36_hyo01

亀井他 :在宅高齢者の転倒予防を目的とした Ho
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在宅高齢者の転倒予防 を目的 とした
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m 教育用教材の開発
亀井 智子1)
梶井 文子1)
糸井 和佳2)
小坂井留美3)
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要
旨〕
本報告 の 目的は,地域在住高齢者 の転倒予 防教 育 「
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」 で用 い
1
48
2
0
3号) を考案 した プロセス と特長 を
る教育用教材 (
転倒事故予 防教 育用住宅模 型 ,実用新 案登録第 3
示 し,本学老年看護学 らが主催す る転倒骨折予 防実践講座 での利用 の可能性 を検討す ることである。
1
) 聖路加看護大学 ・老年看護学 s
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) 国立長寿医療センター研究所 ・疫学研究部,ユヴァスキュラ大学 ・ジェロントロジーセンター Na
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月2
9日 受理
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6 聖路加看護大学紀要 No
.
3
62
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1
0
.
3
.
本学老年看護学が開催する転倒骨折予防実践講座 は,健康教育,お よび運動 プログラムを柱 とする 2時
間 ×4日間の講座であるが,これにおいて I
i
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W
を提供する際に使用する,1
/1
5縮小サイズの紙製ボー ド
の住宅模型 を考案 した。 この模型は玄関,台所,居間, トイレ,浴室等の間取 りで,部屋の境界部 には段
差 を設け,また必要なところに手す りがな く,床 にコー ド類が出ていることや,滑 り止めのないマ ッ トが
配置 してあるなど,高齢者が 自宅内においての転倒 を生 じるきっかけとなるものを配備 しているO
この模型 を用いた f
W
を受講 した高齢者計 3
9名 (
平均年齢 7
6
.
7歳 ∫D 7.
1
) による本住宅模型教材へ
の評価 を分析 した結果,全体的に評価 は高 く,今後 自宅の安全対策 に生か したい と評価 された。以上か ら,
本住宅模型教材は都市部高齢者の HHMPに用い得 ることがで きる教材であると示唆 されたO
〔キ ー ワー ズ〕地域在住高齢者,転倒予防教育,教育用教材開発,転倒事故予防教育用住宅模型,
自宅の安全教育プログラム
Ⅰ.は じめに
筆者 らは地域在住高齢者 を対象 として,転倒予防実践
Ⅱ.転倒 事故 予 防教 育 用住 宅模 型教 材 の概 要 と
特長
講座 (
以下,講座)を 2
0
0
5年度か ら継続的に提供 してい
本住宅模型の間取 りは,都市部居住 を想定 して考案 し
る1
)
2
)
。講座 では,高齢者の転倒予防 にとって必要 な知
た。模型の大 きさは 1
/
1
5倍縮小サイズ (
縦横約 7
0
c
m,
識 を向上するための健康教育,および歩 き方や身体バ ラ
高 さ2
5
c
m) とし,厚 さ 5
mm紙製ボー ドを用いて作成 し
ンス等 を向上するための運動 プログラムを取 り入れ,老
た。住宅模型 (
図 1) は,天井部 を開放 し,壁2あるい
年学医師,健康運動指導士,ボランティアとともに運営
は扉 3により仕切 られた居間4,台所 5,座敷 6,洗面所 7,
している。
l
で構成 している。 こ
トイレ8,風呂場 9,玄関10及び廊下I
これまでの健康教育では,転倒 に関する疫学,食事 と
れ らの各個別空間の境界部 には種 々の段差部1
2
を形成 し
栄養,フッ トケア (
実習含む) を行 って きたが,これら
