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第 122 回日本耳鼻咽喉科学会福島県地方部会学術講演会
日時:平成 27 年 10 月 25 日(日) 14:00~17:00
場所:福島市、ザ・セレクトン福島 3 階「安達太良Ⅰ」
(TEL 024-531-1111)
<一般演題>(14:00~15:40)
第Ⅰ群(14:00~14:30)
座長 佐藤
勇
1.薬剤性過敏症症候群(Drug-Induced Hypersensitivity Syndrome:DIHS)が疑われた 1 例
○尾股千里・鈴木 亮・今泉光雅・鈴木政博・松塚 崇・大森孝一(福島県立医科大学)
今回われわれは薬剤性過敏症症候群(DIHS)の 1 例を経験した。症例は 70 歳女性、側頭葉
てんかん疑いにてカルバマゼピンが投与開始された。3 週間後に頭部から発した皮疹と咽頭
違和感を生じた。前医にて皮疹と咽喉頭炎を認め当科紹介された。当初は感染症を疑い入院
管理を開始したが全身性皮疹は増悪し、カルバマゼピンによる薬疹や DIHS を疑い、同剤を中
止し、ステロイドを投与により皮疹、咽喉頭炎ともに改善した。
2.局麻下気管孔閉鎖術時に静脈性出血のため緊急全麻下止血術を要した1例
〇松見文晶・清水雅子・鶴岡美果(星総合病院)
気管孔閉鎖術は気管切開孔が閉鎖可能となった場合に自然閉鎖が見込めない場合や早期閉
鎖を希望する場合の処置として一般的に局所麻酔下に行われる。局所感染や縫合部哆開など
の合併症は時に経験するが重篤な合併症を経験することは少ないと思われる。今回われわれ
は局麻下気管孔閉鎖術中の気管孔周囲からの静脈性出血のため緊急で全身麻酔下止血処置を
要した症例を経験したため報告する。
3.誤嚥防止術後に経口的輪状咽頭筋切断術と咽頭弁形成術を施行し、経口摂取が可能となった高
度嚥下障害例
○今泉光雅・多田靖宏・池田雅一・谷 亜希子・仲江川雄太・大森孝一
(福島県立医科大学)
症例は 73 歳の男性。転落外傷により高度な嚥下障害を発症し、持続する唾液誤嚥に対して
声門閉鎖術を施行した。誤嚥消失後に経口摂取を希望されたため、経口的輪状咽頭筋切断術
及び咽頭弁形成術を施行し、現在は経口摂取が可能となっている。高度嚥下障害例に対して
病状に応じて複数の手術を組み合わせ良好な結果を得たので、実際の手術を呈示し、治療経
過などについて若干の文献的考察を加え報告する。
第Ⅱ群(14:30~15:00)
座長 佐藤 和則
4.endoscopic modified medial maxillectomy (EMMM)にて摘出した上顎洞血瘤腫の 1 例
○鈴木俊彦・山辺 習(寿泉堂綜合病院)
血瘤腫は鼻・副鼻腔に生じる腫瘤で臨床上の病名である。今回我々は内視鏡下に摘出した
上顎洞血瘤腫の 1 例を経験したので報告する。症例は 24 歳女性で右鼻汁、右鼻閉を主訴に当
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科受診した。CT、MRI で右上顎洞内に腫瘍を認め、生検にて血瘤腫が疑われた。endoscopic
modified medial maxillectomy (EMMM)にて腫瘍を摘出し、病理組織診断は血瘤腫であった。
5.鼻副鼻腔原発の小細胞癌に対して放射線単独治療をおこなった 83 歳女性の1例
○浦中 司・吉田 剛・柴﨑仁志・高橋雅章(竹田綜合病院)
鼻副鼻腔の神経内分泌癌(小細胞癌)は鼻副鼻腔原発の腫瘍としては珍しい腫瘍である。
鑑別が問題となる嗅神経芽細胞腫とは治療法が異なり、シスプラチンおよびエトポシドを併
用した放射線化学療法が選択されることが多い。鼻閉を主訴に当科を受診し、右上顎洞を主
座とする小細胞癌の診断に至った 83 歳女性に対し、年齢および全身状態から放射線単独で治
療した症例を経験したので報告する。
6.鼻腔内逆生歯の2例
○鈴木大士・菊地大介・佐藤 聡・三浦智広・佐藤和則(太田西ノ内病院)
逆生歯とは歯牙が固有鼻腔や上顎洞内に萌出する比較的稀な疾患である。今回我々は鼻腔
