弁当等の行商が許可制に

(1)第 240 号 指導員だより 食品衛生自治指導員 平成 27 年 10 月1日号
指導員だより
弁当等の行商が許可制に
することができましたが、衛生管
「行商届」を提出することで営業
業等取締条例に基づき、保健所に
については、これまでは食品製造
人力により移行しながら「弁当
類及びそう菜類を販売する行商」
とができます。
月三十一日まで当該営業を営むこ
行商の届出をした者は、同年十二
※平成二十七年九月三十日までに
が必要になりました。
売業」の営業許可を取得すること
七年十月一日から「弁当等人力販
を販売する「行商」は、平成二十
なりません。
許可済証の交付申請をしなければ
に従事する者は、許可設備ごとに
・弁当等人力販売業者として販売
す。
・営業許可の有効期間は五年で
合は営業許可書が交付されます。
準に適合していると認められた場
設備要件
なし
あり(保冷容器や温度計等)
食品衛生責任者の設置
設置義務なし
許可設備ごとに販売に従事
する者
Ⅱ「 弁 当 等 人 力 販 売 業 」 の
基準の概要
Ⅲ菓子等の行商について
の全てを順守する義務がありま
い る も の を 除 く。) 及 び そ の 加 工
イスクリーム類、魚介類(生きて
が必要になりましたが、菓子、ア
弁当類及びそう菜類については
「弁当等人力販売業」の営業許可
す。
ついては、これまで通り保健所に
基準は大きく分けて設備と取扱
いとに分かれます。これらの基準
表2にその主な事項を紹介して
います。
ことができます。
行商届を提出することで営業する
品、豆腐及びその加工品の行商に
詳細については最寄りの保健所
にお問い合わせください。
新たに107人を養成
らない講習会とされ、現在は、地
薦により、必ず受講しなければな
食品衛生自治指導員養成講習会開く
平成二十七年度の食品衛生自治
指 導 員 養 成 講 習 会 が、 九 月 八 日
域食協等で食品衛生自治指導員の
・弁当類及びそう菜類の行商に際して食品の調理又は加工をしてはならない。
・運搬容器は、洗浄及び消毒又は殺菌を行い、常に清潔に保つこと。
・運搬用具及び容器を使用しない場合は、所定の場所に衛生的に保管すること。
・食品の運搬、販売等の各過程において、保存の温度及び時間については、当該食品の特性、
消費期限又は賞味期限、製造加工の方法、保存方法、包装形態等に応じて適正に管理す
ること。
・衛生管理が不適当なため、又は売れ残ったために飲食に供することができなくなった食
品は、販売がされることのないよう、速やかに処理すること。
・長時間不適切な温度で販売し、又は直射日光にさらすことのないよう衛生管理に注意す
ること。
・運搬容器から食品を取り出して、陳列して販売しないこと。
・運搬容器の蓋の開閉は最小限にとどめ、適宜保冷剤を使用するなど、温度管理に留意す
ること。
・食品の収納に当たっては、十分放冷した後に収納すること。
・運搬容器内では、相互汚染が生じない方法で保存すること。
・容器包装に入れられた食品は、仕入れた状態のまま販売すること。
なられる方は各地域食協会長の推
( 火 ) 立 川 商 工 会 議 所 で、 ま た 九
退任や転出等による欠員補充と指
き は、 直 ち に そ の 事 由 を 記 載 し、
に従事する者は、営業するときは、
月十一日(金)食品衛生センター
導活動の活性化を図る目的で毎
2取扱方法等の基準
www.toshoku.or.jp
「弁当等人力販売業」の許可が必要です
理を確実に向上させるため、平成
許可制
・許可済証を亡失又はき損したと
二十七年三月三十一日に同条例を
届出制
Ⅰ「 弁 当 等 人 力 販 売 業 」 の
営業許可
可済証を添え、許可済証の再交付
許可済証を見やすい箇所に携行し
で そ れ ぞ れ 開 催 さ れ、 合 わ せ て
運搬容器
・取扱数量に応じた十分な容量があること。
・直射日光を遮るよう、遮光性を有すること。
・断熱材を使用する等、外気温や道路の照り返しなどの影響を受けな
い構造のものであること。
・運搬容器内は、金属、合成樹脂等の不浸透性材料で作られ、かつ
