どうなる - 日本オーディオブック制作社協会

どうなる、日本のオーディオブック業界
~黒船、Audible の本格参入~
日本オーディオブック制作社協会
平成 27 年 7 月 15 日
2015 年 7 月 14 日、何の前触れも無く、黒船が日本のオーディオブック市場に参入をし
ました。名前は「オーディブル」、世界最大手のオーディオブック制作・販売会社です。
Amazon.co.jp 及び Audible のサイトを見ると、法人としてはアマゾンジャパンの一事業部
として、日本の市場に参入するみたいです。
サービス内容としては、蔵書数は不明ですが、定額配信サービス(1500 円)を主体に事
業展開をするみたいです。オーディブルが日本に参入する 1 週間前に NHK のクローズア
ップ現代で音楽業界での印税の話を放送していました。クローズアップ現代の発表による
と、CD(恐らくシングル)一枚あたりが 100 円、ダウンロード(257 円)が 10 円、ストリ
ーミングは 0.1 円と報じていました。
オーディオブックも価格帯は CD とさほど変わらないと思うので、これを当てはめると
なると、1 ストリーミング 0.1 円の印税が入ります。オーディオブックの制作は品質に拘ら
ずに作れば、1 冊 100 万円(300 ページ程度の小説の場合)の製作費用がかかるので、スト
リーミングでオーディブルに収めるとなると、単純計算で 1000 万回の再生が必要になりま
す。さすがに、この数字は無理がありますし、ベストセラーでも無理だと思います。
当協会としては、市場が暖まるまではダウンロードを推し、コンテンツが増えてからスト
リーミングにするべきと思います。しかしながら、オーディブルはあくまで一制作・販売会
社であり、海外では伸びていますが、必ずしも日本で伸びるとは限りません。しかし、競合
があるかと言われれば、競合も厳しい気はします。
単価の確保となると、インターネット配信は排除して、CD や DVD で販売する方が市場
を伸ばす気はします。現時点では新規参入が見込めず、尻すぼみになる予感がします。
以上