不通話地域解消な
ど「交通通信体系の整備」
、水道施設、下水道処理施設の整備や消防施設の整備など「生活環境
の整備」
、学校教育関連施設や体育施設の整備など「教育の振興」となっている。
また、平成 20 年 11 月からは、喜多方市過疎集落支援員制度に基づき集落支援員5名を委嘱、
対象集落の増加に伴い、現在は8名体制で行政と連携し集落との話し合いにおける助言や支援
活動等を行っている。さらに、平成 27 年9月からは地域おこし協力隊を委嘱し、集落支援や地
域産業の後継者として市内への定住・定着を目指している。
しかし、現在もなお人口の減少は続いており、少子高齢化が進行している状況にあって、就
業機会を確保するための産業の振興、定住を促進するための生活環境の整備、少子高齢化社会
に対応した福祉、医療、教育の充実に努めていかなければならない。
5
(2)人口及び産業の推移と動向
ア 人口の推移と動向
本市の人口は、昭和 30 年頃をピークに、その後は減少が続き、平成2年には 59,817 人、
平成7年には、59,554 人(5年前対比△0.4%)、平成 12 年には 58,571 人(5年前対比△
1.7%)
、平成 17 年には 56,396 人(5年前対比△3.7%)
、平成 22 年には 52,356 人(5年前
対比△7.2%)となっている。
これを年齢層別にみると、15 歳未満は平成2年では 11,260 人(構成比率 18.8%)、平成
7年では 10,387 人(構成比率 17.4%)
、平成 12 年では 9,168 人(構成比率 15.7%)
、平成
17 年では 8,000 人(構成比率 14.2%)
、平成 22 年では 6,560 人(構成比率 12.6%)となる。
また、65 歳以上は平成2年では 11,531 人(構成比率 19.3%)、平成7年では 13,879 人(構
成比率 23.3%)
、平成 12 年では 15,654 人(構成比率 26.7%)
、平成 17 年では 16,600 人(構
成比率 29.4%)、平成 22 年では 16,459 人(構成比率 31.5%)となり、年度の推移とともに
少子高齢化が進んでいる。
さらに、合併後の人口推移状況でみると、平成 18 年 1 月末日には 56,598 人、平成 27
年 3 月末日には 50,389 人であり、6,209 人(11.0%)の減となっているが、地方の創生な
どの対策により抑制されるものと推測する。
イ 産業の推移と動向
本市の就業人口に関して、かつて昭和 40 年頃までは、農業を基幹産業として第1次産業
が高く、第3次産業、第2次産業の順であったが、国内の経済成長と連動して地域の産業
も発展してきたことで、就業形態も大きく変化してきている。
平成2年には建設業・製造業を主とする第2次産業の就業者が最も多く 40.2%、次いで
小売業・飲食店・サービス業を主とする第3次産業が 38.1%、農業を主とする第1次産業
が 21.5%であったが、平成7年には景気の低迷による製造業・建設業の落込みにより就業
者が減少し、また、農業においても高齢化が進み就農者が減少した。一方、第3次産業で
は観光関連産業が伸びてきてサービス業従事者が増加した結果、第3次産業が最も多く
42.6%、第2次産業が 40.2%、第1次産業が 17.0%となった。
平成 17 年には、第3次産業の比率が半数を超えるとともに最も多く 50.6%、第2次産業
が 32.1%、第1次産業が 16.7%となった。
平成 22 年には、医療・福祉の伸びにより第3次産業の比率が増加するとともに最も高く
52.8%、第2次産業が 29.9%、第1次産業が 14.3%となった。
近年の地域経済の動向としては、長引く経済不況の影響の回復は、未だ地方に及んでい
ないことから、建設業、製造業の生産額は減少傾向にある。また、東日本大震災及び原子
力災害の風評被害の影響も受けている。
今後における就業者の動向に関しては、第1次産業については就農者の減少と高齢化が
進むものと推測する。第2次産業、第3次産業に関しては景気動向との関係が大きく、回
復傾向が続けば停滞傾向に歯止めがかかり従業者の流出も抑制されるものと推測する。
6
表1 ‒1(1)人口の推移(国勢調査)
区
分
昭和35年
昭和40年
昭和45年
昭和50年
昭和55年
実数
総
実数 増減率
実数 増減率 実数 増減率 実数 増減率
人
人
%
人
%
人
%
人
%
75,175 69,571
-7.5 64,177
-7.8 60,924
-5.1 60,456
-0.8
数
0歳~14歳
25,444 20,555
-19.2 15,818
-23.0 12,960
-18.1 11,892
-8.2
15歳~64歳
44,750 43,569
-2.6 42,219
-3.1 40,893
-3.1 40,326
-1.3
16,592 14,503
-12.6 13,095
-9.7 12,194
-6.9 11,041
-9.5
12.7
15.2
16.5
うち15歳~
29歳(a)
65歳以上(b)
4,981
5,447
(a)/総数
若年者比率
(b)/総数
高齢者比率
%
22.1
%
6.6
%
20.8
%
7.8
区
分
総 数
0歳~14歳
昭和60年
9.4
-
-
6,140
%
20.4
%
9.6
平成2年
-
-
平成7年
7,071
%
20.0
%
11.6
-
-
平成12年
8,238
%
18.3
%
13.6
-
-
平成17年
実数 増減率 実数 増減率 実数 増減率 実数 増減率 実数 増減率
人
%
人
%
人
%
人
%
人
%
60,411
-0.1 59,817
-1.0 59,544
-0.4 58,571
-1.7 56,396
-3.7
11,826
-0.6 11,260
-4.8 10,387
-7.8 9,168 -11.7 8,000 -12.7
15歳~64歳 39,174
うち15歳~
9,528
29歳(a)
65歳以上(b) 9,411
(a)/総数
%
若年者比率
15.8
(b)/総数
%
高齢者比率
15.6
-2.9 37,026
-13.7
8,501
14.2 11,531
%
-
14.2
%
-
19.3
-5.5 35,288
-10.8
8,335
22.5 13,879
%
-
14.0
%
-
23.3
7
-4.7 33,749
-2.0
8,499
20.4 15,654
%
-
14.5
%
-
26.7
-4.4 31,752
2.0
-5.9
7,807
-8.1
12.8 16,600
%
-
13.8
%
-
29.4
6.0
-
-
区
分
総 数
0歳~14歳
平成22年
実数 増減率
人
%
52,356
-7.2
6,560 -18.0
15歳~64歳 29,232
うち15歳~
6,467
29歳(a)
65歳以上(b) 16,459
(a)/総数
%
若年者比率
12.4
(b)/総数
%
高齢者比率
31.5
-7.9
-17.2
-0.8
-
-
(※平成 17 年の総数と各年代別数との誤差は、年齢不詳者 44 名によるもの。平成 22 年の総数
と各年代別数との誤差は、年齢不詳者 105 名によるもの。)
表1-1(2)人口の推移(住民基本台帳)
平成12年3月31日
平成17年3月31日
区
分
実数
構成比
実数
構成比
増減率
平成22年3月31日
実数
構成比
増減率
総 数
58,963人
- 57,007人
-
-3.3% 53,470人
-
-6.2%
男
28,324人
48.0% 27,285人
47.9%
-3.7% 25,519人
47.7%
-6.5%
女
30,639人
52.0% 29,722人
52.1%
-3.0% 27,951人
52.3%
-6.0%
区
分
総 数
(外国人住民除く)
男
(外国人住民除く)
女
(外国人住民除く)
参
考
平成26年3月31日
実数
構成比
平成27年3月31日
構成比
実数
構成比
増減率
50,958人
-
-4.7% 50,389人
-
-1.1%
24,328人
47.7%
-4.7% 24,054人
47.7%
-1.1%
26,630人
52.3%
-4.7% 26,335人
52.3%
-1.1%
男(外国人住民)
32 人
19.3%
-
34 人
20.0%
6.3%
女(外国人住民)
134 人
80.7%
-
136 人
80.0%
1.5%
8
表1-1(3)産業別人口の動向(国勢調査)
昭和35年
昭和40年
昭和45年
区
分
実数
実数
増減率
実数
増減率
人
人
%
人
%
総 数
35,361 33,657
-4.8 34,195
1.6
第一次産業
%
%
%
-
-
就業人口比率
59.2
52.0
45.7
第二次産業
%
%
%
-
-
就業人口比率
15.3
19.1
24.0
第三次産業就
%
%
%
-
-
業人口比率
25.4
28.9
30.3
区
昭和60年
分
総 数
第一次産業
就業人口比率
第二次産業
就業人口比率
第三次産業
就業人口比率
区
平成2年
平成7年
昭和50年
実数
増減率
人
%
33,040
-3.4
%
-
37.7
%
-
29.2
%
-
32.8
平成12年
昭和55年
実数
増減率
人
%
33,114
0.2
%
-
29.7
%
-
34.7
%
-
35.6
平成17年
実数 増減率 実数 増減率 実数 増減率 実数 増減率 実数 増減率
人
%
人
%
人
%
人
%
人
%
32,494
-1.9 31,630
-2.7 30,674
-3.0 29,458
-4.0 27,803
-5.6
%
%
%
%
%
-
-
-
-
-
25.5
21.5
17.0
16.2
16.7
%
%
%
%
%
-
-
-
-
-
38.1
40.2
40.2
36.9
32.1
%
%
%
%
%
-
-
-
-
-
36.3
38.1
42.6
46.7
50.6
分
総 数
第一次産業
就業人口比率
第二次産業
就業人口比率
第三次産業
就業人口比率
平成22年
実数 増減率
人
%
24,686 -11.2
%
-
14.3
%
-
29.9
%
-
52.8
9
(3)行財政の状況
ア 行政の状況
平成 18 年1月4日の市町村合併以降、旧喜多方市役所を本庁とし、旧町村役場に総合支
所を設置し行政運営を行っている。
合併以降、人口は減少傾向にあり、少子高齢化に歯止めがかからない状況となっている。
このことから、農林商工業の振興、若者が定住できる条件整備、就業機会の創出と企業
誘致、子育て環境の整備、地域医療体制の充実、また、平成 23 年3月 11 日に発生した東
日本大震災及びそれに起因する東京電力福島第一原子力発電所事故の影響への対応など、
政策の具現化を図るため、効率的・効果的な自治体運営が求められている。
引き続き、合併によるスケールメリットを活かした行政運営、広域的視点に立った生活
基盤や公共施設などのインフラ整備、さらにそれぞれの地域の個性、特有の資源(自然環
境、歴史、文化、観光など)を活かしながら振興を図ることにより、更なる発展に向けた
取組を進めているところである。
また、地方の創生についても新たな行政課題として対応していく必要があるところであ
る。
イ 財政の状況
市税などの自主財源に乏しく、歳入の多くを地方交付税や国庫支出金に依存する財政運
営が続いている。
特に、地方交付税の占める割合が平成 12 年度 45.3%、平成 17 年度 39.7%、平成 22 年度
41.1%、平成 25 年度 40.8%で合併後においても地方交付税への依存度が高い状態にある。
財政力指数については、平成 12 年度 0.326、平成 17 年度 0.355、平成 22 年度 0.390、平
成 25 年度 0.368 であり依然として自主財源に乏しく脆弱な財政体質となっている。
経常収支比率は、平成 12 年度 79.6%、平成 17 年度 87.8%、平成 22 年度 82.6%、平成 25
年度 82.2%となっており、投資的経費を抑えた中で行財政運営を進めている状況にある。
また、健全化判断比率のうち実質公債費比率については、平成 17 年度 21.1%と地方債同
意等基準の 18%を超えていたものの、平成 22 年度 17.4%、平成 25 年度 15.0%と基準を下回
り改善傾向にあるが、今後も比率の適正化を維持するため、市債発行等を管理する必要が
ある。
このような財政状況を踏まえ、今後5年間における歳入歳出等の見通しを立てることに
より、財政収支の均衡及び健全化を図り、諸施策を財政面から位置づけするための中期財
政計画を策定し、計画的な財政運営を図ることとしている。
この計画を基本とした簡素で効率的な行政づくり、さらには事務事業評価や費用対効果
分析などを活用しつつ所要経費の精査を図り、事業の見直しなど財政の健全化に向けた行
財政改革を進めるとともに、緊急性、重要性の高い事業への配分を行うなど、徹底した経
費の削減により歳出の抑制に努め、最少の経費で最大の効果を生み出すことを念頭に財政
運営を進めているところである。
ウ 施設整備の状況
(ア) 産業の振興
農業施設関係では、用排水路の農業水利施設を含めた基盤整備、コンバイン等高性能機
械の導入や園芸作物施設化など施設整備を促進し、農産物の生産性及び品質の向上と農家
経営の安定対策を進めている。
商工業関係では、商店街の活性化支援や中心市街地活性化事業、地場産品及び工芸品の
10
販売促進事業を展開しており、資金融資等による既存企業への経営支援や産学官金連携に
よる新事業創出、さらに工場等立地促進条例を改正し、新たな企業の誘致対策事業に取り
組んでいる。
観光関係では、蔵のまち並み環境整備、温泉保養施設の維持・管理・修繕や歴史・文化・
花などの地域資源を活用した観光地づくりを進めている。
(イ) 道路の整備
道路整備に関して、集落間の連絡機能の向上と交通利便性を確保するため、幹線道路の
整備や地域内生活道路の整備、さらに農道、林道について整備を行ってきた。
これまで行ってきた整備によって、平成 25 年度末の市道改良率は 79.4%、舗装率は 74.3%
になった。
(ウ) 生活環境の整備
汚水処理施設に関して、これまで公共下水道事業、特定環境保全公共下水道事業、農業
集落排水事業、小規模集合排水処理施設事業及び合併処理浄化槽整備の促進事業を行って
きた。下水道等への接続率(水洗化率)は平成 25 年度末で 76.3%となった。
水道施設に関しては、上水道と併せ簡易水道の整備を図り、平成 26 年4月に簡易水道を
上水道に統合した。
また、水道普及率は平成 25 年度末で 87.4%となった。
消防施設関係では、消防ポンプ自動車、小型動力ポンプ積載車及び小型動力ポンプの導
