複数の開口を有する室における風の乱れによる換気量算定 大阪市立大学工学部建築学科建築環境工学研究室 藤田 拓也 背景と目的 実際には換気量は 0 にはならず、 風力換気による換気量の算定式 風の乱れによる換気が行われている ! 風圧係数差が 0 となる複数開口を 有する室の場合 ... ≒ :換気量 [ ㎥ /s] しかし! :流量係数 [-] Q≒0 :開口面積 [ ㎡ ] :風速 [m/s] :風圧係数 [s] ~ 風の乱れによる換気メカニズム ~ ■混合 ■本研究の目的 ■脈動 対面開口で微小な風圧係数差を持つ室の換気量の算定方法の確立を目的とし、 瞬時の風圧係数差 瞬時の気流場を解析できる LES における CFD 解析を行った。 による通風現象 一つの開口部で 流入・流出が同 時に起こる現象 本研究では一般式とは異なる換気量評価方法を用い、風圧係数差と換気量の 関係について一般式との比較をした。 解析結果 解析対象 Particle Residence Time[s] ■室モデル 一辺 200mm の立方体。開口面積は 40™ 40mm, 壁厚は 2mm。 対面する 2 開口に横風がアプローチ。 ~ 開口条件 ~ 90 80 800 Case2 ΔCp=0.060 ΔCp=0.103 -0.842 40 80 -0.800 20 40 80 200 1 ΔCp=0.148 100 X Z 140 -0.755 40 60 Case5 ΔCp=0.274 -0.629 40 40 120 ■室内濃度と PFR の時間変動 Case0 4.E+07 -0.493 40 20 3.E+07 室内濃度(予測値) 2.E+07 0.E+00 PFR( 予測値) 0.002 換気回数n=0.227 200 Z 2,000 400 200 400 解析方法 Case3 0.01 0.006 0.004 2.E+07 1.E+07 0.002 5.E+06 0.E+00 換気回数n=0.225 換気回数n=0.291 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10111213141516171819 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10111213141516171819 Main Calculation Time[s] Main Calculation Time[s] 換気回数n=0.340 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10111213141516171819 0 Main Calculation Time[s] ■風圧係数差と換気量の関係 一般式には流量係数α=0.6, 風速 V=7.40( 基準 通気量 0.0035 動圧測定高さ 200mm でのアプローチフロー ) 0.003 0.0025 Case5 0.002 Case0 Case1 0.001 を代入。 Case4 Case3 Case2 0.0015 PFR 風圧係数差が 0.1 を超えると換気量が一般式に 一般式 概ね一致。 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 ΔCp[-] 室モデル内の 27 点から Particle を発生させ、室内汚染質濃 ■右側開口部からの流入率 度予測式を用いて解析から得られた室内粒子濃度の時間変 ( ):室内濃度 [ 個 / ㎥ ] 化に最も近い換気回数 n を探し出し、PFR を求めた。 :単位時間当たり対象領域内で発生する粒子量 [ 個 /s] 90 Y=166mm Inflow Ratio[%] ~PFR とは ?~ 濃度をベースとした換気量算定式 6Case とも右側開口部の方が風圧係数が大きい 100 :換気回数 [ 回 ] :室容積 [ ㎥ ] :経過時間 [s] 粒子発生点 Y=33mm Case5 Case4 0.008 0 Z 0 Main Calculation Time[s] 2.E+07 ■Purging Flow Rate(PFR) Y=100mm 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10111213141516171819 3.E+07 0.0005 X Main Calculation Time[s] 3.E+07 Ventilaion Volume [㎥/s] 法 換気量評価方 Y 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10111213141516171819 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10111213141516171819 0.004 SKE LES 助走計算 LES 本計算 換気回数n=0.178 換気回数n=0.195 Main Calculation Time[s] Number Concentration[/ ㎥] 800 Model Floor X 1,000 Y Model 200 Y 0.004 PFR( 解析値) 1.E+07 PFR[ ㎥/s] Outlet (Gauge Pressure) 0.006 室内濃度(解析値) 2.E+07 4.E+07 Inlet (Velocity Profile) 0.01 0.008 3.E+07 4.E+07 Ceiling Case2 Case1 5.E+06 ΔCp=0.410 140 X Z PFR[㎥/s] Case4 Case3 0 20 0 Case1 2,0 0 ,00 40 -0.842 40 80 100 4.E+07 ΔCp=0.014 Z 0 40 X Z 00 X 20 60 -0.903 Case1~5 固定 Case0 Y 0 90 -0.856 1/5 べき乗則の風速が流入。 40 40 Number Concentration[/ ㎥] ■流入境界 Velocity Magnitude[m/s] ■ ≪風洞実験を想定した CFD 解析≫ 本計算開始 1s 経過 (Case0) ので、風圧係数差が大きくなるとともに右側開 Case5 80 Case3 Case1 60 50 Case0 40 口部からの流入率が大きくなると予想。 Case4 70 0 Case2 が予想に反した。 Case2 0.1 考えられる原因として、開口部を風上寄りに配 0.2 0.3 ΔCp[-] 0.4 0.5 置し、風の剥離内の乱れの影響を受けた? :単位時間当たり対象領域内で発生する粒子量 [ 個 /s] ■通気量 :対象領域内平均濃度 [ 個 / ㎥ ] 開口部に垂直に流入出する風速を各開口部 64 点で測定し、 ・開口面積が 40™ 40 開口部 時間平均 測定点 Y 室内粒子量多 室内粒子量少 換気量小 換気量大 X 5 瞬時の通気量 まとめと今後 ~定常時~ 5 その値から算出した風量の平均値を換気量とした。 40 40mm の場合、風圧係数差が 0.1 を超えると換気量が一般式の値と 概ね一致する。 ・換気量は風圧係数差だけでなく、風の剥離の影響も考慮する必要がある。 Z ・開口面積を 20™ 20mm,80™ 80mm に変えた場合の換気量の評価。 ・左右対称の対面配置で、風上・風下寄りに配置し、風の剥離を考慮した解析。
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