ている。この段差部には着脱 自在に倣合する三角刷版ボー
に加 え,本学近隣地域 の転倒 の実態調査 の結果か ら,
ド模型 を配備 した。壁 には着脱 自在の手す りを配備。居
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ち,自宅の危険箇所 を高齢者 自身が理解 し,改善するた
間あるいは座敷にはコー ド付 き電化製品模型,座敷には
布団模型,雑誌, リモコンあるいは箱ティッシュ等の小
めの知識や実行力 を獲得する教育 プログラムを取 り入れ
物模型,これ らの布団模型あるいは小物模型 を収納する
ることの必要性 を報告 して きた3
)
。高齢者の自宅 には潜
ための収朗家具模型 を配備 しているO
在 的危険が存在 し,自宅内での転倒は虚弱高齢者 よりも
たとえば,図 1の居間4と台所 5の境界部には,ふす ま
元気 な高齢者 に多い といわれ l),そのため,高齢者が 自
あるいは扉 と敷居 を設けたOこの敷居 は床面 に対 して突
宅の生活環境の危険箇所 をチェック して,それ らの修正
起 しているため,段差12を形成 している。また,座敷 6に
を行 うことは転倒予防にとって意義のあることであると
は畳 を敷 き,隣接す る廊下Hとの境界部 に段差 を形成 し
考 える。 しか し,そのために適 した教育用教材 と有効性
ている。図 2Aは段差部12の一例 として,部屋 の入 り口
に関する報告は見当たらない。
にあるふすまや戸の敷居 を示す図である。 このような段
そこで,高齢者の自宅内においての転倒 を防 ぐ教育に
差は,部屋の境界がふすまや戸 で区切 られている住宅で
お い て用 い る ため の教 材 を考 案 し, これ を用 い た
は床 1。
に対 して突起 した構造であ り,高齢者 にとって室
Hf
I
MPを受けた高齢者か らの評価 を得 たので報告する。
内の小 さな段差 も危険な転倒原因となる。これに対 し,
このような段差部.,に市販の三角刷板 ボー ド.
.
を設置する
Ⅰ.開発 目的
0
ことで転倒事故 を防止する方法 を示 している (
図 2B)
この三角 ボー ド1
4
は,段差の高 さや長 さに応 じた種々の
高齢者 を対象 とした転倒骨折予防実践講座 において,
寸法のボー ドを用意 し, これ らを段差部.
2
に着脱するこ
HHMPを行 う際 に用 い る教育用教材 として,転倒事故
とにより段差 を解消で きることを教育者が説明 しなが ら
予防教育用住宅模型 を考案すること,また,これを用い
示す ことがで きる。
た HHMPを行い,高齢者 か らの評価 を受け,講座 内に
おいての利用可能性 を検討する。
の部分
図 3は住宅模型の洗面所 7, トイ レ8,風 呂場 ,
を示 しているが,風 呂場 9の入 り口には,床13との間に段
差部12を形成する。そこには三角刷板 ボー ド1
4
の代 わ りに
スノコ15等 を配置す ることで段差 を解消するよう説明す
亀井他 :在宅高齢者の転倒予防を目的 とした HomeHa
2a
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m教育用教材の開発
37
【
符号 の説明】
1
-転倒 事故 予防教育用住 宅模型
2-・
壁
3-扉
4-居 間
5-台所
6-・
座敷
7-洗面所
8- トイ レ
9-風 呂場
1
0・
・
・
玄関
l
l-廊下
1
2-段差部
1
3-床
1
4-三 角ボ ー ド
1
5- ス ノコ
1
6
-手 す り
2
8-収納棚
2
9-マ ッ ト
1
7- マ ジ ックテープ
31
・
・
・
ス トー ブ
1
8-階段
32-姿見
30・
-履物
1
9-テ レビ
33-植木
2
0-留具
21
-箪笥
2
2-電気 コタツ
3
4
・
-パ イプ式洋服 か け
3
5-洗濯機
36-椅 子
37-ベ ラ ンダ
23-座布 団
2
4-雑誌
2
5- リモ コン
2
6-箱 テ ィッシュ
3
8・
-物干 し竿
3
9-冷蔵庫
4
0
-流 し台
2
7
-布団
41
-食卓 テー ブル
図 1 幸云倒 事故予防教育用住 宅模 型鳥取図
図 2A 逃
構 造の一例 を示 す概 略図
部1
2の
図 2Bl
」
示 す概略図
状態 を
27
2
8 聖路加看護大学紀要 No.