入、消防ポンプ庫、防火水槽及び消火栓の整備を行ってきた。
また、生活の利便性など地域格差を軽減する対策として、冬季間における交通確保のた
めの除雪機械導入事業、携帯電話が使用できない地域における携帯電話不通話地域解消事
業を行ってきた。
(エ) 高齢者の保健及び福祉の向上及び増進
温泉を利用した保健福祉施設の充実など、保健・福祉サービスの向上を図るとともに、
高齢者の総合的な相談窓口である地域包括支援センターとの連携により、地域福祉の推進
に努めている。
また、本市の健康づくりの拠点となる保健センターは旧喜多方市と山都町の2か所、複
合型保健センターは熱塩加納町と塩川町の2か所に整備されている。
(オ) 教育文化の振興
小・中学校施設について、校舎、屋内運動場の耐震化工事、屋根塗装工事、プール改修
工事、暖房設備改修工事・空調設備設置工事を行うなど良好な教育環境づくりを図ってき
た。
また、地域社会教育の拠点として公民館や社会教育施設を整備するとともに、生涯スポ
ーツ推進のため、社会体育施設を整備し環境充実に努めてきた。
その他、文化関連諸施設については、文化・芸術など文化全般を良く理解し、郷土を愛
する、心豊かな人づくりとともに、歴史・文化を地域資源として最大限に活かした文化振
興策を推進できる諸機能及び設備・利活用環境の整備に努めてきた。
11
表1-2(1)市町村財政の状況
(単位:千円)
区
分
平成 12 年度
平成 17 年度
平成 22 年度
平成 25 年度
歳 入 総 額 A
一 般 財 源
国 庫 支 出 金
都道府県支出金
地
方
債
うち 過 疎 債
そ
の
他
歳 出 総 額 B
義 務 的 経 費
投 資 的 経 費
うち普通建設事業
そ
の
他
過疎対策事業費
歳入歳出差引額 C(A-B)
翌年度へ繰越すべき財源 D
実質収支 C-D
27,366,263
18,947,677
1,410,336
1,575,371
2,224,800
503,600
3,208,079
26,495,114
11,367,949
5,426,424
5,167,904
8,586,550
1,114,191
871,149
178,251
692,898
24,775,371
16,058,185
1,398,762
1,420,055
1,754,100
173,300
4,144,269
24,001,204
11,072,272
3,228,884
3,022,124
9,164,179
535,869
774,167
80,299
693,868
26,773,708
16,792,007
3,691,736
1,662,433
2,488,417
138,600
2,139,115
25,778,245
11,020,419
3,312,345
3,275,602
11,156,865
288,616
995,463
125,256
870,207
26,985,523
16,712,433
2,318,292
2,013,574
2,481,032
64,500
3,460,192
25,823,183
10,317,838
3,951,543
3,715,422
11,343,871
209,931
1,162,340
129,234
1,033,106
財
公
実
起
経
将
地
0.326
18.6
-
12.2
79.6
-
28,346,555
0.355
14.3
21.1
11.0
87.8
-
26,244,664
0.390
14.7
17.4
8.3
82.6
111.5
24,111,108
0.368
12.3
15.0
82.2
68.3
23,925,650
政
債
質
債
常
来
方
力
費
公
制
収
負
債
指
負
債
限
支
担
現
数
担
費
比
比
比
在
比 率
比 率
率
率
率
高
12
表1-2(2)主要公共施設等の整備状況
区
分
市 町 村 道
改 良 率 (%)
舗 装 率 (%)
耕地1ha当たり農道延長(m)
林野1ha当たり林道延長(m)
水 道 普 及 率 (%)
水 洗 化 率 (%)
人口千人当たり病院、
診療所の病床数
(床)
区
分
市 町 村 道
改 良 率 (%)
舗 装 率 (%)
耕地1ha当たり農道延長(m)
林野1ha当たり林道延長(m)
水 道 普 及 率 (%)
水 洗 化 率 (%)
人口千人当たり病院、
診療所の病床数
(床)
昭和45
年度末
昭和55
年度末
平成2
年度末
平成12
年度末
平成22
年度末
16.6
5.3
-
-
-
-
47.1
40.9
75.4
9.7
53.6
-
64.8
63.4
72.0
7.8
72.7
-
72.4
73.0
64.9
11.3
84.0
50.2
79.1
73.2
30.0
8.8
85.3
73.6
-
16.8
22.7
21.2
12.1
平成25
年度末
79.4
74.3
29.9
8.8
87.4
76.3
10.9
※平成 22 年度末及び 25 年度末の水道普及率は、上水道(喜多方、熱塩加納、塩川)と簡易
水道等(山都、高郷)の合算
13
(4)地域の自立促進の基本方針
ア 豊かな心を育むまちづくり ~ひとづくり~
豊かな心を育むまちづくりに向け、深刻な少子化が進行するなか、子どもを安心して
生み、育てることができる環境の整備が必要であることから、母子保健の充実を図りな
がら、保育所や認定こども園・児童館等の受入れ体制の整備に努めるとともに、未来を
担う子どもたちが、元気よく、すくすくと育つための関係機関の連携と、地域が一体と
なった子育て環境の充実や未婚者に対する支援策の充実を図る。
また、学校教育環境の整備を進め、いじめや虐待への早期対応や不登校への対策など
心の教育の充実や、
生涯学習及びスポーツ活動を促進するため施設の整備充実と学校施
設の開放を進めるとともに、当地域の歴史と風土、先人の遺産である文化財への理解及
び地域における幅広い文化活動の高揚を通し、郷土と文化を愛する豊かな心を育成して
いくため、生涯スポーツの普及や文化活動への支援を積極的に推進する。
イ 魅力ある産業が有機的に結びつくまちづくり ~産業づくり~
魅力ある産業が有機的に結びつくまちづくりに向け、過疎化、高齢化が進行し、地域
経済の低迷が続き産業構造も変化する中、それらに対応する施策を推進し、地域の特色
を活かした産業の振興を図っていく。
農林業の振興については、認定農業者や新規就農者への支援、集落営農の組織化等
に対する支援や農業以外の経営体の参入促進などにより、担い手の育成と確保に努め、
さらに、担い手への農地の集積や耕作放棄地対策等により農地の有効利用を促進する
とともに、農林業生産基盤の整備、農林産物の生産性の向上を図り、農家所得の向上
を目指す。森林資源の有効活用については、民有林における森林経営計画策定面積の
増大を図り、低コストで効率的な森林整備を一体的に推進する。
また、グリーン・ツーリズムの推進による都市と農村との交流事業の展開、団塊の
世代を含めた都市住民の定住化にも対応できる新規就農者への支援の充実に努め、さ
らに有機農業や特別栽培の推進、エコファーマーの育成を図るとともに、地域産品の
ブランド化による販路拡大など地域農業の活性化を図る。
商工業の振興については、
商工会議所及び商工会との連携により地域商店街の活性化
を進める。また、地域資源を生かした地場産品開発や資金融資などによる企業の経営支
援を行う。さらに、企業への産学官金連携等の支援による内発型の工業振興策、工業用
地の整備等による企業誘致型の工業振興策に取り組み、
就労機会の確保と新たな雇用の
場の創出に努める。
全国的な知名度を誇る「喜多方」の名前と、喜多方の豊かな自然や水、四季折々のイ
メージを重ね合わせ喜多方ブランドを確立し、そのブランド力により、市民と農商工が
一体となった地場産業の振興を図る。
観光の振興については、観光施設の整備充実を図るとともに、市町村合併により豊富
になった観光資源、伝統文化、食などの資源を有機的に結びつけるとともに、農村部の
グリーン・ツーリズムと市内の街中散策を結びつけることにより魅力的な観光エリアづ
くりを進め、合わせてJICE(一般社団法人日本国際協力センター)などとの連携を
図り、インバウンドによる交流人口の拡大に努める。
ウ みんなの知恵と協働で創るまちづくり ~地域社会づくり~
みんなの知恵と協働で創るまちづくりに向け、行政、市民、事業者、市民団体等が役
割分担をした中で協力体制を確立し、地域の自立を促しながら市民がまちづくりに積極
的に参加できる環境づくりを推進するほか、
NPOやボランティア団体及び行政区など
の市民が行う地域づくり活動や地域コミュニティ活動への支援に努める。
また、当地域の特色ある自然、歴史、文化財及び文化活動の保全や活用に関する取り
14
組みを進め、魅力ある地域づくりを促進する。
特に、文化財を活かした地域づくり、地域間交流など、場所毎に特色ある文化事業の
開催などにより、市民との更なる連携を推進する。
エ 健康と思いやりで創る安心で安全なまちづくり ~くらしづくり~
健康と思いやりで創る安心で安全なまちづくりに向け、誰もが安心して医療を受けら
れるよう、巡回・訪問診療体制や救急医療体制、高度医療体制等の整備促進に努めると
ともに、関係機関との連携や医師確保のための各種支援事業等の活用を図りながら、地
域医療の充実に努める。
また、市民の健康を守るため、健全な生活習慣の形成に向けた健康づくり施策を推進
し、予防医療体制の整備を図るほか、高齢者や障がい者が安心して暮らせる環境を整備
するため、地域で声をかけあい、支えあうやさしいまちづくりを推進するとともに、生
活支援や相談体制などを充実させ、
地域の高齢者や障がい者を包括的に支援する体制整
備のための保健・医療・介護・福祉施設等の整備充実と健康づくりや生きがいづくりの
支援に努める。
さらに、豪雨や豪雪による自然災害に加え、火災等の各種災害による被害を最小限に
抑えるため、
地域防災計画及び国民保護計画の整備と広域消防や消防団の体制と設備等
の充実を図るとともに、犯罪や交通事故を抑制するため、防犯協会や交通安全協会、関
係団体等の強化と充実に努めるほか、
街路灯の設置や交通安全施設整備事業によるカー
ブミラー、ガードレール等の整備、更に交通安全の推進などのさまざまな活動を展開す
ることにより、市民の安心安全なまちづくりに努める。
オ 自然と共生する美しく快適なまちづくり ~ふるさとづくり~
自然と共生する美しく快適なまちづくりに向け、人と自然、そして街並みに配慮しな
がら人の心に潤いと安らぎを与える街路環境や景観形成支援、そして公園の整備等に努
めるとともに、ごみの散乱防止と適切な廃棄物の処理、屋外広告物の適切な管理指導や
清流の保存活動に努める。
そ族昆虫の駆除や有害鳥獣の捕獲については、市民生活・自然環境への影響を配慮し
ながら進めることにより、快適なまちづくりを推進するほか、自然環境への負荷低減を
図るため、持続的に利用可能な再生可能エネルギーを推進するとともに、事業者、各種
団体等の様々な事業主体との連携により普及拡大と啓発を図る。
また、豪雪地帯である本市の地域の実情に即した除雪体制の整備を図るとともに、水
害のない地域づくりを進めるため、
河川の未改修箇所の整備や河床の浚渫を働きかける
など、整備を促進する。
市民の身近な移動手段となっている公共交通については、地域の実態に即し、維持・
確保を図るほか、すべての市民がICT(情報通信技術)の恩恵を十分に享受できる情
報通信環境整備のため、
高度情報化社会に対応した情報通信基盤の整備とその利活用を
推進する。
さらに、喜多方市景観計画等に基づき、市民との協働によって良好な景観の形成を図
るとともに、「平成の名水百選」に選ばれた「栂峰渓流水」を源流とする安全で安心な
水道の給水区域の拡張や加入促進、さらには公共下水道事業や農業集落排水事業、合併
処理浄化槽設置整備事業などを進め、地域の自然、歴史、文化の保全といった本市の特
色を活かした魅力ある生活環境の整備に努める。
カ 効果的で効率的な「行財政運営」
地方分権の進展や急激な社会経済情勢の変化と、
それに伴う市民ニーズに対応するた
め、行財政改革を基本とした行政運営が必要である。
各種施策の基礎資料となる各種統計調査データの整備を図りつつ、情報の共有化や
15
行政情報の積極的な発信に努め、民間や市民の積極的な参画を促進しながら、行政と
の役割分担を見直し協働体制の構築を図る。
また、行政コストの削減に努める一方、健全な財政運営に配慮しながら各種財政支援
策を積極的かつ効果的に活用し財政基盤の強化を図る。更に、事務事業評価などの行政
評価システムを活用しつつ、所要経費の精査を図り、最少の経費で最大の効果を得られ
るよう計画的、効率的な財政運営を図る。
(5)計画期間
本計画の期間は、
平成 28 年4月1日から平成 33 年3月 31 日までの5か年間とする。
16
2 産業の振興
(1)産業振興の方針
産業の振興を図り、
安定した雇用の場と所得を確保することは地域の自立を図る上で
の最大の課題である。
本市の持つ地域特性、
地域資源を有効に活用しながら各産業の振興を図り就業の場を
創出・拡大し、人口の定住化に努めなければならない。
また、
東日本大震災及びそれに起因する東京電力福島第一原子力発電所事故への対応
として産業支援、
風評を払拭するため安全安心のPRなど情報の発信をする必要がある。
農林業については、農地や森林の適切な保全と活用を図りながら、安定した農林業経
営に結び付く生産基盤の整備に努めるとともに、
経営感覚に優れた農林業者や集落営農
などの育成、企業等の農業参入や新規就農を促進し、農林業の担い手の育成と確保に努
める。
また、担い手等への農地集積や耕作放棄地対策を進め、農地の有効利用を促進する
とともに収益性の高い園芸作物や畜産の振興、生産性の向上や食の安全を重視した環
境にやさしい農業の推進など、競争力のある産地育成と販売力の強化に努め農家所得
の向上を図る。
さらに、地産地消の取組みの拡充、地域内における農商工連携や6次産業化を推進
するとともに、市民農園の整備促進やグリーン・ツーリズムの推進などにより、都市
と農村との交流を促進する。
商工業については、
商工会議所及び商工会等の経済団体や地域住民と協働して地域商
店街の活性化を進め、
農商工や産学官金をはじめとした異業種間の連携の促進等により
地域内の資源を活用した新産業の創出と企業の育成振興に取り組む。同時に、工業用地
の整備等により新たな企業の誘致を進めることで就労機会の確保と新たな雇用の場を
創出する。
観光については、各地区で行われているイベントを有機的に連携させることにより、
イベント開催の相乗効果を高め、更なる誘客を図るとともに、豊富な観光資源のネット
