仕様書 スマートコミュニティ部 1. 件 名 国外の最新開発動向を踏まえた車載用蓄電池の技術開発の方向性に関する検討 2. 目 的 外部から供給される電気を蓄電池に貯蔵し、動力源として利用する電気自動車(EV)及びプラグイ ンハイブリッド自動車(PHEV)はエネルギー効率に優れ、かつ低炭素の国産エネルギーである再生 可能エネルギー由来の電力の利用も可能である。そのため、気候変動問題の深刻化や新興国の経 済成長による資源獲得競争が顕著になりつつある現在、EV・PHEV の普及促進が重要である。 EV・PHEV の普及促進のためには、一般ユーザーにとっての利便性をガソリン車と同等とすること、 すなわち、1回の充電あたりの走行距離の飛躍的伸長、スタイリング・車室レイアウトの自由度拡大、 販売価格の抜本的な低減等が必要である。これらの課題解決のキーテクノロジーとなるのが車載用 蓄電池であり、リチウムイオン電池(LIB)の更なる高性能化に留まらず、LIB を凌駕する高エネルギ ー密度で安価な革新型蓄電池の実用化が必要である。 このような背景から、現在、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、 「リチウムイオン電池応用・実用化先端技術開発」(平成 24~28 年度)においてエネルギー密度 250W/kg、コスト 2 万円/kWh を目指した先進的なリチウムイオン電池の実用化技術開発(実用化時 期:2020 年)を推進している。加えて、平成 28 年度開始の「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開 発」においてエネルギー密度 500W/kg、コスト 1 万円/kWh を目指した革新型蓄電池の基盤技術開 発(実用化時期:2030 年)に取り組む計画である。一方、諸外国も EV・PHEV 及び車載用蓄電池の 産業競争力強化を意識した技術開発の取組みを精力的に進めており、今後、市場シェアの獲得や 技術優位性の構築に向けた激しい国際競争が展開されることが予想される。 そのため、本調査では、主要国における車載用蓄電池に関する技術開発の最新動向について調 査と分析を行って、我が国における車載用蓄電池の技術開発の方向性を明らかにする。 本調査結果は、「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発」のプロジェクトマネジメント(個別テー マの課題・目標設定、開発スピード、リソース配分、特許出願等の検討)に活用する。 3. 内 容 3.1 国外の車載用蓄電池技術の動向調査 諸外国の国家プロジェクト、民間企業、大学・研究機関における車載用蓄電池の技術開発の最新 動向を調査(情報収集及び分析・考察)する。 (1) 調査対象国・地域 北米(米国、カナダ)、欧州、中国、韓国、台湾等 (2) 調査技術 先進リチウムイオン電池及び革新型蓄電池の材料、製造方法、電池構造、反応・現象解析等 (3) 調査方法 ① 国内外で開催される国際シンポジウム・ワークショップ等への出席 ② 公開レポート等からの情報収集 ③ 個別ヒアリング 等 1 (4) 調査項目 ① 国家プロジェクト:所管省庁(担当部局)、目的、目標、内容、期間、予算、実施体制 等 ② 各民間企業、大学・研究機関:開発内容(コンセプト、アプローチ、コア技術)と成果、実用化 課題・対策、連携機関 等 (5) 分析・考察 諸外国の国家プロジェクトについて性格・特徴、現在までの到達点、今後の進捗予測等を整理 する。また、有力な民間企業、大学・研究機関を抽出し、保有技術の特長・優位性等を整理する。 3.2 車載用蓄電池の技術開発の方向性に関する検討 前記3.1の調査結果に基づいて、車載用蓄電池の技術開発において我が国が他国をリードし、ま た、その技術開発の成果を市場競争力に結実させるための開発シナリオの方向性を検討する。 3.3 NEDOとの連携 (1) 本調査事業の実施者は、前記3.1及び3.2の実施にあたり、NEDOと綿密に協議する。また、調 査の実施状況をNEDO及び経済産業省と密に共有し、その進め方・まとめ方について適宜、確認 する。 (2) 必要に応じて、NEDOとの協議によって選定する有識者によって構成される委員会を開催し、調 査のまとめを行う上での参考とする。その際、実施者が委員会の運営業務(資料の準備、会場手 配・設営、会議に係る各種手配及び支払、委員への旅費・謝金の支払い、日程調整・各種連絡、 議事録作成等)を行うものとする。 4. 調査期間 NEDO が指定する日から平成 29 年 2 月 28 日(火)まで 5. 予算額 2,000万円以内 6. 報告書 提出期限:平成 29 年 2 月 28 日(火) 提出部数:電子媒体 CD-R(PDF ファイル形式、Word ファイル形式 各 1 式) 1 枚 提出方法:「成果報告書・中間年報の電子ファイル提出の手引き」に従って提出のこと。 http://www.nedo.go.jp/itaku-gyomu/manual_tebiki_index.html 留意点:報告書作成の際には、図表を用いて分かり易く工夫すること。また、報告書とは別に調査 結果を PowerPoint ファイル形式にまとめて提出のこと。 7. 報告会等の開催 委託期間中又は委託期間終了後に、成果報告会等における報告を依頼することがある。 8. その他 本仕様書に定め無き事項については、NEDO と実施者が協議の上で決定するものとする。 2
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