3
62
0
1
0
.
3
.
1
7
1
6
図 3 図 1に示 した洗面所, トイレ,風呂場の拡大図
置 している。 これ らの小物が畳の上 に直接置かれている
ることがで きる。
また, トイ レ8の内部の壁 2 には, L字状の手す り16が
マジ ックテープ1
7
により着脱 自在 に配置 してある。 トイ
場合 ,転倒の原因となるため,これ らの模型 を用いて具
体的に注意 を喚起することがで きる。
レに座 った体勢か ら立ち上がるときにつかまりやすい手
8
を配置 した。布団も
座敷には,また,布団27と収納棚2
す りを比較 して説明することが可能 となる。 また,和式
畳の上に敷いたままでは贋いて転倒の原因 となるため,
便器 を提示 し,洋式便器 に交換することでよりトイレの
収納するよう説明することがで きる。
8に接する
安全性 を提案することもで きる。玄関10,階段.
。
のマ ッ ト2
,
,居 間の箪笥21やテ レビ 19,
洗面所 7や玄関.
壁 2にも,棒状あるいは L字状の手す り16がマジックテー
O
等の裏面には滑 り止めを貼付 し,それを提
台所 5の履物,
プ1
7
により,着脱 自在 に固定 している。
示することで転倒防止の指導 をすることがで きる。加 え
図 4Aお よび図 4Bは,廊下L
l
の一端 に着脱 自在 に配
て,台所 には,室内用の履物,
.
を複数配置する。履物 は
置 される傾斜角度の異 なる複階段.
8
_
日 8
_
2を示 しているO
滑 り止めだけでなく錘 を覆うものを選ぶほうがよいなど,
高齢者 にとって段差や傾斜角度の高い階段 は膿等 に負担
細かい注意点を確認で きる。
であるだけでな く,資 き転倒する原因となる。段差や傾
これ らの他,一般的な家庭 に置かれるような種々の家
斜の低いほうが好 ましいが,廊下1
1
に傾斜角度の小 さな
1
,姿見,
2,植木3
,
,
具類 ,例 えば,座敷 には,ス トーブ3
3
0度の傾斜角度を有する階段】
&
,
を設置するほうが図 4A,
パイプ式洋服かけ3
.
,台所 5には,冷蔵庫3
,
,流 し台.
0
,食
_
2よ りも勾配がな
図 4Bで示す 40度の傾斜角度の階段 18
卓テーブル t
l
,洗面所 7には,洗濯機35等の電化製品, ま
8を
だ らかであることを比較 し,段差 と傾斜 の低い階段】
には椅子3
6
,ベランダ3
,
には,物干 し竿。
8を配置
た,玄関1。
確認することがで きる。
した。
他方,図 1の居間。には,電源 コー ドが付いたテ レビ
.
,
本考案の転倒事故予防教育用住宅模型 により,模型 を
を配置 し, このコー ドは留具2
0
等で壁 2や床1
,
に固定 して
見なが ら,実際に家具や小物,手す りなどの模型に触れ,
いる。 このようにコー ド付 きの電化製品を配置すること
各場所で転倒の原因 となる箇所 を具体的に指摘で き,危
によって,コー ドが転倒原因にな り得 ると認識で きるよ
険性の認識 とその防止対策を理解することが可能 となる。
うにな り,市販 の留具2
0
を用いて固定するなどの対策 を
教育内容の理解 を深めるとともに,習得 した教育内容 も
実施するよう指導することがで きる。
比較的長期 にわたって記憶 にとどめることがで きるよう
,電気 コタツ2
2
,座布団2
3
あるいは雑
居 間には,箪笥2.