ワーク化を図ることで、スポット観光から滞在・宿泊観光への観光施策を図る。
(2)現況と問題点
ア 農業の振興
本市の農業は、稲作を中心に畜産やアスパラガス、トマト、キュウリ等の園芸作物を
組み合わせた複合経営が普及しつつあるが、近年の農業を取り巻く情勢は厳しく、生産
額と所得は低迷しており、
担い手不足や農業従事者の高齢化などにより農業生産活動が
低下傾向にある。特に、山間部においては耕地が散在しており、ほ場条件も悪い地域が
多く、離農者の増加や耕作放棄地の拡大が問題となっている。
このような状況にあって、農業経営の主力となっている稲作については、米価の低落
や、安全・安心で高品質、良食味、低価格など多様な消費者ニーズに対応するため、エ
コファーマー認証取得や特別栽培、有機栽培の促進など、土づくりと化学肥料・農薬の
使用の低減を一体的に行う「持続性の高い農業生産方式」の導入推進とともに、省力化・
低コスト化のための取組みを促進している。
アスパラガス、トマト、キュウリ等の園芸作物についても、エコファーマーの認証取
得や有機栽培を促進するなどして、消費者ニーズである新鮮で安全・安心な農作物生産
体制の確立に努めるとともに、
生産性の向上を目指した機械化や施設化を促進している
ところである。
土地利用型作物であるソバ、大豆、小麦等については、地元産業と連携を図りながら
地産地消の推進も図っているところであるが、収量・品質の向上が課題となっている。
畜産については、優良素牛や種豚の導入促進、地鶏の生産振興を図っているが、畜産
17
物価格の低迷や飼料高騰などの影響もあり、厳しい経営状況となっている。
さらに、新規就農者に対する支援を行うとともに、新たな農業の展開として、農業へ
の企業等の参入促進、市民農園やグリーン・ツーリズムによる都市農村交流活動を推進
しているところである。
イ 林業の振興
本市の林野は約7割と多くの森林資源を有するが、民有林の人工林率は、約23%と低
く、森林の所有形態は零細となっている。また、林道整備等の取組みを進めているもの
の、急峻な山岳地域が多く、近年の木材価格の低迷や林業従事者の高齢化が進行するな
ど、厳しい林業経営となっているのが現状である。
また、近年は、松くい虫、カシノナガキクイムシなどの森林病害虫による被害だけで
なく熊による皮剥ぎ被害も深刻化しており、
これらの被害対策が喫緊の課題となってい
る一方、間伐材を燃料用チップに破砕し、木質バイオマスとして利用する取組みや、企
業の森林づくり活動、カーボンオフセットなど、都市部を含め社会全体で森林に対する
関心が高まっており、森林の公益的機能のより一層の発揮が求められている。
ウ 地場産業の振興
市域の多くを林野が占める豊かな自然環境を背景に、酒、味噌醤油などの醸造業、漆
器や桐材加工などの伝統産業が古くから栄えてきた。
しかしながら、近年は消費者ニーズの多様化や流通構造の変化によって、出荷量は低
落傾向が続いているが、多くの事業者は小規模企業であり、個々の企業がこれらの構造
的な変化に対応していくのは困難な状況である。
また、
本市では喜多方ブランドである地場産品の情報発信と販路拡大を図るため関係
機関・団体と連携を強化しているところである。今後は、首都圏等で開催される物産展
を通じ、各事業所等が開設しているホームページへ誘導できるよう取り組みを図り、地
場産品のPRや販売支援を図る必要がある。
エ 企業の誘致対策
港湾や高速道路から距離があり、
交通条件に不利な状況にある本市にとって新たな企
業を誘致することは困難な状況にあるため、
従来のオーダーメイド式による誘致ではな
く、企業の経営戦略に対し速やかに対応するために工場用地を整備しておくことが必要
である。同時に、会津地域には工業系高等教育機関がないことから、企業が求める人材
に対応できるよう人材育成に取り組む必要がある。
オ 起業の促進(新たな産業の創出)
近隣の大学(山形大学、福島大学、会津大学)への職員派遣等を通じ大学と企業との
連携窓口として共同研究の企画等を行うなど大学と企業のコーディネートや、新産業及
び新事業の創出に取り組んでいる。また、国の認定を受けた喜多方市創業支援計画に基
づき、
創業希望者に対する支援や新規創業者の資金調達に対応するため融資制度を整備
し、創業を支援している。しかしながら、いずれも支援体制が十分とは言えず、更なる
体制整備が必要である。
18
カ 商工業の振興
商業については、モータリゼーションの進展や消費者ニーズの多様化等により、既存
商店の疲弊や各地区における中心商店街の空洞化現象が顕著となり、
まちの顔としての
賑わいが失われ、地域経済の活力低下をもたらしており、その活性化対策が課題となっ
ている。
工業については、本市に立地する企業の多くは経済及び事業基盤が脆弱な中小企業
であり、産業の集積も他地域と比べ少ない状況にあるため、工業基盤の整備と強化が
必要である。特に、工場用地が整備されていないことによって、企業の誘致活動に際
して迅速な対応ができないなどの課題がある。このようなことから、人口減少に対応
した若者の雇用確保のための企業誘致や地元企業の育成と工業振興が重要な課題とな
っている。
キ 観光の振興
合併により観光エリアが一挙に拡大し、市内の観光資源等が豊富となった一方、現時
点においてそれら観光資源はそれぞれ「点」として活用されているため、
「点」から「線」
へ、
「線」から「面」へと観光事業を展開し、市全域での観光誘客を図るための地域横
断的な観光連携事業の推進が課題となっている。
また、これまでも実施してきた会津地域全体での観光振興の取組みと併せ、より広域
的な事業展開を図るため、山形県(置賜地方・米沢市)との具体的な人や物の交流に関
する事業の推進も課題となっている。
(3)その対策
ア 農業の振興
農業の生産性向上を図るため、ほ場整備及び用排水施設の整備や長寿命化の取り組み
など生産基盤の整備を進めるとともに、
農業用機械及び施設の整備促進など経営の近代
化を推進する。また、担い手や認定農業者の育成と集落営農組織化の取組みを推進する
とともに、地域の特性を生かした農業を推進するため、女性農業者や新規就農者の育成
に努める。
消費者ニーズに対応しつつ農家所得の向上を図るため、園芸作物や土地利用型作物の
振興、地域の特性を活かした農産物のブランド化、有機栽培や特別栽培など環境にやさ
しい農業を推進するとともに、
直売所による販売促進や学校給食への導入など地産地消
を推進し、
さらに地元産農産物を使用した加工品開発など農商工連携や6次産業化を積
極的に推進する。
畜産においては、耕畜連携等による自給飼料の生産拡大や肥育素牛・優良雌牛の導入
など、経営の安定化を図る取組みを推進する。
農業と食への関心を高めるとともに、都市住民との交流や豊かな自然との触れ合いを
深めるため、農泊や農業体験などグリーン・ツーリズムを積極的に推進し、さらに滞在
型市民農園の整備を促進するなど、定住や二地域居住、新規就農の誘導を図る。
農業・農村の維持発展、農地の多面的機能の保全等を図るため、多面的機能支払制度
や中山間地域等直接支払制度を活用するとともに、
農村文化を維持する取組みを支援す
るほか、経営所得安定対策への積極的な加入を促進し、同制度を推進するにあたっての
体制整備を図る。
さらに、国土の開発及び保全、並びにその利用の高度化に資するとともに、地籍の明
確化を図るための国土調査を進める。
イ 林業の振興
水源かん養、国土保全や二酸化炭素の吸収など、森林のもつ多面的機能を適切に発揮
19
させるため、補助事業を活用しながら、森林病害虫防除事業や獣害対策の推進、利用間
伐の推進、シイタケ原木等として活用するための広葉樹林における森林施業の確立、カ
ーボンオフセットを活用した森林整備等、森林資源の有効活用を促進し、林業経営の安
定化を図る一方で、
林業経営の基盤である林道や間伐材搬出のための作業道の整備を推
進する。
また、森林組合等林業の担い手や技術者の育成に努めるとともに、森林を活用したグ
リーン・ツーリズムを推進する。
ウ 地場産業の振興
全国的な知名度を誇る「喜多方」の名前と、喜多方の豊かな自然や水、四季折々の風
土のイメージを重ね合わせ喜多方ブランドを確立し、そのブランド力により、市民と農
工商が一体となって地場産業の振興を図る。また、地場産業と大学等の研究機関や異業
種企業との連携を促進し、地場産品の商品力の強化に努める。
また、喜多方ブランドである地場産品の情報発信と販路拡大を図るため、関係機関・
団体と連携をさらに強化する必要がある。今後は、
首都圏等で開催される物産展を通じ、
各事業所等が開設しているホームページ等へ誘導できるよう取り組みを図り、地域経済
の活性化に繋がるよう地場産品のPRや販売支援を図っていく。
エ 企業の誘致対策
進出企業の受け皿となる工業用地の整備を進める。
また、
域内高等学校や公共職業能力開発施設の高度化についての働きかけ及び企業の
研修に対する助成を行うなど、地元企業や進出企業が必要とする人材の育成に努める。
オ 起業の促進(新たな産業の創出)
大学と企業のコーディネートによる新産業、新事業創出を今後も進めるとともに、新
規創業者の資金調達や経営相談に対応できるよう更なる体制整備を進める。
カ 商工業の振興
地域の資源を生かした商工業の振興策として、各地区における中心商店街活性化のた
めの商店街活性化支援に努め、関係機関や団体等との連携を図りながら、市内企業の経
営振興のための商品開発や知的財産権の活用促進を図る。企業への資金融資、利子補給
や人材育成等の経営支援及び異業種間の連携による新産業、
新事業を促進させる。
更に、
雇用確保のための企業誘致、工業振興のための工業用地の整備推進を図る。
キ 観光の振興
中心市街地と周辺観光資源を活用した観光施策について連携強化を図り、
中心市街地
での観光施策の充実と周辺における観光客の受入体制や施設整備、情報発信などの基礎
整備を進め、
中心市街地から周辺へと観光客を誘導するシステムを構築し市内巡回観光
を促進するとともに、点から面への観光へ展開するため、共同の情報発信、共同の事業
として「きたかた喜楽里博」などの開催により地域内連携を推進し、極上の会津など会
津全域での施策展開と併せて、会津・置賜広域観光事業の推進など県境を越えた広域エ
リアでの観光施策を推進する。
また、中・長期滞在が可能な宿泊施設の整備や新規観光スポットの創設、中山森林公
園一帯等を利用した森林セラピーの活用を図るなど、滞在型観光への取組みを進めると
ともに、太極拳、グリーン・ツーリズム、ボート、ウォーキング等と融合した特色ある
観光施策を展開する。
20
(4)計
画
自立促進
施策区分
1 産業の振興
事 業 名
(施設名)
(1) 基盤整備
「 農 業 」
事業内容
国営かんがい排水事業
国
駒形第二地区県営経営体育成基盤整備事業
県
駒形第三地区県営経営体育成基盤整備事業
県
千咲原地区農業水利施設合理化事業負担金
県
水利施設整備事業(基幹水利施設保全型)
県
農村地域防災減災事業(ため池整備事業)
県
農山漁村地域整備交付金事業
県
基幹水利施設管理事業
市
国営造成施設管理体制整備促進事業
(支援・推進事業)
「 林 業 」
(8) 観光又は
レクリエーシ
ョン
(9) 過疎地域
自立促進特別
事業
事業主体
土地
改良区
森林整備事業(間伐等)
市
温泉保養施設修繕事業
市
圧雪車整備事業
市
ひめさゆり群生地整備事業
市
飯豊とそばの里センター整備事業
市
研究開発支援事業
・新製品・新技術の研究開発及び市場調査を支援し、
企業の競争力強化と市内経済の振興を図る。
市
受注拡大・販路開拓支援事業
・受注拡大・販路開拓を目的として戦略的に行う受
注拡大等の取り組みを支援し、企業の競争力強化と
市内経済の振興を図る。
市
21
備考
森林病害虫防除事業
・松くい虫・カシノナガキクイムシを駆除し、森林
の保全、林業の振興を図る。
市
多面的機能支払交付金
・集落等を単位とする活動組織に交付金を交付し、
農地、農業用水、農道等の農業施設及び農村環境の
保全活動を支援する。
農家等
による
活動組
織
中山間地域等直接支払交付金
・中山間地域における農地の保全に関する協定を締
結した集落に交付金を交付し、生産条件の不利な中
山間地域における農地の多面的機能を維持する。
対象
地区
国土調査事業(山都地区、高郷地区)
・地籍の明確化を図る調査を実施し、国土の開発・
保全とその利用の高度化に資する。
市
22
3 交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進
(1)交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進の方針
余暇時間の増大や交通利便性の向上などにより、住民の行動領域は広域化し、行政運
営においてもその住民ニーズに対応した広域的な連携による交通通信体系の整備、情報
化及び地域間交流の促進は重要性を増してきている。
過疎地域の自立促進を図るため、交通ネットワークの整備、自然環境に配慮した景観
づくり、農林業における作業の効率化や安全性の確保、さらに農林業経営の安定と向上
を図るための農道及び林道の整備、更には国内及び海外との地域間交流の促進は、地域
経済・生活環境を大きく左右する要素であることから、引き続き促進を図って行くこと
が必要である。
また、住民が安心して日常生活を送るため、地域のバス・鉄道などの必要な生活交通
の維持・確保を図るほか、安全な道路交通環境の整備や災害発生時等の情報伝達手段確
保のため相互通信施設、
市内全域のⅤ-Lowマルチメディア放送での代替を含めた防
災行政無線等の整備や情報伝達手段の多様化に努めるとともに、
情報化推進のための環
境整備とデジタルディバイドの解消に努める。
(2)現況と問題点
ア 交通
(ア) 国県道の整備
縦軸である国道 121 号は、東北内陸部と北関東を結ぶ道路であり、産業・経済・交流
人口の増加・文化の発展に果たす役割は極めて大きく、会津縦貫道及び磐越自動車道の
高速交通網と連携した広域観光ルートとしての期待が高まっている。
会津縦貫北道路は、平成 27 年9月に第4工区が完成し、国直轄権限代行区間の全線
が開通となった。今後は、4-2 工区及び会津縦貫南道路の早期開通により、会津縦貫
道としての全線開通が待たれるところである。
横軸である国道 459 号は、新潟県と本県浜通りを結ぶ道路であるとともに、地域間を
結ぶ重要な路線となっており、現在は山間部である藤沢・見頃間及び山都・西会津間で
改良工事が施工されている。
県道は、主要地方道6路線、一般県道 15 路線の計 21 路線であり、山間部を通る路
線が多いが、それらの路線は幅員が狭小のうえに屈曲が多く、かつ急峻で危険な箇所
があるため、早急に改良する必要がある。特に、東西を結ぶ路線について早急な整備