容易に洗浄のできる構造であること。
・完全に密閉できる蓋を有すること。
改正し、保冷容器及び温度計等の
制 度
申請し、き損したときは、その許
を受けなければなりません。
百七名の方々が受講されました。
年、特別区及び多摩地区で開催し
ています。
当初は数日間にわたり三十五時
間で実施されておりましたが、そ
始されました。
した。
の方法の四科目の講義が行われま
法規・食品衛生学・現場簡易検査
両会場とも午前十時から午後四
時まで、指導活動に必要な知識の
本年度は107名が受講
の後設置要綱や推薦基準の改正等
すよう改めてお願いいたします。
回指導活動を展開してくださいま
理体制の確立に向けて、一層の巡
また、食品衛生自治指導員の皆
様には、更なる食品衛生の自主管
いいたします。
動に当たっての指導・助言をお願
には、これまでの経験を基に、活
品衛生自治指導員が委嘱された際
すでに自治指導員として活躍さ
れている方々は、今後、新たな食
先輩自治指導員は指導・助言を
れました。
了後、受講者には修了証が交付さ
八十名の方が受講され、講習会終
修得のため、指導員の役割・衛生
を経て、昭和六十一年に一日の講
立 川 会 場 で は 二 十 七 名 の 方 が、
また食品衛生センター会場では
食品衛生センターで開かれた講習会(9月 11 日)
これから食品衛生自治指導員に
習に変更されました。
伴い、翌昭和二十七年三月から開
この講習会は昭和二十六年四月
の食品衛生自治指導員制度創設に
養成講習会の概要
なければなりません。
・人力により移動できる機能を有し、清掃しやすい構造であること。
・運搬容器、温度計及び消毒用薬品を入れた容器を収容することが
できるものであること。
設備や食品衛生責任者の設置等を
【新】
弁当等人力販売業
食品製造業
等取締条例
を改正
・弁当等人力販売業者として販売
運搬用具
義 務 付 け る「 弁 当 等 人 力 販 売 業 」
【旧】
行商(弁当類及びそう菜類)
印刷物規格表
第 1 類印刷番号(26)63
東食協ホームページ
☎ 03-3404-0121 〒150-0001
の 規 定 の 整 備 を 行 い ま し た。( 表
変更事項
営業許可は主たる営業地を管轄
する保健所に申請します。
1設備の基準
「弁当等人力販売業」の設備基
表2「弁当等人力販売業」の基準(主なもの)
1参照)
表1 主な変更点
このため、弁当類及びそう菜類
・手指を消毒するため、消毒用薬品を入れた容器を使用に便利な箇所
に備えること。
手指の消毒設備
・運搬容器内の見やすい箇所に、温度計を備えること。
温度計
食品安全情報サイト 食品衛生の窓 www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin
発行: 東京都
東京都渋谷区神宮前 2-6-1
編集: 一般社団法人東京都食品衛生協会
第 240 号
(2)第 240 号 指導員だより 食品衛生自治指導員 平成 27 年 10 月1日号
新型ノロウイルス大流行のおそれ
国立感染症研究所が注視
②処理する人は手袋とマスク、エプ
にします。
①処理する人以外は近づかないよう
消毒をしましょう。
ウイルスが残らないように、確実に
おう吐物やふん便を処理する人自
身が感染しないように、また、ノロ
おう吐物・ふん便の適切な
処理方法
い。
いす等も清潔に掃除をしてくださ
は 毎 日 換 え て、 浴 槽、 床、 洗 面 器、
ずおしりをよく洗います。風呂の水
後にし、風呂の湯につかる前に、ま
⑤下痢をしている人の入浴は一番最
消 毒 し た 後、 他 の 衣 類 と 分 け て、
最後に洗濯してください。
漂白剤)で消毒します。
一分以上、熱湯消毒するか、〇・〇
ロン等を着用します。
使ったタオルやバスタオルを他の
家族が使わないようにしましょう。
二%次亜塩素酸ナトリウム(塩素系
③汚物(おう吐物・ふん便)は、布
やペーパータオル等で外側から内側
例年より早く、また、大流行になる
について図示しました。これによる
ウイルス)による食中毒の発生状況
成十四年以前については、小型球形