誌u,テ レビの リモ コン2
5
,箱 ティッシュ2
6
等の小物 を配
になる。
また,家具や小物,手す りなどの模型 に触れ,それ ら
亀井他 :在宅高齢者の転倒予防を目的としたHomeHa
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9
1
8
-1
図 4A 傾斜角度の小さい階段18- 1を廊下に配置 した状態を示す概略図
1
8
-2
饗
『
l
l
l
甘
l
図 4B 傾斜角度の大きい階段18- 2を廊下に配置 した状態を示す概略図
の位置を替えなが ら, より転倒 しに くい生活環境 に変化
運動 プログラム,第 4週は,健康観察,健康教育 「自宅
させるためのヒン トを提示することもで きる。 このよう
の安全チェック (
HHMP)
」,運動 プログラム,茶話会,
な模型 を用いなが ら,市販の各種の転倒予防の用具 とそ
修了証授与 とした。
の使用方法 も併せて説明することで,さらに具体的に各
HHMpは高齢者 7- 8名 を対象 とした小 グループ教
自の自宅においての対策 を検討することが可能 となる。
育の形式 を取 り,内容は,① 自宅の中の転倒危険箇所の
このように,本住宅模型教材 は,高齢者の家庭内にお
点検,②段差,マ ッ ト等敷物,照明,履物 など,本模型
ける転倒防止 に関 して広範な教育 を効率的に行 うことが
教材 を用いた転倒予防対策の詳細 な説明,(
参参加高齢者
で きる効果 を期待 して作成 し 「
転倒事故予防教育用住宅
が住宅模型教材 に触れなが ら,転倒危険箇所の修正演習,
模型」 と命名 した (
実用新案登録第 31
48
20
3号)
。
④段差解消器,滑 り止めマ ッ トなどの実物展示で構成 し,
30分で行えるもの とした。
Ⅳ.住宅模型教材 を用いた HHMPの内容
本模型教材 を用いた Hf
n4
Pは従来の講座 4週間中の
第 3・4週 に位置づけた。講座の内容は,表 1に示 した。
第 1過は問診,健康観察 と心身データの計測,健康教
Ⅴ.本模型教材 に関する参加者評価
本 模 型 教 材 の 有 効 に つ い て検 討 す る た め に ,
20
08-2009年鹿本講座参加者の うち HHMPを受けた計
育 「
転倒の発生 とその予防」
,健康運動指導士 による運
39名 (
平均年齢 76.
7歳 ∫D 7
.
1
)(
写真 l)を対象 として,
動 プログラム (
休憩 ・水分補給 を含む),弟 2過は,健
HHMP終了直後 に無記名 自記式 アンケー ト調査 を実施
康観察,健康教育 「
栄養 と食事」
,運動 プログラム,第 3
した。アンケー トの内容 は,本模型教材 自体 についての
週 は,健康観察,健康教育 「フッ トケア講義 と実習」,
評価 ,お よび本模型教材 を用いた HHMPによる自宅内
30 聖路加看護大学紀要
No
.
3
620
1
0
.
3
.
奉 1 転債骨折予防実践講座プログラムの内幸
第 1過
集 2週
・問診 (
放任歴.転e
f
屋.J
B
蔓
状況等)
・健康観象
・心身計漬
(
BNl
'
.曽貧農.開F
B片足立
・健康観秦
・健康教育
r
栄養と食■」
・運動プログラム
歩舌舌.スクエアステップ○
第 3週
第 4週
・健康観察
・健康観嚢
・健康故育
・健康故青
「
フットケアの方法講義 .
潤晋」
r
自宅の中の安全対韓(
HHMP)
」
・運動プログラム
・主動プログラム
マットt用いたス トレッチ等
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=きった上下政の王Q.
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6
港)第 3過日,集 4週日は対象者 を 2つの少人数クループに分割 し古 1つのグJ
L
・
-プに実施 し.翌温グJ
L
・
-7毛反転
のではないか と考 えられる。
また本住宅模型鼓材 を実鞍 に用 いた Ⅰ
ⅡnP では.高
瀬者の典味を引 き,自宅の転併危険箇所 を高齢者 自身が
示 しなが ら具体的な対兼 をその場で考 え,発言 してお り.