が望まれている。
また、市街地を通る国県道は、幹線ルートであるため交通量が多く、加えて通勤通学
路として利用されていることから、歩道等の整備が求められている。
(イ) 市道の整備
市道は、2,114 路線、総延長 1,066kmであり、緊急車両の通行不可能箇所の解消や、
通学路の安全確保のための道路整備が必要である。
今後は、会津縦貫北道路喜多方 IC へアクセスする東西道路の整備が課題である。
(ウ) 農道の整備
農道は、
504 路線、
総延長 243.7km のうち舗装整備されている延長は 53.9 km であり、
土地基盤整備とともに農道整備を実施してきたが、農作業の効率化、安全の確保を図る
ため、今後も整備を促進する必要がある。
23
(エ) 林道の整備
林道は、66 路線、延長 212.3km のうち舗装整備されている延長が 90.2km であり、森
林資源の活用により林業経営の安定と向上のため林道整備を実施してきたが、森林資源
の有効活用をさらに進めていくため、今後も整備を促進する必要がある。
(オ) 都市計画道路の整備
都市計画道路は、良好な市街地の形成と安全で快適なまちづくりを目指して、27 路
線、60,130mの計画を決定し、計画的に整備を進めてきた。近年では、地区住民を中心
としたまちづくりや良好な景観形成の活動が行われていることから、
まちづくりや景観
にも配慮した道路づくりが求められている。
(カ) 交通確保の対策
本市の鉄道路線は、郡山駅~新津駅間を結ぶ東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)
の磐越西線が市の南部を走り、1日上り 17 本、下り 12 本が運行されている。
市域には、塩川駅、姥堂駅、会津豊川駅、喜多方駅、山都駅、荻野駅があるが、利用
者の利便性と地域振興のため、無人化駅対策として塩川駅、山都駅、荻野駅について、
市が乗車券の受託発売を行っている。
また、バス路線については、5路線が運行されており、そのうち1路線が市の委託バ
スとして県の補助を受けながら、地域の重要な交通手段として運行を維持している。
さらに、予約型乗合交通を市全域で運行することにより、市民の交通手段を確保して
いる。
モータリゼーションの進展に伴い、鉄道、バス路線ともに利用者数は減少傾向にある
が、高齢化の進展に伴い、地域社会における公共交通の果たす役割は、今後はより一層
重要なものとなるため、地域の実態に即した公共交通の確保が課題となっている。
イ 情報通信基盤の整備
すべての市民がICTの恩恵を享受できるよう、
各種情報通信基盤の整備が必要であ
る。
本市の防災行政無線設備等については、喜多方及び塩川が未整備であることに加え、
熱塩加納、山都、高郷の既存設備も老朽化が進んでいる。さらに近年では、より確実に
情報を伝えるため、情報伝達手段の多様化が求められており、Ⅴ-Lowマルチメディ
ア放送での代替を含め、市全域での段階的整備が必要である。
また、市内山間部の一部は移動通信サービスの受けられない携帯電話不通話区域で
あり、相互通話するための施設が整備されていないことから、災害時の連絡手段を確
保する必要がある。
ウ 地域間交流
道路交通網の整備や国際化の進展により、
国内及び海外との交流活動が活発化してい
る。
本市のさまざまな魅力を発信し、
交流を進めることにより地域の魅力をさらに高めて
いくことが求められており、地域の資源を認識し、それらを有機的に結びつけていくこ
とが必要となっており、自治体中心の地域間交流に加えて、個人や民間団体による自主
的な交流の推進が求められている。
国道121号大峠道路の整備を契機とした山形県米沢市との交流活動、磐越自動車道
沿線市町村との交流活動のほか、千葉県香取市、東京都東大和市との地域間交流や東京
都中野区との間において人的交流・経済交流・環境交流をテーマに「なかの里・まち」
連携を行っている。
本市の豊かな自然や文化・歴史などの地域資源を活かしながら、都市間交流の促進、
24
地域連携による地域活性化が求められる。
(3)その対策
ア 交通
(ア) 国県道の整備
国道 459 号改良工事の早期完成、
国県道未改良区間の早期改良に向けた一層の整備促
進と併せ、国県道の改良についても関係機関に求めていく。
さらに、
少子高齢化社会を迎え、
安全対策に対する住民要望が高まっていることから、
市街地の幹線道路となっている県道の歩道新設・改良を求めていく。
(イ) 市道の整備
会津縦貫北道路喜多方 IC にアクセスする東西道路整備の検討とともに、少子高齢化
社会に対応した安全対策を踏まえ、市道の整備を進めていく。
(ウ) 農道の整備
農道は、農業の振興上重要な役割を果たしており、基幹農道については、農業の振興
のみならず、生活道路としての役割も果たしていることから、関係市町村と連携を図り
ながら、改良舗装の計画的な整備を推進する。
(エ) 林道の整備
林道は、林業の合理的経営にとって欠かせない基盤施設であり、また林産物の搬出の
みならず、防災においても大きな役割を果たすものであることから、新設や改良舗装等
の計画的な整備を推進する。
(オ) 都市計画道路の整備
良好な市街地の形成や周辺部との連絡機能を向上させるため、
計画的な都市計画道路
の整備を推進する。なお、整備の際は周辺部のまちづくりや景観に配慮して行うものと
し、必要に応じて歩行者等に配慮した道路網の整備も行うこととする。
(カ) 交通確保の対策
鉄道については、利便性向上を図るため、通勤、通学、通院等の利用者に配慮したダ
イヤの編成をはじめ、輸送力の充実強化及び駅構内のバリアフリー化など施設の改善に
ついて関係機関に働きかけを積極的に行う。
バスについては、利用しやすく持続可能な交通システムの構築を目指し、運行サービ
スの見直しや乗り継ぎの改善、各種利用促進策に取り組む。
イ 情報通信基盤の整備
携帯電話基地局整備により、不通話地域を解消する。
また、
Ⅴ-Lowマルチメディア放送での代替を含む防災行政無線設備等については、
未整備地区を解消するとともに多様な情報伝達手段を確保し、災害時の正確かつ確実な
情報の伝達を行い、安全で安心できる市民生活の確保に努める。
ウ 地域間交流
他地域との交流を通して、協力関係、連携関係を築くとともに地域活性化に努める。
また、市民や民間団体などの交流活動を活発にするため、積極的な情報の提供など
支援に努めるとともに地域間交流活動について市民などへの周知を行うこととする。
25
(4)計
画
自立促進
施策区分
2 交通通信体
系の整備、情報
化及び地域間
交流の促進
事 業 名
(施設名)
(1) 市町村道
「 道 路 」
事業内容
事業主体
赤崎・上三宮線改良事業
L=1,085m、W=6.0(12.5)m
市
一ノ堰・大沢線(布流)改良事業
歩道設置 L=230m
市
川前・芦平東線改良事業
L=440m、W=7.0m
市
田原・熊倉線改良事業(駒形工区)
歩道設置事業(ほ場整備関連)
市
川入・飯豊山線改良事業
L=1,600m、W=4.0m
市
一郷・惣座松線改良事業
L=140m、W=5.0m
市
下三方・塔ノ窪線改良事業
L=1,000m、W=5.0m
市
山崎北線改良事業
L=60m、W=6.0m
市
鷲田・山田線改良事業
L=1,500m、W=6.0m
市
一ノ堰・大沢線(下高額)改良事業
歩道設置 L=1,100m
市
太用寺橋周辺道路改良事業
L=420m、W=6.0m
市
吹荻集会所線改良事業
L=35m、W=4.0m
市
赤岩・立岩線改良事業
L=300m、W=5.0m
市
東四ッ谷・下台線改良事業
L=160m、W=6.0m
市
三中東線改良事業
L=480m、W=5.0m
市
(仮)宮中・上ノ山線改良事業
L=480m、W=5.0m
市
下三宮・譲屋橋舗装事業
L=1,130m、W=4.0m
市
辻・芦平北線舗装事業
L=1,280m、W=4.0m
市
貝沼・浄化センター線舗装事業
L=897m、W=5.0m
市
26
備考
上中村・高畑線外舗装事業
L=360m、W=4.0m
市
西中明東線改良事業
L=30m、W=4.0m
市
獅子沢環状線舗装事業
L=300m、W=4.0m
市
三橋・江添 5 号線舗装事業
L=102m、W=4.0m
市
高畑・八方堤線(吉志田)舗装事業
L=960m、W=4.0m
市
下台 2 号線舗装事業
L=280m、W=4.0m
市
上勝南 2 号線舗装事業
L=270m、W=4.0m
市
小松・石堂線舗装事業
L=300m、W=4.0m
市
松野西線舗装事業
L=150m、W=4.0m
市
宮中 2 号線舗装事業
L=140m、W=4.0m
市
田原中央北線舗装事業
L=180m、W=5.0m
市
熊倉上 3 号線舗装事業
L=300m、W=4.0m
市
寺前・宮中線舗装事業
L=330m、W=4.0m
市
一ノ木・本村線舗装事業
L=250m、W=5.0m
市
舘南線舗装事業
L=400m、W=4.0m
市
舘・道地東線舗装事業
L=620m、W=4.0m
市
大沢村東線舗装事業
L=480m、W=6.0m
市
上田・大沢線(中田付)舗装事業
L=625m、W=4.0m
市
(仮)隠れ里中線改良事業
L=150m、W=4.0m
市
熊倉上 1 号線舗装事業
L=885m、W=4.0m
市
27
「橋りょう」
「その他」
(仮)二貫分・大坪線改良事業
L=380m、W=5.0m
市
綾金 11 号線舗装事業
L=1,150m、W=10.0m
市
柴城北線舗装事業
L=157m、W=4.0m
市
喜多方・塩川線道路整備事業
L=1,300m、W=6.0(10.0)m
市
道路ストック総点検・修繕事業
市
石田坂・藤沢線(大沢口橋)橋梁整備事業
L=48m、W=3.0m→5.0m
市
鷲田・山田線(半在家橋)橋梁整備事業
L=88.53m、W=4.0m→6.0m
市
橋梁長寿命化事業
市
交通安全施設整備事業(カーブミラー、ガードレー
ル、道路区画線等整備)
市
雪寒施設整備事業
(押切東線さく井工事)
市
雪寒施設整備事業
(上三宮・吉志田線散水配管工)
市
雪寒施設整備事業
(駅中道線散水配管工)
市
雪寒施設整備事業
(元西会津線散水配管工)
市
(2) 農
道
農業用施設維持管理事業等補助金
(農道・水路等)
農業施設
管理者
(3) 林
道
林道雄国・楚々木線法面改良事業
L=210m
市
山のみち地域づくり交付金事業
(北塩原・磐梯線)
県
国有林貸付地境界調査事業
市
旧緑資源幹線林道整備事業受益者賦課金補助金
28
受益者
組合
(6) 電気通信
施設等情報化
のための施設
「通信用鉄塔
施設」
携帯電話不通話地域解消事業
市
V-Low災害情報連携システム構築事業
市
(7) 自動車等
「自動車」
除雪機械整備事業
市
(11) 過疎地域
自立促進特別
事業
公共交通対策事業(負担金)
・デマンドバスの運行
(基金に積み立て、法失効後も事業を実施する。
)
(12)その他
坂井・四ツ谷線街路事業
(御清水工区)
市
御清水沿道整備街路事業
市
熱塩喜多方線街路事業
県
塩川駅東西自由通路整備事業
市
小田付地区街なみ環境整備事業(南町工区)
市
「その他の情
報化のための
施設」
29
公共交通
会議・市
4 生活環境の整備
(1)生活環境の整備の方針
これまでの総合的な過疎対策の結果、
過疎地域における生活環境の整備は着実に進ん
できているが、水道や下水処理施設については、都市部と比較すると依然として遅れて
おり、過疎化の要因の一つになっていると考えられる。
このため、生活の基盤である上下水道等の生活環境基盤については、水道の安定した
給水量の確保によって安全・安心な市民生活とともに、公共用水域の水質保全や健全な
水環境の創出等を図るため、公共下水道事業、特定環境保全公共下水道事業、農業集落
排水事業、
小規模集合排水処理施設事業及び合併処理浄化槽設置整備の促進事業などの
汚水処理事業を推進することで快適な生活環境の整備を促進していくほか、
ごみの分別
徹底とリサイクル品目の増加に努め、限りある資源の有効活用と循環型社会の形成に寄
与できる環境整備や、災害に強いまちづくりを目指し、広域的な消防防災体制及び救急
搬送体制の充実強化、さらには老朽化した斎場(火葬場)の整備を図っていくことが必
要である。
また、季節に応じて美しく変化する山並みや河川などの自然景観を守り、本市の原風
景である農村集落・田園景観を維持・継承していくことが必要である。
(2)現況と問題点
ア 水道・汚水処理施設
(ア) 水道施設の整備
水道事業経営安定のため、山都・高郷地区の5簡易水道事業と山都地区の1専用水道
を平成 26 年4月に水道事業へ統合した。水道普及率は、平成 26 年度末現在で 87.5%
となっている。また、水道事業計画給水区域外の8集落においては、給水施設を設置し
安全・安心な水を供給している。現在は、未給水区域解消のため岩月町入田付地区への
拡張事業を行っているところである。
今後は、未給水区域の早期解消と有収率向上のため、老朽管更新や施設の老朽化に伴
う維持管理費の抑制を図っていく必要がある。
(イ) 汚水処理施設等の整備
公共用水域の水質保全や生活環境改善等の観点から、公共下水道事業、特定環境保全
公共下水道事業、農業集落排水事業、小規模集合排水処理施設事業及び合併処理浄化槽
設置整備の促進事業などの汚水処理事業は、市町村においてその整備が求められている。
このため本市では、現在、公共下水道事業で喜多方処理区・塩川処理区の2地区、特定
環境保全公共下水道事業では既に事業を完了し供用を開始している山都処理区を除き、
熱塩加納処理区の1地区の計3地区の整備を図っているところである。農業集落排水事
業については、生活雑排水による農業用水の水質汚濁防止、更には、良好な地域環境の
形成を図るためにも重要な事業であり、本市では現在13地区が供用を開始している。ま
た、公共下水道事業、農業集落排水事業以外の区域においては、小規模集合排水処理施
設事業を1地区実施しているほか、
合併処理浄化槽設置整備の促進事業を実施している。
これら公共下水道等に係る管路や処理施設等において経年による老朽化の進行に伴
い日常生活や社会活動に重大な影響を及ぼす事故発生や機能停止を未然に防止するた
め、ライフサイクルコストの最小化、予算の最適化の観点も踏まえ、予防保全型管理
を行うとともに、長寿命化対策を含めたバランスのとれた計画が必要となっている。
30
※ 各処理区の整備状況(平成 26 年度末現在)
処理区名
喜多方処理区
塩川処理区
認可面積
416.0ha
185.0ha
整備面積
312.3ha
137.7ha
普 及 率
30.7%
36.2%
水洗化率
79.2%
81.0%
熱塩加納処理区
129.0ha
121.6ha
78.9%
72.1%
山都処理区
49.0ha
49.0ha
