ビジネスモデル特許に関して

ビジネスモデル特許に関して
桒原国際特許事務所
COPYRIGHT(C) KUWABARA INTERNATIONAL PATENT OFFICE 2006
1.ビジネスモデル特許の現状
①特許査定率が低い
→特許出願された発明(審査された出願に限る)の全体の平均査定率は約50%
ビジネスモデル特許といわれている技術分野では約8%
※特許庁HP内の「ビジネス関連発明の最近の動向について」より
1.ビジネスモデル特許の現状
② ビジネスモデル自体は特許の対象とはならない
→そもそもアイデア自体や人為的な取り決め(ルール等)は保護されない為です。
アイデア自体の具体例
: その会社事業のコンセプト自体
人為的な取り決めの具体例 : 保険金の計算方法や数学の公式
※あくまでもそのビジネスモデルを実現するためのもの(装置やシステム等)
が対象となりうる点にご注意ください。
※ 尚、短期間に特許権を取得できることは稀です。
他の技術分野と同様に早くても出願から2~3年かかります。
2.特許出願を検討する際の注意点
他の業界で既に同一のビジネスモデルがないか?
→業界分野の違いは特許に関してほとんど意味をもちません。
あくまで「技術的に」異なるという観点が必要となります。
そのため、前提として特許出願しようとするビジネスモデルにおいて、
従来のビジネスモデルとの相違点(メリット)を明確にする必要があります。
そして、その相違点がシステム上(技術的に)どの部分が該当するのかを判断し、
特許出願可否を判断する必要があります。
→尚、特許出願において権利化を要求する範囲とビジネスモデルの中核が
同じであることも重要なポイントです。
上記ポイントが外れていた場合は仮に特許権を取得したとしても
効果的な権利主張をすることができません。
3.特許出願の際に準備していただきたい書類等
・そのシステムの設計図(フローチャート、仕様定義書等)
→提案等に使用する為の概念図だけでは詳細な機能等が特定できず、
出願書類を作成することが困難です。
・そのシステムのプログラムの流れ(アルゴリズム)が
理解できる書類
→実際に特許庁に対して本発明をどのように実現しているかを
具体的に出願書類に記載する必要がある為です。
ただし、プログラムのコード自体を提供する必要はありません。
4.その他