意園 した内容 の理解 を促す姓体になった と考 えられた。
参加者 による評価か らも自宅の安全対束の必要性 を理解
した とす る者 が ほ とん どで . 本 住 宅模 型 を用 い た
rLE
W
は自宅 内の東側危 阪箇所 の改善兼 を参加者 自身
が検討で きる横合 となっていた と考 えられた。
高齢者 を対象 とした催廉教育鼓材の開発 に関す る報告
写J
tl 転倒嘉故予防教育用住宅模型 を用いた Hα¶e
は少な く,此故することは困姓であるが.本堤型故材 は
Haz
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amの実施
少人数グループ汲育 によ り,高齢者が実際 に最塾に触れ
て学習で きる点がメリッ トであ り, これにより長押的に
脚
願
債の必要性の理解 についてを選択肢 にで.また本
掛
に関する意見 を自由記述で回答する構成 としたD
記憶 に残 るような教材 にな りえるのではないか と考 え ら
れる。
今後,高齢者 を対象 とした教育方法のさらなる工夫 を
なお.本能座 の実地 による車餌予防効果等 について検討
す ることや.安間穀雨杢他のデータ収集 については.本
行 うことも重要である。その上で本住宅模型教札
学研究倫理審査委月余の裏窓 を得て実施 した。その結果,
び これ を用いた HJ
W
「
模型が 自宅 と少 し類似 してい る」1
6名
いて検討す る必要がある。
(
4
1
.
0
%)
.「間
(
6
1
.
5
%).「わか り
(
97.
4
%)
.「自宅の舞 姫峯債
およ
の高齢者への転倒予 防効果 につ
4名
取 りや小道具類 は とて もよい」2
に くい ところはない」38名
7
4.
4%)であったD
の必要性が とて も理解で きた」29名 (
Ⅶ .結鴨
高齢者 の栃領事故予 防汲育用教材 として.1
/
1
5椿縮
また 自由記述 では.「とて もわか りやすい模型 で.今後
の安全対 乗 の春考 にしたい」8件
,「非常 にわか りやす
小サ イズ就製ボー ドの住宅模型故材 を開発 したDこれを
く細かい ところまで行 き届いている
」「マ ンシ ョンの よ
0
08-20
09年度転倒骨折予 防実践講座
用いた HHMPを 2
うな間取 りが よい と思 う」各 2件 などがあげられた (
秦
参加者 3
9名 に実施 し,参加高齢者 か らの評価 を受 けた
2)
B
括果.本住宅模型教材への評価 は高かった。
以上か ら.転倒事故予防住宅模型汲札
用いた HW
Ⅵ .考嚢
お よびこれを
は高給者 の転倒予 防教育 に利用可能であ
ることが示唆 された。
本住宅模型教材 は.都市部の居住 を意鼓 して考案 し,
高齢者が 日常生活で使 用する道具 など小物 も多数作成 し
て配備 した。模型 を見なか ら身近な生活軸
に潜む危険
性 に焦点を当てたため高齢者 自身が 自宅鞘
を想起する
ことがで き.自宅の安全対兼 を具体的にイメージで きた
畿
辞
世群事故予防教育用住宅模塾 の臭用新案登録に際 して.
聖港加看覆大学発明重点会 にご支堤 をいただきましたこ
とに凍射 します。
亀井他 :在宅高齢者の転倒予防を目的としたHo
meHa
2
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m教育用教材の開発 31
表 2 HHMPを受 けた高齢者 による転倒事故予防教育用住宅模型への評価
項
回
目
1.住宅模型 は自宅 と類似 していたか
答
N=3
9
回答音数 (
割合%)
全
少
あまり
どちらでもない
とても類似
く
し類似
似似
ていない
ていない
l
1
1
0
6
1
l(2
(
(2
4
2
5
8
1
.
