ガントチャートとPERT図 ケーススタディ システム設計 第5回 注 意 ここで示す例題は実際のものではなく,しかもか なり簡略化している こんなもの実際にありえないものかも知れない ガントチャート ガントチャート = 夏休みの宿題計画表? Gantt chart ガントチャートの例1(前回) 何(工程)を,いつ開始して,いつ終了するか この例は,ウォータフォールモデルなので,工程 が重なっていない ガントチャートの例2-1 各工程内の作業によっては,複数の工程を並行 して行うことができる場合がある ただし,“運用テスト”は,他のすべての作業が終 了していないと開始できないものとしている ガントチャートの例2-2 要員が確保できるかなどいろいろ考慮しなければならな い 3工程同時に行うことができる数の要員を確保できなけ れば,“結合テスト”の開始を遅らせることになる ガントチャートの例2-3 なぜ,ここから“単体テスト”を開始できるのか? 開発するシステムは複数のプログラムから構成されてい るので,1週間で完成するものもある。その単体テストは, 他のプログラムの完成を待たずに可能である 実際には 例示したような,大雑把なものではない ヒト,モノ,カネを考慮して詳細に計画を立てなけ ればならない PERT Program Evaluation and Review Technique 簡単にいうと プロジェクトの作業には,順番に行わなければな らないものや,同時に行うことができるものがあ る プロジェクトを短期間で終了させるための管理手 法である 作業の流れを図示したものが,PERT図(アロー ダイアグラム)である P E R T 図(1) 作業 ある作業を表し,左の○で作業が始まり,右の○ で作業が終了する →の上に作業名を,下に所要日数を書く(他の書 き方もある) P E R T 図(2) 先行作業 ある作業を開始するためには,終了している 必要のある作業のことを先行作業と呼ぶ 複数のこともある 作業Yの先行作業がX 作業Xが終了してから,作業Yを始める P E R T 図(3) 三つの作業A,B,Cがあり,それぞれの所要日 数と先行作業が表のとおりである 作業Aは,最初の作業であって,1日かかる 作業Bは,作業Aが終了してから始め,6日か かる 作業Cは,作業Bが終了してから始め,2日か かる P E R T 図(4) 図示すると 全体が終了するのに, 最短で9(=1+6+2)日かかる P E R T 図(5) 作業DとEを加える 作業Cの先行作業にEが加わったことに注意 P E R T 図(6) 作業Bと作業D,作業Bと作業Eは同時に行うこと ができる 作業Cは,作業BとEが二つとも終了していないと 開始できない P E R T 図(7) 作業Cはいつ開始できるか? 作業A → B と進んでくると,7(=1+6)日 作業A → D → E と進んでくると, 6(=1+2+3)日 つまり,8日目に最短で開始でき,全体では最短 で9日で終了することができる P E R T 図(8) 全体を最短日数で終了する A→B→C クリティカルパス(critical path)と呼ぶ P E R T 図(9) クリティカルパス上の作業に遅延が生じると,プ ロジェクト全体に遅延が生じる クリティカルパス上の作業の所要日数を短縮で きれば,プロジェクト全体の所要日数を短縮でき る,か? P E R T 図(10) 所要日数を4にする 作業Bの所要日数を,6⇒4にできたとすると,1 +4+2=7日? クリティカルパスが A→D→E→C となり,1+2+3+2=8日 P E R T 図(11) 作業Aの終了後,作業 Bと作業Cを同時に開 始することができる 作業Dは,作業Bと作 業Cが終了後,開始で きる ダミー作業 PERTの問題 例 1 作業Fは,作業Aが終了してから行う作業で, 作業日数は14日 作業Aは,このプロジェクトの最初の作業で, 作業日数(所要日数)は3日 作業Dは,作業F,GとCが 終了してから行う作業で, 作業日数は6日 ダミー作業とは, 実際にはない 作業である 基本情報処理技術者試験2015年度春午前 問54 例 2-1 基本情報処理技術者試験2007年春午後問3 例 2-2 例 2-3 ケーススタディ これからの授業で例とする 簡単なシステム 提 案 依 頼 書 提案依頼書の概要(1) 成績管理システム 大学で学生の成績を管理するシステムであっ て,以下の機能をもつ 提案依頼書の概要(2) 成績管理システムのもつ機能(1) 成績を入力・修正 成績データベースを更新 成績表を出力 進級・卒業判定資料を作成 提案依頼書の概要(3) 成績管理システムのもつ機能(2) 成績を入力・修正について 教員及び事務職員が,ネットワーク経由で 行う 成績データベースを更新について この授業では省略 提案依頼書の概要(4) 成績管理システムのもつ機能(3) 成績表を出力 学生個人の成績表 科目ごとの成績表 印刷イメージをディスプレイに表示し,必要 により印刷 提案依頼書の概要(5) 成績管理システムのもつ機能(4) 進級・卒業判定資料を作成 この授業では省略 提案依頼書の概要(6) 現行システム(1) 成績の入力 1. 教員が担当科目ごとの紙ベースの成績 表に記入 2. 期限までに教学(教務)課に提出 3. 事務職員が,提出された成績表と基にシ ステムに入力 提案依頼書の概要(7) 現行システム(2) 成績の修正 成績表の提出前 教員が行う 成績表の提出後 1. 教員が修正願いの文書を教学課に提 出 2. 事務職員が,修正願いを基にシステ ムに修正情報を入力 提案依頼書の概要(8) 現行システム(3) 成績の修正可能期間 成績表の提出後,一定期間のみ可能 その期間を経過後は,修正は認められない 提案依頼書の概要(9) 現行システム(4) 成績表 学生個人の成績表(成績通知書,成績証 明書) 科目ごとの成績表(履修学生全員の成績) 提案依頼書の概要(10) 現行システム(5) 他のことは,この授業では考慮しないものとす る 提案依頼書の概要(11) ハードウェア 現在はPC 1台の構成 新システムは,LANに接続されたPCサーバ 提案依頼書の概要(12) 納期 来年度から利用したいので,それに間に合う こと ハードウェアの調達に関しては,考慮しなくて よい
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