39.2%
63.5%
(ウ) 水路の整備
水路は、道路雨水排水のための側溝(水路)と、農業用水路、生活排水路の三種類に
大別されるが、下水道未整備の地区においては、その利用形態が混在している状況にあ
る。
市道側溝は、市道改良事業や側溝整備事業により整備を順次進めてきたが、昭和 30
年代から 40 年代にかけて整備された市道側溝の老朽化が進んできていることに加え、
地区全体として流水量の変化に対応できていない箇所も出てきており、集中豪雨時に越
水する場合なども見受けられる。
生活排水路は法定外公共用財産であり、
素堀の箇所が多く地区住民による管理が行わ
れているが、地区住民の高齢化に伴い堰上げ等の管理が課題となっている。
イ 廃棄物処理施設の整備
本市においては地域循環型社会の形成を目指し、
平成20年10月よりプラスチック製容
器包装を全域で分別収集するなどごみの減量化に努めてきたが、
平成23年度以降市内の
一般廃棄物総排出量は増加傾向にあり、
施設での焼却にかかる経費節減と環境への負荷
軽減のため、市民への3R(リデュース・リユース・リサイクル)の取組みが求められ
ている。
喜多方地方広域市町村圏組合が管理運営する施設は、可燃・粗大ごみ処理施設、し尿
処理施設、最終処分場の4施設あるが、老朽化が進み整備が必要である。
また、同組合においては広域的な地域循環型社会の形成を目指し、古紙やペットボト
ル等を可燃ごみから分別し資源物として活用する「資源物水際回収作戦」を実施し、ご
みの減量化に努めているが、更に環境への負荷軽減のためにも、ごみの適正な分別収集
体制の構築が必要である。
ウ 消防・救急施設の整備
非常備消防の消防ポンプ自動車、小型動力ポンプ積載車、小型動力ポンプ、消防ポン
プ庫及び防火水槽等については、順次計画的に整備を図ってきたが、新規整備や更新が
必要な老朽施設も依然として多く残されているのが現状である。
消防団員の確保については、
若年者人口の減少に伴い定数の確保が困難となってきて
いる。また、消防団員のほとんどは会社等に勤務しているため、平日の日中における緊
急の出動が困難となっていることから、
積極的に地域の自主防災組織の組織化を推進す
る必要がある。
喜多方地方広域市町村圏組合管内においては、災害の複雑多様化が進むことにより、
予測し得ない災害発生が懸念される。
また、少子・高齢化により、一人暮らし高齢者世帯の増加が見込まれるため、住宅用
火災警報器の設置義務化を契機に、
火災による犠牲者を減らすための予防消防の充実は
もとより、高規格救急自動車の全署所配置による救命率の向上及び消防・救急業務の高
度化、資機材の整備等により、広域的に総合的な消防・救急活動の充実を図る必要があ
る。
31
エ 自然災害対策と自然環境保全・継承
良好な自然環境は、貴重な地域資源であることから、自然環境へも配慮しながらその
保全や形成に努め、次世代へ引き継ぐとともに、市民生活に支障を及ぼす自然災害には
迅速かつ適切に対処することが求められる。
また、喜多方地方広域市町村圏組合管内では、河川の氾濫や土石流等の自然災害も多
く発生している現況において、
周囲を山岳に囲まれた谷間や傾斜地に集落を形成してい
るところも多く、自然災害に対する脆弱性を持った地形でもあることから、災害時の要
となる地域防災計画の充実を図り、
防災力が結集し機能するよう構成市町村との広域的
連携を強化する必要がある。
更に、自然環境は景観資源として重要であり、その保全のみでなく、より積極的に良
好な景観形成を図ることに努める必要がある。
オ 公営住宅
本市では、市営住宅が 17 団地、改良住宅が 1 団地、特定公共賃貸住宅が1団地あり、
平成 26 年度末現在で 789 戸が入居している。今後、老朽化した市営住宅の長寿命化対
策及び低所得者に対する住宅供給や人口流出防止、
移住者の受入れの各対策として市営
住宅等の整備充実が必要である。
カ 公園・緑地
土地区画整理事業に伴い拡張された御殿場公園や未着手となっている街区公園の整
備計画を進めるとともに、
市民に広く利用されている農村公園や森林公園等の既存公園
の維持管理や施設の充実を図る必要がある。
キ 火葬場
喜多方地方広域市町村圏組合が管理運営する斎場は、昭和 48 年に建設、平成 5 年に
火葬炉改修を行ったが、老朽化が進んでおり、整備を急ぐ必要がある。
ク 空き家対策
本市の空き家は、
平成 26 年度に実施した空き家調査の結果、
調査対象建物件数 40,868
件のうち空き家等の件数は 1,921 件で 4.7%となっている。平成 27 年4月に策定した
「喜
多方市空き家対策基本方針」に基づき対策を検討していく必要がある。
(3)その対策
ア 水道・汚水処理施設
(ア) 水道施設の整備
有収率向上のため、老朽管更新や維持管理費抑制ための老朽化した水道施設・給水施
設の更新を計画的に行う。
(イ) 汚水処理施設等の整備
生活排水処理のため、公共下水道事業、特定環境保全公共下水道事業、農業集落排水
事業、小規模集合排水処理施設事業及び合併処理浄化槽設置整備の各事業のうち、それ
ぞれの地区にあった合理的な事業に取り組み、公共用水域や農業用水の水質汚濁を防止
し、生活環境の改善を図るとともに、整備された施設の効率的な運営と下水道経営の健
全化に向け、戸別訪問等による加入促進を積極的に行い、下水道等への接続率(水洗化
率)の向上に努める。
また、
公共下水道等に係る管路や処理施設等において経年による老朽化の進行に伴い、
長寿命化を含め市全体にわたるバランスのとれた計画が必要なことから、
整備手法や実
32
施時期について地域別の諸条件を考慮しながら関係省庁各所管の汚水処理対策事業に
よる取組を検討し、積極的に推進していく。
(ウ) 水路の整備
清らかな水の流れを確保し、潤いのあるまちづくりを図るため、市民による清流活動
や、維持管理の委託等を促進し、河川等からの取水の確保及び水量の安定化を図るとと
ともに、洪水時の床下浸水等の防止に努める。
また、
市道側溝については、
引き続き側溝整備事業により順次整備を行っていくほか、
生活排水路(法定外公共用財産)は、生活排水路整備事業補助制度の中で、
「浚渫等を
補助対象とする」ことなどの検討を行いながら、地区住民とともに整備を進めていく。
イ 廃棄物処理施設の整備
ごみの減量化と再資源化を図るため、
必要に応じて廃棄物処理計画の見直しを行うこ
とにより、ごみの分別品目の充実とともに、喜多方地方広域市町村圏組合管内において
独自に開催している出前講座の充実を図り、ごみの分別による資源化を推進する。
また、老朽化した施設等については、効果的な保守管理による延命化と適正な更新時
期による整備を図る。
ウ 消防・救急施設の整備
火災を中心とする災害に迅速に対応し、市民の生命と財産を守るため、消防施設や防
火水槽、消火栓等の消防水利についても計画的に整備し、消防防災体制の強化と充実を
図る。
また、消防、救急活動や予防業務などを推進する消防、救急行政の拠点である消防本
部・喜多方署の庁舎の改築をはじめ、火災、救急等の災害多発地区の実態に即応できる
署所の設置を含めた体制の整備を検討するとともに、デジタル消防無線の運用のほか、
災害態様や行政需要の変化に対応できる高規格救急自動車、
消防ポンプ自動車等各車両
の更新整備を促進する。
エ 自然災害対策と自然環境保全・継承
自然災害に迅速に対応し、災害から住民の生命と財産を守るため、関係機関と連携を
図りながら、避難場所の確保や住民に対する災害予防、災害危険性に関する情報提供を
行い、
地域における自主防災体制の強化及び災害発生時における緊急通報体制の充実強
化を図る。
また、市民の防災意識の高揚を図り、行政、住民、事業所、関係機関が一体となった
防災のまちづくりを推進するほか、
構成市町村との広域的連携による防災力の強化を図
るとともに、豊かな自然を次世代に引継ぐため、環境保護に関する住民の意識の高揚を
図りながら良好な自然環境の保全にも努める。
更に、景観に対する市民、事業者の意識の醸成を図り、地域の自主的な景観形成に関
する活動を支援し、市民、事業者との協働による景観の維持・保全のための仕組みづく
りに努める。
オ 公営住宅
快適で安全、安心な住環境の提供のため、住生活基本計画に基づき、住宅政策を計
画的かつ総合的に推進する。また、予防保全的な修繕及び耐久性の向上等を図るため、
公営住宅等の長寿命化計画に基づき、老朽化した住宅の改修等を促進し、入居者の居
住水準の向上と機能充実を図る。
33
カ 公園・緑地
喜多方市緑の基本計画に基づき、計画的に公園や緑地の整備を図るとともに、地区
ボランティアとの協定を推進し、施設の維持管理に努める。
土地区画整理事業に伴う街区公園の整備を推進するとともに、既存公園の拡張や施
設の充実を図る。
キ 火葬場
喜多方地方広域市町村圏組合が策定する斎場建設基本構想に基づき、
斎場施設の整備
を図る。
ク 空き家対策
空き家の所有者への適正管理の啓発や危険な空き家への解体等に対する助成を行う
とともに、利活用可能な空き家について有効活用を推進する。
(4)計
画
自立促進
施策区分
3 生活環境の
整備
事 業 名
(施設名)
事業内容
事業主体
(1) 水道施設
「その他」
給水施設設備更新事業
(赤沢給水施設外 7 施設)
市
(2) 下水道処理
施設
「公共下水道」
公共下水道の整備
市
浄化センター長寿命化事業
市
塩川浄化センター施設増設事業
市
「農村集落排水
施設」
農業集落排水施設長寿命化事業
市
「その他」
浄化槽設置整備事業
浄化槽
設置者
(3) 廃 棄 物 処 理
施設
「ごみ処理施設」
ごみ焼却施設の整備
広域市
町村圏
組合
「し尿処理施設」
し尿処理施設の整備
広域市
町村圏
組合
斎場施設の整備
広域市
町村圏
組合
(4) 火葬場
(5) 消防施設
消防ポンプ車等整備事業
市
消防ポンプ庫等整備事業
市
34
備考
消防機材器具整備事業
広域市
町村圏
組合
(6) 公営住宅
公営住宅長寿命化事業
市
(8) その他
準用河川身神川改修事業
市
公園施設長寿命化事業
市
御殿場公園整備事業
市
35
5 高齢者等の保健及び福祉の向上及び増進
(1)高齢者等の保健及び福祉の向上及び増進の方針
本市においては、高齢者の一人暮らしや高齢者のみの世帯が多く、また、これらの高齢
者の多くは交通ネットワークの整備が不十分な地域に広く分散し居住している。
高齢者の増加に伴い、高齢者世帯や要介護高齢者の更なる増加が見込まれるが、高齢者
は地域づくりの貴重な担い手であり、その健康づくりや社会参加、生きがいづくりととも
に、要介護状態の高齢者に応じた福祉や介護サービスを利用できる体制の整備など、高齢
者等の保健及び福祉の向上及び増進を推進する必要がある。
市民の健全な生活習慣を形成するため、健康診査の実施や保健指導の徹底など、生活習
慣病予防を中心とした施策の推進や医療費の適正化、地区における健康づくりの支援体制
の整備と適正受診に向けての体制を構築するほか、市民の健康に対する自覚と意識の高揚
に努め、自発的な健康管理の促進に努めるとともに、子どもの健やかな成長を支援する。
また、高齢者等が住みなれた地域で、ともに暮らし、ともに助け合う社会づくりのため、
相談体制の充実と介護予防をはじめとする諸施策の展開により、高齢者等ができるだけ自
立した生活を営むことができるよう支援する。
併せて、障がい者の就労支援や居宅において生活できる支援体制、子育てサポートなど
による地域住民が互いに支え合う体制づくりを行うなど、障がい者世帯、子育て世帯、ひ
とり親世帯、生活困窮世帯などに対する支援策の充実に努める。
(2)現況と問題点
ア 高齢者の保健及び福祉の向上及び増進
本市の 65 歳以上の人口比率は、平成 22 年の国勢調査では 31.5%で、平成 17 年の 29.4%
と比較して 2.0%高くなっており、この傾向は現在も続いている。
高齢者人口の増加とともに、一人暮らしや寝たきり高齢者の更なる増加が予想され、高
齢者の自立支援と壮年期からの健康づくりを理念とした保健・福祉施策と介護体制の確立
とともに、高齢者の住環境を重視し、保健、医療、福祉、生涯学習など様々な分野におい
て、地域住民も参加した地域生活支援体制の確立が求められている。
また、認知症は高齢者とその家族が抱える大きな問題であり、その発生原因の一つとさ
れる生活習慣病予防のための健康診査と生活指導等が行われているが、認知症の発生率は
75 歳以上の後期高齢者において高く、認知症高齢者に対する施策の充実を図るとともに、
65 歳以上の介護保険サービスを利用していない高齢者の健康保持増進、疾病予防、早期発
見、早期治療、機能維持・回復のための保健福祉施設及びサービスの充実を図る必要があ
る。
本市では、独自の介護予防事業の展開として「太極拳ゆったり体操」の普及を図ってい
るが、指導者の育成と高齢者が取り組みやすい環境づくりをさらに進める必要がある。
イ 児童その他の保健及び福祉の向上及び増進
(ア) 児童福祉
本市における年間の出生児数は、概ね370人程度となっている。本市においても少子化が
進行しており、0~11歳までの子どもの将来人口をコーホート変化率により推計すると、
人口は年々減少し、平成21年の5,347人から平成31年の4,187人まで減少することが予想さ
れる。
本市では、すべての子どもが健やかに成長できるよう、それぞれの家庭や子どもの状況
36
に応じ、幼稚園や保育所等での質の高い教育・保育や、放課後児童クラブ等の子ども・子
育て支援事業が適切に利用できるよう、子ども・子育て支援法に基づき、平成27年3月に
「喜多方市子ども・子育て支援事業計画」を策定した。
この計画により、本市は、教育・保育の利用状況及びニーズ調査を踏まえ、平成28年4
月1日より、幼保連携型認定こども園を10園開園する。その他、私立の幼稚園型認定こど
も園が1か所、公立保育所が2か所、認可保育所が7か所、小規模保育事業所が3か所、
事業所内保育事業所が1か所、幼稚園は公立が4か所、私立が3か所となっている。認可
保育所のうち1か所においては、市の補助を受け地域子育て支援センターを運営するとと
もに、一時預かり保育、病後児保育も実施している。
また、児童館が7か所、放課後児童健全育成事業を実施している施設が18か所あるほか、
児童館においては2~3歳児を対象とした幼児クラブの開設なども実施しており、様々な
子育てニーズに応えるべく施策を展開している。
また、少子化の傾向に歯止めをかけるため、結婚推進事業などを展開し、仕事と子育て
の両立、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の視点から、企業への子育てに
対する理解と協力の啓発を図っていくことが必要となっている。