6
.
0
2
6
)
)
2
全
少
あまり良
どち
く良
し良い
らでもない
くない
くない
と
ても
良い
2
1
4
0
3
2(
(
(7
(
6
2
5
1
.
7
6
5
1
)
3.住宅模型 でわかりに くいところ
ある
わか らない
ない
3
8
1(
(2
9
7.
4
6)
4.住宅模型 による説明で自身の自宅の環境整備の必要性が理
とても理解 できた
29 (
7
4.
4)
全
少
あまり理解
どちらでもない
く
し理解 できた
できなかった
できなかった
9
1(
(2
2
3
.
6
.
1
)
)
.住宅模型の間取り,小道具類は良いか
解 できたか
5.模型教材等への意見 (自由記載)
・とてもわかりやすい模型で,今後の自宅の安全対策の参考に したい (8件)
・非常にわかりやす く.細 かいところまでよ く注意が行 き届いていると思 った (2件)
・注意すべきことがわかった
・身近に自宅の安全対策の,
必要性 を感 じることができた
・新聞や本 を置放 しにせず, きちん と整理 するように したい
・大変 よ くできていて.楽 しく学ぶことができた
・建築関係 をまったく知 らない人が一生懸命勉強 したと思 う
・良い勉強になった○早速対策用具 を購入 して安全 に努めます
・気 をつ けて生活 したい と思 いま した
・良いグッズがた くさんあるので良かつた
・紹介 してもらった用具で買いに行 きたい と思 うものがあったo どこで販売 しているかも紹介 して くださり,熱意の ほどが
感 じられた
・必要に応 じて自宅 を改善 したい
・マンションのような間取 りがよい と思 う (
2件)
・手す りは取 り付 けられない壁面があるので注意
・改良する箇所 は多 くあるが,便所の実行 は難 しい
HHMPの実施 にあ た って は 日本学術 振 興 会 科 学研 究
2007
,7
48
4.
都 市型 地域 にお け る地
費補 助金 基 盤研 究 C研 究課 題 「
2)亀井智子 ,梶 井文子 , 山田艶子 ,川上千春 ,杉本知
域住 民 と大学 の協働 に よる認知症 ・転倒予 防の継続評価
子.看 護大学 の ア ウ トリーチ実践 に よる都 市 部在 住 高
研 究」 (
平成 20年 度研 究代 表者
齢者 のための転倒骨折予 防体操教室 の短期 的効果 とイ
新 野直 明), お よび平
成 20年度聖蕗加 テルモ共 同研 究事業 に よ り行 った。
ンパ ク ト 第 2
7回 日本看 護科 学 学会 学術 集会 講演 集.
2
007
,400.
参考文献
3)亀井智子 ,梶 井文子 ,糸井和佐 , 山田艶子 ,新 野直
転 倒 事 故予 防教 育用 住 宅模 型 実用新 案登 録 願 ,208年
明.
都 市 部在 住 高齢 者 にお け る転 倒 発 生場 所 の現 状 か
1
1月 21日.
らみ た転倒 予 防教 育 プログラムの検討 一東京都 中央 区
引用文献
2町の調査 か ら-,聖路加看護大学妃象 35
,209,5
2-
1)亀井智子 ,梶 井文子 ,山田艶子 ,川上千春 ,久代劫
6
0.
加 子 ,杉 本知子 ,大蔵倫博 ,小坂 井留 美 ,新 野直 P
B.
4) I
・
or
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R.
,Me
ns H B.
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he
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on C,Home
都 市部 に居住 す る高齢者 の ための転倒骨折予 防 ア ウ ト
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リーチ プ ログ ラムの実践一
市 民 主導型 介 護予 防 をめ ざ
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55
1
hee
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Bc
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した プログ ラム開発 と評価 .聖路加 看護大 学紀 要.3
3,
並59
,2006,35
S
2.