コンピュータアーキテクチャ 第2回 1 COMET II の機械語(マシン語,命令語) 命令語長: 命令数: 38 個 種類: 8 種類 * (1)ロード,ストア,ロードアドレス命令 (2)算術,論理演算命令 (3)比較演算命令 (4)シフト演算命令 (5)分岐命令 (6)スタック操作命令 (7)コール,リターン命令 (8)その他(ノーオペレーション命令,スーパバイザコール命令) 下線付き命令: 基本的命令としてはじめに解説 2 ロード命令 (LoaD) … レジスタ間 * 3 ロード命令 (LoaD) … メモリ・レジスタ間 LD GR0, #1000 4 アドレス修飾 LD GR0, #1000, GR2 * * アドレス #1000 に GR2 の #000A を加えた #100A が * (effective address) 注意: GR0 はインデックスレジスタとして使えない 5 ロード命令 ニモニック LD (メモリ・レジスタ間) に対する機械語 第1オペランド 第2オペランド * GR, adr [,XR] * 第1ワード 0001 0000 **** **** 第2ワード ++++ ++++ ++++ ++++ * <例> LD GR5, #1007 第1ワード 第2ワード 0001 0000 0101 0000 0001 0000 0000 0111 (#1050) (#1007) ・・・ 逐次制御方式の実行例参照 6 フラグレジスタ (Flag Register) 演算命令の実行結果によって値を設定 3ビット構成 OF(Overflow Flag): 演算命令毎に設定が異なる SF(Sign Flag): 演算結果の符号が *が原則 ZF(Zero Flag): 演算結果が 0 のとき 1 が原則 SF, ZF の原則から外れる命令もあり 7 ロード命令とフラグレジスタ LD LD 命令では GR3, #1000 ・・・ (LoaD) * #8000 = -32768 < 0 8 ストア命令(STore) * ST 命令では フラグレジスタは変化しない 9 ストア命令に対する機械語 ニモニック ST 第1オペランド 第2オペランド GR, adr [,XR] 第1ワード 0001 0001 **** **** **** には レジスタ番号 第2ワード ++++ ++++ ++++ ++++ アドレス修飾なし なら 0000 <例> ST GR5, #1009 第1ワード 第2ワード ・・・ 逐次制御方式の実行例参照 0001 0001 0101 0000 0001 0000 0000 1001 (#1150) (#1009) ・・・ 逐次制御方式の実行例参照 10 ロードアドレス命令(Load ADdress)…(1) * * LAD 命令では フラグレジスタは変化しない 11 ロードアドレス命令(Load ADdress)…(2) LAD GR0, #1000, GR2 12 ロードアドレス命令(Load ADdress)…(3) LAD GR2, 1, GR2 * 13 比較 (前項と似て非なる命令) LD GR2, 1, GR2 14 演習問題 2.1 COMETⅡに,次の一連の動作を実行させる命令列 を示せ. (1) メモリの #0100 番地の内容を汎用レジスタ GR1 に転送する. (2) 汎用レジスタ GR1 の格納する値を汎用レジスタ GR0 およびメモリの #0101 番地にコピーする. (3) 汎用レジスタ GR1 の格納する値を 0 にする. (4) 汎用レジスタ GR1 の格納する値を 1 増やす. (5) 汎用レジスタ GR1 の格納する値を 2 減らす. 15 演習問題 2.2 GR1 から GR0 へのデータ転送は, LAD命令でアドレス修飾を 使えば LAD GR0, 0, GR1 で実現できる.しかし,GR0 から GR1 へデータ転送では, LAD GR1, 0, GR0 とすることはできない.その理由を説明せよ.