平成十年から本年九月十五日まで
の、都内で発生したノロウイルス(平
特にノロウイルス等のウイルス性
の食中毒は、十一月から増加し始め、
ています。
なっており、季節によって二極化し
ルス性の食中毒の発生件数が優位と
②食器類がおう吐物で汚染された場
し、外出後の手洗いを徹底する。
⑦手袋は、付着した汚物が飛び散ら
ます。
消毒後、他の衣類と区別して洗濯し
ですが、再使用する場合は、適切に
⑥使用した着衣は、廃棄が望ましい
で覆うか、浸すようにふきます。
しみこませた布やペーパータオル等
を〇・一%次亜塩素酸ナトリウムを
⑤汚物が付着していた床とその周囲
します。
は、すぐにビニール袋に入れ、処分
④使用した布やペーパータオル等
ら静かにぬぐい取ります。
以内に回復します。
等の症状が現れます。通常、三日間
感染後、二十四時間から四十八時
間で、吐き気、おう吐、下痢、発熱
◇症状
出は、感染後、一週間程度続きます。
ルスが増えます。ノロウイルスの排
量で人に感染し、人の腸管内でウイ
感染力が非常に強く、百個以下の少
を 中 心 に、 一 年 中 発 生 し て い ま す。
ノロウイルスは食中毒や感染症の
原因になるウイルスで、特に、冬季
◇特徴
平成二十七年三月)の平均発生件数
のではないか、
と予 想 さ れ て い ま す 。
と、ノロウイルスによる食中毒には
十二月及び一月に最多発生する傾向
カキを原因食としたケースが報告さ
合は、調理場の外で消毒してから調
ないよう、表面を包み込むように裏
を図示しました。
これは、国立感染症研究所等が調査
増加傾向が見られます。発生件数は
があります。
れていましたが、最近では調理従事
理場へ戻す。
生を防止しましょう。
を行ったところ、本年の年明け以降
平成二十二年には過去最多の六十八
た だ し、 今 シ ー ズ ン に つ い て は、
ノロウイルス食中毒の発生時期が早
者由来とされる事例が約七割を占め
③お店のトイレ等を掃除する際に
なお、子供や高齢者は、症状が重
くなることがあります。下痢やおう
◉年次別のノロウイルス食中毒発生
の感染性胃腸炎の患者から、これま
件、次いで平成二十四年に五十九件
まるのではないか、と言われていま
ています。これは、下痢などの症状
返して外します。手袋は、使った布
例年、十一月頃から感染性胃腸炎
の流行があり、その後、ノロウイル
で免疫のない新たなタイプのノロウ
でした。その後、平成二十五年及び
す。
があるにもかかわらず調理作業に従
やペーパータオル等と同じようにビ
ノロウイルスの基本情報
イルスが多く検出されたことによる
二十六年には減少しましたが、本年
◉ノロウイルス食中毒の発生要因に
は、感染しないよう十分に注意する
吐で脱水症状になりますので、水分
に向けて、汚れた面を折り込みなが
ものです(詳細については、《解説》
になって急激に増加して、九月十五
ついて(図3)
事したり、ノロウイルスに感染して
と栄養の補給が必要です。症状がひ
四月から十一月までは、細菌性の
食中毒、十一月から三月まではウイ
をご参照ください)。
日までに四十八件発生しており、こ
も発症しない「不顕性感染」した調 ( お う 吐 物・ ふ ん 便 の 適 切 な 処 理 の
ニール袋に入れ、処分します。
どい場合には、医療機関で輸液を行
状況(図1)
ま た、 こ の 新 型 ノ ロ ウ イ ル ス は、
医療機関等で使用されているノロウ
れから多発期を迎える前に、昨年及
最近五年間(平成二十二年から二
十六年まで)のノロウイルス食中毒
方法は、別掲のとおりです)
。
⑧最後に、石けんを使用して、十分
ス食中毒の多発期を迎えます。今季
イルスの簡易検査キットでは、検出
び一昨年の発生件数を大きく超えて
理従事者が、手洗い等の不良で、食
④家庭における調理の際や、家族が
については、ノロウイルスの流行が
されない例があるとの報告もありま
しまいました。
の発生要因の割合について図示しま
品を汚染して食中毒に至る事例が増
ノロウイルスは、冬季に多発する感染性胃腸炎の主要な病原体です。
このウイルスには五つの遺伝子群があり、
