神田川水系を事例 として(卒業論文要旨)

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市街化に伴う都市河川の変遷と現状 : 神田川水系を事例
として(卒業論文要旨)
山本, 貴子
お茶の水地理
1994-09-01
http://hdl.handle.net/10083/12229
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Departmental Bulletin Paper
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お茶の水地理
第3
5
号
1
9
9
4
年
市街化に伴 う都市河川の変遷 と現状
-
神 田川水系を事例 として山 本
東京 の中小河川は ,昭和 30
年代か らの急激 な
人 口増加 と土地利用の高度化 な どに よ り,「
都市
型水害」 が頻発す るようにな った。 この ような水
害 に対 して ,どの よ うな治水対策がな されている
のか ,そ して地域住民は ,河川に対 して どの よう
な要望を もっているのかを,東京都 内の中小河川
の中で も,東京 のいろいろな苦悩を一身に背負 っ
ている神 田川水系について考 えてい く。
子
であるため,行政側 としては,親水性 の追及 よ り
も水害対策のための事業を進めざるを得 ない現状
である。
中流 ・下流地域においては,地域住民が河川に
対 して無関心であった。 この理 由として様 々な こ
とが考 えられ るが ,主な もの としては ,川沿いに
住宅が少な くな っていることや ,河川 に関す る問
題 よ りももっと深刻 な問題が数多 くあるとい うこ
とが考 えられ る。新宿区 ・文京区 ・千代 田区にお
いては ,住宅問題や高齢者問題 ,道路交通問題な
神 田川は ,三鷹市にある井の頭池に源を発 し,
中流 部で支流である善福寺川 お よび妙正寺川 と合
流 し,新宿 ・豊 島 ・文京の区境を流下 しなが ら,
JR水道橋駅付近 で 日本橋川を分流 して,さらに
東流 して台東区柳橋付近 で隅 田川に注 いでいる。
ど-の対処を望む声が高か った。 しか しなが ら,
下流地域 も隅田川合流点が近付 くと,川幅 も広 く
な り,川 らしさが感 じられ ,橋 のた もとには橋詰
広場が設置 され ,住民に うま く利用 されていると
その流域面積は約 1
0
5
k
d,流路総延 長 は約 24.
6k
n
と,東京都区部の中小河川 としては最大の集水面
積を持つ河川である。
神目
川l
流域 は ,都心 に近 接 して い る こ と,ま
た ,そのほぼ中央を貫通 している現J
R中央線が大
正初期にはすでに開通 していた ことな どの好条件
もあ って ,東京近郊 の主要な住宅地 として ,比較
的F
l
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い時期か ら発展 して きた。
この ような流域 の都市化は ,雨水の浸透域や遊
水機能の減少を招 き,河川の洪水負担を大 き くさ
ころ もある。 この よ うな橋詰広場は ,治水 ・親水
の両機能を兼ね備 えているといえ よう。本来 ,袷
水の対象であ る降雨 は ,不確定 な 自然 現 象 であ
り,また ,流域の状況 も変化す るため ,水害の発
生を完全にな くす ことは極めて難 しい と言える。
かつ ,現状におけ る東京 の河川は ,都 市の中の河
川 とい う制約を受けなが ら,洪水時の排水を速や
かに行 う施設を求め続けてきたため ,こ うした河
川に治水機能以外の機能を付与す ることは背反す
るものを求めることになる
せ ,都市型水害の大 きな原因 とな った。治水対策
として ,神 田川においては ,護岸改修工事や分水
路 の建設 ,調節池な どの事業が実施 され 水害 の
早期解消 ・軽減に努めている。
その ような中 ,近年 になって,神 田川流域 の地
。
したが って,治水対策を推進す るなか で,潤い
や安 らぎを もた らす親水機能をいかに調和 させる
かを考 えなけれ ば な らな い。 そ のため に行政側
,
域住民の,水に親 しみたい とい う声が高 ま り,河
川におけ る親 水機 能 の整備 が要 求 され る よ うに
な った。
地域別 に見 ると,上流地域において,その傾 向
が顕著であ る。 これ はや は り,沿 川 が住 宅地 に
な っていることが大 きな理 由であると考 えられ る。
は ,情報や知識を提供 し,住民側は,河川 の現状
や今後負担すべ きものな ど,河川に対す る深い理
解を持 とうとしなければな らない。つ ま り,治水
の安全度を向上 させつつ ,川が本来的に持つ魅力
や首都東京な らではの魅力を創造す ることが ,神
田川を含む東京の河川の課題であるといえるであ
ろ う。
ところが ,この地域は流域 内で も水害の常襲地域
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貴
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