また,どのように COMETⅡの機械語の仕様を変えればこれが可能になるのか 述べよ. 16 算術加算命令・減算命令 ADDA GR2, #1000 ・・・ (ADD Arithmetic) SUBA GR2, #1000 ・・・ (SUB Arithmetic) 被演算データを * とみて加算・減算 • レジスタ間命令 • メモリ・レジスタ間命令 の両方あり 演算結果が –32768 ~ 32767 に収まらなくなったとき OF が 1 17 算術加算命令 ニモニック (メモリ・レジスタ間) に対する機械語 第1オペランド 第2オペランド ADDA GR, adr [,XR] 第1ワード 0010 0000 **** **** **** には レジスタ番号 第2ワード ++++ ++++ ++++ ++++ アドレス修飾なし なら 0000 <例> ADDA GR5, #1008 第1ワード 第2ワード 0010 0000 0101 0000 0001 0000 0000 1000 (#2050) (#1008) ・・・ 逐次制御方式の実行例参照 18 演習問題 2.3 次の(1)~(2)について,ふたつの命令の違いを説明せよ. (1) LAD GR1, 1, GR1 ADDA GR1, 1, GR1 (2) LD LAD GR3, -1, GR3 GR3, -1, GR3 19 リターン命令 RET ・・・ (RETurn from subroutine) * プログラムの実行前の PR(プログラムレジスタ) の内容 ⇒ メモリの他の保管場所へ退避 プログラム終了時に PR(プログラムレジスタ)へ書き戻す 第1ワード 1000 0001 0000 0000 (#8100) ・・・ 逐次制御方式の実行例参照 20 ニモニックレベルの命令 前回の機械語プログラム例 ニモニックレベルの 命令列 * * * * 機械語プログラムの決定手順 アセンブリプログラムから 機械語プログラムへ アセンブリ言語 CASLⅡ 命令書式 ラベル ニモニック 第1オペランド,第2オペランド ;コメント 命令の種類 機械語命令: COMETⅡ の命令(ニモニックレベル) アセンブラ命令: START, END, DS, DC – – * * マクロ命令: IN, OUT, RPUSH, RPOP – 機械語の命令系列を集約 アセンブリプログラム記述例 * * * * * 2 パスアセンブラ 2回の走査(2パス)で機械語に変換 START ↓ 1 パス目: * ↓ 2 パス目: * ↓ END アセンブラ実行例(実行前) ソースプログラム ラベル ニモニック PLUS START LD ADDA ST RET DATA1 DC DATA2 DC RESULT DS END オペランド GR5,DATA1 GR5,DATA2 GR5,RESULT 20 12 1 PLUS ラベル-アドレス DATA1 DATA2 対応表 RESULT : : : : オブジェクトプログラム アドレス:機械語 ↓ ↓ アセンブラ実行例(1パス目) オブジェクトプログラム アドレス:機械語 ↓ ↓ ソースプログラム ラベル ニモニック オペランド PLUS START LD GR5,DATA1 DATA1 DATA2 RESULT ADDA GR5,DATA2 ST GR5,RESULT RET DC DC DS END 20 12 1 PLUS ラベル-アドレス DATA1 DATA2 対応表 RESULT * : : : : * * * * アセンブラ実行例(2パス目) ソースプログラム ラベル ニモニック オペランド PLUS START LD GR5,DATA1 DATA1 DATA2 RESULT ADDA GR5,DATA2 ST GR5,RESULT RET DC DC DS END 20 12 1 PLUS ラベル-アドレス DATA1 DATA2 対応表 RESULT オブジェクトプログラム アドレス:機械語 ↓ ↓ #1000: #1001: #1002: #1003: #1004: #1005: #1006: #1007: #1008: #1009: * : : : : #1000 #1007 #1008 #1009 ☆機械語の構成は テキスト p26 参照 演習問題 2.4 次のプログラムは,VALUE1 でラベル付けされたメモリ領域の格納 する値から,VALUE2 でラベル付けされたメモリ領域の格納する値 を引いた結果を ANSWER でラベル付けされたメモリ領域に格納 するアセンブリプログラムである.これを 2 パスアセンブルせよ. SUBTRA VALUE1 VALUE2 ANSWER START LD SUBA ST RET DC DC DS END GR3,VALUE1 GR3,VALUE2 GR3,ANSWER 18 24 1 30
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