なぜ貧しい国はなくならないのか 第2章 貧困は減っているのか 1313059 堀佑太 貧困者はどの国にどれだけいるのか 1990年前後、貧困者 約15億人 そのうち7億人近くが中国 南アジアにも6億人近い貧困者 そのうち約4億5000万人がインド 貧困者はどの国にどれだけいるのか 20年間で貧困者の総数は約6億人減った 中国だけで5億3000万も減っている →ほとんど中国のおかげ 反対にアフリカでは20年で貧困者が40%増えてい る 貧困者はどの国にどれだけいるのか 図2-1から中国とインドネシアでは実質GDP が上昇するとともに貧困者比率が減少 → 所得の増大が貧困削減につながる 貧困の構造を考えよう 1人当たり所得 =家計内労働者比率×労働報酬+1人当たり資 産所得 ①労働者の比率 ②1人当たり労働報酬 ③1人当たりの資産所得 貧困の構造を考えよう ①労働者の比率が低い 子供の数または高齢者が多い ②労働報酬 を決める要因 労働者の質、機械や設備、土地の質、量、労 働者の希少性 ③資産所得 所有する資産に対しての報酬 人口の年齢構成と貧困 ※表2-2から 高所得国では生産年齢人口比率は64-67%と前 後と高く、安定している アフリカでは生産人口比率が52-54%程度 東アジアと南アメリカでは、生産年齢人口比 率が急速に増加している 人口の年齢構成と貧困 人口成長率との関係 高所得国では人口成長率が低く、子供が少ないの で、生産年齢人口比率が高い アフリカでは人口成長率が著しく高く、子供が多 いため生産年齢人口比率が低い 人口の年齢構成と貧困 生産年齢人口比率で高所得国と途上国の間に大き な差があるわけではない →所得格差の主要な原因ではない 子供が多くて、一人当たり所得が少ないと、子供 の人的資本への投資は少なくなる 就業構造と貧困 表2-3 高所得国では農林水産業の就業人口率が低く、工 業部門も減少している → 労働者一人当たりの所得が低いため アフリカの場合、農林水産業の人口が多く、工業 の比率は増加しているが、依然として低い 就業構造と貧困 表2-4 産業別1人当たりGDPから 2010年において、インド、ネパール、エチオピア で工業部門がサービス部門より顕著に低い 農林水産業の1人当たりGDPが工業、サービス と比べて著しく低い →兼業所得が多いこと 高齢化や教育水準の低さ 就業構造と貧困 表2-5から、貧困者比率は都市よりも農村の方 が高い 農村を豊かにすること 農村から出てくる労働者のために、都市でより所 得の高い雇用を創出すること が重要 どういう人々が貧困か? 表2-6 農村で比較的裕福なのは 地主→自作農→小作農の順である 土地なし労働者、零細農、小農の各家計の所得格 差が小さいことが分かる どういう人々が貧困か いくつかのケースでは、土地なし労働者家計のほ うが、小農の家計より豊か →土地へのアクセスが悪い家計ほど、非農業の 兼業から得る所得が多いから どういう人々が貧困か この節のまとめ 農村の貧困の原因は ①土地を所有していない、もしくは少ない ②教育水準が低い ③非農業就業機会が乏しいこと 貧困と所得分配 表2-9 裕福な上位10%の家計が経済全体の所得の 何%を得ているか →この比率が高いほど、金持ちが相対的に豊 か 所得の下位10%の家計が経済全体の所得の 何%を得ているか 貧困と所得分配 表2-9 下位10%の部門 低い順にブラジル、ナイジェリア、ケニアと続く 2010年の中国の比率が著しく低い →経済成長に取り残された人々が多い 貧困と所得分配 図2-3 ブラジルの所得比率が突出して高いが、貧困者比 率が高いわけではない →所得比率が高くなるほど貧困比率が高まる という関係は成り立たない! まとめ この20年で貧困は減少したが、国連主導とい うよりも中国のおかげ 途上国では子供が多いため、労働者比率が低 いが、それが先進国と途上国の格差を説明す るものではない 貧困削減のためには、雇用機会と労働報酬を 高める経済開発が大事
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