また、家庭児童相談員を配置し、児童の健全育成、児童虐待の防止という観点から様々
な相談援助活動を展開している。さらに、児童虐待防止等に対応する機関として平成 19
年に要保護児童対策地域協議会を設置し、昨今の悲惨な事件等を防止するため連絡体制の
強化を図っている。
(イ) 障がい者福祉
本市における障がい者数は、平成27年3月31日現在で身体障害者手帳所持者が2,764人、
療育手帳所持者はAが129人、Bが198人、精神障害者保健福祉手帳所持者は1級が49人、
2級が156人、3級が42人で、合計3,338人となっている。
現在、市内にある障がい福祉関連施設は、居宅介護事業所6か所、生活介護事業所3か
所、短期入所事業所1か所、就労継続支援B型事業所7か所、自立訓練(生活訓練)事業
所2か所、共同生活援助事業所8か所、放課後等デイサービス事業所1か所、移動支援事
業所4か所、地域活動支援センター事業所1か所、福祉ホーム事業所1か所、生活サポー
ト事業所1か所、日中一時支援事業所1か所、精神障害者生活訓練施設1か所となってい
る。
福祉施設や医療機関から退所・退院が可能となった障がい者の地域移行、就労に向けた
支援に対応するため、居宅介護などの介護給付、自立訓練や就労継続支援などの訓練給付、
日常生活用具給付など地域生活支援の充実を図っていく必要がある。
(ウ) 母子・父子福祉
本市における児童扶養手当受給者数は、平成27年4月1日現在で428人となっており、毎
年増加している傾向にある。母子福祉関係の施設としては、母子生活支援施設が設置され
ているが、利用希望者がいないことから平成18年4月から休止している状況にある。
本市では、母子家庭が抱える様々な相談に応えるため、女性相談員を配置し相談援助を
行っている。また、18歳未満の児童及びその保護者の医療費自己負担分を、償還払い方式
によって援助するというひとり親医療費助成事業を実施し、父子家庭に対する児童扶養手
当も施行されたことから、これら制度により経済的負担の軽減を図っていくことが必要で
ある。
母子家庭・父子家庭は、標準的家庭と比較して様々な悩みを抱えており、また地域にお
37
いて孤立化する場合が多いことから、相談支援体制の強化を図っていく必要がある。
(エ) 生活困窮世帯に対する支援
本市の生活保護受給世帯数については、緩やかな景気の回復に比例して平成25年度以降
減少傾向となっているが、短期雇用や職種の偏り、高齢世帯の増加などから生活環境の変
化などにより生活困窮となる可能性がある世帯は存在しているものと考えられる。
平成27年4月1日には、第二のセーフティネットとして生活困窮者自立支援法が施行さ
れ、生活に困窮している人に対し生活保護受給に至る前の段階で自立に向けた支援を行う
こととなったことから、生活保護制度と連携を図っていく必要がある。
ウ 保健
高齢期は、身体的な老化とともに健康への不安が増大する時期であるが、特定健康診査、
後期高齢者健康診査及び各種がん検診は受診率が低い状況にある。疾病の早期発見、早期
治療及び重症化予防のためには、検診の受診が大切であることから、受診率の向上につい
ての対策を行う必要がある。
運動器の機能低下のおそれがある高齢者の割合や口腔機能の低下がみられる高齢者の
割合が増加しており、健康寿命の延伸のためにも、生活習慣の改善等生活機能の低下を予
防する取組が重要である。
(3)その対策
ア 高齢者の保健及び福祉の向上及び増進
高齢者が地域において安心して生活できるように、保健・医療・福祉サービスを総合的
に提供する地域生活の支援体制の整備を進め、地域住民の参加・協力による地域ケアネッ
トワーク体制の構築を図るとともに、高齢者の健康と生きがいづくりのため、太極拳を活
用した健康づくりや保健事業と連携した介護予防のための取組みを推進する。特に本市で
は、介護予防の有効な手段として「太極拳ゆったり体操」を開発しており、指導者の養成
と地区支援事業の充実によりこの体操の一層の普及を図り、高齢者の寝たきり防止、転倒
防止、閉じこもり防止対策に努める。
また、認知症高齢者をはじめ、介護サービスを必要とする高齢者が、居住する地域でサ
ービスを利用できるように在宅サービスを重視し、介護相談員派遣事業や介護サービスの
評価事業などによるサービスの質的な充実を図るとともに、高齢者保健福祉施設の整備充
実を図る。
イ 児童その他の保健及び福祉の向上及び増進
(ア) 児童福祉
新たな市子ども・子育て支援事業計画に基づき、認定こども園、保育所、児童館、放課
後児童クラブなどの児童福祉施設・設備の整備と事業内容の充実を図るとともに、結婚推
進事業の展開や、児童虐待防止に対応する要保護児童対策地域協議会での連絡体制のさら
なる強化を図る。
(イ) 障がい者福祉
障がい者計画及び障がい福祉計画に基づき、障がいを持っていても、住み慣れた地域に
おいて、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、居宅介護、生活介護な
どの各種介護給付、就労継続支援、就労移行支援などの訓練等給付及び補装具交付などの
38
自立支援給付や、日常生活用具給付、相談支援及び成年後見制度利用支援など地域の特性
や利用者の状況に応じた地域生活支援事業を実施し、障がい者の自立と社会参加の支援に
努める。
(ウ) 母子・父子福祉
喜多方市社会福祉協議会や民生児童委員、主任児童委員等との連携を深めるとともに、
各種関係機関等との連絡調整を図り、母子家庭・父子家庭の地域での孤立化の防止に努め
る。併せて、ドメスティック・バイオレンスの防止への対応を含めた女性の福祉の向上に
努める。
(エ) 生活困窮世帯に対する支援
生活困窮世帯の自立を支援するために、生活困窮者自立支援法に基づき自立相談支援事
業及び住居確保給付金支給制度に取り組み、社会福祉協議会、ハローワーク、民生児童委
員など関係機関組織等と連携を図りながら、生活保護制度と連携して機能させることで、
生活困窮世帯に対する適切な支援に努める。
ウ 保健
疾病の早期発見、早期治療、重症化予防のためには、定期的な健診の受診が大切である
ことから、あらゆる機会をとらえて健診の重要性についてのPRを継続して実施していく。
また、後期高齢者については、平成 27 年度から医療機関での施設健診を導入しており、
特定健診と同様、がん検診と併せた医療機関での受診が可能になっており、引き続き受け
やすい環境づくりを継続していく。また、生活習慣病のなかでも予防可能な心疾患、脳血
管疾患の対策により重症化を予防することが必要であり、その対策が介護予防や認知症予
防にもつながっていくため充実を図っていく。
生活習慣の改善については、自らで管理していくことが必要なため、広報やホームペー
ジ及び市民健康祭、食育応援店において情報提供や啓発を積極的に進めていく。
また、特に高齢者の運動器機能、口腔機能の向上、低栄養の改善については、介護予防
事業との連携を図りながら進めていく。
(4)計 画
自立促進
施策区分
事 業 名
(施設名)
4 高齢者等の
保健及び福祉
の向上及び増
進
(1)高齢者福祉
施設
「その他」
(8)過疎地域自
立促進特別事
業
事業内容
高齢者福祉施設修繕等事業
太極拳フェスティバル
・太極拳体験型イベントと集団演武交流会を行い、
太極拳のまち喜多方を発信することにより新たな
価値を創造し、元気なまちを築く。
・全国から多くの参加者が集まる滞在型イベントの
開催により大きなPR効果と経済効果が期待でき
る。
39
事業主体
市
フェスティバ
ル実行
委員会
備考
6 医療の確保
(1)医療の確保の方針
全ての市民が、生涯を通じて心身ともに健康な生活を送るためには、医療施設の確保充
実は基本的条件であり、特に過疎地域については、高齢化の進行する社会に対応した診療
科目の設置及び設備の充実が求められる。このため、喜多方市地域・家庭医療センターや
喜多方医師会等との連携のもと、高齢化の進む山間地域等の巡回診療や訪問診療、夜間初
期救急診療等を実施するとともに、在宅当番医制や病院群輪番制による救急医療体制の維
持・充実に努めるなど、地域医療体制の充実を図りながら、介護・福祉関係機関等と連携
して地域包括ケアシステムを構築し、住民の健康と安心安全な生活を確保していくことと
する。
また、医師や看護師などの人材不足が深刻なため、医療機関などの医療人材育成、確保
を支援していく。
(2)現況と問題点
本市には、6病院と 31 診療所があるものの、入院を必要とする患者の受入態勢が十分で
ないうえに診療科目も少なく、救急医療体制の整備も十分とはいえない状況にあり、救急
患者の多くが管外の会津若松市に搬送されている現状である。
本市は広い範囲に集落が点在しており、山間地から市街地の医療機関への通院が困難な
状況にある。さらに高齢化率が 34.1%と、県平均の 28.2%(H27.7 月:県現住人口調査)
を大きく上回る状況にあることから、健康の維持・増進、生活習慣病の予防などのための
取り組みを充実させるとともに、医療機関等への交通手段の確保及び地域への巡回診療の
実施や希望者への訪問診療の充実に向けた取り組みを進めていく必要がある。
また、全国的な産婦人科医不足が叫ばれる中、本市においても出産できる医療機関は1
か所で、専門医も1人のみとなっており、出産に対する市民の不安も大きくなっているこ
とから、喜多方医師会をはじめとした関係機関との連携や各種事業の活用等により、本市
において引き続き出産ができるよう当該医療機関の支援を図る必要がある。
その他の専門医については、小児科、眼科、皮膚科がそれぞれ2人であり、耳鼻咽喉科
は1人のみ(H26 県保健統計の概要)である。
本市の医療施設従事医師数は 62 人であり、人口 10 万対医師数でみると 121.2 人となる。
これは全国平均の 229.3 人、県平均の 179.3 人(H26 県保健統計の概況)と比較して大幅
に下回っており、さらに喜多方医師会所属医師の高齢化を背景に、将来的な医師不足も懸
念されることから、今後医師の確保対策等による地域医療体制の充実を図るとともに、病
病・病診・診診連携の相互協力体制を構築しながら、医療資源の有効活用を図る必要があ
る。
本市の救急医療には、軽症患者の受け皿となる初期救急医療体制と、入院や専門的治療
を必要とする患者の受け皿となる二次救急医療体制があり、休日に関しては、初期救急医
療体制として開業医による在宅当番医制が、二次救急医療体制として病院群輪番制がそれ
ぞれ機能しており、市民の安心安全な生活の確保に貢献している。
しかし、夜間に関しては、初期救急医療体制の整備が不十分であることから患者が二次
救急医療機関に集中し、病院勤務医の過重労働と疲弊を招いている状況にある。夜間救急
では特に小児の需要が多く、その大半が軽症であるとの指摘もあることから、
「福島県こど
も救急電話相談♯8000」の周知を図るとともに、小児科を中心とした夜間初期救急医療体
制を構築し、初期・二次医療機関の役割分担を明確にしながら、持続可能な救急医療体制
の整備を図る必要がある。
40
こうした状況を踏まえ、地域医療に関し本市が抱える様々な課題を解決するため、平成
23 年5月、喜多方市地域・家庭医療センターを開設した。今後、同センターの指定管理者
と連携しながら施設の修繕や医療機器の更新等を計画的に行い、適正に維持・管理・運営
を行う必要がある。また、喜多方市地域・家庭医療センターは、県立医科大学の家庭医療
及び家庭医の育成の拠点と位置付けられている。家庭医はその役割から、今後構築を目指
す地域包括ケアシステムにおける在宅医療分野の中核を担う存在であり、同センターの家
庭医を育成する拠点としての機能を強化していく必要がある。
(3)その対策
旧県立喜多方病院に通院していた外来患者の新たな受け皿機能の整備や、高齢化の進む
山間地域の医療の確保、夜間の初期救急体制の構築、将来的な医師不足への対応など、本
市内医療における様々な課題を克服するため、市が設置した喜多方市地域・家庭医療セン
ターの施設等の適正な維持・管理・運営にあたり、県立医科大学会津医療センターと連携
しながら、良質な医療を提供するとともに、家庭医育成の拠点として研修医が研修に専念
できる環境を整備していく。
喜多方市地域・家庭医療センターや喜多方医師会との連携や各種支援事業等の活用を図
りながら、乳幼児から高齢者までの比較的軽い症状の病気やけが、具体的には風邪や頭痛、
腹痛、腰痛などの症状や生活習慣病などの治療及び予防、各種健診等にあたり、幅広い初
期医療を担うとともに、高齢化の進む山間地域等の巡回診療や訪問診療、夜間初期救急診
療等を実施し、住民の健康と安心安全な生活を確保する。
広域医療の充実、医療水準の維持向上のため、ICTの活用を含めた病病・病診・診診
連携の相互協力体制の構築を目指し、医師会や関係機関と緊密に連携しながら、医療資源
の有効活用を図るとともに、小児科医や産婦人科医等、不足が指摘される医師など医療人
材の確保を図る。
また、救急医療体制や休日・夜間診療体制の更なる整備充実を図るため、関係機関に対
し要望していく。
(4)計 画
自立促進
施策区分
5 医療の確保
事 業 名
(施設名)
(1) 診療施設
「診 療 所」
事業内容
地域・家庭医療センター施設等維持管理事業
41
事業主体
市
備考
7 教育の振興
(1)教育の振興の方針
過疎地域においては、人口の減少や少子化の傾向により、児童生徒が減少している状況
のなか、一人ひとりの児童生徒の個性を生かし自ら学ぶ力を育てる特色ある学校教育の充
実と、小中一貫した教育の振興を図り、少子化に対応した学びを支える教育環境の整備・
改善が求められる。
特に、学校施設は、児童生徒が一日の大半を過ごす学習・生活の場であり、高い安全性
が求められ、災害時拠点としての役割も担っていることから、各種施設整備を行い、より
効率的かつ適切な維持・改善を図っていくことが重要である。
また、生涯学習の到達点を心豊かなひとづくりであると捉え、学習機会の充実や学習活
動への支援、さらに学習成果を社会参加に活かすための環境づくりに努めるため、生涯学
習施設は、新たな生涯学習へのニーズに対する「市民の学習機会」の充実や、自主学習活動
のための「市民の自主的な活動」の支援に欠かせない施設であることから、地域の集会施設
や学校統廃合による新たな生涯学習施設の整備など、なお一層の社会教育施設と生涯学習
の基盤整備を計画的に進めていくことが重要である。
さらに、スポーツ振興を推進するため、市民だれでもがスポーツ・レクリエーションに
親しめるような「生涯スポーツ社会」の実現を図るため、地域住民が自主的、自立的に運
営する多世代、多種目、多様なレベルに対応する総合型地域スポーツクラブを基盤とした
生涯スポーツ環境の整備充実を進める。
(2)現況と問題点
ア 公立小中学校等の教育環境の整備充実
(ア) 学校教育