ヒトに感染するのはGⅠ、
Ⅱ、Ⅳです。さらに、GⅠは九種類、GⅡは二十二種類の遺伝子型
に分類され、それぞれの遺伝子型は抗原性も互いに異なります。
すので、検便検査でノロウイルスが
◉月別・病因物質別の食中毒発生状
した。
人が増え、大流行になる可能性があります。
遺伝子の変異によって新たなタイプのウイルスが出現してくると、ヒ
トがそれまでに獲得した免疫が役に立たなくなるため、これに感染する
わかりました。
これまで、ノロウイルスの流行の主流は「GⅡ 四
・ 」というタイプの
遺伝子型でしたが、今年になって「GⅡ 十
・ 七」という遺伝子型が急激
陰性でも必ずしも安心できません。
況(図2)
に増え、詳しい検査の結果、さらに一部の遺伝子が変異していることが
食品を取り扱う皆様におかれまし
て は、 こ の よ う な 状 況 に お い て も、
に手洗いを行います。
事者自身が感染しないよう注意しま
の症状がある場合には、調理作業に
ている可能性があります。下痢など
食中毒を引き起こす病原体に感染し
吐き気、おう吐、下痢などの症状
がある場合には、ノロウイルスなど
理作業に従事しない
◉下痢などの症状がある場合は、調
しょう。
とした感染防止対策に取り組みま
ないよう、日頃から食生活をはじめ
調理従事者は、手洗いの徹底とと
もに、自らがノロウイルスに感染し
努める。
◉日頃からノロウイルス感染予防に
次亜塩素酸ナトリウムで消毒してか
で十分に殺菌するか、〇・〇二%の
具、シンク等は十分に洗浄し、熱湯
④二枚貝の調理に使用した調理器
秒間以上加熱する。
ある食品は、八十五~九十℃で九十
など、ノロウイルス汚染のおそれが
③二枚貝(カキ、アサリ、シジミ等)
て手袋を使用し、適宜、交換する。
②食品の盛付け作業時には、使い捨
三〇秒間を目安に二回行います。
は大幅に減少します。
こすり洗いは、
水で洗い流すことにより、ウイルス
石けんを使い、
十分にこすり洗いし、
①手洗いは食中毒予防の基本です。
◉調理場等での対策
汚染しないようにします。
八十五℃、
衣類をビニール袋等に入れ、周囲を
④ 汚 物 が 衣 類 に つ い て し ま っ た ら、
の方法は、別掲のとおりです)
。
う(おう吐物・ふん便の適切な処理
感染しないよう十分に注意しましょ
③家族が下痢、
おう吐をしたときは、
パータオルを使用しましょう。
せず、
個人ごとに専用とするか、
ペー
②手洗い後に使用するタオルは共用
①適切な手洗いを行います。
適切に対応しましょう。
また、家族がノロウイルスに感染
した場合には、次のことに注意して
う。
家庭での調理においても、お店で
の食中毒予防と同様に対応しましょ
染します。
ウイルスが、口から取り込まれて感
たウイルスや不適切な処理で残った
ノロウイルスを含むふん便やおう
吐物を処理した際などに、手につい
感染経路③(食中毒ではない)
染します。
に汚染され、この食品を食べると感
品を調理した場合、食品がウイルス
ノロウイルスに感染した人がトイ
レの後などに十分に手を洗わずに食
感染経路②(食中毒)
毒になる危険性があります。
ふん便中のノロウイルスが河川を
経て海に流れ、
二枚貝に蓄積します。
ります。
は従事しないで下さい。
ら他の食品の調理に使用する。
ノロウイルス食中毒の防止対策
◇主な感染経路
◉従事者の感染予防
これを生や加熱不足で食べると食中
感染経路①(食中毒)
①食生活では、二枚貝の生食に注意
別掲のとおりです)
。
家庭におけるノロウイルス
しょう
(具体的な感染予防の方法は、 感染予防対策について
うなどの治療が必要になることもあ
ノロウイルスに感染した場合にも従
解説
えたことなどが考えられます。
基本的な対策を確実に実行すること
図3 ノロウイルス食中毒の発生要因について(5年間)
ノロウイルスによる食中毒の発生
要因には、二枚貝の関与が強く、生
図2 月別・病因物質別の食中毒発生状況(10 年間平均)
月別の病因物質別発生状況につい
て、過去十年分(平成十七年四月~
で、ノロウイルスによる食中毒の発
図1 年次別のノロウイルス食中毒発生状況