内逆生歯の2症例を経験したので文献的考察を加え報告する。症例1は7才男児、鼻腔内異
物を認め当科紹介受診。鼻腔底にエナメル質様の白色塊を認め、CT にて逆生歯牙の診断とな
り手術にて摘出しえた。症例2は3歳男児、副鼻腔炎の改善なく当科紹介受診。左鼻腔底に
肉芽様の隆起を認め、CT にて逆生歯牙の診断となった。
第Ⅲ群(15:00~15:40)
座長 大槻 好正
7.両側切除術を行った両側茎状突起過長症の1症例
○佐藤廣仁・小針健大・髙取 隆・鹿野真人(大原綜合病院)
茎状突起過長症は嚥下時痛、咽頭痛、耳痛など様々な症状を呈する疾患である。根治的治
療は手術による切除摘出である。今回、我々は両側茎状突起過長症の症例に対して両側茎状
突起切除術を施行したので報告する。症例は 35 歳、男性。数ヶ月持続する右嚥下時痛を主訴
に当科に紹介され受診した。頸部単純 CT にて両側の茎状突起過長を認めた。両側とも頸部外
切開アプローチにて切除術を行い症状の改善を得ることができた。
8.PR3-ANCA 陽性であった結核性中耳炎の 1 例
○山内智彦・横山秀二・小川 洋(福島県立医科大学会津医療センター)
症例は 65 歳男性。半年前からの左耳漏、難聴を訴え受診。鼓膜に発赤、腫脹、穿孔を認め、
耳漏と肉芽を伴っていた。純音聴力検査で 46.3dB の混合性難聴を認めた。側頭骨 CT で骨破
壊は認めず、中耳腔内から乳突蜂巣に充満する軟部組織陰影を認めた。採血では WBC7560、
CRP0.36、MPO-ANCA(-)、PR3-ANCA(+)だった。耳漏培養では CNS+、結核菌 PCR(+)で結核性中
耳炎と診断した。後に前医で QFT(+)であったと判明した。OMAAV を当初疑ったが、結核を除
外することの重要性を認識させられた。
9.中耳手術における顕微鏡下操作、内視鏡下操作について
〇小川 洋・山内智彦・横山秀二(福島県立医科大学会津医療センター)
会津医療センター開設以来およそ2年6か月が経過した。演者は、県立会津総合病院時代
から中耳手術において、内視鏡を使用してきたが、症例によって顕微鏡下操作、内視鏡下操
作の適、不適が明らかになってきた。現状における中耳手術においての顕微鏡操作、内視鏡
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捜査の割合を後方視的に評価し、手術手技に関して中耳手術における顕微鏡下、内視鏡下操
作に対しての方針について報告する。
10.顔面神経麻痺症例に対する顔面神経減荷術の経験
〇野本幸男・小林徹郎・垣野内 景・仲江川 雄太・大槻好史・今泉光雅・松井隆道・
大森孝一(福島県立医科大学)
顔面神経麻痺症例に対する顔面神経減荷術の有効性に関してはこれまで多くの報告がある。
また日本顔面神経研究会(現日本顔面神経学会)編纂の「顔面神経麻痺 診療の手引き」によ
ると、Bell 麻痺および Hunt 症候群高度麻痺症例において、ENoG 等にて予後不良とされた症
例に対する顔面神経減荷術は有効とされている。本発表では、当科で治療した顔面神経麻痺
症例について顔面神経減荷術を施行した症例を中心に報告する。
<指定演題>
(15:40~15:55)
座長 尾股 丈夫
「感染制御の基本 ~肺炎球菌・インフルエンザ菌の疫学もふまえて~」
Meiji Seika ファルマ㈱ サイエンティフィックサポートG
<特別講演>
(16:00~17:00)
中野 陽一郎
座長 大森 孝一
「人工聴覚器医療の現況」
宮崎大学医学部 感覚運動医学講座 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
教授 東野 哲也 先生
※ 専門医の方は学術集会参加報告票をご持参下さい。
※ 意見交換会を 17:10 より 3 階「安達太良Ⅱ」にて行います。
主催:日本耳鼻咽喉科学会福島県地方部会
共催:福島県耳鼻咽喉科医会・Meiji Seika ファルマ㈱
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