高度情報化、国際化が急激に進展する今日、本市では、確かな学力、豊かな人間性、健
康・体力の知・徳・体のバランスのとれた力である「生きる力」を育むため、地域の特性
を生かした特色ある学校づくりを進めているところであり、児童・生徒のきらめく個性と
豊かな能力・適正等を十分把握し、多様で弾力的な学習指導を展開する必要がある。
更に、子ども一人ひとりの良さや可能性を伸ばす生徒指導の機能を生かした教育活動の
推進と指導体制の確立が必要となっている。
本市の学校規模は、次ページ表のとおり、少子化の進行により児童生徒数が減少してお
り、学校数についても、統廃合により平成 18 年4月から比較して小学校で4校減少した
が、今後も、小・中学校の望ましい教育環境を整備し、効率的な学校運営を行うため、児
童生徒数の推移や地域バランスに配慮しながら、学校の適正配置について検討をすすめる
必要がある。
施設については、校舎、屋内運動場の耐震化工事及び暖房設備改修工事、空調設備設置
工事などを行い、良好な環境の確保のため施設整備を推進してきたが、施設の大半が昭和
40 年代に建築された校舎であり老朽化が進行していることから大規模改修が必要となっ
てくる。
また、プールなどの施設においても老朽化が著しく、改修や更新が必要である。
今後も、安全で安心な教育環境の整備を図るとともに家庭、地域、学校が一体となった
教育を推進し、
「生きる力を育む学校」
「確かな学力が身につく学校」
「家庭や地域と共に豊
かな心を育む学校」を基本とした学校教育の充実を図ることが求められている。
42
※ 小・中学校の規模(平成 27 年5月1日現在)
区 分
学校数
普通学級数 複式学級数 特別支援学級数
小学校
17 校
124 級数
3 級数
9 級数
中学校
7校
52 級数
-
7 級数
児童生徒数
2,403 人
1,365 人
(イ)食育
食育は、あらゆる世代において必要なものではあるが、児童生徒に対する食育は、心身
の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い、豊
かな人間性を育んでいくための基礎となるものであると考えられていることから、学校、
幼稚園等における食育を積極的に進める必要がある。
本市においては、全小・中学校において学校給食を導入しており、食器に地場産業であ
る漆器の導入、食材に地場農産物を導入し地産地消を進め、地域の食材を活かした学校給
食の充実を図ってきたが、今後はより効果的かつ効率的で安全な学校給食を目指して、老
朽化した施設の改修や新たな施設整備を図っていく必要がある。
また、本市では、児童生徒の食物への関心を高めるため、小・中学校において農作物栽
培の実体験を行っており、小学校については農業科を通して地域の人々と共に活動し、育
てることの大変さや収穫時の喜び、感謝の気持ちを身をもって感じながら食農教育を推進
しているところである。
また、子どもの頃からの偏った食習慣が、生活習慣病を引き起こす原因となることから、
食に対する関心と理解を深めながら、望ましい食習慣(バランスよく食べること)を確立
するための判断力と実践的な力を身につけることが必要である。
イ 集会施設等の社会教育環境の整備充実
(ア) 生涯学習
市民の生涯学習への関心や意欲が高まっていることから、生涯を通じて学習に取り組め
る場として、公民館や社会教育施設の果たす役割は非常に大きく、それら施設の整備充実
を図っていく必要がある。
本市の公民館は、15の公民館と1つの分館の体制であり、職員を配置する中央公民館と、
非常勤特別職の館長1名、社会教育指導員2名を配置する14の公民館がある。各公民館と
も、それぞれ個性のある事業を展開することで、市民の生涯学習に取り組む意欲を最大限
に活かしながら、市民が主体となる新しいスタイルの公民館づくりを目指しているところ
であり、人材育成や交流活動の積極的な推進とともに、各種団体と密接な連携を図ってい
く必要がある。
(イ) 社会体育
本市の社会体育施設は、運動広場7施設、体育館9施設、野球場3施設、テニスコート
4施設、プール1施設、スキー場1施設に、武道館や県営荻野漕艇場など多種にわたり、
そのほかに学校体育施設の開放事業を実施している。
近年の健康志向の高まりや競技スポーツの普及などにより、スポーツ愛好家や各種競技
団体、スポーツ少年団等による施設利用が増加しつつある。このため、施設間の利用調整
や老朽化した施設・設備の改修・改築等により、体育施設の管理運営の充実を図っていく
必要があり、併せて利用者への利便性を考慮して施設周辺の環境整備を進めていく必要が
ある。
また、本市ではスポーツ推進委員を委嘱し、地域における各種スポーツ大会開催への協
43
力、各種競技種目やニュースポーツの普及などに努めており、スポーツ推進委員の資質向
上やスポーツ関係団体の育成を図りながら、各種団体と連携し生涯スポーツの振興に取り
組んでいるところである。
(ウ) 集会施設
本市では、概ね集落ごとに行政区が組織され、その行政区ごとに様々な地域活動を展開
することにより、地域住民の生活や文化の向上を図るとともに、地域コミュニティや住民
相互扶助を維持してきた。
その活動の拠点となっているのが地域の集会施設であり、これまでも行政区ごとに施設
整備が進められてきたが、一部には未整備となっている行政区もあり、また設備の改修や
充実を要する施設もあることから、整備・改修・改築に対する支援が必要である。
(3)その対策
ア 公立小中学校等の教育環境の整備充実
(ア) 学校教育
「豊かな心を育むまちづくり~ひとづくり~」基本構想を踏まえ、地域の実態を生かし
特色ある学校教育を推進する。
少子化の進行により児童生徒数が減少していることを考慮し、小規模校のあり方や学校
の適正配置について検討し、より良い教育環境の整備に努める。
学校施設については、児童生徒の学習、生活の場であり、災害時には地域の防災拠点の
役割を果たすことから、時代に対応した教育環境の整備や快適性、利便性の向上を図ると
ともに、安全・安心な学校施設の整備に努める。
また、学校の統廃合等により必要となるスクールバス等の整備を図る。
(イ) 食育
学校給食の食材として地場農産物を導入するため、地元生産団体等との連携を強化し、
さらなる拡充を図っていくとともに、生産者の顔が見える安全・安心な学校給食の運営を
図り、計画的に施設の改修・改築及び施設整備を進める。
また、小・中学校における農作物栽培の実体験活動を拡充し、児童生徒の食物への関心
と知識を高め、地域と連携した取組を行う。
親子食育教室の実施等、親子への関わりを接点とし、家族への関わりや支援により子ど
もの頃からの食育の推進を図るとともに、学校、保育所等との連携や子育て支援等の他施
策との連携、食生活改善推進員などボランティア組織との協働など総合的な取組を推進す
る。
また、家族で食卓を囲み、季節の食を楽しみ、伝統的な食文化にも触れながらバランス
のよい食事ができるよう普及・啓発を促進する。
イ 集会施設等の社会教育環境の整備充実
(ア) 生涯学習
市民が主体となる生涯学習を推進していくため、各公民館において地域性を活かした特
色ある事業を展開するとともに、生涯学習における指導者の充実強化を図るため、公民館
長や社会教育指導員等の研修機会を拡充し人材育成に努める。
本市の公民館、社会教育施設には老朽化の著しい施設や耐震化の必要な施設があり、耐
震診断も含め、計画的に改築及び改修を図っていく。
44
(イ) 社会体育
スポーツ愛好家や各種競技団体、スポーツ少年団等による施設の利用が増加しつつある
ことから、施設間の利用調整や老朽化した施設・設備の改修・改築等により体育施設の利
便性の向上に努める。また、地域におけるスポーツ大会開催への協力、各種競技スポーツ
指導者の充実強化を図るため、スポーツ推進委員の研修機会を拡充し人材育成に努める。
(ウ) 集会施設
地域のコミュニティ活動の拠点となる集会施設は、地域の活性化を促進するうえで重要
な施設であることから、整備・改修・改築への支援に努める。
(4)計 画
自立促進
施策区分
事 業 名
(施設名)
6 教育の振興
(1)学校教育関
連施設
「屋内運動場」
「屋外運動場」
事業内容
事業主体
耐震化改修事業
第一中学校体育館改築工事
市
小中学校体育館屋根塗装
(高郷、松山、第一、上三宮小学校、会北中学校)
市
塩川中学校屋外運動場拡張事業
市
小中学校水泳プール改修事業
(駒形、姥堂、高郷、第三、豊川小学校)
市
学校給食厨房備品等改修事業
市
喜多方学校給食共同調理場空気調和機(エアハンド
リングユニット)修繕
市
小中学校トイレ改修事業
市
小中学校暖房設備改修事業(塩川、姥堂、熊倉、第
三小学校、塩川中学校)
市
小中学校営繕事業
市
幼稚園営繕事業
市
豊川幼稚園法面整備事業
市
「水泳プール」
「給食施設」
「その他」
(2)幼稚園
45
備考
(3)集会施設、
体育施設等
「公民館」
豊川公民館駐車場整備事業
市
体育館修繕事業(押切川公園、塩川体育館)
市
山都体育館改修事業
市
野球場カウント表示板改修事業
市
喜多方市民プール修繕事業
市
野球場フェンス設置事業
市
熱塩加納多目的広場夜間照明施設修繕事業
市
喜多方市民プール駐車場舗装事業
市
高郷体育館駐車場舗装事業
市
勤労青少年ホーム体育センター屋根塗装事業
市
「体育施設」
46
8 地域文化の振興等
(1)地域文化の振興等の方針
地域の自立を図っていくには、その地域で生活している住民が、地域に対して誇りや愛
着を持って暮らすことが大切であることから、地域の歴史、文化、文化財の保護、保全及
び活用、普及啓発刊行物(市史等)の発刊、文化関連施設の充実、文化団体等の育成を基
本に、郷土愛護精神や文化意識の高揚を図り、地域資源として効果的に活用することが求
められる。
また、生活水準の向上による余暇時間の増加によって、より心の豊かさを求める時代の
中で、文化活動への参加機会の充実や優れた芸術文化に触れる機会の拡充に努めるほか、
広域的で活気あふれる文化圏の確立を目指し、地域における文化活動の基盤整備に努め、
さらなる市民の文化活動の発展と創造を図る。
そのため、市民の知的欲求や芸術振興の向上に資する文化関連施設である喜多方市立図
書館、喜多方市美術館のほか、郷土の生活文化資料を保管・展示し、市民、学校等の郷土
学習活動に供する郷土民俗館施設等の運営など、地域間交流やまちづくり面のニーズも見
据えつつ、文化資源を地域づくりに活かせる環境の形成と、関連施設の整備、拡充を行い、
地域文化の振興による地域づくりを図る。
(2)現況と問題点
ア 地域文化の振興等
国指定史跡となり、管理・整備計画策定と整備が必要な古屋敷遺跡、会津新宮城跡をは
じめ、国史跡・国指定重要文化財 8 件、県指定 36 件、市指定 92 件、国登録文化財 32 件の
ほか、400 か所を超える保護すべき周知の埋蔵文化財があるが、これらの保全と、普及啓
発刊行物の発刊等を通して、本市独自の風土と歴史性を活かして有効に活用することが課
題となる。
図書館、美術館、郷土民俗館等施設では、現在の施設の内容を高めながら、どう市民の
ニーズに応えていくのかが問題となる。図書館では最新及び長期需要のある蔵書の充実、
また電子情報の共有や電子書籍など新たな時代の刊行物、情報提供に即した環境づくり、
郷土民俗館等では諸施設の機能分担と効果的な施設配置及び資料の保管、管理が課題であ
る。
諸文化活動では、各団体の活動に対して啓発と促進、支援と情報発信を図りながら、文
化行事を充実させるとともに、市民団体が市内の文化活動を自主的に運営していけるよう
な環境づくりが課題である。
また、高度な芸術文化の提供、青少年への芸術文化鑑賞機会の提供と支援、芸術文化活
動を行う諸団体との連携、文化活動に協賛する団体・企業の喜多方プラザ自主文化事業へ
の参画促進、イベント実施への支援等により文化によるまちづくりを推進しているものの、
住民の価値観の多様化により従来の事業では集客は難しくなっている。
また社会経済情勢の変化により文化活動に協賛する企業等が減少傾向にあるため、集客
力を上げるような事業の企画、立案ができる体制づくりが課題である。
イ 地域文化の振興等に係る施設の整備
古屋敷遺跡や会津新宮城跡などの国指定史跡は観覧に、また、文化財は経年変化や劣化
に対する修復や公開設備・活用諸施設整備が必要であるが、市内所在の史跡、文化財は国
指定クラスにおいても、文化財本体の保護と保全及びインフラの整備が十分ではない。
47
施設の拡充、新たなニーズに即した機能設備、利用設備の整備、郷土民俗館等において
は諸施設の設備を充実させることが必要である。
また、地域の文化活動の拠点である喜多方プラザの大規模改修を行ったことから、地域
住民の芸術文化活動を促進するとともに、優れた芸術文化に触れる機会の提供を行ってい
る。
(3)その対策
ア 地域文化の振興等
指定史跡、登録文化財、埋蔵文化財、市史資料等の保護・保全と関連諸調査、文化財刊
行物等の編集・発刊、愛護保全・活用活動支援等を行い、保護、保全、更にはそれらの有
効活用を目指す。
図書館、美術館、郷土民俗館等に求められる諸機能設備を拡充しつつ、魅力ある展示企
画や図書貸出活動、諸普及啓発活動の展開に結びつく美術品、資料、所蔵本の収集を行う。
合わせて利用者への知的情報提供能力を向上させる。
また、喜多方プラザを中心とした各文化施設の設備特性を生かした事業の展開、市民団
体等による文化芸術活動、伝統文化伝承活動の促進と、それらの活動への支援、協力及び
情報発信を行う。
イ 地域文化の振興等に係る施設の整備
指定史跡、文化財等の復元修復・公開・説明設備、活用諸施設の整備を行う。特に古屋
敷遺跡、会津新宮城跡等の国指定史跡は民有地に位置するため、土地の買上による保護と
復元的整備を核に、関連する国指定重要文化財集中エリアの整備を重点に置く。
美術館、図書館諸設備の拡充、新たなニーズに即した機能設備の整備、郷土民俗館等の
諸施設整備を行う。
(4)計 画
自立促進
施策区分
事 業 名
(施設名)
7地域文化の
振興等
(1) 地域文化
振興施設
等
「地域文化振
興施設」
事業内容
高郷郷土資料館屋根塗装事業
48
事業主体
市
備考
9 集落の整備
(1)集落の整備の方針
集落は、農耕水利の共用や共有林の管理などの地理的要因や、地域防災や学校区等を単
位とした社会的要因のもとに形成され、地域文化や独自の風習や習慣などによって維持さ
れてきた。
従って、集落の整備や「地域づくり」に当たっては、それぞれの集落や周辺地域も含め
て共有する歴史的な経過と、現在の社会生活圏の実態、交通網や公共施設の整備状況に配
慮しながら整備を進める。
また、人口減少と高齢化が進んだ集落においては、その機能低下が大きな課題であり、
担い手不足から集落自らの取組みだけでは集落機能の維持・活性化が困難な集落もあるた
め、行政はもとより集落出身者や地域の高校、大学の協力を得、更に都市部住民などの支
援を得ながら機能を維持強化していくために、複数集落をネットワーク化する施策(集落
ネットワーク圏の形成を含む「小さな拠点」形成等の考え方)を推進することも必要であ
る。
加えて、地域からの要望がある場合は、その意見を尊重しながら近隣集落との統合等を
図っていくことも必要である。
また、市街地やその周辺部においても、人口減少と高齢化は進んできており、中山間部
の集落と同様にコミュニティ機能の低下が懸念されており、早急な対策をする必要がある。
(2)現況と問題点
ア 集落機能の維持・向上
本市では、概ね集落ごとに行政区が組織されており、272 の行政区がそれぞれにおいて
様々な地域活動を展開し、地域のコミュニティを形成してきた。
市街地を除いては、農家が中心となった集落がほとんどであり、農林業を主体としたコ
ミュニティが形成され、住民相互扶助が築かれてきた。
しかし、人口減少と高齢化が進み、兼業農家や離農者の増加、後継者不足などにより、
集落単位の共同活動等にも支障が出始めるなど、農山村特有のコミュニティが薄れ、集落
の活力が低下してきている。
特に、基幹集落から離れた中山間部の集落においては、若年層を中心に市内市街地や都
市部への転出も多く、人口の減少と共に高齢者のみの世帯や空き家が増加し、集落の住民
相互扶助の維持が困難となり、日々の生活にも支障をきたすなど、集落としての機能崩壊
が危惧されている。また、耕作を断念せざるをえなかった農地の拡大や、農林業施設の管
理についても十分にできない状況にあり、貯水機能など農林業が持つ多面的機能も失われ
つつある。
その一方で、田舎暮らしや、新規就農、二地域居住そして定住を目指す都市部の住民も
増えつつある。それらの新集落民が、集落の主要な役割を担うなど、外からの新たな視点
で集落の維持・活性化に関わる例や、出身者による「ふるさと会」が組織され、集落の共
同作業を行うなど、集落の維持に取り組む例も見られる。
高齢化がますます進行する農山村集落においては、インフラ整備等で安心して生活でき
る条件整備は今後とも必要であり、また、恵まれた資源を活かし新たな視点で小さな経済
(産業・雇用の場)の創設が望まれる。
更に今後は、集落の区域を越えた連携と集落での多様な担い手を受け入れる体制の整備
も課題となってくる。
49
イ 集落機能の再編
一つの集落では集落機能の維持が困難であるため、隣接集落との統合再編により、新た
な行政区が誕生する例がある一方で、山間部の集落等では、集落間の距離が離れており、
容易に統合再編とならない地域もある。
高齢化率が比較的低い市街地や、その近隣の集落においては、過疎集落(行政区)とし
ての問題意識はまだ低いものの、就学児童の激減などで近い将来のコミュニティ機能に対
する不安などの問題意識は共有している。従来のそれぞれの機能は維持しながらも、隣接
集落(行政区)を含めた地域全体での「文化活動」
「交通安全・防犯活動」「活性化のため
の活動」などが始まっている。
今後は、それぞれの地域特性や条件に応じた対策が必要である。
(3)その対策
ア 集落機能の維持・向上
住民が安心して暮らしていくためには、道路や上下水道、情報通信網といったインフラ
の整備はもとより、移動手段の確保、保健・医療・福祉体制の充実等、基本的な条件整備
を推進する。
また、集落機能の維持・活性化を図るためには、各集落の内発的な力を引き出し、主体
的な取組につなげていくことが重要であることから、本市の「集落支援員」や「地域おこ
し協力隊」を活用して、集落の維持・活性化に向けた計画づくりや、空き家対策、野生動
物対策といった個別の課題も含め、様々な課題に対する協働の取組を推進する。
これらの取組は、集落出身者や I ターン者・二地域居住者などの多様な担い手の力も重
要であり、その受入体制整備を推進するとともに、国県等の各種制度を活用しながら、集
落の取組段階に応じた人的・財政的支援を行う。
さらに、地域づくりに関心のある組織やNPO等との連携を図るとともに、出身者や他
の協力者も加わった組織・団体等の育成を行い地域資源や空き家等の遊休施設の活用等に
より集落機能の維持・活性化を図るものとする。
イ 集落機能の再編
地理的条件や、基礎的な公的サービスの確保が困難な集落あるいは、地すべり・急傾斜
等の危険地域にある集落については、集落の要望・意見を尊重しながら集落の統合などに
ついて対応していくものとする。
50
(4)計 画
自立促進
施策区分
事 業 名
(施設名)
8 集落の整備
(2)過疎地域自
立促進特別事
業
事業内容
事業主体
過疎地域・集落支援対策事業
・市内の各集落の内発的な力の引き出し、活性化の
取組につなげるため、集落支援員を配置し、集落の
状況把握と維持活性化に向けた計画づくりや課題
への対応といった取組を協働で行う。
また、集落支援に携わる人材や組織・団体等の育
成に努め、集落自ら又は集落と支援組織・団体等が
連携して行う社会実験や実践活動などに対し、集落
の取組段階に応じた人的・財政的支援を行う。
市
地域おこし協力隊
・地域力の維持・強化を図るため、地域外の人材を
積極的に誘致し、農林業の応援、水源保全・監視活
動、住民の生活支援など各種地域協力活動に従事し
てもらいながら当該地域への定住・定着を図る。
市
51
備考
10 その他地域の自立促進に関し必要な事項
(1)その他地域の自立促進に関し必要な方針
本市の有する豊かな自然環境は貴重な財産であり資源であることから、これらを最大限
に活かし産業振興に結びつけることにより自立促進を図る必要がある。また、自然環境を
持続可能なエネルギー資源として有効に活用することにより、環境に配慮したまちづくり
を推進し、地球温暖化防止に貢献することが求められている。
本市は、厳しい財政状況の中で、合併による行政区域の拡大への対応や多様な住民ニー
ズを行政に反映させるための行政組織、広報広聴制度、市庁舎の整備を図るなど住民福祉
の充実を図りつつ、最少の経費で最大の効果をあげるため、簡素で効率的な行政の基盤づ
くりについて、行政と住民との役割を分担をするなどし、地域づくりに対する住民の積極
的な参画を促進する。
本市の財政運営については、財政収支の均衡及び財政健全化を図り、諸施策を財政面か
ら位置づけすることを趣旨としている中期財政計画を基本としているが、今後においては、
合併による財政上の優遇措置の縮減が予定されているため財政収支の均衡を図ることと合
わせて本市を取り巻く情勢の変化や地域医療の確保、住民の日常的な移動のための交通手
段の確保、集落維持及び活性化その他の住民が将来にわたり安全に安心して暮らすことの
できる地域社会の実現を図るための事業に的確に対応していくことが必要である。
これらの事業に要する経費については、過疎債の活用やそれを財源とした基金を活用す
ること等により、自立促進を図るものとする。
(2)現況と問題点
ア 再生可能エネルギーの推進
本市では、豊かな自然環境の保全と地域資源の有効活用を図るため、自然に対する負荷
の少ない再生可能エネルギーの導入を推進しており、住宅用の再生可能エネルギー設備等
の導入に対する支援を行うとともに、公共施設への導入による波及効果を図るなどの取組
を展開しているが、導入経費が大きいことなどにより、現在までの導入件数は決して多い
とはいえない状況である。
今後も、本市の地域新エネルギービジョンに基づき普及を図っていく必要がある。
イ その他行財政の運営
本市は、行政需要の増大や厳しい財政状況のなか、行政区域の拡大への対応や多様な住
民の声を行政に反映させるための行政組織、広報広聴制度の整備を図るなど、効率的な行
政の運営が求められている。また、行政サービスの拠点となる市役所庁舎については、旧
喜多方市役所を本庁とし、旧町村の役場を総合支所に位置付け行政の運営にあたっており、
老朽化した施設の改修や改築、施設の機能充実を図っていく必要がある。
多様化する住民ニーズに対応し、住民福祉の充実を図りつつ、最少の経費で最大の効果
をあげるため、簡素で効率的な行政の基盤づくりと、行政と住民との役割を分担し、地域
づくりに対する住民の積極的な参画を促進することが必要である。
また、本市の財政は、市税などの自主財源に乏しく、歳入の多くを地方交付税や国庫支
出金に依存している現状にあり脆弱な体質となっている。合併初年度である平成 17 年度の
経常収支比率は 87.8%、平成 20 年度は 85.6%、平成 22 年度は 82.6%、平成 25 年度は 82.2%、
平成 26 年度は 85.5%であり、投資的経費を極力抑えた弾力性を欠く財政運営となっている
ため、市町村合併による効率化を生かした行政管理経費の節減に努めることが必要となっ
52
ている。
地方公共団体の財政の健全化を表す指標の一つである実質公債費比率について合併初
年度である平成 17 年度は 21.1%、平成 22 年度は 17.4%、平成 25 年度は 15.0%、平成 26 年
度は 12.9%と平成 22 年度以降は地方債同意等基準である 18.0%を下回っている。
(3)その対策
ア 再生可能エネルギーの推進
住宅用の再生可能エネルギー設備の普及については、太陽光発電設備を中心に導入経費
に対する支援を継続し、公共施設等については、導入事例を増やすとともに、エネルギー
問題や地球温暖化問題への対策としての有効性の観点からも普及・啓発を進め市民の意識
の高揚を図る。
また、本市の再生可能エネルギー導入を積極的に推進するためのビジョンを策定し、自
然環境保全と地域資源の活用を図る。
イ その他行財政の運営
職員の定員適正化計画を策定し、適正な人員配置を図りながら機能的に職員を配置し、
行政サービスの向上に努めるとともに、ICTを活用し行政事務の効率化を図るほか、住
民の声を反映させる行政運営や迅速な行政サービスの提供に努める。
そのため、民営化・民間委託の推進、効率的で効果的な行政運営に努めるとともに、計
画(Plan)
、実行(Do)
、評価(Check)、改善(Action)及び費用対効果分析の活用、市民
満足度調査の実施などの手法を取り入れ、より積極的な経営的視点に立った行政運営に努
める。
行政区のコミュニティ活動をさらに活発化させ、市民の自治意識の高揚を図るとともに、
市民が積極的に市民活動を展開できる環境を整備し、さらにNPOの育成に努め、行政と
市民、ボランティアやNPOが適切な役割分担のもとに住民と行政との協働によるまちづ
くりを推進し、より一層情報の共有化を進めながら透明で公正な行政の確立を目指す。
行政サービスの拠点となる市役所庁舎については、老朽化等の問題を抱える庁舎の整備
を早急に進め、施設の機能充実を図る。
今後も健全化を維持するため中期財政計画を策定し、市債発行と元金償還のバランスに
配慮するとともに、債務負担行為の設定については、必要性を十分検討し抑制を基調に適
正な管理を図ることとする。また、過疎地域自立促進のための財政上の特別措置や合併に
伴う財政支援策、国・県等などからの見込み得る財源については最大限活用できるよう努
めることや、財政上優遇措置については積極的に活用することとし、財政基盤の強化を図
る。
53
(4)計 画
自立促進
施策区分
事 業 名
(施設名)
9 その他地域
の自立促進に
関し必要な事
項
(1)自然エネル
ギーを利用す
るための施設
小水力発電施設整備事業
市
(2)過疎地域自
立促進特別事
業
再生可能エネルギービジョン策定事業
・豊かな自然環境の保全と地域資源を有効活用し、
再生可能エネルギーの推進を図るためのビジョン
を策定する。
市
事業内容
54
事業主体
備考
事業計画(平成 28 年度~32 年度)
自立促進施策
区分
1 産業の振興
2 交通通信
体系の整備、情
報化及び地域
間交流の促進
4 高齢者等
の保健及び福
祉の向上及び
増進
事 業 名
( 施 設 名 )
(9) 過疎地域
自立促進特別
事業
(11)過疎地域
自立促進特別
対策事業
(8)過疎地域
自立促進特別
対策事業
過疎地域自立促進特別事業分
事
業
内
容
事 業
主 体
研究開発支援事業
・新製品・新技術の研究開発及び市場調査を支援し、
企業の競争力強化と市内経済の振興を図る。
市
受注拡大・販路開拓支援事業
・受注拡大・販路開拓を目的として戦略的に行う受
注拡大等の取り組みを支援し、企業の競争力強化と
市内経済の振興を図る。
市
森林病害虫防除事業
・松くい虫・カシノナガキクイムシを駆除し、森林
の保全、林業の振興を図る。
市
多面的機能支払交付金
・集落等を単位とする活動組織に交付金を交付し、
農地、農業用水、農道等の農業施設及び農村環境の
保全活動を支援する。
農家等
による
活動組
織
中山間地域等直接支払交付金
・中山間地域における農地の保全に関する協定を締
結した集落に交付金を交付し、生産条件の不利な中
山間地域における農地の多面的機能を維持する。
対象
地区
国土調査事業(山都地区、高郷地区)
・地籍の明確化を図る調査を実施し、国土の開発・
保全とその利用の高度化に資する。
市
公共交通対策事業(負担金)
・デマンドバスの運行
(基金に積み立て、法失効後も事業を実施する。
)
公共交
通会
議・市
太極拳フェスティバル事業
・太極拳体験型イベントと集団演武交流会を行い、
太極拳のまち喜多方を発信することによって新た
な価値を創造し、元気なまちを築く。
・全国から多くの参加者が集まる滞在型イベントの開
催によって大きなPR効果と経済効果が期待でき
る。
55
フェスティバ
ル実行
委員会
備
考
8 集落の整
備
9 その他地
域の自立促進
に関し必要な
事項
(2)過疎地域
自立促進特別
対策事業
(2)過疎地域
自立促進特別
対策事業
過疎地域・集落支援対策事業
・市内の各集落の内発的な力の引き出し、活性化の
取組につなげるため、集落支援員を配置し、集落の
状況把握と維持活性化に向けた計画づくりや課題
への対応といった取組を協働で行う。
また、集落支援に携わる人材や組織・団体等の育成
に努め、集落自ら又は集落と支援組織・団体等が連
携して行う社会実験や実践活動などに対し、集落の
取組段階に応じた人的・財政的支援を行う。
市
地域おこし協力隊
・地域力の維持・強化を図るため、地域外の人材を
積極的に誘致し、農林業の応援、水源保全・監視活
動、住民の生活支援など各種地域協力活動に従事し
てもらいながら当該地域への定住・定着を図る。
市
再生可能エネルギービジョン策定事業
・豊かな自然環境の保全と地域資源を有効活用し、
再生可能エネルギーの推進を図るためのビジョン
を策定する。
市
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